KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC.登山部 2019.09.25 笹ヶ峰・ちち山

2019年09月26日 | 四国の山


今年の夏はほとんどの水曜日はすっきりしない天気が続いていましたが、

今日の天気予報は久しぶりに晴れマーク。それなら四国の山らしいそして東西南北の山々が見渡せる

『笹ヶ峰』を歩いてみることにしました。

笹ヶ峰へのアプローチは北側の下津池の林道から丸山荘を通って登る従来からのルート。そして寒風茶屋から

寒風山を通って往復するルート。さらには寒風山から笹ヶ峰に登って南尾根を下りるルートと色々なルートが

あるのですが、今日はその内の最短距離でしかもメンバーが歩いた事のない丸山荘からのルートを歩いて

見ることにしました。ただ以前から林道のダートが荒れているので事前に調べてみると、ヤマップに直近で

歩いた人のレポートに登山口手前で通行止めになっていると書かれていました。 ( ゚Д゚) ガ~ン!

前日にそれを見て少し慌てましたが、その方にコメントを入れて問合せをしてみると、通行止めは登山口手前2km位の場所で、

工事現場手前に広い駐車スペースが設けられ、仮設のトイレも置いてあると言う事。登山口までも30分ほどで着くと

教えてもらったので、30分だけ丸亀の出発の予定を早めて決行する事にしました。


今日は初めての参加のはらちゃんを含め麺法師さんのワゴン車定員の丁度8名の参加。

下津池から止呂橋を渡り林道をどんどん高度を上げていきます。道は吉居川に沿った舗装路で問題なく走れます。

最後に対岸へ渡り少しだけダート道を走ると、教えてもらった駐車スペースに到着しました。




駐車場から奥はトラロープが張られ通行止めになっています。8時50分にスタートしてしばらくそのまま林道を歩いて行くと

目の前に道が大きく崩落した工事現場に着きました。そこからは崩落個所の上側を巻くようにして仮設の登山道が造られていました。







仮設足場の階段を登りトラロープの張られた仮設道を登って行くと上側の工事現場の横に出ます。ここから下側は

さらに大きく崩落していて、復旧にはかなり時間がかかりそうです。







仮設道を登りきるとふたたび林道に出ました。道幅は狭くなり路面も荒れたダート道。

復旧工事のついでに、この路面も整備してくれたらいいのになぁ~。

目の前にラジオ体操の“体を横に曲げる運動”をしている倒木が!




道の下には轟音をたてて流れる吉居川。左手を見上げると少し霞んで『沓掛山かな?』







予定通り30分ほどで登山口に着きました。さぁ~ここからが登山開始です。







登山口から上に登って吉居川沿いの道が始まります。川にはここ最近そんなに雨が降ったのか?と思う位

凄い勢いで水が流れています。







普段は枯れているような小さな沢筋にも結構な量の水が流れていて、何度か渡渉をします。

災害の少ない香川に住んでいると台風の影響もあまり感じずにいますが、やはり台風が来るたびに山では

少なからず影響が出ているようです。










しばらくは川に沿って歩き沢を渡り歩いて行くと、次第に川の音が小さくなっていきます。

途中でコアラさんとルリちゃんが何やら喧々諤々と話をしています。

その話の内容を聞いていると思わず吹き出しそうになります。

今度からコアラさんをコブラさん。ルリちゃんをマングースさんに改名しようかな!(笑)










最後の沢を渡りさらに登って行くと西山越えへの分岐の『宿』に着きました。

ここは、かつて麓の吉居集落で作られた木炭を別子銅山へ運ぶための中継基地だった所で、

地名のとおり「宿(やど)」もあったといいます。道には小さく散りばめ埋もれた炭の破片が未だに残っているので

その当時に思いをはせることができます。







少し間の開いた後続を待ち休憩を取った後、雰囲気のいい杉林の中を進みます。

杉林を抜けるとブナの林が始まり、途中の沢には橋が掛けられ、道標も要所要所にあり『ザ・登山道?』といった感じです。
















宿から丸山荘まではコースタイム通り30分ほどで着きました。丸山荘は90年近く前に建てられた山小屋で、昭和37年に

現在の建物で開業を始めたそうです。収容人員は200名以上あって四国でも最大規模の山荘の様です。

正面から見ると木造の校舎に見えるほどの大きさです。




見上げると笹ヶ峰にはガスがかかっています。この山域ではよくある北側からガスが登っているけれども

南側は晴れているのに期待しながら山頂を目指します。







キャンプ場の横を通り最初は樹林帯の中を登って行きます。







次第にシコクザサの中の道になると森林限界を抜け笹ヶ峰の名前の通りササの北斜面になります。











見上げると時々青空が顔を出すのですが、ガスは次から次と稜線へと登って行っています。










所々で笹で足元が見えずらくなりますが、足を滑らさないようにグイグイと登って行きます。










横を見るとガスが流れて沓掛山が少しだけ頭を覗かせています。







山頂は予想通りガスはなく雲は多いものの視界は開けていました。

北側からのガスは南から吹き上げる強い風に稜線を乗り越えられずにいます。

山頂から東には『ちち山』から『冠山・平家平』へと続く稜線。

西は『寒風山』そしてその奥に『伊予富士』が見えます。

雲とガスがなければ北側は瀬戸内海まで見渡せるこの山頂ですが、ガスが稜線に沿って途切れている景色もなかなかいいもんです。










予定通りここでお昼ご飯にします。南の笹原を吹きあがってくる風が心地良く感じていると、

その横で痩せのあっちゃんとセニョさんが『寒い、寒い!』と言っています。

セニョさんにいたってはダウンまで着込んでいます。

あっちゃんに『たぶん杉さんは寒くはないと思うよ!』と言うと

案の定、杉さんに聞いてみると『ちょうどいい』と返事が返ってきました。(笑)

もし遭難したら他の人にはあげずに『セニョさんと二人で非常食のチョコを分け合う』とあっちゃんが言っています。




お昼ご飯を食べた後は他のメンバーが未踏の『ちち山』を目指します。

笹ヶ峰の東面はコメツツジとシコクザサの広がるいい道です。










ちち山への稜線でもガスが乗り超えられずにいて、ちち山山頂も隠れることなく見渡せます。

ここのところの不順な天気での山行を十分に挽回できる素晴らしい稜線歩きです。










笹原からちち山への鞍部の『紅葉谷』への分岐へと下って行きます。

振り返ると笹ヶ峰の南尾根が雲の間からの日差しに照らされています。




分岐から最初は低木の中の急登。そして笹道へと変わって行きます。










ちち山には思ったより早く着きました。麺法師さんは以前に大永山トンネルからここまで登った事があるので

これで西赤石山までつながりました。他のメンバーは初登頂!

猫の額ほどの山頂で記念撮影をした後は、あっちゃんが晩御飯を作る時間に間に合わないというので、さっさと下ります。










ちち山山頂から東側の『ちち山の別れ』への稜線でも北側からのガスと南風がせめぎ合っています。







急いで降りて行くメンバーを他所に、正面にどっしりと構えた笹ヶ峰と、この稜線の景色を楽しみながら一番最後に下りて行きます。







やはりいつものように上り急行、下り鈍行のコアラさんが最後を歩いています。




低木の足元の悪い坂を下りるとまた抜群の景色の稜線。















振り返って『さよなら、ちち山!』




紅葉谷分岐から紅葉谷への道はきれいに笹が刈り取られています。

最初は緩やかな道も、次第に山の北側らしく苔の蒸したまだ濡れた足元の歩きにくい道に変わります。










倒木の跡なのか何か建物の土台があった跡なのか不思議な風景!




そこを通り過ぎると杉林が始まり、左手下に丸山荘の赤い屋根がガスの奥に薄っすらと見えています。








先に下りたメンバーが山荘の軒下で寛いでいました。




最後尾のコアラさんを待って、夕飯の支度に間に合うように下って行きます。

相変わらずガスは晴れてきません。







次第に足も疲れてきました。沢の渡渉も注意深く渡って行きます。







途中にあった木の根が妙に色っぽくて、思わず・・・・写真を!







山の北側とガス、そして日の入りの時間も早くなったせいか、随分周りが暗くなってきました。










やっと登山口まで着きました。ここからは残りの林道を歩くだけ。マラソンをしているはらちゃんは、最後まで

スピードが落ちることなく歩いて行きます。








仮設の登山道を下りたらあと一息。足の疲れもピークに差し掛かっています。







現場の作業員も仕事が終わっているみたいなので、工事現場を覗いてみるとその崩落の規模に驚きました。

来年には開通するようですが、今からが台風の季節。災害がなく無事に工事が終わることを願っています。







車を停めた場所まで戻りザックを降ろすと、ドッと疲れが出てきました。

歩行距離11.7km。行動時間7時間50分の久々の山行でしたが、ガスに隠れることなく眺望も眺めることができ、

その疲れも心地よい充実した一日となりました。




WOC.登山部 2019.09.18天狗岳・塩塚峰

2019年09月19日 | 四国の山


先週の『二ツ岳』が暑さと湿気で山頂直下でほとんど足が動かなくなりました。

おそらく熱中症気味だったのかもしれません。山頂で水分と塩分を取り休憩したら

下山路はいつものように問題なく歩けましたが、最後は膝と以前肉離れしたハム筋が痛み始めて、

意外とハードな山歩きとなりました。他のメンバーもキツかった!疲れた!との声が多く、

今週も相変わらず天気予報の降水確率も高かったので、軽めに『塩塚峰』を散策・・・・でも、

と地形図を眺めていたら、塩塚峰の直ぐ南に『天狗岳』という山があるのに気づきました。

天気が回復するようなら天狗岳を登った後に塩塚峰で散策でもと企画をしたところ、県外から実家に戻っていたやまじい

『月山』の遠征以来ひなちゃんも久しぶりに参加となり、

総勢8名で麺法師さんの運転するワゴン車に乗り込みました。

国道32号線を南下。阿波川口を過ぎ『小歩危』の手前で県道271号線を西に進みます。

白川谷川に沿った道の反対側は大規模に山の斜面が崩壊していたり、道路も崩れて至るところで工事をしています。

県道から塩塚の標識に従って山道に入って行くとここでも道の横の川が土石流が起こったのか、流れ出た岩や木々で

川が埋め尽くされ、削られた道路の工事をしていました。道はどんどん高度を上げて行き最後の塩塚への分岐を

曲がらずにそのまま直進して少し下って行くと、GooGleMapにも地形図にも載っていない林道が南に延びていました。

その林道を少し入った路肩の広がった所に車を停めて、今日はここからスタートです。

林道からは東に山城町尾又の集落と大規模な伐採地と工事現場が見渡せます。







林道の脇から尾根に上がり尾根に沿って歩いて行きます。




林道の法面から樹林帯の中に入ると直ぐに急登が始まりました。道はなく足元の薄い踏み跡を辿り

所々にある町境の杭を目印に登って行きます。







やがて踏み跡も不明瞭になり少し藪っぽくなりますが、支尾根を外さず杭を目印にすれば道を外すことはありません。








意外と急な登りに前を歩くセニョさんも『しんどいな~』と言いながら登って行きます。










支尾根に沿った町境も低木で歩きづらくなりますが、左側の植林林に入って歩きやすい場所を選びながら登って行きます。










登り坂が終わり平らになった場所で間の開いた後続を待ちながら水分補給をします。




ここからは1037mのピークを通って1055mまでは勾配もなく歩きやすい道が続いて行きます。

先ほどまで植林地だった道の左側には自然林が広がり始めます。

先週の二ツ岳への尾根道に比べるとどえらい違いです。ルリちゃんのスピードも上がって行きます。











一ヵ所だけ段差のある場所がありますが、ここも難なくクリアー!










段差を下りて登り返すと1055mのピークです。地形図ではここが天狗岳となっていますが、過去のレポートを見ると

皆さんさらに奥にある石鎚神社の祠のある1070mのピークを山頂としているので、我々も歩いて行くことにします。




ここからもピークを少し下って登り返します。山頂までの最後の急登です。










途中でやまじいが絶命寸前でピクリとも動かないセミを拾いました。




1070mのピークには山名札があるだけで木々に囲まれ見晴らしは全くありません。




山頂の少し下に祠がありました。その下は岩壁になっていて唯一南側の眺望が広がっています。










山頂からは折り返してまずは先ほどの急坂を下ります。登山部の中では重量級のコアラさんと杉さん

下りは自身の体重がマイナスになるとお互いを慰めながら下っています!(笑)







唯一ブナの生える尾根を抜け、先ほどの段差を越えて行きます。







1037mのピークまでは右に左に植林地と自然林が入れ替わります。










最後は少し藪いた町境を外さないよう低木の中や、歩きやすい植林地の中を道を選びながら下って行くと林道の脇に着きました。







車を停めた場所まで少しだけ林道を歩いて行くと、道の奥に塩塚峰の笹原が見えます。








最後に林道の法面の上にある882mの三角点までセニョさんを先頭に4人だけで登りました。

四等三角点『尾又』です。




昼食を予定していた塩塚峰の展望所では、松山から来たという団体さんがお弁当を広げていました。

東屋の横で我々もお昼にすることに。高原のススキ原を撫でる風が心地よく吹いています。







食事が終わった後は久しぶりのコーヒータイムです。




先に出発した松山の団体さんが塩塚峰へ目指して歩いて行きました。




我々もせっかくなので歩いてみることにしますが、随分遠くに見えます。取りあえずザックを置いて麺法師さんに

留守番をしてもらい歩いて行きます。







展望台の次のピークから先は茅原で足元が見えません。時々その萱で手や顔を切ったりします。











ザックを置いて身軽になったので予想以上に短時間で塩塚峰には着きました。生憎の曇り空で遠望は利きませんが

高原はもう秋の雰囲気が漂っています。














展望台まで折り返し東屋の前に置かれた御影石の眺望案内板を見ながら、今まで登ってきた山々を眺めます。

もう少し晴れていたらバツグンの眺望のはずですが、取りあえず及第点とします。

案内板に伯耆大山の名前が刻まれていたので『大山見えるらしい!』というとコアラさんが

疑り深そうに『本当に~?』などと言うので、『心の純真な人だけに見えるんです!』と切り返し。










駐車場まで戻るとまだ枯れずにあじさいの花が咲いていました。いつになく天候が不順なこの夏。

そんな夏も終わり山はもう秋が始まっています。天狗岳の下りでは風が吹くと汗冷えを感じたりもしました。

そろそろ服装も考える季節になった今日の山行でした。










WOC.登山部 2019.09.11 二ツ岳

2019年09月12日 | 四国の山


三日ほど前には降水確率が高く今週も・・・・とテンションが下がっていたら

急に予報が好転。ではでは二週流れた『二ツ岳』へ出かけてきましょう!

WOC登山部では未踏の山、また『ここから先は命がけ』の案内に興味を持ったのか

好奇心旺盛な女性の参加も多く、男性5名・女性5名の久しぶりのフイーリングカップル5:5です?


『肉淵』の登山口までは木の枝や小石が散乱はしているものの舗装路なので問題なく走れました。

登山口横の少し広くなったスペースに車を停めて8時35分スタートです。








入り口の鉄製の階段を登ると植林の杉林の中の綴ら折れの急登が始まります。湿気が多いのか途端に額から汗が滝のように流れ落ちてきます。

TOPを行く麺法師さんの後に続いて行くメンバーと最後尾は徐々に間が開いてきます。

しばらくすると支尾根に出ました。ここからは支尾根の下をトラバースするように続く比較的快適な道です。







『皆さん下の名前なのになんで私だけ“わかめちゃん”なの?』と愚痴をこぼすのでゆかりんと改名することにしたゆかりんは晴れ女。

天気が急に好転したのでニコニコしながら歩いています。その前を初めて参加するちとちゃんはマラソンをしていた豪女ですが

少し息が上がっています。やはり平地と山登りでは勝手が違うようです。











途中で何ヵ所か小さな谷筋を渡ります。流れる水に手を付けてみるとその冷たさに生き返ります。







道の下には大木谷の源流があり小さな滝も見えます。周りは苔むした岩が転がり山の懐の奥に入ってきた雰囲気が漂ってきます。
















最後の沢を渡るともうすぐ『我蔵越』です。

その昔は四国中央市からの峠道で別子銅山への炭を運んだ『炭の道』の一つとも云われています。

ここで少し休憩をして行動食を口に入れます。







事前に調べると距離としては登山口から我蔵越までとここから山頂までは2分の1ですが、時間はほぼ同じくらいかかっています。

さぁ~ここからがこのコースの本番です。残念ながら登山口では晴れていた空には北側からどんどんガスが登って来ています。

先ほどまでの快適な峠道と打って変わって手足を使って登って行きます。










大岩を巻いて中途半端なロープを使って下りた鞍部からは、さらに上へ太いロープが続いています。

足元の岩はまだ濡れていてさらには苔もついて足がかりも少なく『下りが嫌な場所やね』とコアラさん














ロープの斜面が終わると次はアルミの階段が二段。やはりなれない足元に、ちとちゃんが少し難儀をしています。

ルリちゃんもあまり得意ではない岩場を頑張って行きます。















『先に行ってください!』と言われて追い越すものの、私も今日は息切れが酷くて足が前に進みません。

今日一番長いロープのかかった場所には例の『ここから先は命がけ』の三島警察署の案内板が朽ちかけていました。

今日の案内に『ここから先は〇〇がけ』と書いたら『雑巾がけ?』山さんに返された案内板です。










ロープ場を乗り越えると展望のきく場所に出るのですが、やはりガスでほとんど眺望はききません。

さらに上へ上へと登って行きます。







山頂直下は道はなく踏み跡を辿って登ります。この辺りですでにギブアップ!熱中症気味なのか水分をとっても喉の渇きが収まりません。

2~3歩進んで立ち止まって深呼吸をしますが息切れも収まりません。







どれくらい遅れたのか山頂では既に先に着いたメンバーが寛いでいました。あっちゃんとさおりんがカップ麺を持って待ち構えていたので、さっそくお湯を沸かします。







腰を降ろした途端に疲れ果てて食欲が全くない状態です。おにぎり一個を頬張るのが精いっぱい。

何とかおにぎりを口に入れた後、南側の展望台に移動するとガスが流れて西側のえびら山が顔を覗かせました。




『そう言えば以前に来た時にここからペットボトルを落としたな~』と思い出しながら、のんびりと景色を眺めます。




丁度小枝がカメラの前にあったのを確認せずに記念撮影。さおりんが顔出しNGになってごめんなさい! (^_^;)




 


 


それでは我蔵越までの下り。十分に注意しながら降りて行きましょう。











下りはやはり登りの時に難儀したように滑りやすい足元になかなかスピードは上がりません。

峠までおおよそ半分のところの案内板を見て『まだ半分!』と言いながら降りて行きます。

















やっと『鯛の頭』まで降りてくると、先ほどまで真っ白だった周りが見る見るうちに青空が広がり始めました。

ベースキャンプで腰を降ろして休憩するメンバーと別れて、アタック隊の5名がアタックを開始します。

最初は藪こきをして岩壁に取り付くとロープと鎖を使って登って行きます。総隊長の私は今日はベースキャンプでその様子を見守ります。










女性メンバー続いてセニョさん・やっさんを果敢にもチャレンジします。

鯛の頭の突端で喜びを露にするメンバー!
















無事アタック隊全員が登頂を果たすことができました。

ピンクレディー?の二人も喜びを隠せません。







そして山さんのめちゃぶりに答えて頭で雑巾がけをする二人!





その内に後れを取っていた麺法師さんとコアラさんも降りてきました。ここからも気の抜けない難所が続きます。













さらに濡れた岩肌をロープを使って慎重に降ります。





我蔵越の手前で槍の穂先のような大岩。鞍部から大岩の足元までロープを使って登ります。










私はここで後続の二人を待ちます。その頃先行したメンバーは我蔵越に到着。

かなりの時間を待っても声はすれどもなかなか姿が見えません。ようやく先に麺法師さんが下りて来たので、

ロープの位置を伝えて先に一人で降りて行くと既に先行のメンバーの姿はなく。ここから一人で下ります。








途中の濡れた岩で滑って二度ほど尻もち。足も疲れて上がらなくなってちょっとした石につまづきます。

沢の水で口の中を潤し、黙々と下って行くとさおりんとちとちゃんが前を歩いています。

すでにちとちゃんもヘロヘロ状態です。私も膝が痛くて歩き方がおかしくなっています。










やっとのことで登山口に着くと先行したメンバー疲れ果てた様子。

腰を降ろして動こうともしません。










汗でびしょ濡れの服を着替えたり、一服したりして待つこと小一時間。

最後の二人が降りてきました。




GPSのトラックを見ると歩行距離は6.9Km。我蔵越からの下りも距離の割には随分と長く感じました。

やはり我蔵越から山頂までのロープや梯子の上り下りは予想以上に体力を消耗したようです。

先行部隊が6時間45分。最後続が7時間45分と大幅に離れてしまったのを今後の反省にします。

それにしても『二ツ岳』。今の私にはなかなか手強い山でした。




WOC.登山部 2019.09.04 横倉山

2019年09月05日 | 四国の山


15年ほど前、山の会の『山楽会』で『石立山』を予定して27名でバスに乗り込んだものの

高知に向かう途中で雨脚が強くなり、急遽予定を変更して越知町の『横倉山』を歩きました。

今回もWOC登山部も天候が不安定なので、『二ツ岳』から予定を変更して横倉山に向かう事となりました。

それにしてもお盆を過ぎてから晴れマークを見ることのない日が続いています。いつになったら二ツ岳に登れるのか?

でも『諦めません晴れるまでは二ツ岳!』


越知町までは距離もあり移動時間も長いので6時30分に丸亀を出発。

今日はセニョさん・やっさん・コアラさん・麺法師さん・杉さん・IRIBITOさん・あっちゃんと私の計8名。

県内では晴れていた空も高速で新宮町を通るころは霧の中、そして高知市内に入るとまた青空が広がっていました。

取りあえずお弁当にするか外食にするか未定にしていたお昼ご飯を、山でお弁当にすることに決め、

途中のコンビニでお弁当を購入しました。

横倉山の登山口は第一駐車場から第三駐車場の3ケ所あり、第一駐車場は最下部からスタートして『カブト嶽』の鎖場を通る

一番距離も長く険しい道です。今日はまだ足元が濡れているので安全に第二駐車場から登ることにしました。

でも鎖場と聞いてセニョさんとあっちゃんの目が輝きました。

『取りあえず今日は無難に!』となんとか説得してスタートです。




第二駐車場からの道は『杉原神社』への参道になっています。雰囲気のある鳥居をくぐり、苔むした石段を登って行きます。








ゴツゴツとした自然石の石段は苔に覆われ、しかもかなりの急登です。暖機運転もなくいきなりの急登に直ぐに息が上がります。

ハァハァと息を切らして登っている横を、週に何度も飯野山を登っているコアラさんが『これぐらいの登りで!』と

嫌味を言いながら追い抜いて行きます。『ふん!下りで後ろから蹴落としてやる!(逆に下りは弱いコアラさん)』と強がりを言っても

そのスピードに追い付くことができません。立ち止まっては見上げる度にまだまだ石段は続いています。











ふくらはぎに張りが出てき始めると、やっと目の前に三本の杉の巨木が現れました。石段の左側に『夫婦杉』。そして右側にはもう一本の木。

夫婦杉ともう一本の杉は石段を跨ぐように縄で結ばれています。仲睦まじく寄り添う夫婦杉を指さしコアラさんが

『こっちはうちの家やね!』と。『ハイハイお宅は仲がいいですからね!』するともう一本の杉の木を指さし、

『こっちは何やろ~?』と言うと、麺法師さんが『不倫の木やね!』。神聖な雰囲気の参道で下世話な話になってきたのでさらに進んでいきます。








石段が終わると『御手洗』と書かれた案内板の奥に、石の間からチョロチョロと水が流れています。

ここが神社の境内にある『手水舎』の代わりの様です。山中にある古い神社らしく自然を利用していて歴史を感じます。




御手洗からしばらく歩くと何本もの杉の巨木が現れました。平家の守護神の熊野権現を祀る『杉原神社』に着きました。

杉の巨木が多いことから神社の名前が付けられたようですが、前回歩いた時も一番印象に残った場所です。

参拝を済ませた後もみなさんこの巨木に見入ります。特に北・南株と案内に書かれた二本の杉は、見上げると首が痛くなるほどの高さです。







特に北株は根元で5人で手をまわしてみても届かないほどの太さです。










拝殿の後ろの本殿はこんな山中にあってとても重厚で精巧な彫刻が素晴らしい建物です。







ひとしきり杉原神社で時間を過ごした後、次は『横倉宮』を目指します。

途中には屋島の合戦で敗れた平家が安徳天皇を擁してこの地に落ち延びた80名が、25軒の住を構え都とした際に供御水とした

全国名水百選の『安徳水』の案内板がありました。








安徳水しばらく歩くと前を歩くご夫婦の奥さんが道の脇を指さし『そこにコオロギランがあるわよ!』と教えてくれました。

指さす場所を見てみるとよ~く見ないと判らないほどの小さな細いコオロギラン。

『まだ花は咲いていないけれどお昼頃には咲いているかもしれん』と奥さん。

でもあまりに小さくてコンデジでは残念ですが写真に収めることができませんでした。


安徳水から横倉宮までは道標には2kmと書かれています。今までより少し幅が狭くなった道を歩いて行くと緑青銅の立派な横倉宮の鳥居。







ここからも本殿まで階段が続いています。先ほどまでの緩い道からまたまた息があがります。










横倉宮は安徳天皇が祀られているので丁寧にお参りします。




お参りした後は本殿の裏側にある『馬鹿試し』へ。ゴツゴツとした石灰岩の岩を登ると目の前には眺望が広がっていました。










ただ案内板に書かれている通りに馬鹿かどうかを試しに行ったのはあっちゃんだけでした!(笑)





横倉宮の次は『安徳天皇陵墓参考地』を目指します。




安徳天皇陵墓参考地の前にはまた石段が!今日はやたらと階段や石段の多い道です。

宮内庁が管理する安徳天皇陵墓参考地は全国に5カ所あるそうですが、ここが全国でも一番規模が大きいそうです。




玉垣に囲まれた陵墓の正面には五色台の崇徳上皇の『白峰御陵』と同じ模様の門扉の奥に、さらに石垣と石鳥居と門扉。

煩悩ばかりの一般人が決して立ち入ることのできない神聖で荘厳な雰囲気が漂ってきます。




参考地からは石段を下りずにそのまま尾根道を進んでいくと、先ほど会ったご夫婦が上から降りてきました。

今度は『キヌガサダケがあるわよ!』と教えてくれました。道から少し外れた場所に初めて見る網状の黄色いキノコ。

さすが牧野富太郎博士が研究の場とした山だけあって植物の宝庫山です。

ご夫婦で四季折々の植物を観察に。この山の草花のある場所を全て知り尽くしているような、先ほどの夫婦杉のように

仲睦まじい花好きのご夫婦でした。毎週山ばかり出かけて、少しは爪の垢でも・・・・と反省です。(笑い)










次に目指したのは『畝傍山(うねびねやま)眺望所』。今日最後の眺望の利く場所です。眺望所からは先ほどの馬鹿試しの岩肌を見ることができます。

岩頂からは下に長い鎖が垂れ下がっています。この場所も行場だったようです。











眺望所からさらに急坂を登り、少し下がって行くと、今日の折り返し地点の『空池』です。

露出した石灰岩は苔で覆われ独特の雰囲気のある場所です。










しっとりとした窪地の苔岩の間を歩いて行くと足元にはまた可愛らしい植物。

















空池から下り安徳天皇陵墓参考地の石段の下を進んで行くと横倉宮への分岐の東屋。先ほどから『お腹が空いた~!』

『ご飯はどこで食べるの~!』と聞いてくるあっちゃん。頭の上ではゴロゴロと雷の音が聞こえ始めました。

IRIBITOさんから『お弁当は置いといて、山を降りてからどこかで食事をしましょう!』と提案があり、

一先ずここでは行動食を摂って休憩をします。







一息ついたら三角点まで歩いて行きましょう!。往路の道とは違う周回する道です。

ここからも楽をさせてくれたのは最初だけで、アップダウンとこれでもかと階段が続いています。










最後の階段を登り三角点に着くころには雨が本降りになってきました。この横倉山はこれといった山頂はなく東西に峰々が続いています。

唯一山名の道標があるのはこの場所だけです。みなさん傘を取り出します。







三角点からカブト嶽へ進み途中の分岐から夫婦杉へと下って行きます。







途中の倒木を避けて根元の上を行くと雨に濡れた斜面が緩んで滑りやすく、何人かが尻もちをつきます。




最後は石灰岩の岩壁の『屏風岩』の下を歩きさらに下って行きます。

岩肌を鉈で滅多きりにされたような切込みがあり石灰岩ならではの他ではない岩肌になっています。










夫婦杉まで降りてくると第二駐車場まではあと少しです。登りの時にも難儀した滑りやすい石段を下りて行きます。





駐車場に着くと雨は上がっていました。濡れた服を気にしながらフレンディ号に乗り込みます。

越知町から伊野町を過ぎ日高村で昼食にします。日高村は高糖度のトマトの産地で、国道沿いにはそのトマトを使った

オムライスのお店が立ち並ぶとIRIBITOさんが教えてくれました。『オムライス街道』と呼ばれる国道沿いの

一軒のお店に入りさあ~名物のオムライスです。少し酸味の利いた手作りのケチャップをかけて美味しくいただきました。











『山を歩いた後にこういうお店で食べるのもいいわね!』と先ほどまで『お腹が減った!』といっていたあっちゃんも満足したようです。

安徳天皇ゆかりの地、そして牧野博士が研究の場とした地、さらには4億年も前の日本最古の自然が残る地の横倉山は

変化にとんだコースで見るべき場所が多く、天候の悪い中でも楽しい山歩きができた一日でした。

遠い場所まで快く運転をして頂いたIRIBITOさん、ありがとうございました。