KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC・登山部 2019.02.27 毛無山

2019年02月28日 | 四国外の山
今年に入ってWOC・登山部でさあ雪山で遊ぶぞ~!と意気込んでいたのに

地球温暖化の影響か?暖冬・暖冬の声ばかり、Web上でも今年はどこの山も雪が

少ないというレポートが目に付きます。

先週の丸笹山も雪解けが思った以上に早く、今期はもう雪山は厳しいかな?と

諦めかけていたのですが、四国の山がダメなら四国を飛び出して!

まだまだ望みは捨てません。何とか雪のありそうな、日帰り登山のできる山

という事で、岡山県と鳥取県の県境に近い毛無山なら・・・・。

で!出かけてきました。       とは言え企画はしたものの・・・・・、

瀬戸大橋を渡って岡山まで出かけて万が一『雪がない!』なんて事になったらと、

プレッシャーがかかったのか、明け方変な夢を見て朝の4時に飛び起きてしまいました。

その夢はというと、集合時間に遅刻しそうになって慌てて高速で丸亀市に向かうため町内の

高速のICに入って直ぐに、何故か次の瞬間、蒜山SAに到着して『しまった~!』と慌てて

目が覚めたのです。宇宙戦艦ヤマトなみのワープでICの料金所を通った瞬間の出来事でした。

そこからは寝つけず、布団の中で濛々としながら5時に起床。支度を整えて

まだ暗い中を集合場所の丸亀に向けて出発しました。


丸亀で集合した後、今日は総勢6名で坂出ICから一路北へと向かいます。

湯原ICで降りて県道55号線を新庄村へと向かいますが、まだどこを見ても雪のかけらも見えません。

次第に焦りが出てきましたが。登山口の『毛無山山の家』の駐車場には雪が残っていてほっと一息。

ここから山頂までは標高差600m。『これなら山の上にはまだ雪が残っているでしょう!』




駐車場で身支度をして道の脇に雪の残る登山口へのアスファルト道を歩いて行きます。







道の脇には雪解けのいかにも冷たそうな水が流れる沢が並行して続いています。

杉林は幹回りも太く背の高い杉が並んでいます。







アスファルト道が終わり道が雪道になると、いよいよ登山道です。

杉林の中の沢の小さな水の音だけが聞こえる静かな道です。










雪は次第に深くなっていきますが、踏み跡を辿りながら進んでいきます。

せっかくの雪道ですが、雪の上に杉の落ち葉が散乱していてあまりきれいではありません。







ここのところ積雪のない登山道は、日中雪が溶けては夜中に氷ってを繰り返し

程よく締まっていてアイゼンの爪がよく利いてくれます。

道の脇には判りやすく『合目』の標識が・・・・続いています。










道の傾斜も次第に急になってきました。杉林の中を縫うようにしてゆっくりと登って行きます。

林の中で風もなく汗を掻き、暑くなってきたのでこの辺りで上着を一枚脱ぎます。











杉林が終わり踏み跡を辿りながら進むと、どうやら登山道から少し道を外したようで

ほとんど直登の急な斜面を登って行きます。踏み跡から外れると膝の上くらいまで壺足になります。











薄暗い杉林からすっかり葉の落ちたブナの林になると周りも急に明るくなり、振り返ると遠景や

薄曇りの空にも小さく青空が見えたりします。











『これなら山頂からの大山も期待できるかもしれませんね!』とやっさんと話しながら・・・・、

やっとのことで尾根に出ました。








15年近くも前に『山楽会』で登った時の記憶は薄く、

ただ紅葉の素晴らしさだけが蘇ってきます。(その時の写真です)

今年の秋にもう一度是非訪れてみたいな~!








尾根に出ると先ほどまでの急登から随分と緩い道になり、少し間の開いた後続を待ちます。








毛細血管のように細く四方八方に枝を伸ばしたブナの木




後ろを見ると尾根の手前の最後の急登を麺法師さんを先頭に後続が登ってきています。

積雪の後で踏み跡がなければ、かなり苦戦しそうな場所です。











この尾根道でも時々ズボッ!と膝くらいまで壺足になります。

踏み跡の横には長方形のスノーシューの跡も続いています。WOC登山部の次の目標は、

新雪の中のスノートレッキングです。でももう今年は降雪は期待できないので、来年かな・・・・?

気持ちのいい尾根道をしばらく歩くと、九合目の避難小屋に着きました。







小屋の外に掛けられている温度計はマイナスを示していますが、思ったより寒さは感じません。








避難小屋から最後の急登を登ると樹林帯が終わり、展望が開けてきました。







山頂は木々もなく360度の眺望です。一説には遠くから見るとこの山頂がハゲ山に見えることから

『毛無山』と呼ばれるようになったといいます。北側には楽しみにしていた『伯耆大山』

予想以上に綺麗に見えます。『蒜山三座』もきれいに並んでいます。










後続チームもゆっくりと登ってきています。下から『どう?(景色は)』と声が聞こえたので

『最高ですよ!』 と応えます。














メンバー全員が山頂に到着。皆さんも期待以上の眺望に声が上がっています。

1218mのけっして高くはない標高ですが、四国の山とはまた一味違った景色です。














風もなく寒さもさほど感じないので、ゆっくりのんびりと眺望を楽しんだ後は

避難小屋まで降りてお昼ご飯にします。











閉ざされた小屋の扉と窓を開け放ち、小屋の中を明るくしてお弁当を頂きます。




いつものようにIRIBITOさんがお湯を沸かせてくれるのですが、

気温が低いせいかなかなか湧き上がりません。気化熱で冷たくなったボンベを交代で温めます。

(決して暖を取っているわけではなく、交代しないと手が冷たくて・・・・・)






次はこうちゃん、交代!








お昼ご飯を終えた後は待ちに待ったソリ大会! です。

程よく締まった雪の尾根は緩斜面ですがそこそこスピードが出ます。

雪山禁止を今日解禁したルリちゃんも楽しんでいます。

















登りの時に難儀した尾根直下の急登は、とんでもない事に! になりました。

急斜面過ぎてソリを使うとスピードが出過ぎて止まりません!

あっという間に二人を追い越していくやっさん。スピード違反です!




登山道から外れてスノーボードで降りたような跡を辿りますが、急斜面は怖すぎて麺法師さんは

ヒップソリを使うのをやめて尻シェードで降りてきます。(@_@)










歩くとズボズボの壺足、滑るとジェットコースターのこの斜面は楽しすぎます!

IRIBITOさんもまともに歩いて降りることすらできていません!














登山道から沢を挟んで降りてきたので、修正して沢を渡ります。

ここでも足を踏み外すと腰まで雪に埋もれてしまします。








登山道まで戻るとほっと一息。はしゃぎ過ぎて恐らく明日は筋肉痛になりそうです。

存分に楽しんだ雪山をなごり惜しみながら駐車場へと戻ります。

メンバーはそれぞれ『最高!楽しかった!』 と口にしています。











そういえば以前に来た時にはちゃんと登山届を出したのを思い出しました。

その登山届のポストに駐車場に帰ってきたから気づくなんて・・・・・。








今年に入って三回目の雪山山行の中でも、思った以上に雪が残っていて一番楽しめた毛無山。

高速を使っても3時間近くはかかりますが、それでも出かける価値のあった今回の登山部でした。

安全第一でもっともっと雪山を楽しみたいですね!

WOC.登山部 2019.02.20 丸笹山

2019年02月21日 | 四国の山
昨年と同様に前回の『国見山』に続いて、今年も第二回雪山登山は

歩く距離も短く高度差も少ない『丸笹山』に出かけてきました。

先週末辺りならまだ積雪もあったのですが、今週に入り急に気温が上がりました。

しかも前日は雨。気温が低ければこれが雪になって積雪が見込めるのに、ラジオから聞こえる

天気予報では3月中旬並みの気温とのこと・・・・・・ト・ホ・ホ~! (;´Д`)


丸亀からのメンバーに貞光でピックアップしてもらって、今日は7名での山行です。

貞光から一字村を過ぎ、ヘアピンに差し掛かっても全く雪の気配がありません。

IRIBITOさんのフレンディ号は、『何だ坂、こんな坂!』と元気よく

登って行きますが、一向に現れない雪の姿に段々と不安になってきました。それでも

やっとヘアピンが終わりスキー場の手前辺りから路面が凍っているヶ所が現れ始めました。

硬く凍った路面に車体がガタッと揺れ少しはテンションがあがってきました。

ただ昨年は雪で真っ白だったラ・フォーレの前の駐車場は、ほぼ全面砂利が・・・・・・! (T_T)







それでも一応メンバーはスパッツを付けアイゼンを装着してスタートしました。

私はザックの一番下にあるアイゼンを取り出すのがめんどくさくて、

アイゼンを付けずにそのまま歩いて行くことにしました。




前回の国見山でダイソーで買ったヒップソリは割れてしまってほぼ全滅でした。

そこでみなさん今日は新しく購入して準備をしてきています。

しかし登山道にも最初は雪が全く見当たらず、露岩を踏んで出るアイゼンの金属音が

口の中で石を噛んだようなイやな音が空しく響きます。

ただダケモミの森は普段歩く樹林帯とは違った針葉樹らしい、北の森といった

とてもいい雰囲気が漂ってきています。








『雪がないね~・・・。 (~_~;) 』と言いながらと麺法師さん先頭を歩いていましたが、

その内に徐々に待望の雪が現れ始めました。『待ってました! (^O^)/ 』

コウちゃんもほっぺを真っ赤にしながら登ってきています。

麺法師さんが前回帰り道に大歩危のモンベルで買ったヒップソリは、ちょうどお尻の形をしていて、

後ろから付いて歩いているとプリプリと光って何となく艶かしく見えます。








山頂から西に延びる尾根の北側のこの辺りが一番雪が残っている場所でした。

登山道から外れた斜面に目をやっては滑れそうなところを物色しながら歩いて行きます!














1586mから尾根に乗っかると木々もまばらになり、今度は次第に雪が少なくなってきました。

やはり日当たりで雪解けの速度が随分と違うようです。山頂は名前の通りの笹原。

積雪はまず期待できそうにありません。











途中、今まで雪に埋もれていただろう石仏も、雪が解けて春を待ちわびているように見えますが、

今日だけは『お願ぇ~しますだ!もっと雪が積もっていますように!』と祈ってみるものの・・・・。





山頂が近づいてくると背の低い笹も露出していて、登山道に雪が残っている程度です。

所々凍った路面にアイゼンを付けずに歩いていたので、足を滑らせます。

時折壺足になって疲れが出始めた麺法師さんと先頭を交代して歩いて行きます。
















樹林帯の中から頭上が開けて笹だけの道に飛び出すと、雲で頭が隠れた

『剣山』が正面にど~んと目の前に現れました。







西側には積雪がほとんど見られない『塔ノ丸』の尾根が続いています。

いつもならその塔ノ丸の山頂の横に見える『三嶺』も、今日は雲に隠れています。




ここからは左に巻く道と直登の道の分岐になっています。麺法師さんは左の道を選んで、

その後ろをメンバーが付いて行っています。私はそのまま真直ぐ広い笹原を登って行きます。




振り返ると尾根の北側からガスが登ってきて、なかなかいい感じです。





昨年はソリ遊びを思う存分楽しんだ山頂はやはり僅かに雪が残るだけです。

それでも徐々に空は雲が流れて青空が見え始めました。




分岐から真直ぐに歩いた私の後ろからはIRIBITOさんだけが来ていました。

二人だけで山頂からの景色を楽しんでいたのですが、しばらくしても分岐で

別れた麺法師隊があがってきません。





吹き上げてくる風が冷たく、写真を撮る度に脱いでいた写した後直ぐに手袋をはかないと

指先が痛くてたまりません。相変わらず麺法師隊の姿は見えません。

もしや『雪山遭難』の四文字が頭を過ります。(笑)




5分以上たったでしょうか、下の方からやっと声が聞こえてきました。

その内に麺法師さんの姿が・・・・・。どうやら道を間違えてけっこう下ってしまったようです。

IRIBITOさんと到着が遅いので心配していたのですが、二人で『杉さんがいるから大丈夫やな』

安心していたのに・・・・・。(杉さんはまず道を間違えることがないのです。)







山頂からは雲が流れて目まぐるしく景色が変わっていきます。

全く顔を見せなかった『太郎と次郎』も顔を出してくれました。










前回の国見山からの青空の下での大展望に比べると、雲の多い冬らしい暗い空の色をしていますが、

それでも剣山から三嶺へと続く稜線の雪景色は素晴らしいものがあります。

この積雪時にはとてもじゃないけど無理だけれど、いつか気候のいい時期に

目の前に続く『四国のゴールデンルート』を歩いてみたいもんです。













記念撮影をした後は山頂は吹き曝しで寒いので、下山してお昼にすることにしました。

下山路は北側からのトラバース道を下ります。せっかくなので途中でソリに挑戦するも

雪が柔らかく過ぎてソリが埋まってしまってスピードが出ません。




雪が融け風に吹かれると出来る『スプーンカット』 の斜面は春が近づいている証拠です。








しばらくはソリ遊びをしながら『赤帽子山』へと続く道を下って行きます。

この北側も緩やかな広い尾根で一風変わった倒木や、

鹿害避けのネットが巻かれたダケモミの木々の間を抜けていきます。











その内に雪に埋もれてしまっているのか登山道から外れてしまいます。一旦GPSを確認すると、

このまま下って行っても分岐からのトラバース道に出るようなので、そのまま急坂を下ります。








足元には足の踏み場がないくらいに鹿の糞が・・・・・・!

幹の細い木に掴まりながら下りて行くと、木々は剥皮被害が酷く先ほどのこれでもか!というくらい

ネットで巻かれた少し異様なダケモミの森の風景も納得できます。




やっとのことで分岐からのトラバース道に飛び出しました。このトラバース道の途中には

『貞光川源流』があります。ただ今日はその源流の碑が見当たらず、

代わりに3~4mほどの氷柱が道の脇に出来ていました。







かなりの厚みのある氷柱は氷の奥が青白く光っていて神秘的です。

ヨウちゃんも足元に注意しながら通過!








この道の途中では夏場だと苔むした日本庭園のような谷あいが見られるのですが、

今日はほとんど埋もれてしまっています。










山の北側のせいでけっこう雪も残っていて、陽が当たるとキラキラ輝いてとてもきれいです。

やっさんもその景色を写真に収めています。







原生林の中の気持ちのいい道が続いています。ほぼ水平のトラバース道に

余裕も出てきて周りの景色を楽しみながら歩いて行きます。











最後に単管の手摺が付けられた谷筋を慎重にトラバース。今日唯一アイゼンを付けていないと

ヒヤッとする場所でした。この辺りが『貞光川源流』かな?














せっかく持ってきているのにものぐさでアイゼンを付けずにいたので、凍った路面に

二度ほど尻もちをついて転倒しました。その後、雪の残るトラバース道を

ゆっくりと歩いた後は、ラ・フォーレつるぎ山に到着しました。ここで昼食にします。




山頂での天気に比べて『登山のあるある。下山した途端に晴れる!』で頭の上には青空が広がっています。








今日はIRIBITOさんの沸かしてくれたお湯を頂いて温かいラーメンでのお昼です。

日差しの降り注ぐベンチに腰掛けお昼ご飯を食べた後は、恒例のコーヒータイム!











昨年は完全凍結していた夫婦池も、今日は池の南側はどうも怪しげな雰囲気です。

北側のまだ凍っていそうな場所で麺法師さんがチャレンジしています。







最後まで諦めきれずに池の斜面で滑ってみるも、傾斜が緩いのと雪が緩いので足で漕いで

滑っています。





前回の国見山で味を占めて雪山を楽しみに出かけてきたのですが、やはり春一番が吹き気温が

あがった山は申し訳程度に雪が残っていた程度でしたが、それでも前回とはまた違った景色を

見ることができ、少しづつ春の近づく丸笹山を後にしました。

WOC.登山部 2019.02.13 屋島

2019年02月14日 | 香川の里山
先週末時点での今日の天気予報は降水確率10~50%とバラつきがあり、

どこに出かけるか頭を悩ませました。

この時期にカッパを着て歩くのも寒いだけで楽しくありません。

ならば雨が降った場合は傘を差してのんびり歩け、雨が降らなかった場合はメンバーが

歩いた事のない道を登るコースで『屋島』に出かけてきました。


少し早めに集合場所の屋島神社の参道横の駐車場に着くと、すでに2~3台の車が停まっていて、

しばらくすると次から次と車がやってきて、リュックを背負った登山者らしい恰好をした

おおよそ30人近くの人が集まってきました。

その内の世話人らしき人に話を聞くと、『かがわ長寿大学』の中の同好会で

『山をゆっくり歩こう会』とい会のメンバーだそうで、調べてみると

毎週水曜日の午前中に県内の里山を歩いている会の様でした。




その内にWOC登山部のメンバーも集合し、まずは屋島神社を参拝してスタートします。

境内はきれいに清掃され、石段の最上部にある社殿は立派な構えしています。

ここで賽銭を取り出そうとポケットに手を入れると、車のキーがないのに気づきました。

集合場所でバタバタして車のキーを付けたままにしていました。

慌てて石段を駆け下り鍵を閉めて戻ると、麺法師さん に『セニョさんウィルス』 に

感染していると茶化されました。(いつもはよく忘れ物をするセニョさんが茶化されます。)




社殿の横を通り猪避けの柵の扉を開けて中に入ると、いよいよ今日唯一の急登が始まります。

途中までは木の枝に巻かれた赤テープを目印に登って行きます。




先頭で快調に登って行く私に麺法師さんとルリちゃん が

『昨日の夜はあまりお酒を飲んでないやろ!』 と。

たしかに先週の二日酔いでの『五夜嶽』 の藪漕ぎ急登に比べれば、気持ちよく登って行けます。










その内にテープは西に向かって付いていますが、ここはテープを無視して

そのまま真直ぐ『冠ケ嶽』の大岩壁に向かって登っていくと

笹が生えた踏み跡のある道になります。その笹道をやり過ごすと足元はザレた道になり

見上げると木々の間から冠ケ嶽の岩肌が見え始めました。










屋島の地質についてはとても興味深いレポートがあったので参考に!

↓↓

『屋島のメサはどうのようにしてできたのか? 香川大学 長谷川教授』


このレポートによるとこの安山岩の岩壁の下部のザレた斜面は、

花崗岩の基盤の上を『讃岐岩質安山岩』『崩積土』 が

薄く被膜しているとの事。勉強になります。

この岩壁の下部からはその巨大な安山岩の岩肌が、大迫力で迫ってきます。

その安山岩も場所によってさまざまな表面をしています。










高松市内にあってしかもこんな岩壁のなかなかない風景に、メンバーもひとしきり感心しています。

この岩壁の正面からは岩の間を直登で登って行けるのですが、今日は安全をとって

岩壁の下部をトラバースして行きます。







しばらく歩いて行くと次第に岩壁の高さが低くなり、最後に傾斜の緩くなった露岩を

登ると冠ケ嶽に続く道に飛び出します。







ほぼ水平な地道を南に歩いて行くと、屋島の東南端の『冠ケ嶽』です。

ここからは東に『五剣山』、そして志度湾の眺望が開けています。

展望台の柵を越え更に先の岩壁の上部から景色を見下ろします。

『あんまり先まで行ったらいかんな!』と言いながら、端まで進んで見下ろしている

やっさんとルリちゃん を後ろから見ているだけで股間がザワザワとします。







ひとしきり景色を楽しんだ後は、屋島ケーブルの山上駅跡まで

とても雰囲気のいい道を歩いて行きます。

約15年ほど前に廃止されたケーブルカーですが、昭和4年に開設されたと言う事は

この山上駅は90年も前に建てられた建物になります。

幾重にも重ねられた庇やその庇を受ける持ち送りも手をかけた芸術的な造形をしています。

昭和というより大正ロマンを感じるとても立派な建物です。今は色褪せた外観ですが、

出来たばかり白亜の駅舎はさぞかし見ごたえがあったと思います。







山上駅からは遊歩道をのんびりと歩いて行きます。

屋島寺への分岐から右に折れ『北嶺』へと向かいます。

途中では何ヵ所か展望台があり、その都度目の前に広がる景色を眺めながらの散策です。







今は廃墟となった『ホテル甚五郎』の前を通り、更に北に進むと北嶺を望む展望台。

この先から北嶺への道が続いているのですが、何やら警備員が立って通行止めの看板が!

その警備員に話を聞くと、現在北嶺への遊歩道の整備のために通行止めになっているとの事。

『遊歩道を通らずに尾根道を歩いて行くので!』と言って通らせてもらおうとするのですが、

『迂回して万が一事故でも起こったら、工事の責任になりますから!』と頑として通らせてくれません。

仕方がないので予定していた北嶺は諦め、『獅子の霊巌』へ廻って一旦駐車場まで下って

車で『長崎の鼻』まで行き、お昼ご飯を食べた後、北側から『遊鶴亭』まで登ることにしました。




『獅子の霊巌』までの遊歩道の途中にある『屋島水族館』では館外から

イルカがジャンプしている姿が見えました。

そういえばこの水族館の海水はどうしているんだろうと思っていると、

やっさんが『この水族館は水道水を特殊な処理で海水に変えている、

全国的にも珍しい技術を使っている』と教えてくれました。なるほど・・・・。




『獅子の霊巌』からはいつものように高松市と瀬戸内海を見下ろす大展望が広がっています。







ここから『県木園』の中を通り、最後の西南端へと歩きます。

西南端には以前になかった案内板が設置され、東を見ると

長年かけて整備された『屋嶋城』が望めます。







眺望のいい場所に来ると必ずメンバーは登山部らしく『あれが〇〇山でその横が〇〇山』などと

まずは山の特定をして楽しんでいます。




西南端から『屋嶋城』を見学して直接新しくできた遍路道へと下って行く階段を下ります。











遍路道を下って行く内足も疲れ始め、長崎の鼻からまた北嶺へ登り返すのはしんどいな~! と

後ろ向きな気持ちになってきました。麺法師さん と『ご飯を食べたらどこか観光でもしようか!』と密談。




『加持水』の石仏の下から脇道に入り、屋島の麓を屋島神社まで戻って行きます。

屋島の麓はほぼ猪避けの柵で囲まれています。




『大宮八幡』の境内を抜け、屋島ケーブルの駅まで戻ると駐車場です。










駐車場から一台の車に乗り込み、長崎の鼻に向かいます。ただここでも駐車場までの道が

土砂崩れの復旧の工事中で通行止め!仕方がないので県道わきに車を停めて歩いて行きます。




丁度お昼休みで休憩中の工事現場の横を通り着いた長崎の鼻は、

春の日差しのような温かい陽の光が降り注ぎ、お腹を空かせてのお昼ご飯には絶好の場所です。

穏やかな瀬戸内の海と島々を眺めながら、ゆっくりとお弁当を頂きます。








沖を行くフェリーを手玉に取る?ルリちゃん!










先月ニューヨークタイムズが『2019年に行くべき52カ所』の中で、世界の中での

第七位に輝いた美しい景色の広がる瀬戸内海ですが、足元を見るとたくさんのごみが

波打ち際に打ち寄せられています。特に目を引くのはペットボトル。これ以上の膨大な数の

ペットボトルが海の上を漂っているのを考えるとぞっとします。










のんびりとした時間を過ごした後は車を停めた県道まで戻って行きます。

帰りは工事現場を通らずに尾根道の中を進んでい行きます。途中にはこんもりした丘のような

『長崎鼻古墳群』の中を通って行きます。










この道も樹林帯の木漏れ日の中、とてもいい雰囲気の道です。








車に戻ってメンバーに北嶺には登らないと告げると、杉さんとコアラさん が

『あれ?いつ決まったん?』と。お二人は登る気満々だったようですが、

最初の冠ケ嶽への直登が堪えたのかいつになく足が疲れています。

長崎の鼻を後に残りは観光で!と言う事で、庵治町にある

『竜王公園』へ行くことにしました。

庵治町は四国の北端の町。竜王山の山頂が整備されて三年ほど前にオープンした公園です。

四国の北端らしくここからも瀬戸内の穏やかな景色が広がっていました。



園内は石材の町の庵治町らしい石野彫刻が並べられた彫刻広場となっています。

園内の道を歩いて行く逆光のコアラさんの後ろ姿が、かえって雰囲気が出てうまく撮れています。




スターウォーズに出てきそうな彫刻もありました。





『ウォッチタワー』と名づけられた山頂にある鉄製の橋は、

腕時計の形をしています。ここからは普段見ることのない

いつもと違う形をした『裏五剣山』が見えます。




手摺に取り付けられた小鳥のオブジェが日時計になっていて、その影が現在時刻を示しています。







ウオッチタワーの奥に『竜権さん』が祀られ、すぐ横にはキティーちゃんのプレートがありました。




地形図ではこのウォッチタワーの真下が三角点になっているのですが、どう探しても見当たりません。

するとヨウちゃん が『さっき登ってくる途中にあったわよ!』と。

彫刻広場の芝生を下りながら、GPSを見ても三角点マップを見てもどんどん遠ざかって行きます。

その内に『石のオブジェと間違ったんと違うん?』などと、ヨウちゃんに疑いの目を・・・・!

しかし芝生の中に移設されたのか本当に真新しい三角点がありました!

家に帰って国土地理院の基準点成果閲覧サービスを覗いてみると

確かに成果情報が『移転』になっていました。ヨウちゃん、疑ってごめんなさい!







頬に当たる風はまだ少し肌寒いなか、それでも小春日和のような陽気の中を

通行止めに二度ほど出くわしたものの、屋島のまた違った一面を眺めてながらのんびりとした

里山歩きのできたいい一日でした。

WOC・登山部 2019.01.07 五夜嶽

2019年02月08日 | 香川の里山
昨日はWOC・登山部はメンバーの行事が重なって

お休みとなりました。私も岡山での所用で仕事となり、

今日は久しぶりに木曜日にお休みを取りました。

そこで以前からずっと気になっていた山を登ることに・・・・。


金山トンネルから高松方面に向かうと林田町辺りで国道は三叉路になります。

その正面、五色台の手前に屋島とよく似た山頂が平らで屋根のような形をした

『五夜嶽』が見えます。山頂から急角度で下がった尾根が、

裾野に向かうほど緩く傾斜したとてもきれいな形をした山です。

しかもその三叉路の交差点から見ると、山の中腹に白く露出した山肌が見えます。

『ひょっとして、あれはカッパドキア?』と違うやろかと、そこを通る度に

気になっていた山です。地形図を見たりネットで調べてもこの西側から登った情報が

ほとんどなく、おそらく藪コキになるだろうと予想しましたが幸い今日は独りで歩くので、

とにかく登って行けば何とかなるだろうと思って出かけてきました。


出かける前にGoogleMapの航空写真で見ると、やはり白っぽく露出した山肌が

確認できます。その下にミカン畑があり、さらにその下には林道が見えます。

ミカン畑のすぐ下の林道は一ヵ所道幅が広がった場所があり、

そこに車を停めることにしました。(そのGoogleMapには林道の入り口に坂出のカッパドキアと

かかれたピンが打たれていました。)




前日?当日?の朝帰りで頭がズキズキと痛む中、車を降りミカン畑の中へと入って行きます。

収穫が終わり農家の人の姿もなく、次第に傾斜が急になる畑を登ります。




振り返ると正面に少し霞んで『雄山と雌山』が曇り空の下に見え、

雨が降らないことを願いながらさらに登って行きます。航空写真は平面なので

判らなかったのですが、この畑は谷あいに造られているようで、このまま登り詰めても

行き詰まって難しくなってくると思い、左に見える支尾根から取りつくことにしました。

ミカン畑の周囲には猪避けの鉄の柵が張り巡らされています。細いワイヤーメッシュの柵は

鉄筋を支柱にしていてグラグラします。どこか乗り越えられる場所はないかと探し、

柵の上に木の枝が下がってきている場所で、一段づつ升目に足をかけ枝を掴んで不安定な柵を

何とか乗り越えることが出来ました。




柵を乗り越えると偶然にも目の前に大きな岩屋が!奥で修験者が瞑想でもしているかのような

雰囲気のある岩屋です。




その岩屋の前を通りまずは支尾根に取りつきます。細い木や枝を掴みながら

滑り落ちないようにして少しづつ登って行くと支尾根に出ました。

落ち葉がたっぷりと積もった尾根は所々で露岩が現れます。







次第に木々がまばらになってくると一つ目の目的地の『カッパドキア?』に着きました。

目の前に可愛らしいキノコのような形をした奇岩を見つけました。








小さな岩を散りばめそのまま固まった、五剣山や小豆島の里山でよく見かける凝灰角礫岩です。

『国分寺のカッパドキア』ほどは山肌は白くはないのですが、それでも

小さな奇岩があちらこちらに点在しています。エントツ山さんが名付けた『国分寺のカッパドキア』も

カッパドキア擬きですが、ここは更に『国分寺のカッパドキア擬きです。』







地表は岩が細かく砕けてサラサラのとても滑りやすい斜面です。

その地面に埋まって頭を出している岩を足がかりに登って行くのですが、

たまにポロっと岩が抜けてヒヤッとします。

斜面の奥にちょこっと五夜嶽が頭を覗かせています。谷を挟んで対岸の尾根にも風化した

今にも崩れて落ちそうな大岩が見えます。







カッパドギアを登り詰めると樹林帯の中へ突入です。最初は藪の中をイバラに上着を

引き掻けられては立ち止まり、真直ぐには進めず思ったより時間がかかります。その内に足元は

先ほどまでの乾いた滑りやすい土の斜面から、濡れた落ち葉の斜面に変わり、

先週雪山を歩いた後きれいになった登山靴が、どんどん汚れてきます。




気温が上がり始め暑くなってきたので、水分補給でスポーツ飲料を一気に口に入れると

朝から空っぽの胃袋が悲鳴を上げて、何度も嘔吐しそうになります。それでも

木々に掴まり足を滑らせないように這い上がって行くと、ほぼ水平の幅の広い道?に飛び出しました。

この後も直登をしては、こんな水平道を何度も越えていきます。




最後に大岩が現れると頭上の木々が途切れて、山頂付近の砕石場の端に着きました。







場内では大型の重機が音を立てて動いています。休日で作業をしていなければもう少し場内の

探索ができるのですが、今日は作業員に見つからないように木の陰から覗くだけにしておきます。

右手に見える一番高い場所が地形図では等高線の300m付近です。

地形図に載っている最高地点の351mの標高点はこの砕石場の中央部分の

一番低い場所に位置しているので、かなりの山が削り取られていることになります。




砕石場に背を向け木の陰に隠れて腰を降ろして一服した後、今しがた登ってきた斜面を

また下って行きます。濡れた斜面は木に掴まらないと下れない急な斜面です。







先ほどと同じように斜面を転がり落ちては水平道に飛び出すのを五回程繰り返すと

登ってきた場所から少し外れて、スズタケと藪の中に入ってしまいますが

GPSでトラックを確認しながらルートの修正をします。







何とか修正してカッオパドキアの最上部に出ることができましたが、

乾いた岩屑の斜面に時折足を滑らせ尻もちをつきます。










滑らないようにと足元の頭を出した岩を足がかりに慎重に下りますが、

登りの時と同じようにポロっと崩れて慌ててしまいます。




国分寺のカッパドキアの最上部の大天狗のようなテラスはここにはないのですが、

それでも露出した岩の上に登ると、林田の田園風景が広がる景色を堪能できます。

晴れていればもっと素晴らしい眺望が望めると思います。











いつもならこの景色を眺めながら腰を降ろしてのんびりするところですが、

今日はまだ体調がすぐれず、このまま奇岩を眺めながら下って行きます。










カッパドキアが終わると尾根道からミカン畑へと降りて行きます。










登り1時間強、下りも1時間弱の距離も時間も短い里山でしたが、久しぶりの藪こき直登に

体調不良も相まって、いつになく疲れた里山歩きでした。




WOC登山部 2018総集編

2019年02月04日 | 四国の山
年が明けて早や立春!

昨年はWOC登山部で年間46回も山歩きをしました。

年末年始の休みを除いて51回の休みで、出張などの所用で欠席した以外は

ほぼ毎週この仲間と山に出かけていたことになります。

週末が休めず一人で寂しく歩いていた時期に比べて、このブログも書く内容が色々と増えて

最近は楽しいレポートになっていると思います。


昨年のその山行の中からスマホに残しているものだけをピックアップして、

スマホのアプリで作ってみました。作った後に見てみると、その時々の様子が蘇ってきます。

今年も健康でまた気の置けないメンバーと楽しい山歩きをしたいと思います。