KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2020.08.19.20 瓶ケ森

2020年08月21日 | 四国の山
土小屋のモンベルで冷えたビールを仕入れることができて

先ほどの手箱山での意気消沈から、ルンルン気分んで瓶ケ森駐車場まで車を走らせた。

駐車場に着くころにはガスが流れ始め日差しを遮ってくれているとは言え、車を降りると

喉の渇きが半端なく、たまらず先ほど買ったビールを一本開けてグビグビと飲む。

いつもなら家に着くまでお預けだか、今日はもう運転もしなくていいので・・・・遠慮なく。

先ほどまで担いでいた小さめのザックから今回購入した48Lのザックに少し荷物を移し、

車の中に置いていた2Lのペットボトルからウォターキャリアに水を移し替えた。







駐車場から第一キャンプ場までは850mほどだが、さっきのザックと比べると、

肩にずっしりとザックの重みがのしかかってくる。テント泊の一泊となると

もう少し大きめの55Lほどの容量が適当だが、年に何回泊まるか分からないテント泊よりは

小屋泊や普段でも使えない事もないワンサイズ小さめのザックにしてみたのだが、

やはりザックの中は一杯いっぱいで、縦走に使うならもう少し道具選びを考える必要がありそうだ。













青空が所々で顔を覗かせているが、それでも圧倒的に雲の量の方が多い。

今夜の星空は期待できそうもないが、星空モードでの撮影ができなくなった今、

諦めがついてはいるので、残るはテント場でのビール三昧!










瓶ケ森避難小屋までの道も今までになく笹の勢いが強く、太ももの辺りが濡れてくる。

古くなってボロボロな感じの避難小屋はその横に新しく小さめの小屋が建てられていた。

そしてバイオトイレなる真新しい建物もできていた。










避難小屋から第一キャンプ場での道も笹で覆われ、せっかく乾いたズボンもテント場に着くときには

もうずぶ濡れになっていた。








少し前に譲ってもらった初めて使うモンベルのステラリッジ2だが、スムーズに設営ができ

今夜のお宿は準備万端。後は・・・・・・・・呑むだけ!










テントの中で濡れた靴下を履き替え室内から外を見ると、刻々と空の様子が移り変わって行く。

陽が落ち始めると鳥の鳴く声も聞こえず、周りを飛んでいた虫も静まりかえり始めた。







他にはテント場に今日は停まっている人の姿もなく、ただただ静けさの中独り佇んでいる。

日頃暮らしている雑踏の街中とは全く違うテント泊ならではの世界。




陽が落ち始めると足早に周りは全く灯のない暗闇になった。




最初は寝袋も出さずに横になっていたが、次第に足元が冷え始め(濡れた靴下をそのまま履いていたので)

日を跨ぐ頃寝袋を取り出し中に入った。枕を変えると寝付けないとよく言うが、やはり熟睡はできず

ウトウトした状態がずっと続く。その内ふと思い出し、テントのファスナーを開けて外を見ると、

頭上には満天の星空が広がっている。星の数ほどとはよく言うが、まさしく夜空を埋め尽くす

星・ が輝いている。

一応試しにもう一台のコンデジの感度をあげて撮ってみるが、感動している気持ちを

現わすこともことはできないイマイチの写真しか撮れない。







久しぶりに見た本物の星空を目に焼き付けてまた寝袋に入ると、次に目を開けた時には

外が随分と明るくなっていた。『しまった!』と思いながら身支度をして

御来光を見るために女山を目指して登って行く。振り返ると石鎚山も見え始め、

女山の山頂の向こうが曙色に染まり初め、その東の空に向かって飛行機雲が流れていっている。







山頂に着くと一眼レフを構えた男性が一人。『遅かったですか?』と尋ねると

『今、昇ったばかりだよ!』と言ってくれた。








御来光に手を合わせていると、さっきの飛行機雲が空から落ちて、吸い込まれるように

渦を巻いて輝いている。何とも言えない神秘的な初めて目にする風景だ。




その朝日に照らされ始めた石鎚山のモルゲンロート。

南には雲海の中を峰々が連なっている。







先日やっさんがFBにアップしていたプレートを挟んで朝日を撮ってみる。







陽が一旦登り始めると周りの景色は足早に明るさを増してくる。

石鎚山の北壁には、この女山の影がくっきりと見え始め

笹原の奥の男山の向こうには、昨日歩いた石黒山から手箱山まで稜線も陽に照らされている。







テント場まで戻るとやはり笹の朝露でまたズボンが濡れた。

もちろんテントのフライシートもテントも濡れている。

朝露と言うよりは夜中にはもう周りは濡れていたので夜露になるのだろう。




テント泊は設営よりも撤収がめんどくさい。特に濡れてしまったテントは乾くまで待っていられない。

中のマットや寝袋も少し濡れたヶ所があるが、取りあえずは折りたたんでしまうのだが、

膨らんだマットや寝袋は狭いテントの中の空間では思うようにいかない。

(家に戻って乾かし平らな床の上で仕舞いなおすと案外スムーズに収まった)


予想以上に撤収に時間のかかったテント泊だったが、これは何度か繰り返して慣れるしかない。

今回は一泊だったので何とでもなったが、これが縦走で連泊となると

熟練度がますます必要になってくる。山小屋泊ならテントも必要なく、食事も用意されているが

ほとんどの山小屋ではシーズン中は大勢の人で混雑する。荷物と手間は増えるが独りの空間と

自然のど真ん中を謳歌できるテント泊とは一長一短がある。今回ひとまず練習もできた事だし、

これからの山行での選択肢のひとつとなった。(とは言え休みが取れればの話だが)


帰り道バイオトイレを覗いてみると中はとても清潔で匂いもしない。

注意書きにある様にハンドルを回して中のオガクズを撹拌して、水を使わずに微生物で

分解する仕組みのようだ。







バイオトイレを見学した後は気温の上がり始めた氷見二千石の中を駐車場へと戻って行く。

帰り道の氷見の笹原はなだらかに広がり、青空の下で光り輝いていた。










練習結果

1.テント泊では出来るだけ衣服を濡らさないようにすること。

2.御来光を見るのなら寝過ごさないようにすること。

3.撤収には思わぬ時間がかかるので、その時間も見込んで作業を早めにすること。

4.標高の上がった山ではあまり飲み過ぎないようにすること。

5.必要なもの不要なもの、小さく軽くできるものなど道具や荷物を吟味すること。

等々、まだまだ経験を重ねていかねばならないと思ったお久しぶりのテント泊でした。

WOC登山部2020.08.19 岩黒山・手箱山

2020年08月21日 | 四国の山
今週のWOC登山部はメンバーのスケジュールが合わずに自主トレとなった。

お盆休みが取れずにいたので今年初めて連休を取り、久しぶりにテント泊をしてみたくなった。

山小屋での宿泊がなかなか難しい今、遠征となると今後は

テント泊を考えなければならず、その練習もかねてどこか適当なところはないか考えていたら、

エントツ山さんが掲示板に、初心者は瓶ケ森キャンプ場

いいと薦めていたのを見て、宿泊場所は即、決定。では次にどこを歩こうかと考えて、

先ずは先週の丸石までの往復で足が攣った原因を検証するため、

同じくらいの距離のコースを歩いてみようと思った。

更に先週時間が無くて立ち寄れなかったキレンゲショウマが、まだ見られるしれない

と言う事で筒上山に的を絞った。前回に伊予富士から西黒森山を縦走した時に、

自念子ノ頭の山頂でセニョさんに『向こうに見える山は?』と

聞かれ、『手箱山・筒上山・岩黒山ですよ!』と教えてあげると、未だ登った事のないセニョさんが、

『今度、歩いてみたいな~』と言っていたので、その下調べも兼ねて歩いてみることにした。

何せ筒上山に登ったのは15年も前の事。そして林巍先生の土曜探検学校で小学生の

娘と参加したのは更にその前の事で、ほとんど記憶に残っていない。いずれも手箱山までは行けて

いないので、取りあえず下調べでルートの確認という名目で出かけて来た。

(テント泊でなければ他の人も誘ったのだが・・・・。)



西条市の加茂川の交差点では車のメーターの外気温は既に30度を越えていたが、新寒風山トンネルを抜け、

寒風茶屋へと高度を上げていくと24度を下回って来た。瓶ケ森林道は対向車もなく

いつになくスムーズに走れる。少し雲はあるものの、青空の下自念子ノ頭

続くスカイラインは何度見ても見入ってしまう。




尾根の西側と東側では全く違う形相を見せる瓶ケ森男山の岩壁を通過すると、

いつものように石鎚山が出迎えてくれる。







土小山の駐車場はお盆も過ぎ平日と言う事もあって、ロータリーの北側に車を停める事が出来た。

新しくできたモンベルの横から登山道へと入って行く。







道は直ぐに筒上山と岩黒山との分岐になり、

まだ遠慮気味に道の両側から笹が生えてしばらくは問題なく歩いて行けたが

次第に足元が全く見えないほど容赦なく暑苦しい濃い緑の笹が迫って来た。










道がダケカンンバの林になる頃には腰から下はすでにびしょ濡れ。スパッツも付けずに歩いていたので

登山靴の中も濡れてしまっている。晴天がずっと続いているのに、この朝露のお陰か、

周りの草花は意外と生き生きしている。







ダケカンバの林を抜け尾根に出ると、木々の間から北東に瓶ケ森と

山頂から緩やかに広がる氷見二千石の笹原が見える。




やっと笹の悪路が終わり山頂が近づいて来た。今度は尾根の反対側に筒上山とその手前に丸滝小屋が見えた。







岩黒山山頂は360度の眺望。今日はそのパノラマを独り占めだ。

石鎚山はもちろんのこと、瓶ケ森林道に沿って伊予富士まで稜線が続き、

その奥には寒風山から笹ヶ峰が見えている。










そして反対側には筒上山から手箱山への緩やかな稜線。










しばらくこの大パノラマを眺めた後、丸滝小屋へと下って行くがこちら側もかなりの勢いで

笹が迫り足元がほとんど見えない。靴の中が濡れると靴下も濡れ靴の中で擦れて

不快感がどんどん増してくるが、その笹海の道を抜けるとウラジロモミの快適な道になり、

土小屋からのトラバース道と合流すると丸滝小屋に着いた。







丸滝小屋からは少し下って尾根の東側の下を巻くようにして道が続いていく。

しばらくすると次第に道の雰囲気が変わってきた。

道幅が狭く危なげな場所にはロープが張られ、道が付けられない岩肌の露出した斜面には

L型アングルの手摺とデッキプレートの床で出来た橋?が造られている。







建築現場ではよく見かけるデッキプレートだが、角波型になっているので

歩いて行くと結構な金属音が静かな山の中に響いていく。







筒上山山頂への尾根道との分岐を過ぎると、更に怪しげな橋が続いていく。

先ほどまでの橋は古くなった場所には新しいものに付け替えられていたが、

この辺りは下を見ると錆びて穴が開いているヶ所がある。










地形図の筒上山山頂のほぼ東側になってくると道は登りになってくる。

道の脇にはシシウドや山アジサイが咲いている。










石の階段状になった道を登って行くと今日のお目当てのキレンゲショウマが待っていてくれた。

もうほぼ終わりに近いがそれでも何輪かが花を咲かせていた。

道の両側にはロープが張られ、中には立ち入らないようにと注意書きが書かれていたが

それでも何ヵ所かは中に入っている踏み跡が見受けられる。










キレンゲショウマの群生地を過ぎると、この道の名物?のひねくれた階段が現れた。

階段自体が内側に傾いて手摺もグラグラで、しかもこちらも板の部分に穴が開いていて危うい。










傾いた階段を越えて進んで行くと見覚えのある石垣が目の前に現れた。

こんな山中に城壁を思わせるほどの高く立派な石垣の上には、大峰宗石鎚山覚心寺手箱山根本道場がある。

それにしてもこれだけの石垣をおそらくかなりの費用と時間をかけて造った経緯が気になる。







道場前の広場では男性が二人休んでいた。『どちらまで行かれます?』と聞かれたので、

『手箱山まで行こうと思います。』と答え、『道はどうですか?』と聞き返すと、

『問題ないですよ、花もたくさん咲いていて歩きやすいですよ!』と教えてくれた。


ここまでで土小屋から3時間近くかかっているので、少し一服した後

さっそく広場の南側の脇道の奥に見える白い鳥居を潜り手箱山へと進んで行く。




教えてくれた通り道は緩やかな登り坂で一旦尾根の笹原に出て、そこから尾根の下の道になると

小さな花があちらこちらに咲いたお花畑の道になった。







道の脇から見える岩黒山が随分と遠くに見える。

オタカラコウ?やシモツケソウやシコクフウロが咲き乱れている。













手箱山山頂には小さな手箱大権現の赤い小屋があり、賽銭箱の横でお昼ご飯にする。

ここで大アクシデントが!。

写真を撮ろうと三脚を立てずに道標の柱に上にカメラを置いてシャッターを押した途端に、

カメラが柱から下の石の上に落ちて嫌な音がした。

拾い上げてみるとレンズの二段目が曲がってしまっている。

画面もエラーが出てシャッターも降りず、画面の表示に従って電源を切るしかない。

このカメラの『星空モード』を使って、今晩満天の星空を写すつもりで

久しぶりに持ってきたのに、どうにも使い物にならなくなってしまった。




気を取り直してもう一台持ってきていたカメラで取りあえず記録写真を撮る。ト・ホ・ホ~!







意気消沈で手箱越えまで戻っていると、先ほどの花畑の草花が気を紛らせてくれる。

ミヤマヒコオコシやシコクフウロの紫色の花が目につくようになると、

夏から秋の気配が漂ってくる。少し紫がかったシシウドがこの夏一度も見ることのできなかった

打ち上げ花火のようで、夏の終わりを告げてくれているように思った。













道場まで戻ってくると時間は14時を過ぎていた。最後に登ろうと思っていた筒上山だが

道場の屋根越しにそびえて見える厳しそうな山容に気持ちが萎えた。

往路は岩黒山に登った事を考えると今から筒上山まで登ると、同じくらい時間がかかりそうだ。

今日は瓶ケ森で泊まるので時間的にはまだいけるが、土小屋から瓶ケ森の駐車場までの移動時間と

キャンプ場までの歩きとテント設営を考えると、そんなには余裕がない。

などと言い訳しながら来た道を戻って行くことにした。




道場の周りには白いホソバノヤマハハコがたくさん花を咲かせている。




傾いた階段を降り、キレンゲショウマにも別れを告げ快調に下って行く。







デッキプレートの橋も反対側から見ると結構痛んでいて危なげだ。それでも日陰の道は涼しく

歩くスピードも上がっていく。先週の反省点で水分を十分に摂り、アミノ酸入りの携行食も摂ったお陰か

今のところ足が攣りそうな雰囲気もない。







丸滝小屋の手前で復路での唯一の登坂になる。

ツリガネニンジンを横目に見ながらひと登りすると丸滝小屋に着いた。










小屋の横の鳥居の脇で石段に腰を降ろすとまた急に左足の指先が攣り始めた。

西黒森の時と同じヶ所。あの時も朝露に濡れた笹道歩きで靴の中も濡れて、

靴と靴下が擦れて違和感が続いていた。幸い他の太ももや足首は問題ないので、

岩黒山のトラバース道を最後に土小屋へと下って行く。







山頂への尾根道とは比較にならないくらいウラジロモミの中の歩きやすい道が続いていく。




土小屋に近づいてくると道は地道から岩を並べた庭園のような道になる。

時折岩が動いてゴットンと音をたてるが、リズムよく渡って行くと土小屋の駐車場に着いた。











駐車場では朝に停まっていた車はまばらになり、逆に観光客の車が何台か見え、

若いカップルがモンベルのお店で冷たい飲み物を買って楽し気に出てきていた。

平野部に比べて気温の低いこの土小屋だが、とにかく気になったのが

荷室の中に置いていた保冷バックに入れたビール。

慌ててトランクを開けて保冷バックの中を確認すると、

缶ビールは汗を掻いているが冷たくはない。やはりこの気温で車の中に置いておくのには無理がある。

そこで頭の中で閃いた!モンベルに入ると予想通り冷蔵庫に入った缶ビールが置いてある。

1本400円と少々お高いが、背に腹は代えられない。2本買ってルンルン気分んでいざ瓶ケ森へ!

今日の沿面距離 12.5Km 行動時間 6時間30分 平均速度1.9km/h

今日の検証結果と反省点

1.足が攣らないように早めの水分補給と塩分やミネラル補給

2.計画は事前にコースタイムなどを調べて計画する

3.カメラでタイマー撮影をするときには安易に置かないで必ず三脚を使う

4.夏の時期に車内に保冷バックに入れているとはいえビールを冷やしておくのは至難の業


と言う事で後編につづく!


今日のトラックログ



今日の3Dトラック