ここ最近この時期に出かけるコースがあります。
山自体は花の咲く時期には少し早いのですが、道中の里の花が見頃なので
そのついでに山登りといった感じです。
昨年も同じコースを車を走らせ、ちょこっと歩いてあとは花散策をしました。
今日は朝から申し分のない天気、気分もウキウキで車を走らせました。
自宅から国道193号線を脇町へ。途中にも朝陽が当たって輝く桜の花が
道沿いのあちらこちらに。
まずはひとつめの目的地の美郷町の高開地区に。時間も早いので駐車場には他に車はなく
集落の石垣と芝桜を見学コースに沿ってゆっくりと眺めていきます。
「にほんの里100選」に選ばれた段々畑と芝桜が美しい集落です。
ただ少し時期が早いのか、いつもより芝桜の花の密度が薄いような気がします。
それでも大小の石の間にきれいに咲く芝桜は見ごたえがあります。
こんな山間部で、よくこれだけの数の石を積み上げたもんだと、感心するばかりです。
見学コースを回り車に戻って次の目的地の雲早山を目指します。
倉羅峠を越え神山町に入ると枝垂桜が目に付き始めます。
まだ花も散らずにちょうど見頃でした。
取りあえず土須トンネルを越え左に折れると、スーパー林道のゲートも開けられていて
そのまま登山口まで車を走らせました。
登山口で車から降りると、途端に鳥の鳴く声が飛び込んできました。
降りた瞬間の山の空気感とこの鳥の声が山に来た~と思わせる大好きな瞬間です。
3週間ぶりの山歩きに、スタートしてすぐに息が上がり始め、何となく体も重い気がします。
苔むした岩の間を流れる水を眺めながら歩くこの道も、この山のお気に入りの一つです。
広場を過ぎると谷あいの道をゆっくりと登って行きます。
支尾根の手前で右に折れトラバースに。
少し道が緩やかになると苔の岩の日本庭園が現れます。
ここから左に折れるとパラボラの分岐に着きます。
登山口から50分強。登山口の看板に書いていた山頂まで1時間というのは
自分には無理だな~と思いながら、丸太の木に腰を降ろして一服です。
この分岐から山頂までの尾根道が、この山のもうひとつのお気に入りのポイントです。
大岩もあり、とにかく明るい尾根が気分を高めてくれます。
分岐からほどなく山頂に到着。
360度遮るもののない展望はいつきても爽快です。遮るものがないだけに
吹き上げてくる風は強く、吐く息もこの時期なのでまだ少し白い!
遠くに見える剣山には雪が積もっているのが見えます。高城山の斜面にも
少しだけ残っています。
まだ時間が早いので、菓子パンひとつとカフェオーレで少し腹ごしらえして、
腰を降ろしてのんびりと山を眺めながらの時間を過ごします。
誰もいない山頂で青い空と山を眺め、少し冷たい風に当たりながら40分ほど過ごし
もと来た道を戻って行きました。谷あいの下りが意外と長く感じたものの
約40分ほどで登山口に到着しました。
登山口から今度は次の目的地の江田地区に193号線を戻って行きます。
昨年、訪れたときはピークが過ぎていたのですが、今年は花の開花が遅いので
少し期待して出かけましたが、残念!やっぱり菜の花のピークは過ぎていました。
駐車場に車を停めて歩き始めると、道の横におじいちゃんが。
「こんにちは!」と声をかけると「どこから来たんな?」と聞かれ、
香川からですと答えると、そこから話が始まって高松にいる息子さんや、
徳島にいる息子さんの話に始まり、家のお風呂を直した話など
話好きなのか、人恋しいのか30分ほど話し込んでしまいました。
どのタイミングで話を切ろうかとずっと考えながら、それでもニコニコ顔で聞いてあげると
嬉しそうに話を続けるので、おじいちゃんが小用に動いた隙に、「それじゃ少し歩いてきます!」と
言って別れました。
歩き始め畑に近づくと菜の花特有のにおいが漂ってきます。
花はもう疎らになっているけれど、桜の花との色と相まって春色を楽しませてくれました。
一回りして写真を撮り終え駐車場に戻ると、先ほどのおじいちゃんが待ち構えていて
仕方がないのでまたしばらく話に付き合い(10分ほど)、
「来年はもう少し早く来ますね!」と言ってお別れしました。
江田地区を離れ、最後に神山温泉で汗を流し、温泉の前の公園の枝垂桜を堪能し
山歩きと花紀行の満足した一日となりました。