KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

線で繋ぐ山歩き 寒風山~笹ヶ峰

2021年07月30日 | 四国の山


いつもなら『困った時の寒風山』だが、今日は『困ってないけど寒風山』。

線で繋ぐ山歩きで、今回は未だ奥様たちが繋がっていない、寒風山~笹ヶ峰を繋げてきた。

二人ともWOC登山部でも何度か登って来た山だが、今までだいたい一座だけ登って

終わっているので、この二座の間は初めてのルートとなる。これから西に向かっての

桑瀬峠から西黒森山までは繋がっているので、残りは瓶ケ森から土小屋まで繋げていけば、

三ツ森山から石鎚山までは繋がることになる。




四連休の初日だった先週の賑わいと比べると、寒風茶屋の駐車場はいつものように

静けさが戻り4~5台の車が停まっているだけだった。今日は笹ヶ峰からは折り返すのか、

先週と同じように南尾根を下るのかは、笹ヶ峰まで歩いてみて決めましょうと伝えていたが、

既に二人は事前に調べてきていて、往復する方がコースタイムが長いので、

南尾根を下って林道を下道歩きで周回する事に決まった。

『あの大ブナにも、もう一度会いたいし』とあっちゃん

『それなら帰りには通らないので、お花畑に先に寄ることにしましょう』と言ってスタートする。




いつもの様に登山口からは、いきなりの急登。顔には大玉の汗が流れ、直ぐに息が上がってくる。

桑瀬峠までのこの道も、以前にはなかったロープが所々張られていた。













『こんなに急だったかな~?』と言いながらも、ルリちゃんもどんどん登って行っている。

急登が終わっても所々で岩の間登るヶ所がある。







樹林帯を抜けると、先ずは左側に眺望が広がっている。見下ろすと、くねくねと曲がりながら続く

UFOライン。鷹ノ巣山の斜面の奥には稲叢山・西門山の稜線。




ここからは桑瀬峠への尾根にトラバース気味に進んで行くが、以前に比べると

踏み跡はしっかりしているが笹の勢いが強く、場所によっては背丈ほど伸びている。

今度は北東に先々週歩いた冠山から平家平へと続く稜線が見え始める。

こうやって直近で歩いて来た山々を同定できるのも楽しい!










寒風山の手前の岩稜が見え始めると、桑瀬峠もすぐそこ。

桑瀬峠では男性が二人寛いでいた。聞くと今日は伊予富士に登るそうだ。

峠の反対側の西黒森山を眺めていると、笹の頭を撫でながら涼しい風が吹きあがってきて

今までたっぷり掻いた汗が一気に引いていくのが判る。













桑瀬峠からはまたしばらくは樹林帯の中と笹道が、交互に続いて行く。

この辺りも以前は笹が刈り払われていたが、雰囲気が様変わりしていた。

いつもこのルートの整備をしてくれていた橋本さんの苦労の大変さが偲ばれる。

振り返ると伊予富士の全容が見え始めた。




















正面に寒風山の岩肌がと山頂が右奥に見え始めると、二人が『あれが山頂かな?』と言うので、

『あの岩の辺りがお花畑で、山頂がその右奥です!』と。

ステンレスの梯子を何度が登って行く。梯子の上端には手摺が施されていて、

最後に登りきるときに登りやすいように工夫がされている。
















途中のベンチのある場所から左にお花畑への道となる。

前回は途中の切り立った場所で、腰が引けてしまって歩けなかったルリちゃん。

『少しは進歩してるかな~』と言いながら、今回は意外とすんなり歩けている。

そんなルリちゃんを尻目にニコニコ顔のあっちゃん。







二ヵ所ほど岩肌を登るヶ所があるが、もちろん落ちれば即アウト!

少し時期は過ぎたような感じだが、色々と小さな花があちらこちらに咲いている。

シモツケソウの向こうには西黒森山と瓶ケ森。自念子ノ頭の横には石鎚山も見える。














岩肌の日陰で涼みながら、正面に見える山々にため息をつき、足元に咲く花を愛でながら暫し佇む。







登るときはそうでもなかった岩も、切り立った足元が見えるので降りるときの方が難易度が上がる。

掴んだ岩がポロっと外れたりしてヒヤッとしたりしながら、慎重に降りて行く。










登りのこのルートで一ヵ所だけある、下りの梯子の辺りはいつものようにヤマアジサイが咲いている。

足元に黄色い変わった花も咲いていたが、何の花だろう?

梯子のある鞍部からしばらく樹林帯の中を登って行くと、山頂近くの笹原になる。
















前を歩くあっちゃんが、『この可愛い花は何だっけ?』と言っているので、

『紫の皺のある花ですか?』『皺のある!』と言うと、その横でルリちゃんが、

『皺、皺と言わんとってよ!』とジロっと睨まれた!(笑)。慌てて『シコクフウロですよ!』と笑顔で返す。










西の大岩が見え始めると山頂まで、もう一息。ジリジリと照りつける日差しの下、

黙々と登って行く二人。感じる暑さはピークに差し掛かり、青い空が逆に恨めしくなってきた。










寒風茶屋から約2時間10分。お花畑で25分ほど遊んだ割には意外と早く着いた。

ここの処の鬼教官二人のお陰で、へっぽこリーダーもやるときはやるのだ!

山頂には他に誰もいなかった。駐車場の車の台数からすると、今日は皆さん伊予富士組かな?

これから向かう笹ヶ峰と先週歩いて来たちち山の稜線。山頂からなだらかに下っているように

見える笹ヶ峰の南尾根と山頂への尾根を比べてみると、同じくらい下っているように見える。

ピストンで折り返すより、やはり南尾根を下った方が正解かな?と二人に話をして出発!













山頂からしばらくは笹原尾根を下って行く。次第に雲が増えてきた。










笹原道が終わると、尾根の北側をトラバースする樹林帯の中の道になる。

日差しは木々で遮られ、時折涼しい風が北側から吹き抜けていく。







小刻みにアップダウンをしながら、やはりどんどん下っていく道。

そのまま真直ぐ進みそうな場所に注意喚起の『止‼』の可愛らしいマーク。










トラバースの樹林帯が終わると、また笹原道になる。『まだまだ遠いわね~』と奥様二人。

振り返るとまだ寒風山の方が近くに見える。寒風山の山頂であっちゃんが『笹ヶ峰まで50分やね~』と

言っていたが、『とんでもないです、奥様!』













笹ヶ峰の西側に見えたピークに近づいて来た。ここでほぼ50分弱経過。山頂はまだ先だ。

ここまででルリちゃんはペットボトルの飲み物が3本目になろうとしているのに、あっちゃんは

未だ1本も飲んでいない。『喉が乾かんの~?』とルリちゃん。










山頂が近づくにつれ稜線の北側からガスが流れ始めた。いつもなら景色が見られなくなる!

と思ってしまうが、今日は景色が見られなくてもいいから、ガスがかかって日差しを遮ってくれる方がいい。













山頂のからの稜線に一旦乗越すと、道は尾根の北側を巻いて行く。

どんどんガスがかかって視界は悪くなってきたが、体感温度も少しは下がってきた気がする。










丸山荘への分岐の手前で、『山頂は日が当たるから、この日陰でお昼にしませんか?』と

本当は日差しよりも、腹ペコでお昼にしたかったあっちゃんの提案でザックを降ろす。

先週の反省で、今日は私もあっちゃんと同じ、ぶっかけうどんでランチ。

少し濃い目の出汁が、塩分を出し切った身体に染みていく。




30分ほど木陰で涼みながら昼食を済ませて山頂へ。

丸山荘への分岐を過ぎると、南に折れて山頂へと最後の登り。







お昼の休憩時間の30分を引くと、寒風山からちょうど1時間30分で笹ヶ峰に着いた。

古代、石鎚山と称された山は瓶ケ森、子持ち権現とこの笹ケ峰だと云われている。

先週お参りできなかった石鉄蔵王大権現と不動明王にお参りする。













『先週は南尾根をどれくらいで下ったかな?』とあっちゃんが聞くので、

『ほらほら始まったぞ!』と思いながら、『途中の休憩の10分を省くと、1時間10分位かな』と

答えると、『じゃ~今日は1時間で下るわよ!』と。ト・ホ・ホ~・・・・。

記念写真を撮ろうとするとルリちゃんが『私、足が長いから』と前に足を出して

強調するので、ヘッポコリーダーも負けじと思い切り足を出して撮ってみる。







『2週続けてこの山に登って、同じ道を下るのね』と言いながら南尾根へと歩いて行く。

やはり二人とも先週よりスピードアップしているような気がする。













笹原尾根が終わり樹林帯の中に入ると、間もなく主の大ブナとご対面。

『やっぱり先週より早く着いた気がするわ!』とあっちゃん。『そりゃそうでしょうね!』







急坂のロープ場もなんのその。二人は快調に下って行っている。

元々下りは早く歩けるへっぽこリーダーも付いて行くのがやっとだ。

岩場のロープも先週と同じようにして下って行くあっちゃん。下りきったのを見定めて

ロープを跨いで降りようとすると、下でそのロープをニコニコしながら大きく揺らしている。

太いロープが股間で波打って、危うく大事な場所を強打するところだった。










ただ歩きやすい下りならスピードも上がるのだが、急坂の下りとなるとやはりそれほど時間は変わらない。

結局1時間を切る事は出来ず、2分ほどオーバーして南尾根登山口に着いた。

取り付きにあるベンチに腰掛け一息入れるが、残りの林道歩きの時間も気にしている二人。

『さぁ行くわよ!』と尻を叩かれ、渋々ついて行くへっぽこリーダー。







先週歩いた一の谷橋までの林道には『平成13年』と書かれていたが、

この第一工区は平成4年となっている。おおむね10年近くかかっているが、

更に東へと延ばしているこの大規模林道。

当然事業としての目的はあるのだろうけれど、果たして・・・・・そうなの?と。







林道歩きを約50分で駐車場に到着。すると身支度をしている父親と小学生の姿があった。

『今からどちらに?』と聞くと『寒風山に。18時位には下りてこようと思っています』と。

時間は既に15時。すると3時間で寒風山を往復する事になる。凄いな~と感心する。

車に乗り込み、先週と同じように道の駅木の香に寄って着替えて休憩をして帰路につく。

へっぽこリーダーの受難の日々はまだまだ続いて行くのだが、来週は吉野川源流の碑から

西へと少し緩めで歩く事にした。但しあっちゃんが以前から渇望する、子持ち権現が

途中で待ち構えているのだけが気がかりだ。







線で繋ぐ山歩き ちち山~笹ヶ峰

2021年07月24日 | 四国の山

線で繋ぐ山歩き、今日は先週歩いたちち山の分れから笹ヶ峰を繋いできた。

今までちち山も笹ケ峰もWOC登山部では歩いているけれど、奥様二人は

所々で繋がっていない。来週予定している寒風山から笹ヶ峰もだ。

今日は西条市まで高速を走り、新寒風山トンネルを抜けて寒風茶屋手前から

寒風大座礼線林道に入り、笹ケ峰南尾根登山口からスタートして周回するコース。




林道に入る前に寒風茶屋のトイレで用を済まそうと走ってみると、トイレの下の駐車場は満車。

用を済ませて林道に入ると直ぐにある臨時駐車場もアレ~ほぼ満車状態。

『何かイベントでもあるのかな?』と思ったが、考えてみれば今日は4連休の初日。

県外ナンバーの車も含めて、ほぼ登山者だろう車で賑わっていた。

林道はヘリポートまでは舗装され走りやすく、その先の未舗装路も意外とスムーズに走れた。

笹ヶ峰南登山口の前は路肩が広がっていて、既に3台程車が停まっていた。







身支度を整え林道を今日の登山口となる一の谷橋へと歩いて行く。

途中で何ヵ所も山側の法面の工事をしていて、工事中の場所には上から作業用のロープが

何本も垂れている。やはり直ぐにそのロープにあっちゃんが食いついた。

『ここから登れそうね!』・・・・・『奥様、勘弁してください!』







一の谷橋までは約3km。以前に独りで歩いた時は40分ほどかかった。

その間、前を行く二人はおしゃべりタイム。振り返ると今から登る笹ケ峰や、来週予定している

寒風山も見えてきた。今日はあの寒風山も登山者で賑わっている事だろう。














この寒風大座礼線は西線と東線に分かれ、今は東線がどんどん先へと延ばしている。







一の谷橋まで来ると、案の定おしゃべりに夢中なお二人は気が付かずに通り過ぎようとしている。

『は~い、ストップ!』と声を掛け、ガードレールの横にある小さな標識から、

一旦橋の下へと下って行く。ここから砂防ダムの横を通り、沢沿いの道になる。













しばらくは沢を高巻ながら歩いて行くと右岸から左岸への渡渉の場所に出た。

今日は中七番の渡渉の時に学習して、ルリちゃん

あっちゃんもストックを使って上手に渡っている。










渡渉してからしばらくは沢の左岸に沿って、所々にあるテープを目印に登って行く。










道が沢から少し離れてくると、ここから九十九折れの急登が始まる。

九十九折れとはよく言ったもので、10メートルごとに何十回と右に左に折れ、

どんどんと高度を上げていく。梅雨が開けて夏山シーズンに入ったが、周りの木々は

まだまだ若い緑の葉を広げていて眩しい。










一旦道は右に振り気味になり、つぎに左に戻る様に続いている。

道の右側にはまた別の沢の小滝が流れている。
















この辺りからは登山道には笹が現れきて、だいぶん高度が上がって来たのが判る。







小さな流れのある沢では、それぞれが持ってきた冷感タオルを濡らしてみる。

更にその先では1500m近くまで上がってきているのに、左手にけっこう落差のある

滝が流れている。『どこからこれだけの水が流れてくるんでしょう?』とあっちゃん。







滝を見ながら登って行くと広場になった場所に着いた。前回もここで腰を降ろしたので

今日もザックを降ろして水分補給と行動食を口に入れる。10分ほど一息入れた後また歩き始める。




広場からも少し右方向へと道は続いて行く。また小さな水の流れに冷感タオルを浸け、

そこから先は周りは背丈ほどある笹の道になる。

次第に笹の勢いは増してくるが、足元は刈り払われている場所もあり、

先週の冠山辺りに比べると、大して苦も無く歩いて行ける。










樹林帯を抜けるといよいよ尾根の分岐に近づいて来た。

林道からは桑瀬峠からの稜線に隠れて見えなかった伊予富士が顔を出した。

尾根に出る手前になると今度は正面に冠山も顔を覗かせてくれた。
















広場での休憩時間を入れて、一の谷橋から1時間35分で尾根の分岐に到着。

前回独りで登って来た時と比べると、今日はまずまずのペースだ。

最後に下る予定の笹ヶ峰南尾根の向こうに寒風山。

いつもの事だが『どこから見たら富士山に見えるのかな~』のゴツゴツとした伊予富士。










笹ヶ峰と寒風山の稜線の奥には西黒森山瓶ケ森が見える。




さぁここからちち山の分れまでは、遮るもののない笹原稜線歩きが始まる。

先週はガスがかかって全く周りの景色が見えなかったが、

今日の景色は先週とは雲泥の差。笹の緑に青い空と白い雲。

これぞ四国の山!といった感じの絶景が広がっていく。

小さなピークの辺りからは、北の西赤石山から東赤石も見えてきた。













先週は真っ白な世界









ちち山の別れも先週からは別世界。二人も『こんにきれいな景色だったんだ?』と。







先週の様子



一息入れていると獅子舞の鼻から、学生らしい男女の若い団体が登って来た。

挨拶をした後、老婆心で『どこまで歩くの?』と尋ねると、

『平家平までですが、ナスビ平の道が通行止めの様なので、往復しようと思います』と

『それだったら、平家平から先に歩いて、中七番へ下った方が楽やよ!』と言いながら、

YAMAPのルートを見せて説明をする。




最近の若い世代の風潮らしく、女の子はその話に興味を示すが、

後ろにいる男の達は全く食いついてこずに、大人しく横で話を聞いているだけ。

何とも頼りないが。『YAMAPは誰か入れている?』と聞くと、

やっと一人の男の子が手を挙げた。途中の笹薮や、下山ルートの崩壊ヶ所や

沢の辺りは注意するようにと話をして別れた。

冠山へと下って行く学生たち。青春真っただ中と言った感じで羨ましい!




それでは、とっくに青春が終わったおじさん・おばさんはちち山へと向かいますか~。

ちち山の別れからは山頂からの稜線の下をトラバースする道。













左手には広大な笹原が広がり、吹き抜けてくる風にその葉を揺らし波打っている。

そして流れて行く雲が笹原の上で、その影を映し同じように流れて行く。







トラバース道は道幅がなく、谷側に傾斜していて笹の根が滑りやすく歩きづらいが、

以前に比べると随分と笹が刈り払われているように思う。

ルリちゃんに『瓶ケ森の右手には石鎚山です』と教えてあげる。







ここからは何処を切り取っても絵になる。意外と湿度が低いのか吹き抜けて行く風が

爽やかで心地よい。降り注ぐ日差しで紫外線は気になるけれど、稜線歩きにはもってこいの天気。










『早くおいでよ!』とヘッポコリーダーに激を入れるあっちゃん。

『お・お・お待ちください、奥様!』とへっぽこリーダー。





トラバース道からちち山山頂へはほぼ直登の道。以前は笹を掻き分け、笹を掴んで登っていたので

『道はありませんから!笹薮ですよ』とルリちゃんには事前に説明していたが、

意外や意外、取り付きからは笹が刈り払われ、階段状になった道は急登だがどんどん登って行ける。











山頂が近づくにつれ冠山から平家平への景色も見えてきた。

少しづつ左方向に道が続いている。直登からトラバース道になると山頂はもうすぐ。














一の谷橋からは2時間45分ほどでちち山にとうちゃこ~!

右手には法皇山系にガスがかかり始めている。そして先週から続いて歩いてきた平家平から

冠山の稜線。さらに笹ヶ峰南尾根の笹斜面の向こうには岩黒山・筒上山・手箱山が望める。

西を見ても東を見ても幾重にも重なり続く峰々と、

まだ若い笹の緑と樹林帯の濃い緑のコントラストが素晴らしい。

















時間は丁度、正午になったのでここでお昼ご飯にする。

先週もそうだったが暑さのせいか、持ってきたおにぎりが喉を通りにくい。

二つ目のおにぎりを食べ残す。次からは喉の通りのいいものを考えないと・・・・。

そうこうしている内に、徳島から来たらしい女性二人の組と、男性一人に女性二人の組が登って来た。

賑やかになってきたので、そうそうに食事を済ませて次の笹ヶ峰へと。







山頂からすぐ脇にある大岩に、やっぱりまたあっちゃんが食いついた。

久しぶりの大岩てっぺんに、はしゃいで飛んだり跳ねたりする、あっちゃん。










山頂から樹林帯の中の急坂少しを下るともみじ谷分岐への鞍部への稜線歩き。



















ちち山ともお別れ!




もみじ谷分岐から笹ヶ峰へは、山頂からプチカール状になった場所から

右に尾根へと登って行く。窪んだ場所では風が止み、ジリジリと暑さが増して来た。













尾根から見えたちち山には北からガスが登ってきている。




尾根道になるとまた風が吹き始めた。緩やかな尾根道はイブキザサに覆われ、

山頂近くではコメツツジの硬い枝の間に道は続いて行る。














笹ヶ峰山頂では先ほどちち山でお会いした二組と、他にも数人が休んでいた。

不動明王の祀られた祠の脇に腰を降ろして一息入れる。

背の高い山頂標の横で記念写真を撮る人。バーナーでお湯を沸かしてラーメンを

作っている親子など、各々がこの山頂を楽しみながら寛いでいる。




これから寒風山へ折り返す人。また南尾根へと下って行く人を見送りながら

15分ほど休んだ後、我々も南尾根へと下って行く。

直下にある矢印案内板には何故か時間が書かれていない。











以前は笹に埋もれて足元を探りながら下った道も、きれいに笹が刈り払われていた。

急坂には変わりないが以前と比べるとここも随分と歩きやすくなった。










ちち山と笹ケ峰に居た女性二人も寒風から笹ヶ峰を歩いて、こちら側へと降りている。

その後ろに続いて下って行く奥様二人と、さらに後ろにへっぽこリーダーが続く。

けっこう下って来たが、まだどこまでもこの笹原道が続いて行く感じがする。




右手に寒風山を眺めながら下って行くと、この笹原道のシンボルの二本のモミの木が見え始めた。

このモミの木の間を潜ると笹原はやっと終わりに近づいている。




以前にエントツ山さん達と登った時の、同じ場所からの冬の寒風山









笹原道の最後はほとんど背丈以上の笹。でも足元は快適!







樹林帯に入ると急坂には至るところに太いロープが張られていた。

ロープを巻き付けている幹には、ちゃんと木を痛めないように養生をしてある。

エントツ山さんによると、これも橋本さんが整備をしているとの事だが、

自費でこれだけの量のロープを張るのも大変だろうな~、ほんと頭が下がる。










その内にこの南尾根の主の大ブナとご対面。

低い位置から四方八方に枝を伸ばし広げている姿は、何故か神々しく感じる。







さらに登山道の至るところには丸太で造られたベンチが設けられている。

ロープの張り方によってはさながらアスレチックのようにも見える。







この南尾根で一ヵ所だけある岩場にも、太い2本のロープが掛けられていて、

その2本のロープを握りながら、あっちゃんもスムーズに降りている。







標高1400mを過ぎた辺りのベンチで一息入れる。

するとあっちゃんがYAMAPを覗き込んで『ここまで平均ペースの

140%で来ているから、休憩している暇はないです!』と随分と急かす。

ここの所、このYAMAPの平均ペースの何%という表示のお陰で、

二人に尻を叩かれ急かされているへっぽこリーダー。











木々の間から駐車場から歩いた林道が見え始めた。

すると朝見た法面工事の上部に出た。ここでも作業用に掛けられているロープを見て

『ここから降りてみる!』とあっちゃん。『もう、いらん事考えんといて~!』とルリちゃん。




6時間20分、9.4kmのちち山~笹ヶ峰の周回。平均ペースも110~130%になっている。

これでご満足いただけましたでしょうか、奥さま⁉

それにしてもGPSの距離。ルリちゃんのYAMAPでは9.7kmとなっている。

さらにはカシミールのアプリのスーパー地形図の沿面距離では10.3kmに

なっている。アプリの処理の仕方で違ってくるのだろうが、果たしてどれが正解なのだろうか?








登山靴を脱いでスリッパに履き替えながら、『足が小さいので、ほんと疲れるんです』と言うと、

どれどれ比べてみようとルリちゃん。三人並べてみると、なるほど右端のルリちゃんの方が足が大きい。

『男の人やのに、ほんと小さいのね!』と二人に笑われた。

やれやれ、ヘッポコリーダーの受難の日々は来週も続いて行くのだ。




今週で、奥様二人も三ツ森山から笹ヶ峰が繋がった!


線で繋ぐ山歩き 平家平~冠山

2021年07月16日 | 四国の山



今週はそろそろ梅雨明け、夏山シーズン到来か!と思っていたが、

九州・中国地方は開けたものの四国地方は足踏み状態。

今日の予報も曇り空と所によって雷となっている。先週と同じような感じだが、

雷が怖い稜線をお昼過ぎにやり過ごせば、何とかなるだろうと決行する事にした。




今日は大永山トンネル出口に駐車して、フォレスターハウスから前回歩いた分岐まで登り、

先ずは平家平までを線で繋ぐ。平家平と冠山は同行の奥様の二人も既踏の山なので、

そこから先のちち山の分れまでを繋いだ後、獅子舞の鼻へと下って大永山トンネルに

戻って行く周回コース。距離にして14km弱。我々としては比較的ローングコースとなる。


いつもの大永山トンネルの南の公衆電話のある路肩に車を停めてスタート。

県道47号線をフォレスターハウスへと下って行く。

フォレスターハウスの入り口には鎖がかかり、閉館中のボードが掛けられていた。







その鎖を跨いで園内へ入り建屋の横を通って進んで行く。

二週間前には通った道を間違えて、一段下の道を歩いて行くとゲートには鍵がかかっていた。

そのままゲートの下を少し広げて通らせてもらって遊歩道を歩いて行く。

橋を渡り遊歩道が終わるといよいよ山道となる。







沢沿いの左岸の道を涼し気な水の音を聞きながらゆっくりと高度を上げていくと、

前回あっちゃんが足を滑らせもがいていた渡渉の場所に出た。

今日は『前回の轍を踏まないように!』とストックを持ってくるように連絡していたので、

意外とすんなりと渡ることができた。前回の仕返しとばかりにあっちゃんがカメラを

構えているが、そうは問屋が卸さない。余裕の笑顔で先ずは今日一番の課題をクリア!

ここから何度が渡渉を繰り返すが、思ったより水の量が少なく助かった。













他人ごとではなく自身の登山靴も濡れた岩の上ではほぼグリップが効かず、

何度かひやっとする場面も。前を行く二人も慎重に渡って行っている。
















やはりこの道は雨が降った後はけっこう難易度が上がってしまう感じがする。

沢の中を進み、尾根道の分岐となる穴の開いた橋を右手に見て、更に登って行くと

大規模崩落場所に着いた。数十メートルに渡り崩れた斜面の下に、何とか難を逃れた

足場の階段があり、そこを登るとロープが掛った岩場になる。













このロープの岩場を登るのが楽しみです!と言っていたあっちゃんが先ずは取りつく。

続いてルリちゃんが後に続いて行くが、あっちゃんの期待に反して

思ったより簡単に登れて『大した事はなかったね!』と今日の第二関門クリア!










崩落個所の最上部をトラバースすると足元は杉の木の根っこの道になる。

木の根の道が終わると九十九折れの急登が始まる。










九十九折れの道が終わると一つ目の鉄塔広場に着いた。ここで水分補給の小休止。

周りは雲がかかっていたが一部青空が見えた。鉄塔の間から最後の目的地の

ちち山の分れが見えている。『う~ん、なかなか遠いな~!』










鉄塔広場からはもう一ヵ所鉄塔のある場所を通過して、森の中の道になる。

前回歩いて見覚えのある木々を、横目に見ながら登って行くと尾根の分岐に着いた。
















ここから平家平までは1.3kmと道標には書かれてある。二人がYAMAPを見るとコースタイムが

55分となっている。『1.3kmで55分もかかるんかな?』とあっちゃん。

『と言う事は稜線でも登りがけっこうあると言う事ですね!』と。

その横でルリちゃんは『ここまでほぼYAMAPのコースタイム通りやね!』と。

ここ最近奥様お二人はYAMAPのコースタイムに拘っていて、平均タイムの100%以下は

許せないらしく、へっぽこリーダーとしては急かされ付いて行くのがやっとなのだ。ト・ホ・ホ!


分岐からしばらくは歩きやすい尾根道。すると前を歩くルリちゃんから悲鳴が聞こえてきた。

近づいて行くと二人が大騒ぎしている。その騒動の正体は岩の上で素知らぬ顔でドクロを巻いていた。










道に笹が現れると視界が開けてきた。振り返ると前回歩いた三ツ森山

前方には第一目的地の平家平が見え始めた。










道は徐々に高度を上げていく。しばらくすると笹の中に薄黄緑色の綺麗なバイケソウの花が目立ち始める。













この辺りまでは笹は刈り払われていてまだスムーズに歩いて行ける。

二人の頼もしい背中を見ながら付いて行くと、既に到着してザックを降ろしているあっちゃんは

もぐもぐタイムに入っていた。遅れてへっぽこリーダーも到着!













いつもなら360度の絶景が広がる山頂だが、ちょうどガスがかかって眺望もほとんどない。

ここでリーダーも腰を降ろしてスパスパタイム。













さぁそれでは次の冠山へ行きますか~。名前の通りしばらく平らな笹原道を歩いて行くと

ガスが流れて冠山が見え始めた。










一旦プチ岩場を下って稜線に出ると、ここからは笹は刈られてなく、足元の見えない

歩きにくい道にスピードが上がらない。最後に目指すちち山の分れも見え始めた。














背の低いクマザサの所々に、背の高いバイケソウの花が頭を出している。

振り返って今歩いて来た平家平の笹原と前方に冠山への稜線。













冠山が近づくにつれクマザサの勢いが益々酷くなってきた。

時々隠れた笹や木の根に躓きそうになるが、親切に危ない根にはピンクのテープが巻かれ、

注意を促してくれている。ストックで掻き分け掻き分け進んで行く。










山頂手前のピークを乗越と遠くからも見えていた山頂直下の大岩が現れる。

この辺りになるとクマザサは胸の辺りまでになり、前の二人が笹に埋もれている。

大岩の横を通り、山頂へ左側から回り込むようにして登って行く。










もうすでにズボンの膝から下は笹の露でびしょ濡れ状態。

写真だけなら未だしも、立ち止まって動画を撮るとけっこう時間を取られる。

元気な二人にどんどん離されていく。やっぱり撮影班は被写体の人より、基本的に達者でないと・・・・。

田中陽希さんのカメラマンの駒井研二さんや平出和也さん

田中陽希さん以上の最強山岳クライマーだという。比べられるものではないが、

へっぽこリーダーカメラマンももっと鍛えないといい絵が撮れない・・・・・と思うのだが。








冠山山頂からは北から西の眺望が曇り空の下だが広がっていた。

ちち山の分れの笹原、そして来週下りで歩く予定の笹ヶ峰の南尾根。










先週の激辛冷麺で失敗したあっちゃんは、いつものように素麺でお昼。

頭の上では青空と入道雲が眩しいが、南の空には気味悪い灰色の雲の中でゴロゴロなり始めた。











やはり雷が気になり始めたので、食べ終わって間もなく最後のちち山の分れへと急ぐ。







山頂からは更に笹が生い茂り、足元が全く見えない。

時折岩に躓き尻もちを付きそうになりながらどんどん下って行く。

あまりに下って行くので先頭のルリちゃんが『道は合ってる?』と。




稜線にでても足元が斜めになっていて、笹の根が滑って歩きずらい。













道がぬかるんで急な坂には太いロープが掛けられていて、随分と助けられた。

ロープがが終わるとやっと笹道が終わり一の谷越えに着いた。

ナスビ屋敷への道はやはり通行止めになっていた。反対側の一の谷やかたからの

道も今はほとんど歩く人もいない道になっている。










しばらく樹林帯の中は歩きやすかったが、直ぐにまた笹原尾根の稜線になる。

ここからは笹と一緒に萱が生え、手で掴むと切れそうで厄介だ。










ちょっとしたピークで前の二人がごぞごぞと何かを探している。

どうやら三角点を探しているようだ。するとあっちゃんの『ギャ~』という悲鳴がした。

『た・た・たぬきが足にぶつかった!』と。足元の笹の下で昼寝でもしていたのだろうか、

慌てた狸が足にぶつかりながら逃げて行ったという。

狸の寝床の三等三角点・奥七番・1619mを通過。




振り返ると冠山から随分下って来たのが判る。

その内に来週に登ってくる予定の寒風大座礼線林道からの分岐に着いた。

『じゃ~このまま、ちち山まで歩けば、今日で線が繋がりますね!』とあっちゃん。

『え・え~! (^_^;)』とへっぽこリーダー。

『でも私、前回歩いた笹が峰からちち山のトラックが記録できていないの』とルリちゃん。

『ん~ん、やっぱり来週に持ち越しやな』とホッとする、へっぽこリーダー。







稜線を越えて北からどんどんガスが上がってきている。

次第に周りはガスが濃くなってきた。手元のジンバルカメラの調子が悪く、

設定をいじくっている内に、前の二人がどんどん遠ざかって行く。

ついにはガスの中に姿が見えなくなってきた。ひょっとしてこれはガスのせいではなく

疲れで目が霞んできたのかもしれない・・・・・(笑)










ひっこらひっこら登って行くと、ちち山の分れの道標とその横に佇む二人が見えてきた。

『もう、だらしがないわねリーダー』と陰口が聞こえてきそうだ!

待ってましたとばかりに元気な二人の写真を撮らされる。







それでは下って行きますか、と登山靴の紐を締め直しスタートする。

相変わらず真っ白なガスの中の笹原の下り坂。以前に比べると随分笹が刈り払われていて

前の二人のスピードが上がっていく。『スピード違反やで~!』







下って行く途中で少しガスが流れて右手に稜線が見えてきた。

『今日はどの辺りから登ってきたんだろう?』とあっちゃん。

『真ん中の烏帽子のように見えるのが冠山やから、左の端辺りかな~』




ちち山の分れから続く笹原が終わり樹林帯の中の道になる。

すると今度は前を歩くあっちゃんの悲鳴がまた聞こえてきた。

今度もまたドクロを巻いてジロリとこちらをみている。出来るだけ距離を取り

飛びついてこないか冷や冷やしながら、その横を足早に通り過ぎる。










しばらく下りだった道が一旦登りになり、登りきると獅子舞の鼻に着いた。

獅子舞の鼻から少し下がって行くと、このコースの主の大ブナ。足元に立つとその大きさが判る。

最近巷では人生100年時代と騒がれている人間界を、『なん~んだ、それぽっちで』と

涼しげな顔をして見下ろしているような気がする。













ヒメシャラ兄弟の横を通りどんどん下って行くと、道は次第に緩やかになって来た。

その内に馬道の別れと書かれた左右に幅の広い道が続く場所に出た。













馬道(炭の道)は別子銅山開坑夫たちの生活物資や、坑道保持の木材や銅鉱石焚き上げ用の

木炭などが地元や土佐から運び込むために造られた道。

ここからは等高線に沿うようにほぼ水平な道が続いて行く。







ここまで降りてくるとあと一息。ザレ場のなんのその、二人のスピードも上がってくる。







中七番の道標からは更に幅の広い作業道になる。頭の上ではゴロゴロと音がし始めたが、

ここまで降りてくれば何とか大丈夫だろう。







作業道から少し下がってまた馬道をを歩くと大坂屋敷越

(ここから昔話)

以前に入会していた山の会で、笹が峰南尾根を登り、ちち山からバスの待つ大永山トンネルに降りた際、

途中で女性一人が転倒して動けなくなった。担ごうとするが腕をケガしているらしく、

痛がって担ぐこともできない。仕方がないので数名残して下山して、トンネル横の公衆電話から

連絡をすると1時間ほどしてレスキュー隊が着いた。隊員から道案内をしてくれと言われ、

当事メンバーの中で一番若かった私に白羽の矢が当たった。山から下りて疲労した上に

外は既に真っ暗で雨が降っている。渋々下りて来た道をレスキュー隊と一緒に登って行ったが

この大坂屋敷越で力尽き、『もうこれ以上歩けません』と言うと、二次遭難を恐れて

『ここから絶対に動かないでください』と言われて、雨の中真っ暗なこの場所で独りで座り込んでいた。

その時はライトもなく、時折何か音がするとその度ビクビクして数時間過ごした思い出?の場所。




大坂屋敷越からはまずは間伐され、手入れの行き届いた杉林の中を下って行く。







杉林が終わると沢沿いの道になる。左岸から右岸へと渡渉し小滝の横を通る。







馬道の面影が残る石垣の道を下って行くと林道に出た。

三人そろったところで『お・つ・か・さま!』と。疲れ切ったへっぽこリーダーを他所に

奥様二人は元気いっぱいのバンザ~イ!










線で繋ぐ石鎚山~剣山。提案した本人に比べて賛同してついて来た二人が俄然元気。

このままではリーダーの地位も危うい。とは言え歩く時間が長くなってくると、

足の疲れよりも腰の痛みが酷くなるのをどうにかしないと・・・といつも思うだけ。

徐々に西へと繋がって行くトラック。来週こそは梅雨明け一週間の青空が期待できそうだ!





耐暑トレーニングで大川山

2021年07月08日 | 香川の里山



今週は線で繋ぐ山歩きで平家平~冠山~ちち山の分れまでを繋ぐ予定だったが、

昨日までの天気予報がどうも不安定。今回のコースは稜線の笹原歩きが主に

なってくるので、天候が急変すると難儀なので取りあえず今回は順延する事にして、

無難な線で県内の里山を歩くことにした。それじゃ何処を歩こうかと考えたが、

距離を稼げて高度差もそこそこあるコースと言う事で、何度も登った山だが

初めて歩くコースの柞野~大川山に決定。西の奥様二人にも現地集合で招集をかけた。

するとルリちゃんから『大川道の途中でデポもできますよ』とメッセージが入った。

『いやいや今日はあくまで耐暑トレーニングです。車は使いません!』ときっぱり断りをいれたが、

往復すると12km。高度差もそこそこあるので、果たして二人に付いて行けるか、

へっぽこリーダーは逆に不安になって来た。(^_^;)






国道438号線の天川神社の北に中寺廃寺跡の標識があり、そこから山側に

離合するのが難しいくらいの細い道が続いている。どんどん道幅は狭くなっていき、そのうちに

少し開けた集落の場所に柞野道駐車場の看板があった。

運転席からは道が見えなくなるくらい急な下りを恐る恐る下って行くと、広い駐車場に着いた。

駐車場から南の谷あいの奥に、これから向かう大川山の稜線が見えている。













駐車場から里道まで戻り少し先に進むと中寺廃寺跡登山口の案内板がある。

さぁ、それでは登って行きますか!と声を掛け、最初は竹林の中をそして次に杉林の道になる。

道の途中には同じような案内板が何ヵ所かに立てられている。

大川山へは今まで何度も歩いた大川道と昭和30年ころまで、香川と徳島の

往来道、そして金毘羅宮への神社参詣として利用されていた江畑道

そしてこの柞野道があるが、この柞野道は中寺廃寺跡を経由して大川神社参拝や

炭焼きの人々が往来していた道だそうだ。
















事前にYAMAPで調べたところ、展望所から先と山頂手前が急登となっていたが、

途中から意外と急な坂が続いている。いつもなら二人の後ろを付いて行って

写真を撮りながら歩いて行くのだが、この時期の里山の事。恐らく蜘蛛の巣が道々に

張っているだろうと思い、先ずは先頭をストックで蜘蛛の巣を払いながら登るのだが、

時々見逃し、汗を掻いた顔にいや~な蜘蛛の巣がまとわりつく。







途中には炭焼き窯と書かれた案内板。その奥に小さな窯というか穴が残っていた。







さらに先に進むと江畑道との分岐。既に額からは汗がポタポタと落ち、

背中もびっしょり濡れている。最近あっちゃんは汗止めの為かハチマキを巻いている。







道が支尾根の道になると展望台との分岐に着いた。

『天気が崩れないうちに先に展望台に登ります!』と

二人に声掛けをして登って行くと、これがけっこう段差もあって長く急な階段が続いていく。







樹林帯を抜け周りが明るくなってくると、一気に視界が開けて

爽やかな風が、たっぷりと掻いた汗を一気に冷やしてくれる。

展望台には真新しい東屋があり、ザックを降ろしてひとまず休憩。

見渡すと香川県内がほぼ一望できるではないですか。

奥様二人も『最高!』と歓声が上がる。

ここでいつもの山座同定を始めると、やはり二人も自分で登って来た山は直ぐに判った。




讃岐変電所の奥にクレーター五座



右から大高見峰・猫山・白山、満濃池、大麻山



まんのう城山の奥に高松の市街地






吹き抜けていく風があまりにも気持ちが良くて、随分と長い時間腰を降ろしておしゃべり。

その内に身体が冷え始めてきたので、重い腰を上げて再スタート。

この辺りから中寺廃寺跡の遺跡が広い範囲に点在している。













展望台から少し歩くと三等三角点中寺があった。更に進んで行くと広場になった場所に

これも真新しいバイオトイレが建てられていた。








ここから先が駐車場の案内板にも皆さんのレポートにも書いてあった、コンクリートの急坂が続いていく。

中寺廃寺跡の見学用に造られた道だろうか?それにしてもこんな急な坂、

車で行き来する人がいるのだろうか。後から調べると30%以上の斜度の坂が3カ所と書いてあった。










コンクリートの急坂は少し緩やかになったと油断させては、何度もまた繰り返し急坂が続いて行く。

いかにこの坂が急なのかを写真に撮ろうとポーズをとるルリちゃんと

それをスマホで撮るあっちゃん。私も真似してみる。

途中で先ほど展望台からも見えた讃岐変電所が見えた。










あまりの急坂にふくらはぎがパンパンになってきたが、やっとのことで県境の峠に着いた。

コンクリート道の入り口はチェーンが張ってあって、車はやはり入れないようになっていた。







徳島県側にあるビニールハウスからひょっこりと猫が現れ、こちらに近づいて来た。

ビニールハウスからはラジオの音が聞こえ、作業をしている人がいる様子なのだが、

この猫は飼い猫なのか野良猫なのか?







峠からは県境尾根に沿って阿讃縦走路になる。先ほどの急坂に比べて

緩やかな道に二人のスピードも一気に上がってくる。途中でキティーちゃん、見っけ!

四等三角点大平には可愛いカエルの置物。



















幅の広い道には木々の間を風が吹き抜けていく。今日は耐暑トレーニングと銘打ったが

『これではトレーニングにならないね~』と二人。

三角点からしばらく歩くと縦走路と並行して林道が続いている。













縦走路が林道と交わると、いよいよ山頂手前の最後の急登が始まる。

この坂もなかなかの急勾配だが、今日は地面が適度な湿り気があって丁度いい。

これが濡れていたり、これ以上乾いていたりしていたら、けっこう苦戦しそうだ。

ここでも写真や動画を撮ったりしている内に、奥様二人はどんどん先を登って行く。














先に登りきった二人が涼しげな顔をして待っている。へっぽこリーダーも何とか登りきると

大川神社の裏手に出た。林道を横断して神社の裏から境内の中に。










神社に参拝した後、境内のベンチに腰かけお楽しみの昼食。

ここのところコンビニの素麺に凝っているあっちゃんが、今日は少し趣向を変えて

冷麺?を買って来たらしいが、『激辛』と書いてあったラベルを見ていなかったのか

『ヒーヒー辛い、辛い!』と言いながら、せっかくの冷たい麺を喉元を熱くして食べている。








お腹を満たした後『さっきの急坂を下ります?それか少し遠回りですが林道を歩きます?』と聞くと

『元来た道を下りましょう!』と返事が返って来た。急な下りではやはりストックが役に立つ。

ストックを使わないあっちゃんが最後に下りてきた。








最近YAMAPを使いこんでいるルリちゃん。事前に登山計画のスタート時間を入力して、

到着予測時間を見ている。その予測時間は今まで歩いたきたペースを計算した上で

到着時間を修正・予測してくれる優れモノだ。山歩きにもAIの波が押し寄せている。

そしてルリちゃんは『13時15分には登山口に戻ります!』と意気込んでいる。

阿讃縦走路をトントンと。コンクリートの急坂もトントントンと歩いて行く。







バイオトイレから先で右に中寺廃寺跡へと展望台の尾根の下の道を歩いて行く。

広葉樹の緑の森の中、ひょろっとした背の高い赤松の色が何本も目につく。







仏ゾーンと名付けられた場所には仏塔跡と塔跡の発掘された礎石があった。

この仏塔跡と塔跡の配置が讃岐国分寺の伽藍配置と相似していることから

中寺と讃岐国分寺は僧侶が修行するために往来があったとされている。







さらに先には祈ゾーンの僧坊跡と礎石建物跡がある。ここからは大川山の山並みを

望むことができ、最も古くから大川山信仰に根ざす活動が行われていたとされている。










祈ゾーンからはぐるっと回り込むようにして展望台へ。

またここで朝よりも見通しが良くなった景色を眺めながら、腰を降ろして寛ぐ。

やはりここは県内を西から東まで一望できる場所としてはトップクラスではないだろうか。




高松の市街地と屋島の奥には小豆島



中讃地区の奥に瀬戸内海の島々



飯野山と郷師山の間に瀬戸大橋



七宝連山と奥に紫雲出山




あまりの心地よさに往路と復路でこの展望台で合わせて45分近く過ごしてしまった。

その間奥様二人は次々とザックから取り出しモグモグと口に入れている。

『もう食べるものがなくなったから遭難したら大変!』とあっちゃん。

ルリちゃんは修正された到着時間を見ながら『さぁ~降りて行くわよ!』と。

意外と急だった登りも、下りではどんどんとスピードが上がっていく。














途中でほとんど立ち止まることもなく、30分強で登山口に着いた。

最後に下りてきたルリちゃんに『お疲れさま!』と声を掛けて駐車場へと戻る。











次の中七番から平家平・冠山そしてちち山の分れへの周回を控え

耐暑トレーニングの予定だったが、平地では30度を超える気温にもかかわらず、

途中の尾根道では湿気のない涼しい風が終始吹いて、予想以上に歩きやすい一日だった。

さあ来週はそろそろ梅雨明けの雰囲気。夏山のシーズンインとなりそうだ!

線で繋ぐ山歩き 三ツ森山

2021年07月01日 | 四国の山


線で繋ぐ山歩きを思い立っての第2回。本来なら前回のカガマシ山から東へと

繋ぎたいところだけれど、どうやら橡尾山・笹ヶ峰の登山口となる県道5号線は

道路崩壊場所の復旧工事で、平日は通行が難しいと判明。

それなら少し間を飛ばして西の方から繋いでみようと、

先ずは未踏の山の三ツ森山を歩いてみる事にした。

これで個人的には三ツ森山から瓶ケ森までの線が繋がる事になるのだが、

同行の二人は所々が繋がっていないので、取りあえず今日のコースから西に

寒風山までこれから繋げていく事になった。







住友のフォレスターハウスの下の路肩の広くなった場所に車を停めてスタートする。

今日は一台だけ車が停まっていたが、どちらのお山にお出かけしたんだろうか?

車を停めた場所から県道を少し下って行くと、右手に住友が管理する作業道の入り口がある。

県道から折り返すように下って行き立派な橋を渡ると作業道が続いている。










橋の上から見る銅山川は澄みきった水が流れ川底がくっきりと見える。




今は全く使われていない作業道だが道幅も広くしばらくの間は緩やかに登っていっている。

すると足元をちょこちょこと動く小さな生き物が。一瞬サンショウウオかと思ったがイモリ?








作業道の途中から三ツ森山らしきピークがひょこっと頭を出しているのが見えた。

山頂近くはなかなかの傾斜なのが、ここからも見て取れる。




どこの作業道もそうだが、ここでも道は至るところで枝分かれしている。

途中で一ヵ所道を外してしまい、GPSを見ながらプチ藪漕ぎで軌道修正していく。




硬い茎の灌木を掻き分け作業道まで戻り、徐々に高度を上げていくと、

道の下には沢が流れ所々で小滝が見え、なかなかいい雰囲気になってきた。







作業道は三ツ森峠まで続いていく。

途中で北西に景色が広がる場所に出る。平らになった辺りが銅山越え

そして西赤石山物住山へと稜線が続いている。













橋を渡ってから1時間20分ほどで三ツ森峠に着いた。峠には小さなお地蔵さん。

峠を乗越吹きあがってくる爽やかな風が、汗を掻いた身体をクールダウンしてくれる。







さぁここからが今日の本番。今までの緩い作業道歩きからいよいよ登山が始まる。

峠から直ぐに鉄等広場に出た。鉄塔の奥にはこんもりした頭の三ツ森山。

右に視線を移すと大川村辺りだろうか?

その奥に雲がかかっている稜線は西門山

WOC登山部は今日はその西の稲叢山に登っている。







鉄塔広場からは直ぐに急登が始まる。最近、同行のお二人は事前学習をして

YAMAPの地図をプリントしてきたり、地図に書いてある歩行時間をちゃんと見てきていて、

往路と復路の時間差を読み取って山頂までは急登らしいと予想してきている。

段々とスキルアップしてきていて、なんちゃってリーダーとしても頼もしい限りだ。










なんちゃってリーダーは山の情報に関しては、まだまだ二人に負けるわけにはいかないが、

登りになると途端にヘタレになって、二人に付いて行くのがやっとなのだ!

写真や動画を撮っている間に、あっという間に置いてきぼりになる。










大岩を回り込みトラバースする場所や、更に急な場所には細いロープが掛けられていて、

雨が降った後の濡れた斜面を登るのに助かる。













山頂手前で更に大きな岩が鎮座していた。ここも左に回り込むが、いつもなら興味津々で

登ろうとするあっちゃんも、さすがに今日の足元では控えめに大人しく登山道を歩いて行く。








大岩を回り込んで登り、しばらく歩くと山頂に着いた。周りは木々に囲まれ見晴らしは無し。

今日唯一の三角点、三等三角点西三森ゲット!

行動食をとりながら暫しの休憩。『きれいに撮ってね!』と催促されたのでハイ、ポーズ!







三ツ森峠からはコースタイムを下回ったので、下りも30分のところを

『25分で下るよ!』とルリちゃんが張り切って下って行く。


















急ぐとロクなことはない、濡れた地面の急な下りで、尻もちこそつかなかったが

時々『キャ!』と慌てた声が聞こえてくる。ブナやヒメシャラの巨木に脇目もふらず

トントンといいペースで降りて行くと、タイムキーパールリちゃんの予想通り、

山頂から峠まではちょうど25分で降りてきた。発破をかけたルリちゃんも満足気だ。










峠からは平家平中七番との分岐までが稜線歩き。

『なんなら平家平まで歩く?』と張り切る二人の後ろを、へっぽこリーダーは付いて行く。













『もし本当に平家平まで行くと言い出したら、どう言い訳して止めさせるか(笑)』などと

考えながら、ダラダラと続く登りを坂を歩いて行く。ダラダラ坂と束の間の平らな道の繰り返し。

時折、南側からガスが流れて前を歩く二人に靄がかかっている。

いや、ひょっとして疲れて目が霞んできているのかもしれない!(笑)










大岩を回り込み1440mの標高点に近づいてくると周りの植生が次第に変わってきた。













道には小さな小さな花弁がそこらじゅう敷き詰めたように落花している。

またツバキの花を小さくしたような花弁もあちらこちらで落ちている。

度々立ち止まり、上を見上げてはその木を探すが、咲いている木が高くて判らない。

『何の木の花かな?』と三人でしばらく話しこむ。

ツバキのような花はヒメシャラの花の様だが、この稜線のヒメシャラは今まで見たヒメシャラの樹皮の

色より随分と薄く。『ヒメシャラ?かな違うよな~』などと言いながら歩いて行く。

小さな花弁はあとでreikoさんに聞いてみるとタンナサワフタギでは?と教えてくれた。










痛々しく皮を剝がされた木や苔むした倒木の間を進んで行くと、鉄塔の立つ場所に出た。













分岐まではあと少しだが、ちょうどお昼になったので笹原を吹き上げてくる

涼風で涼みながらお昼ご飯にする。







ここからは北と南の眺望が広がっている。北の山並みを見ながらあっちゃんが、

『あの手前の山が綱繰山?』と言ってきた。『正解!凄い、なかなかの進歩です!』

ここのところの二人の進歩は目覚ましく、これはうかうかしてられないとへっぽこリーダー。

その西にはわずかにちち山の別れへの笹原と、沓掛山の笹原ゲレンデが見えている。










昼休憩のあと鉄塔広場から分岐は直ぐに着いた。『さぁ~平家平へ!』と言われず、ホッとする。

ここでも地図の等高線と登りと下りのコースタイムを見ながら、急な坂のようだからと

靴の紐を絞め直す二人。頼もしくなって来たではないか!ほっ・ほっ・ほ~! (*'▽')







次回はこれから下る中七番からの道を登りに利用して、平家平~ちち山の別れ~大永山トンネルの

周回を考えている。その時のエスケープルートとしてナスビ屋敷の道を思っていたが、

どうやらそのルートは通行禁止になっているようだ。山を始めた頃はよくカタクリの花を見に歩いた道。

里山倶楽部の初めてのオフ会で、エントツ山さんやkyoさん、reikoさんと歩いた思い出の道なのに残念だ。




二人の予想通り、最初から小刻みに右に左に折れていく急な下り坂となる。

途中には根元から何本も幹が分れた大きな木があちらこちらに立っている。

花の名前もそうだが、木の名前も憶えられたらといつも思うのだが・・・・。(^_^;)










トリカブトの群生地では『これは何かな~』と二人が聞いてくるので、

『持って帰ってご主人に煎じて飲ませてあげてください!(笑)』と答える。

トリカブトの側にはバイケソウが一輪だけ花を咲かせていた。







最初の鉄塔広場まで来ると少しだけ北側の山並みが見えた。しばらくはまた急坂が続いていく。

















二つ目の鉄塔は住友の共同鉄塔らしい茶色に塗られた鉄塔が次へと続いている。

目の前の景色も随分開けてきた。ちち山の分れへの笹原道も見えている。

『次はあそこまで歩きますから!』と言うと。『この急坂を登るのは嫌だな~』と。

『反対から登って、またここを降りるのはどう!』とリーダーに意見をし始めた。 (; ・`д・´)

『何よんですか!』とは言えずにに『ハイ!わかりました!』とへっぽこリーダー。




道が根っこのトラバース道を過ぎると、道が崩壊した場所にでた。

ロープがないととても降りれないほぼ垂直に下る場所だった。

足を滑らさないように注意して下りきって振り返ると、かなりの規模で崩壊していた。

















崩壊場所を過ぎると道は沢沿いの道になる。何度か渡渉を繰り返して進んで行く。










コースマップを見ると二手に分かれた場所に着く。片方は尾根を辿る道だが、

手前の橋は穴が開いていて渡れそうにない。右手の沢筋を進んで行く。










小さく渡渉して、右岸から左岸にまた渡るときに事件は起きた!

ナメの上を渡っていてあっちゃんが足を滑らせた。手を付いて踏み出そうとするが

足が滑って沈しそうになる。危険な場所でなくナメなのでニヤニヤしながら大切に記録を撮る!











倒れた大きな木の根の上を歩きさらに進んで行くと、スチールの橋が架かる場所に着いた。

ここまで来るとフォレスターハウスはもうすぐそこだ。










遊歩道になっている道を歩き、案内板の立つ場所からもう一度橋を渡る。
















最後に階段を登ると管理が行き届いた園内の道。途中でフェンスで遮られゲートになっている

場所では、山から下りてきた雌クマが、入れないと騒いでいる。(笑)










フォレスターハウスの公園を散策した後、館内を見学させてもらう。

館内では住友の植林の様子や住友銅山に関する書物が並べられていた。

今ちょうど毎日布団に入りながら読んでいる本の主人公の、住友第二代総理事 伊庭貞剛さん

ついても展示をされていた。但し横になると直ぐに眠たくなるので遅々としてページが進んでいない。














先週に比べると随分と早く車を停めた場所まで戻った。来週の行程を話しながら帰路につく。

少しづつだが線が繋がる様はやはり楽しい。新しい目標ができてこれからの山歩きが楽しみだ!