KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』は諦め、虚空蔵山

2022年09月05日 | 四国の山
東から西に進んでいた台風11号が、ブーメランのようにUターンして北東に

戻って来た。今回の台風はヒンナムノーって云うらしいけど、どうやらラオスの国立保護

区の名前が由来だというが、そもそもラオスといわれてもどこにあるのか直ぐに思い浮か

ぶ人は少ないだろし、どうしてそんな名前がつくのか不思議に思って調べてみると、台風

委員会(日本を含む14か国等が加盟)が2000年から、北太平洋または東シナ海の領域

で発生する台風に、同領域内で用いられている固有の名前を付けることになったそうだ。

その各国で10個程度の名前を挙げ、発生順に140個の名前を順番に用いている。

ちなみに日本が命名した名前も10個あり、テンビン、ヤギ、ウサギ、カジキ、カンムリ

クジラ、コップ、コンパス、トカゲ、ワシとどれも星座の名前に由来している。


前置きが長くなったが、今回は台風一過の水曜日。四国に一番近づいた時の様子がどうな

るかが一番気になっていた。雨の量によっては登山道もひょっとしたら荒れているかも

知れないし、何より県道272号線から立川越までの道路の状況に気を揉んでいた。


計画では前回もスタート地点となった立川越の手前から林道を少し歩き、まずは三傍示山

まで登り、次に笹ヶ峰へと稜線を歩いて行く。そしてあわよくばその先の1029mの

標高点のさらに先の鞍部まで行けないかと考えていた。

そうすればその次のカガマシ~橡尾山を南側の仁尾ケ内から取り付いて往復し、橡尾山

から今回の鞍部までさらに往復すればカガマシ山~立川越までが線で繋がる。

但し橡尾山から東の尾根は登岐山並みのスズタケの藪が待ち構えているうえに、13~14

kmになるので、そのスズタケ藪を往復するのが可能かどうかが大問題。

ましてや先週の絶不調が頭に浮かんで計画段階で早くも弱気になる。




色々考えても仕方がない、取りあえずは今日の予定をクリアするのが先決。奥様たちと

いつものようにたからだの里で待ち合わせをして乗り合わせて国道32号線を南下。

猪鼻峠がトンネルになってやっぱり随分楽になった。大歩危のローソンまで順調だったが

空模様が怪しくなった。どんより曇った空に周りは霧雨。天気予報の台風一過という

言葉を信じ切って雨具を持ってこなかったあっちゃんが、コンビニでビニールカッパを

購入した。(雨具は絶対持ってこないといけないとあっちゃんもを窘める)

コンビニから南に少し走って県道272号線を右折。所々で道の脇に立つ妖怪を横目に

見ながら進んでいくと、最終民家を過ぎ、周りが杉林になってくると、台風の影響か、

道路には落ち葉や落ち枝が散乱していた。タイヤで踏むと跳ね返った枝が車の脇や底に

当たって嫌な音がする。

周りはまだガスの中、視界もそんなに良くはない。冗談で『メジカの新子ツアーに変更

しますか!』と奥様たちに話をする。今日はWOC登山部では登山ではなく土佐久礼の

大正市場にメジカの新子を食べに出かけていたのだ。天気がこのまま悪いようならその

WOC登山部に合流してもいいかもと話をしていたが、まだこの時点では三人とも登る気

満々。『でも台風一過だから海がまだ荒れていたら漁にも出ていないかもしれないね』

などといらぬ心配をしながら走っていると、霧のかかった道路の先に何やら怪しげな

斜めの線が見えた。『もしや!』と思って近づいて行くと、案の定道路を跨ぐようにして

木が倒れていた。ガ~~ン!

手前で車を降り木を持ち上げようとしたがビクともしない。山際に無理やりよれば車高が

低いので通れそうな感じがしたが、際には道路側溝が草に埋もれて隠れていた。










何とも、さっきまで言っていた冗談が本当になった。仕方がないのでUターンが出来る場所まで

バックして県道を引き返す。先週走った野鹿池山へ林道を走る手もあったが、恐らく時間は

1時間近くかかるだろうし、道路の状況もどうなっているか分からない。

というのも言い訳ぽく。もう頭の中も口の中もメジカの新子で一杯。そうとなれば水揚げが

あっても数に限りがあるらしいので急がねばならない。県道を引き返し、大豊ICから高速に

のり一路、土佐久礼の大正市場へと車をかっ飛ばす!


倒木のあった場所から100km以上走って着いた大正市場の駐車場。時間はすでに11時

近くになっていた。果たしてメジカはあるだろうか?気を揉みながら市場へと入って行くと

『メジカの新子、あります』と書かれた札が見えた。『やったー!』




しかも周りを見ると馴染みのあるWOC登山部の顔ばかり。『あれ、どうしたん!』と聞かれ

事情を説明して露店の前でしばらく話し込む。登山部のメンバーは注文を終えて既に食べ始め

ていた。私たちも名前と入り数を紙に書いて順番待ち。








すると紙にはそれぞれ2匹とか3匹とか書かれていたが、何と30匹と書いている人がいた。

お店のおばちゃんもメジカを捌くのに必死。(数が少ないのに少しは遠慮しろよと思った)











結局随分と待った挙句に、その30匹がなかなか捌けず、『よかったら隣のお店で注文して

もらえませんか』とお店のおばちゃん。待っている間に奥様たちは既に缶ビールを飲み干そ

うとしていた。運転手の私はそれを横目に見ながらお預け。

待ちに待ったメジカの新子は今まで味わったことのないモチとした食感に、噛めば噛むほど

うまみが出てきた。やはり生後1年未満の幼魚。人間も歳をとるごとに身体は固くなり、

弾力性もなくなってくる。それに比べて赤ちゃんの身体は柔らかくぷにゅとした感じ。

メジカの新子もまさにそんな感じがした。登山部のメンバーはこの後近くを観光すると

言うのでお別れして、我々はせっかくここまで来たので近くの山を一つでも登ろうと

言う事になり、YAMAPを検索。







登山口までの移動時間や行動時間を考えて、佐川町との境にある虚空蔵山に登ってみる

事にした。







須崎市の市街地を抜け、国道494号線を佐川町方面へ。この道は以前、WOC登山部で

蟠蛇森 に来た時に通った道。その道を斗賀野トンネルの手前で左に山の方へと上がっていく。

道なりに進んで行くがとにかく前から大型ダンプがやってくる。採石場でもあるのだろうか?

と思ったていたら途中に須崎鉱発勝森鉱山と書かれた看板の奥に何台ものダンプが停まっていた。

そこから更に走って行くと、左にパーキングと書かれた案内板があった。案内板に従って奥に

ある駐車場に車を停めて登山靴に履き替えてスタートする。
















山頂へと続く車道を歩き、駐車場から二つ目のカーブを過ぎると左側に山崎記念天文台の

案内板と天文台らしき施設があった。この天文台は、日本で初めて彗星を発見した天文学者、

山崎正光の功績を記念して建てられた施設だそうだ。











天文台を横目に見ながらさらに道なりに歩いて行くと、車道が右と左に分かれた場所に着いた。

その分岐の左少し奥に山頂への登山道があった。(帽子を車に忘れて怪しげなほっかむりを

して歩いてくるご婦人一人)














道は山頂への直登の道。里山となめていたが意外と急な道を登って行く。樹林帯の中で日差しは

当たらないが、とにかく汗が半端なく噴き出てくる。奥様たちも汗が止まらないと言って

いるので、『それはさっきのビールの汗です!』と嫌味をいってやる。










取付きが500mほどの標高だったので、山頂まではおおよそ150m以上のほぼ直登の道。

昨日の台風の名残でまだ表土は少し濡れている。やっと前方の脇に空が見え始め、目の前の

萱を掻き分けると車道に飛び出し、左に歩くと直ぐに山頂に着いた。










最初に目に飛び込んできたのは巨大な中継局の施設だった。その中継局の脇に何やら石碑と

大町桂月の胸像が立っていた。大町桂月は高知出身の詩人・歌人・随筆家として有名らしい。

その石碑の南側に虚空蔵山の山名標が転がっていた。







さらにその奥には岩のテラスと東屋。岩のテラスからは南の眺望が開けていた。

浦ノ内海足摺岬に続く海岸線。霞んでいなければ反対側には室戸岬が見えるかもしれない。










北東には土佐町から高知市の郊外?が見えた。










東屋でお昼ご飯にする。屋根の下の日陰で少しは風が吹き抜けていくが、じっとしていても

汗が止まらない。今までお昼はぶっかけうどんや冷麺だったのが、先週からご飯類に変えが、

今日は冷たい麺の方が良かったかもしれない。ご飯を食べた後は、虚空蔵菩薩にお参りをして、

西側にある三角点へと歩いて行く。








一旦下って緩やかなアスファルト道を登って行くと、道の脇には巨石が点在していた。










先ほどの東峰はテレビ局の中継局の施設だったが、こちらは電波塔が何塔も立っていた。

突き当りの電波塔のフェンスの横からGPSを見ながら茂みの中へ入って行くと、さらに

奥の別の電波塔の敷地の上に出た。














電波塔を真下に見ながら敷地の上の法面のさらに奥へ、藪を掻き分け入って行くと三角点は

あった。三等三角点 矢羽数森 674.9m








写真を撮った後は電波塔の敷地の法面の脇を、下に見えるガードレールに向かって降りる。







そこからはアスファルトの道を山頂をぐるっと回るような形で下って行く。杉林の中に

続く道、傍らに咲く小さな草花を撫でながら40分ほどで駐車場に着いた。











駐車場からは往路ではダンプと何台もすれ違ったので、斗賀野トンネルの北側への違う道を

降りて行く。途中で北に眺望が広がっていた。佐川町ののどかな田園風景のその奥には

幾重にも重なり続く山の稜線。ただこの辺りの山は全く見当もつかない。唯一登ったのは

横倉山くらい。四国の山もまだまだ奥深い。行動時間が約2時間。大正市場で1時間ほど

いたので、今日は家を出てから9時間以上車を運転していたことになる。家について

メーターを見てみると420kmほど走っていた。車の運転はほとんど苦にならないが、

あまり歩けなかったのが気がかり。来週にはあの倒木は除去されてるだろうか?

取りあえず帰ってネットで見てみると虚空蔵山は須崎市・土佐市・佐川町の2市1町の

3つにまたがっていた。本来予定していた三傍示山も3県にまたがっている。市町と

県で違いはあるが、まぁまあ同じようなもんだったと妙に納得した一日だった。







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1 コメント

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Unknown (yama3)
2022-09-10 16:30:24
伊予富士を登るのにカッパを忘れた人もいてたよなぁ。(笑)
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