香川県も緊急事態対策期に入り、WOC登山部も先週から自主トレに入った。
本来なら先週に登ろうと思っていた雲早山だが、
天気予報がイマイチだったので断念し、今週に順延した。
お目当てのシャクナゲ尾根はYAMAPを見ていると、どうやら先週位までが
ピークだった様子。それでも一部の可能性に賭けて車を走らせる。
今日は現地集合で西讃支部?の奥様二人と待ち合わせ。スーパー林道の登山口からスタートする。
予定では高丸山への縦走路の途中にある1334mのピークまで脚を延ばして
シロヤシオを見に行こうと思ったが、前日に南高城山に出かけたKyoさんの
シロヤシオの写真が見事だったので、雲早山に登った後に車で移動して、
シロヤシオ見物は南高城山に計画変更する。身支度をしていると車が一台やって来た。
男性一人の登山者だったが、その方は先にシャクナゲ尾根へと林道を下って行った。
雲早神社の鳥居を潜り登山道を進んで行くと、道は直ぐに沢沿いの道になる。
最初は左岸の道から、渡渉をすると中州のような両側に沢の水が流れる道になる。
中州の道を登って行くとベンチのある広場に着いた。kyoさんがカツラの広場と言っている場所には
カツラの古木が二本の太い幹に分かれ、新緑の葉を大きく広げて空に向かって高く伸びていた。
広場からは左に涸れ沢の谷筋を登って行く。
足元にはあちらこちらにトリカブトの濃い緑の葉が目につく。
目の前に稜線が迫ってくると道は右に折れ、九十九折れの道が続いていく。
広場からの長い登りの続きで、息が上がり額に汗が流れ落ちる。
道が次第に緩やかになると心拍数も落ち着き始めた。
トラバース道から左に折り返す手前の苔岩が広がる斜面を横目に見ながら
少し登ると、パラボラアンテナの標識のある高丸山との分岐に着いた。
登山口から40分。時間はまだ9時20分と少し早いので、せっかくならということで高丸山への
縦走路の1445mの標高点辺りまで歩いてみることにする。
分岐から左に折れて少し登ると西側に展望が開けた場所に出る。
ここからは高城山や砥石権現が少し霞んではいるがよく見える。
道は右に折れて自然林の中の気持ちのいい道が続いていく。新緑の緑の中にあって
オレンジ色のグラデーションの葉をつけた低木がいたるところで目につく。
少し小高い場所からも霞んでいるが徳島市内方面が見えた。
1445mの標高点が近づいてくると、道の北側にシャクナゲがまだ少しだけ花を残している。
あっちゃんとルリちゃんにはシャクナゲ尾根は
期待できないので『しっかりと目に焼き付けておいてね!』と。
縦走路はここまでで、折り返して雲早山へと向かって行く。
見上げると梅雨に入ってしっかりと雨を受けた木々の瑞々しい新緑が目に眩しい。
パラボラ分岐からは明るい尾根が続いていく。すると上から先ほど駐車場で挨拶した男性が下って来た。
さっそく『シャクナゲはどうでしたか?』と聞くと、『シャクナゲ尾根はもう終わっていました。
山頂の下に一本だけ咲いていましたよ。』と。
ガ~ン! (^_^;) 二人の厳しい視線がこちらに注がれる。
『シロヤシオは見に行かないのですか』と聞かれたので、
『今日は南高城山へ行ってみます』と答えて別れた。
その男性が教えてくれた通り、山頂手前の尾根の下に一本、満開のシャクナゲみ~っけ!
奥様二人はこれで少しは満足してくれただろうか?
雲早山山頂では相変わらず薄曇り。そして二等三角点:雲早山と雲早神社の祠。
周りに見える山座を同定しながら、少し肌寒くなってきたので上着を羽織る。
山頂からまた引き返しブナの尾根の途中からシャクナゲ尾根へと下って行く。
下りが尾根道になるとまた自然林の中の素敵な道になる。
途中にあったシャクナゲはほぼ落花。やはりシャクナゲ尾根も・・・・・。(~_~;)
尾根道の表土は柔らかく緑の中の快適な道に、二人がどんどん先を行く。
『右側にテープがあるから見落とさないで!』と声を掛けたあと、しばらく歩くと
樹脂製の境界杭のある場所で立ち止まっている二人に追いつく。
ここを右に折れるといきなり急坂のシャクナゲ尾根が始まる。
尾根の両側には延々とシャクナゲが続いていくが、途中で数輪花が残るだけ。
足元にはすでに枯れて茶色くなった花がたくさん落ちている。
シャクナゲ尾根を下りながら前を歩く二人が、朝の連続ドラマの話で盛り上がっている。
その時間には会社にいる私にとっては全く縁のない内容だが、
どうやら出演者の俳優の名前がでここないで、あ~だこうだと言っている。
話に夢中になっている二人について行くと、次第に道が怪しくなってきた。
『踏み跡をよく見てね!』と声を掛けるが、黄色いテープを最後にとうとう道は無くなり、
それでも二人はどんどん下って行き、急斜面に木々を掴まりながら降りるようになる。
そのうち勢いがついた私は、足を止める為に前に見えた木の幹元めがけ飛びつき
細い幹に掴まった瞬間、前のめりに体が宙を舞い一回転してそのまま3mほど落下。
『大丈夫?』と言いながら『そのままじっとして』と言って写真を撮るあっちゃん。
撮られた写真は何とも哀れな姿だ。
背中に衝撃が走ったが、幸いザックがクッションの役目をしてくれ大事には至らなかった。
今まで何回か落ちた事はあったが、道から外れて急な斜面を無理やり下った際に
同じように枯れ木を掴んで転げ落ちた。慣れは禁物、油断大敵と反省。手の擦り傷が痛む。
取りあえずGPSを見てみるとやはり尾根から西に外れている。
今更引き返して登るのも何なので、トラバースして軌道修正をする。
慣れないルリちゃんは右往左往しているが、何故かあっちゃんは喜んでいる。
結局尾根から道を外して戻るまで、25分近くもかかってしまった。
道を外したのは丁度尾根の中間地点。そこからもすっかり緑の葉だけになった
シャクナゲの痩せ尾根を下ってスーパー林道まで戻って行く。
林道に出て車を停めた場所まで戻って行きながら、『残念でしたねシャクナゲ』と言うと
あっちゃんが『いいじゃないですか、すぐ横に華がずっといたので』と・・・・(^_^;)
雲早山登山口から一旦車に乗り込み、ファガスの森まで移動する。
ファガスの森には何台かの車が停まっていたが、その内の何台かは
木製のスロープを新設している工事の人の車だった。
建屋の前のベンチに腰掛け昼食を摂る。ファガスの森高城は水曜日はお休みなので
未だ一度も中に入ったことがない。
昼食後はもう少しだけ先の南高城山まで車を走らせる。林道脇には車が三台停まっていた。
林道から南に山頂への道が続いている。自然林の中を少しだけ下り、登り返すと
笹の斜面に沿ってシロヤシオの木々が続いている。この木は花の密集度が他のツツジと比べると格段に多い。
その花の大きさと葉の数も多いので、白い色も相まって遠目から見るとあまり目立たない。
更に離れて写真を撮ると、緑の中に埋没してしまう。
写真を撮ったり動画を撮ったりしていると、先を歩く二人の姿は見えなくなった。
代りのに上から降りてきたご夫婦の男性に『KAZASHIさんですか?』と声を掛けられる。
『今日はお独りですか?』と聞かれえたので、『いえいえ前に〇〇さんが二人が歩いています』と答えた。
山頂近くの展望所と分岐から西に下ったシロヤシオの咲く場所を教えていただき別れた。
山頂らしき場所にはヒメシャラの幹に南高城山の山名札が掛けられている。
山名は地形図などに載っている正式な名前ではないが、この時期にはたくさんの人が訪れるようだ。
山名札から左に折れて笹道を進んで行くと目の前が開けた。展望所からは西二子山や
先ほど歩いた雲早山、そして高丸山が見えた。
展望所から引き返し今度は山名札から左に折れて下って行くと、先ほどの男性に
教えてもらった通り、シロヤシオがたくさん咲いていた。実を言うとこの南高城山は初めてで
これでけのシロヤシオ見るのも初めて。アイコ様の御印の木にもなっているこの木は
葉の展開と一緒に花が咲いているので、薄緑の葉に白い花がとても清楚な雰囲気を漂わせる。
やはり女性もこうあるべきと奥様二人に・・・・!。(*´▽`*)
同じ場所にあるのに満開の木とほとんど落花してしまっている木があり不思議だ。
白と若緑の競演を存分に楽しんでいる奥様達。これで先ほどのシャクナゲ尾根の件はチャラに
なった事だろうと、ほっと胸をなでおろす。
林道まで戻った後は高城山へと取り付く。空は朝方から比べると随分と青い色が広がって来た。
鉄塔広場を過ぎ、小さな岩を乗り越えると雨量レーダーまでのモノレールの横に出る。
そのモノレールに沿って登っていると前を歩くあっちゃんが、そのモノレールに近づいて行く。
あわてて『いかんよ!登ったら』と声を掛ける。目を離すと油断も隙もない!
先ほどの南高城山がゆるゆるだったので、雨量レーダーまでの最後の坂が暑さも相まって堪えてくる。
巨大なレーダーの横まで来ると、あとは尾根を少し歩けば高城山だ。
高城山山頂からは東に剣山や三嶺そして天神丸を経て
ここまで稜線が続いている。今日はWOC登山部の別のメンバーが三嶺~剣山の縦走にチャレンジしている。
今頃どの辺りを歩いているんだろうね?と三人でエールを送る。
高城山からまたレーダーまで戻り車を停めた林道へと戻って行く。
今日はとにかく短い距離だが折り返しばかりだったような気がする。
シャクナゲ尾根は結局予想はしていたが残念な結果に終わった。その代わりに
南高城山のシロヤシオが奥様二人のご機嫌をとってくれ、私にとっても初めて見るシロヤシオの数に
どちらの山ものんびりと歩く事が出来、とても有意義な一日になった。
雲早山のトラック
高城山のトラック