KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2020.11.25 御在所山

2020年11月26日 | 四国の山


今年の梅雨時期の雨の日には、山には登らずに滝巡りに何回か出かけた。

その滝巡りの中で高知県の香美市の大荒の滝は、

紅葉の名所だというのを知った。その時に一緒に歩いたやっさん

秋にまた来てみたいねと話をしたのを思い出し、先週の小豆島に続いて

紅葉狩りに出かけてきた。ここ最近は暖かい日が続いたので、南国高知なら

まだ紅葉が見られるかもしれないという魂胆だ。しかもその大荒の滝に行く途中には

どうやら御在所山の登山口があるらしい。よしよし、御在所山に

登った後に、紅葉狩りをすれば一石二鳥。と言う事で、いつものように丸亀を6時に出発した。


大荒の滝への道の途中にある木馬(きんま)茶屋の前の駐車場に車を停め、

身支度を始める。木馬(きんま)は昭和30年代ころまでに木材や木炭の搬出に使われたソリで、

木馬茶屋はその木馬を引く人たちが休憩した場所だそうだ。

その茶屋の横が御在所山への登山口となる。










しばらくの間は車道を歩いて行く。道の脇には原木を組んで椎茸の栽培が行われていた。

後で知ったことだが、ここで栽培されている椎茸は、『御在所しいたけ』として

地元の物産として有名な椎茸らしい。







車道を10分ほど歩くと最終民家があり、大きな登山口の案内板の横から登山道が始まり

植林された杉林の中を道は続いていく。










しばらくすると道の両側には、石積みに囲まれた平らになった場所があった。

おそらく民家の跡だと思うが、以前にはこの辺りまで集落があったのかもしれない。




道の途中には2カ所ほど水飲み場があり、さらに登って行くと杉林は間伐や枝打ちされて

どんどん周りの明るさが増してきた。







登山道は梅久保からの林道に飛び出した。林道には間伐作業の車が数台停まっていて、

広場になった場所に韮生山祇神社の鳥居があり、もう終盤のイチョウの木を

眺めながらベンチに腰掛け休憩をとる。ここまで駐車場から約50分。

ベンチに座りながら話の流れで杉さん波平さん

体重を聞いていた。どちらも自分の方が軽いと思っていたのか、波平さんの体重を聞いた杉さんが

『え?』と不服そうな顔をした。広場ではその昔に奉納相撲が行われていた土俵の跡がある。

思わず二人が四つになった姿を想像してしまった。(笑)




鳥居を潜ると御在所山名物?の石段が始まる。まだこの時点では余裕だが、

自然石のままの石段の踏面はガタガタしていて、

所々段差が高くなっている場所もあり登りづらく、一段一段ゆっくりと登って行く。














どこまでも続く石段にメンバーの足取りもいつになく重たい。

この辺りから杉の巨木が目立つようになってきた。





石段が終わるとしばらくは地道になる。急な坂でも石段に比べると

圧倒的に歩きやすい。




道の脇に夫婦杉と書かれた2本の杉が並んでいたが、

片方の夫杉はその面影もなく折れてしまっている。

『夫婦杉じゃなくて、後家杉やね!』




夫婦杉を過ぎると巨岩の下の小さな洞窟の中にお地蔵さんが祀られ、その前が水場になっていた。

水場から落ち葉が積もり滑りやすい急坂を登ると展望台に着いた。







曇天の下で遠くまでは見渡せないが、晴れていれば高知の市街地まで見られたかもしれない。




展望台からはまた石段が始まる。しかも尻見坂と名付けられるほどの急な石段。

麺法師さんのお尻を見ながら登って行く。








尻見坂を登った所には『入山安全祈願所』と書かれた祠があった。

こんな途中でなく、参道入り口にあってもいいのに思ったが、不遜な考え方をしていると

事故でもあったらいけないので、浮かんだ気持ちを直ぐに打ち消した。




相変わらず石段は延々と続いている。そして我々は修行僧のように、ひたすら足をあげていく。

レッド・ツェッペリンの曲だったが、天国への階段という曲があったが、

この石段は真逆な地獄への階段だ。











石段の先にはまた狛犬が見えた。麺法師さんに『狛犬が見えるから山頂も近いかも?』と言ったが、

これが偽ピークならぬすぐ上にある大日如来の祠の偽狛犬だった。そしてさらに道は続いていく。










杉林の地道になったのが束の間、また石段が始まる。

『もういいです!満腹でこれ以上は食べれません!』 (T_T)

ここまで来ても元気なあっちゃんは苦も無く登っているが、

リバウンドで最近太ったせいなのかセニョさんは苦しんでいる。










石積みに囲われた場所には今度は狛犬ならぬ狛鷹があった。

片方の鷹の首は折れ、もう片方の鷹の足元にある石もけっして動かしてはいけない。

ひなちゃんがその石を動かそうとしたら、鷹がひっくり返りそうになったそうだ。







普通どこの神社の石段も、段数が多い所は何段の石段と数えられているが、

この韮生山祇神社の石段は朽ちかけた石段もあり数えづらく、

それ以上にこの苦しさに数える気も起らないのだろう。後でどこを調べても出てこない。







八十八カ所の石仏も余裕もなくて横目で眺めて通過するだけ。




いつもの事だがひなちゃんは、ペースはゆっくりだが、

コツコツと立ち止まることなく粘り強く登ってくる。




その内に石灯篭が現れた。この灯篭も先ほどの狛鷹と同じように片方は火袋から上が朽ちている。

もう一つも台座が開いて灯篭の足が又裂きのようになって、今にも崩れそうだ。







灯篭を過ぎるとやっと韮生山祇神社(にろおやまずみじんじゃ)に着いた。

立派な鳥居に社殿をよくもこんな山の奥に造ったもんだと、ひとしりき感心する。







ここでは愛嬌のある顔の狛犬が、疲れ切って何とか登って来たメンバーを癒してくれる。

御在所山の三角点はその奥にあった。










三角点の奥には展望所があり、晴れていれば剣山から天狗塚までの

山並みが望めるようだが、今日の空模様の下ではほとんど特定できない。










未だ時間は11時。少し早いので記念撮影をした後は下山後に昼食を摂る事にして山頂をあとにした。




登りに比べれば心臓の負担は格段に違うが、同じように荒れた石段はとにかく歩きづらく、

あまりスピードはあがらない。急な場所では登りでは使わなかったロープが重宝した。










長い長い石段を下りきると、広場まで戻ってきた。ここまで降りってくるとやっとひと段落。

一息入れてさらに登山道を降りて行く。




ここからの下りの道は先ほどまでの石段の下りに比べると天と地の差。

次第にメンバーのペースも上がってくる。







途中にある大正15年に建てられた手やり石には五山所道と書かれている。

御在所山は元々は五山所と呼ばれていたのだろうか?




車道まで戻ると駐車場まではもうすぐ。周りの景色に目をやる余裕も出てくる。

傍らに咲く黄色く小さな花を見てゆかりん

『この花の名前は?』と聞いてくるが、花音痴の私に聞くのは間違い。

帰って流れ星さんのレポートにはシマカンギクと書かれていた。







駐車場まで戻って木馬茶屋の軒先を借りてゆっくりとお昼にする。




お昼ご飯の後は次のお目当ての大荒の滝を目指す。

普段ならもみじ祭で賑わうもみじ峡も駐車場には他の車の姿はなく、

もちろん人影もない遊歩道を歩いて行く。







遊歩道と言っても登山道のような道。御在所山から降りてきて着込んだ上着のせいで

汗がじわじわと出てきた。遊歩道の入り口からは150mほどで、最初の岩屋の滝に着いた。










前回尋ねて来た時は天候も悪く、小さな滝の印象だったが、どうして2段に分かれて

流れ落ちる滝は見応えがある。









岩屋の滝からの道も所々でザレた場所があり、ザレ場恐怖症の杉さんは難儀していたようだ。

終わりかけていた紅葉も何本かはハッとさせられる見事な彩を残していてくれた。














渓谷に係る橋まで来ると大荒の滝がその姿を見せてくれる。

落差38mの滝は両側の巨岩の間から、勢いよく流れ落ちてくる様が圧巻だ。







随分と荒れた遊歩道を登って行くと滝壺近くまで行くことができる。

滝壺に近づき正面まで来るとミストが飛び散り、マイナスイオン感が半端ない!








遊歩道まで戻り少し登って行くと林道に出た。途中からはゲートで通行止めになってはいるが

駐車場や展望所もあって、大荒の滝を遠くに臨むことができる。

落葉樹に囲まれた滝のある谷あいは、紅葉のピーク時には本来のもみじ谷の

姿を見せてくれる事だろう。







平家の落人が安徳天皇を奉じて隠れ住んだことが名前の由来となったという御在所山。

普通、神社は南北方向に建てられるが、東北方向の高板山(こうのいたやま)に向いて建立され、

大山祇命・安徳天皇・清盛の弟平教盛が祀られている韮生山祇神社。

その高板山は「皇の居た山」に由来すると言われ、安徳天皇御陵跡がある。

安徳天皇に関しての色々な伝説の残る歴史の山を登り、香美市の名瀑を散策もできた

苦しくも楽しい一日だった。長い林道をおしゃべりしながら歩いて下って行くと、

最後に二色の紅葉とイイギリの赤い実が葉の落ちた木々の中にあって

晩秋の山間に最後の彩の花を添えてくれていた。










今日のGPSトラック










WOC登山部2020.11.18 星ケ城山

2020年11月20日 | 香川の里山



今日は毎年WOCでは恒例となっている小豆島の紅葉狩りに出かけてきた。




麺法師さんの企画・段取りで、3台のレンタカーを借りて

土庄から寒霞渓ロープウェイのこううん駅からスタートする。

先にゴール地点となる石門洞に車をデポし、10時20分に

表十二景の遊歩道へと歩き始めた。

毎年この紅雲亭の駐車場には観光バスや観光客の車で賑わうのだが、今年はやはりコロナの影響か、

思っていたほど駐車している車は少なく、スムーズに車を停めることができた。







ロープウェイ駅の脇からコンクリートの九十九折れの遊歩道を登って行くと、

廻りの色付きはピークを迎えているようで、鮮やかな錦のオンパレードに

ゆかりんも度々足が止まってなかなか前に進まない。










見上げるとその彩の向こうには、1300万年前の火山活動によって堆積した

疑灰角礫岩などが、度重なる地殻変動と風雨による侵食によってできた

奇岩が見える。この辺りから登りの表十二景の奇岩が続いていく。







遊歩道のコンクリートは落ち葉が敷き詰められ、かさこそと足音が聞こえてくる。




道の脇には画帖岩と書かれた巨石が転がっている。

それにしてもこの表十二景・裏八景で名付けられた奇岩は、老杉洞(ロウサンドウ)

玉筍峰(ギョクジュンポウ)など、ほとんど読むことのできない名前が多い。




招仙亭という東屋でみやさん杉さんが振り返っている。

同じように振り向いてみると、雲が段々と重なりあっているように見えるという

層雲壇が目の前に迫っていた。











遊歩道を登りきると県道脇の四望頂に出た。

四望頂の展望台からは日本三大渓谷美と云われる寒霞渓

谷あいの向こうに草壁港と瀬戸の海が広がっている。疑灰角礫岩の特徴の火山灰の灰色の岩肌に

凸凹とした岩片が張り付いた奇岩があちらこちらに乱立している独特の風景だ。












県道沿い展望台への道も道の両側のモミジやカエデの木々が重なり黄色や赤のトンネルができている。

足元も落ち葉で一色に染まっているので、見えるもの全てがモミジの色で染まっている。







四望頂から鷹取展望台に続く道も同じように彩に目が行き立ち止まっては

よそ見ばかりで女性陣の歩みがのろい。まぁでもこれだけの景色、先を急ぐこともない。







応仁天皇がその昔、鷹狩りをしたという伝説の残る鷹取展望台では、

寒霞渓を見下ろしながら佇む多くの観光客の姿があった。

ため池とおむすび山ののどかな風景が香川県の特徴だか、そんな中にあってやはりこの

寒霞渓のスケール感のある景色は、国内でも有数の景勝地として自慢ができる眺望だ。





鷹取展望台から山頂駅の横の第二展望台への道も鮮やかな錦が続いていく。

第二展望台からの眺望も申し分ない。













断崖と奇岩が幾重にも連なり錦秋に染まる渓谷。







ロープウェイ山頂駅に着くと、駐車場は今まで見たこともない

ような状態になっていた。いつもならこの時期平日でも観光バスで駐車場は満車で

しかも次から次とバスが入場してきていたが、停まっているバスは数台しか見当たらない。




寒霞渓の駐車場にある1億円のトイレで用を足し、次に向かうは三笠山

芝生になったなかなか急な斜面を右に左に移動しながらゆっくりと登る。

ここでも普段なら芝生の上で寛ぐ人たちの姿があるのだが、今日は汗を掻き

喘ぎながら登るメンバーだけだ。







三笠山の三角点が判らず探す女性陣に、帰りにしましょうと声を替かえ先に進んで行く。

明るい芝生の広場から自然林が生い茂る森の中の比較的明るい道が続いている。







以前来た時の記憶では、三笠山までの急登を登ると、後は比較的平坦な道だったように

思っていたのだが、星ケ城神社までは登坂が続いていく。

先ほどの三笠山への登りで少しばてたのか、長さんが『まだ登りがあるの?』と聞いている。










星ケ城山には中世の山城・星ケ城跡の遺跡が点在している。星ケ城神社を過ぎると

手前の一の木戸(表門)から攻寄る軍勢を食い止めるための

外の空濠では土が大きく盛り上がっていた。


古事記ではイザナギとイザナミの二神が日本の大八州(本州を初めとする島々)に続いて

十番目に「小豆島(あづきしま)」を国生みし、二人の子のオオヌデヒメが小豆島の島玉神として祀られ

そのオオヌデヒメを祀った阿豆況神社がある。




この辺りが星ケ城山の西峰となり、下の空濠を過ぎると一旦急な坂を下って行く。

鞍部から緩やかな登坂を進んで行くと、雨水を貯めるために掘られたという人工井戸を

横目に見ながら二股を右手に歩くと見晴らしの良い展望岩があり、

そこからしばらく歩くと星ケ城山の山頂に着いた。










星ケ城の東峰となる山頂には、一等三角点・星ケ城山があり目の前には

大嶽から続く峰々が見渡せる。

816.7mの標高は瀬戸内海の島の中では一番高い標高となる。

この一等三角点の柱石は地表に出ているのは僅かで、

柱石だけで90Kgもあると云う。更にその下には大きな盤石があり、

それらを明治時代に人の力だけで担ぎ上げてきたなんて、すごい事だと思う。

と言え、この小豆島ではあの大阪城迄とてつもなく大きな巨石を運んだのだから、

そのマンパワーたるものや凄まじい。








平らな石を積み上げたモニュメント?は祭壇の後なのか、発掘作業で出てきた石を

積み上げたものなのか。ただその形から異国情緒が漂ってくる。

麓から瀬戸の海は霞んで見えるが、青い空の下では暖かく、のんびりとお昼ご飯にする。










お昼ご飯を食べた後はまた寒霞渓まで戻って行く。西峰までは多少のアップダウンは

あるものの、西峰を過ぎれば後はほとんど下り坂が続いていく。










三笠山では先に歩いていたゆかりんが、三角点を探しだしていた。四等三角点・寒霞渓。



三角点からはまた芝生の急坂を右に左にまるでボーゲンのようにして下って行く。













寒霞渓でトイレ休憩を済ませた後は裏八景を通り、車をデポした

石門洞まで下って行く。表十二景の歩きやすいコンクリートの遊歩道に比べて

こちらは石畳や地道の登山道といった雰囲気になる。

初めて参加のクーちゃんも急な下りだが問題なく歩いている。










すると急に目の前が開けて正面に今にも頭が転がりそうな松茸岩があった。

その松茸岩の先で歓声が上がっている。この裏八景で一番のビューポイントでは、

星ケ城山の山肌の錦秋のパッチワークにみなさん見入っていた。










松茸岩から更に下って行くと今回のコース、最後の目的地石門洞に着いた。

奇岩が多いこの寒霞渓にあっても、特筆すべき自然が作り出した神秘的な造形美の石門。

さらにその石門の周りはモミジで囲まれ、この季節ならではの美しい姿を見せてくれる。










その石門を潜ると島霊場18番札所の石門洞。巨大な断崖の洞窟に本堂があり、

朱色の人工的な建物のなのに不思議と自然の中に溶け込んでいる。




境内に佇むと紅葉谷と呼ばれる紅葉の名所だけあって、見渡す限りモミジの錦。

まだこの辺りはピークには少し早いのか緑の葉が多いが、それでも十分見応えがある。













石門洞で紅葉狩りを楽しんだ後は車をデポした場所まで、裏八景の奇岩を見ながら下って行く。

この辺りのモミジの葉は一枚一枚が小さくて、その分グラデーションも繊細な色合いになっている。













デポした場所からこううん駅まで車を取りに戻り、帰りのフェリーの時間まで

島霊場を尋ねることにする。佛ケ滝恵門ノ瀧

二つの霊場は石門洞と同じように断崖の洞窟の中に本堂がある霊場。

恵門ノ瀧では30年に一度の本尊の御開帳で有難くご本尊を見ることができた。













日本の離島としては最大の観光客数を誇っていた小豆島で、

しかもおそらく最も訪れる人の多いこの時期に

コロナの影響でその面影はなく、美しい景色に感動した気持ちとは別に

寂しい気持ちになった今回。勝手なもので大勢の観光客でごった返しているのを見て

うんざりしていたのに、今は人で賑わう元の島の姿に早く戻ることを祈るばかりだ。






WOC登山部2020.11.11 高清水トレール

2020年11月12日 | 四国外の山

今日は久しぶりに四国から離れ瀬戸大橋を渡って岡山へ。

ネットで見かけた鏡野町の観光案内には昨年全線開通した高清水トレール

紹介されていた。四季折々の様子を写したトレールコースには木のチップが敷き詰められ

特に秋の様子を収めたドローンで空中から撮影した動画は、錦に染まる山並みが

それはそれは素晴らしく、目が釘付けになった。




香川からは少し遠いけれど、この景色を一度は見てみたいと思って出かけてきた。

するとやまじいから『神戸支部の4名参加します!』と連絡があり、

スタート地点の人形峠で落ち合うことにした。

人形峠は昭和30年に日本で初めてウランの露頭鉱床が発見された場所で、

現在、峠には日本原子力研究開発機構の様々な施設が点在している。

施設の横の駐車場には神戸支部のメンバーが先に到着していて合流する。

初めての顔合わせなので自己紹介をして8時50分にスタート。







“高清水トレール”と書かれた大きな案内標からしばらくはコンクリート道を歩い行くと、

まだこの辺りは木々の色付きが残っているが、今年の紅葉のピークは例年よりずいぶん早いので、

更に標高の上がるトレールコースの稜線沿いの紅葉は期待できそうにない。




少し登ってコンクリート道の脇からいよいよトレールコースが始まると、

鏡野町のホームページに載っていた木のチップは雨で流れたのか風に飛ばされたのか

ほとんど残っていなくて、その面影はなかった。







標高が上がるにつれて予想した通り周りの木々の葉は落ちて、その代わり足元には

チップの代わりに落ち葉のふかふかの道になっていた。




最初に着いたのは高清水高原。高原らしく広々とした場所は

見晴らしも良く、ススキの穂が風に揺れている。







高清水高原からしばらくは遮るもののない高原の中の尾根道。

南には山裾にオレンジ色に染まる山肌が続いているのが見える。

あっちゃん、指さしても瓶ケ森までは見えませんよ!




高清水高原のなだらかな道から少し登りになると、自然林の林の中の道になる。

今は既に木々の葉は落ち寒々としているが、紅葉の頃だとさぞかし見ごたえがあることだろう。

キョウちゃんの誘いの声にポーズする女性陣。










緩やかな幅の広い階段状の道を登り詰めると、今日最初の三角点の大畝山に着いた。

少し手前の道の脇からは、西に大山や蒜山の山並みが見える。

三角点の前でご満悦のセニョさん










大畝山からもトレールコースらしい幅の広い整備された道が続いていく。

木々が途切れた場所からは日本海も望むことができる。

日本海が見えると、なんだかすごく遠くまで来た気持ちになる。










鞍部からまた緩やかな登りが始まるとブナの原生林の林の中の道になる。

この辺りも黄葉の頃にはとても素敵に道なるだろう。

先を行く山じいがなおちゃんに『ペースが速いよ!』と呼び止められる。













ブナの原生林が終わると御林山と書かれた案内標があった。

朴葉で可愛らしくポーズをするさおりんと遠慮気味に可愛らしくポーズするひろりん










御林山からの南側は木々が途切れ、また山裾の錦が広がっているのが見える。

人工林の杉の濃い緑とオレンジ色の紅葉のコントラストが素晴らしい。





次に着いたのは池川山。ここではなおちゃんのポーズが可愛らしい!




池川山からは一旦100mほど下ってまた登り返しが始まる。今日のコースの中では一番の急登?

登坂の先には展望台の三角屋根が見えている。登坂になると左膝の痛みと右の太ももの張りが気になりはじめ

いつも登りではマイペースで歩くひなちゃんについて行くのがやっとだ。
















展望台で大休憩をとることにする。陽が遮られた曇った空の下では立ち止まるとやはり肌寒い。

ダウンを着込んでいるのに痩せのセニョさんは『寒い、寒い!』と言っている。

展望所で行動食を口に入れて、水分を補給してまた歩き始める。










道の脇の植生が先ほどまでとはまた変わって、針葉樹と背の高い笹の茂る道になる。

足元はここ最近けっこう雨が降ったのか、まだ乾ききらずにぬかるんだ道になる。













ルリちゃんは今回登山部には2回目の参加で、この距離を歩くのは初めての

ご近所さんの長さんを気を使って、離れると時折戻っては一緒に歩いて話しかけている。




杉林の中の道になるとコースの道は陽が当たらず更にぬかるんでいて、

道を外して林の中を通って行くが、セニョさん一人は気にせず歩いてくる。

日陰の道は急に気温が下がった感じがする。すると後ろの方でゆかりん

『寒いね~』と言うと、それを聞いたやまじいが『暖めてあげようか』と言ったらしくて

『やまじいのセクハラ発言や~』と騒いでいる。

更にそれを聞いた神戸支部の女性陣から『若いからって、

私たちにはそんな事言われたことがないわ!』(; ・`д・´)

とブーイングの大炎上が始まった。やはりやまじいはエロじいに改名した方が良さそうだ。







杉林を抜けると、いよいよ今日最後の山頂の伯州山が近づいてくる。

このコースの山頂はどこも緩やかなのでピークといった雰囲気が全くしない。








伯州山からも大山の山並みが見えるが、ちょうど大山の頭には雲がかかり始めた。





今日最初の全員での記念撮影。




はるちゃんを含めて女性三人は生粋の神戸っ子。それに比べてほんとは三木市民のやまじいは

今回三木支部支部長に変更して、神戸支部長はひろりんを任命することにした(笑)




今回のメンバーとは初めての顔合わせになる長さんはまだ少し遠慮気味に

女性陣との距離が開いている。




今日はここから赤和瀬駐車場まで下ると、

今月いっぱい人形峠までの無料のシャトルバスが出ている。

ただその時間が13時と15時なので、13時のバスに乗り遅れると2時間も待つ事になるので、

ここでは昼食にせずに駐車場までおりてのお昼ご飯にする事にして、早々に山頂をあとにする。







赤和瀬駐車までの下りはまた自然林の中の道になる。見上げると木々の葉はすっかり落ちてしまっているが

代りに足元には落ち葉の錦秋が広がっている。







最初のなだらかな道を過ぎると、渓谷沿いの急な下りの道になる。

先ほどの杉林のぬかるみより、更にぬかるんだ道に何人かが足を滑らせている。







廻りの木々はすっかり葉を落としてしまっているが、標高が下がるにつれて所々で

きれいな彩が残っていて、道の横を流れる渓谷の水の音を聞きながら下って行く。




















途中で『熊、出没注意!』の看板を見て、熊に出会った時にどうしたらいいかと女性陣が

ああだこうだと言っている。その内に『誰か一人を生贄にして他の人が逃げるという手もある』と

言うので、『それじゃ、やまじいを生贄に差し出しましょう』と言うと

『やまじいは不味そうで、生贄にならんわよ!』と神戸支部の三人が口を揃える。

先ほどのセクハラ発言の仕返しのようだ。




渓谷沿いの急な道が終わると、あとは緩やかな道が続いていく。周りもどんどん錦が広がり初め、

女性陣も世間話に花が咲いているようだ。













伯州山から45分ほどで赤和瀬駐車場についた。幸いシャトルバスの姿はまだなく、

代りにモンベルのバスツアーのバスが停まっていた。

未だ時間は12時過ぎ。バスを待つ間ここで腰を降ろしてお昼ご飯にする。







お昼ご飯を食べ終えると直ぐに肌寒くなってきた。幸いシャトルバスが早めに来たので

バスに乗せてもらって暖をとることにする。26名乗りのバスは次々と

山から下りて来る人たちですぐに満員になってしまう。乗り遅れた人たちはこの場所で

2時間も待つことになってしまっている。山頂で食事をとらずに先に山から下って来て正解だった。







赤和瀬駐車場からバスは山間の道をほぼピークに近い錦秋のなかを走って人形峠に戻ってきた。

峠の広場で恒例のIRIBITOさんのお店のコーヒーを頂く。

いつもIRIBITOさんのジェットボイルでお湯を沸かすのだが、今日はやまじいも新しく買った

ジェットボイルを持参。人数が多いので二つで沸かすと早くて助かる。











美味しいコーヒーを頂いた後、帰り道にある奥津渓に寄り道してみる。

好井川沿いの道は今週いっぱい一方通行になっていて、道の脇の路肩には赤いコーンが並べられて

車が駐車できないようにしてあった。速度を落としてゆっくりと走って行くと、大釣橋の先に

車を停めるスペースがあり、何とか駐車できることができた。

西日本屈指の紅葉スポットと言われているだけあって、平日にも関わらず大勢の人で賑わっていた。

透明度バツグンの好井川沿いに真っ赤なモミジやグラデーションのモミジの錦秋。







若い女性達はインスタ映えする景色を写真に収めようと、

賑やかに楽しそうにいろんなポーズで自撮り写真をとっている。

最後に錦のトンネルを潜り、車を停めた場所まで戻って今年一番の錦を目に焼き付けて帰路についた。













今日のトラック