いやいや今年は梅雨入りしたと思ったら晴天が続き、
今週こそは梅雨明けすると先々週ぐらいから思っていたら
次週に持ち越しが続いて、とうとう目の前に8月が迫ってきた。
この間も天気予報とにらめっこをして出かけてきたが、笹倉湿原に
出かけた時に行きのUFOラインでコアラさんが、
『この稜線をあるいてみたい!』と言ったのがきっかけで、
梅雨が明け晴れたらまずは伊予富士から西黒森山を歩こうと思いながら、
気まぐれな梅雨前線に振り回されて早や一ケ月。滝巡りでお茶を濁してきたけれど、
もう辛抱できずに天気予報は怪しいけれど取りあえず一か八かで出かけてきた。
さてさてこのルートで問題となるのは車の配車。伊予富士西側登山口に一台をデポし、
吉野川源流の碑からスタートするのが通常だが、これだと下山後車を取りに源流の碑まで
往復することになる。瓶ケ森林道の時間通行制限もあり僅か10分の間で通過する
時間が読みずらい。もちろんこのコースを往復する体力もない。
そこで思いついたのが、エントツ山さんがどこかの山で、両方の登山口からそれぞれ分かれて
スタートして縦走路の途中で鍵を交換するというクロス縦走!。
これなら通常のデポ縦走よりも時間通行制限に合わせて時間が読みやすい。
ということで今回は11名のメンバーが2台の車に分かれて丸亀をスタート。
天気予報は曇り、一時雷雨の可能性もあると言う事なので、高速を走っている間も
ずっと山側の空ばかり気になっていた。『新寒風トンネルを抜けてが勝負?』だなと
考えながら、トンネルを抜けいの町に入ると、意外と明るい空が広がっていた。
これはひょっとすると期待できるかも?と同乗している女性陣とも話をしながら寒風茶屋へ。
ここでゲートの横の看板を見ると、すでに8時から工事は始まっていて、8時50分から
通行できるとなっている。もう一台の麺法師さんの車はトイレを済ませた後、
そのまま走って行ったが、こちらはまだまだ時間があると、展望所でゆっくりと朝食を摂る。
時間が来たので瓶ケ森林道を走って行くと、通行制限の現場の隧道では作業はしていなくて
あっさりとそのまま通過。(昨日いの町役場に確認したら通行制限中ですと言ったのに・・・・!)
伊予富士西側登山口ではみやさんとゆかりんがしびれを切らせて待っていた。
先に源流の碑まで走ったメンバーは、西黒森山からスタートして最後に余裕があったら
伊予富士に登ると言うので、二人は伊予富士には登りたいということで、こちらの組に入ったのだ。
『随分とお待たせしました!』と二人にお詫びして9時前に登山口をスタート。
昨日まで降っていた雨のせいか足元の笹は濡れ、小さな沢の岩もとても滑りやすく、
ロープを伝って慎重に渡って行く。
登山口からは最初は伊予富士とは反対方向へ尾根まで斜めに登って行く道。
笹に覆われた道はすでにスパッツは用をなさず、ストックで露を払いながら歩いて行くが、
腰から下のズボンはもうずぶ濡れだ!少しづつ高度を上げていくとガスのかかった
伊予富士と瓶ケ森林道が見え始めた。
尾根に出ると今度は反対方向に伊予富士に向かって登って行く。相変わらず笹の勢いは強く、
伊予富士もほとんどガスに覆われ始めた。ただ風に流れて刻一刻と周りの景色も変わって行く。
振り返ると東黒森山もくっきりと見えている。
しばらくすると今度はガスに霞んで幻想的な風景になってくる。
歩いている間は日差しをガスが遮ってくれ、涼しくて丁度いい。
尾根の分岐から30分ほど歩くと伊予富士山頂に到着。するとなんと見る見るうちにガスが流れて
青空と周りの景色も見え始めた。
晴天の下の山頂も、もちろんいいのだが、こんな感じで次々と変化していく景色もいいと
キョウちゃんが言うと、他の女性陣も同じようにそんなふうに口にしている。
西側のUFOラインもガスはかかっているが空は晴れている。これなら期待できそうだ。
今日はこの後も三座を歩いて縦走になるので先を急いで折り返していく。
笹の尾根道の足元にはオトギリソウや、ささの背丈と同じくらいのトゲアザミが咲いている。
それにしても足元の見えない笹道は、普通の地道の登山道と比べると倍くらい疲れる。
所々で谷側が落とし穴(少し崩れて)になっていて足を落としてまゆゆも尻もちをついていた。
尾根の分岐から東黒森山への道は、さらに笹の背が高くなってきた。
そんな笹の勢いに負けじとヒヨドリバナ?があちらこちらで元気よく咲いている。
東黒森山山頂直下にある大岩へ登る三人娘?相変わらず元気がいい。
今回は配車の事ばかり頭にあって、こちらの組は当初は女性六人に男は私ひとりになってしまっていた。
女性2名のキャンセルがでたものの、それでも熟女?に囲まれての縦走にどうなる事と思っていたのが
みやさんがこちらの組に参加してくれたので随分と助かった!(笑)
東黒森山からは今日のメインルートのUFOラインが見渡せる。こちらもガスがかかったと思ったら
あっという間に流れて晴れ間を見せたりと忙しい。
カローラスポーツのCMのBGMの『大きな帆を立てて~~風になりたい~!』とTHE・BOOMの歌を
最後尾でひとり口ずさみながら気分よく歩いて行く。
東黒森山から尾根道は一旦、瓶ケ森林道に合流し少しだけ林道を歩いく。
次に目指す自念子ノ頭への道はまた尾根道が続いている。
ここで今日YAMAPデビューのみやさんにゆかりんから『道が合ってるか確認してください!』と
レクチャーが始まった。慣れないYAMAPを確認するみやさん。
自念子ノ頭への尾根道は何故かここだけ笹が刈りはらわれ、先ほどまでの笹漕き道とは
比べ物にならないくらい歩きやすい。山頂直下の急登もなんのその!
東黒森の下り辺りから、反対から来ているはずの麺法師さんの組の姿が見えないか
この自念子ノ頭の山頂辺りを見ながら歩いてきたが、山頂に立ってもその西側に全く姿が見えない。
連絡をとってみるが、皆さんバッテリーの節約で機内モードにしているのか繋がらない。
この縦走路で道を間違えることはないと思うので、ここで先に昼食にする。
昼食を済ませてしばらくして山頂から西側を見ると笹原の奥に二人が歩いてくる姿が見えた。
しばらく休んでいたがこのコースを歩くのを熱望していたセニョさんとルリちゃんだ!
上から眺めながら『お~い、お~い!』と呼んでいるとどんどん近づいてきた。
それにしても残りの麺法師さんとひなちゃんと山ピーの姿は全く見えない。
それでもお互いに違う場所からスタートして、こうして中間地点で顔を合わせて
無事を確認するなんて、初めての事でとても新鮮で感動的だ!
二人に残りの三人の安否?も確認でき西黒森山までの様子を確認した後、
二人を残して山頂を後にする。山頂からの下りはまた笹道になっている。しかも足元には
笹の根っこが広がり、足が引っ掛かって前のめりに転びそうになる。まるでトラップの様だ!
笹原から急な下りになり始めると鞍部から上がった尾根の先に
こちらに歩いてくる人の姿が見えた。『麺法師さんだ!』。
鞍部まで下って行くと丁度三人とすれ違いになった。ここで麺法師さんの車のカギを受け取って、
ハイタッチはせずに肘でタッチをしてお互いの無事を願って別れる。
鞍部から一旦1669mのピークまで登って行くと正面に瓶ケ森が見え始める。
更に進んで行くと樹林帯の中の下りの道になり、下りきるとまた瓶ケ森林道に飛び出す。
ここまでの足元の見えない笹道歩きが堪えたのか、登りになるたびに左の足首が攣りそうになっていたのが
林道に下りた途端に本格的に攣り始めた。腰を降ろしてじっとしてみるが痛みが治まらない。
しばらくすると痛みは治まり始めたが、ここからの西黒森山への登りでまた攣ってしまうと
もうエスケープルートはないので、ここでメンバーとは分かれて林道を歩くことにする。
『じゃ~ね~!気を付けてね~!』と余裕の笑顔で女性陣に手を振られて、少し情けない。
神鳴池の石碑を過ぎ、時々通る車やバイクを横目に見ながらゆっくりとのんびりと歩いて行くと
道の脇に咲くクガイソウが目につき、写真を撮ろうと斜面に足を置くと、今度は左足の指が攣ってきた。
それでも林道から遠くに見える筒上山や手箱山を眺めたり、
道の脇に咲くシモツケソウやシコクフウロの花を愛でながら、騙しだまし歩いて行くと、
別の組がスタートした源流の碑に着いた。
その間女性陣とその四人に囲まれてみやさんは西黒山へと歩いている。
メンバーを待つ間に源流の碑の写真を撮ろうと階段を登ろうと一段目に踏み込んだ途端、
またまた今度は左の太ももから全体が攣ってきた。こんなに足が次々と攣ったのは初めての事。
今日の悪路も原因だけけれど、先週からずっと痛かった大臀筋が影響しているのかもしれない。
更にしばらく道の脇で涼んでいると、『今、山頂です!』と写真付きのメッセージが届いた。
あれ、あれ?その写真にはみやさんの姿がない!後で聞いてみると、どうやらみやさんも
山頂直下の分岐でリタイヤしたとの事。ん~んご同輩!(笑)
どれくらい待っただろうか、静かな静かな林道では鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえ、
脇に咲く小さな花にこれも小さな虫が、一生懸命花の蜜を吸っている。
スッパッツを脱ぎ登山靴の硬い靴ひもを解き、ゆっくりと流れていくガスを眺める。
山の中でこんなにのんびりとするのは久しぶりだ!
そんな風に感慨深く思いを巡らせていると西黒森山の方から声がしてきた。
何だか俗世に戻された(笑)気がしたが、元気そうな女性陣ともうリミットいっぱいのみやさんが下りて来る。
無事に女性陣4人は完歩した後、まだあっちゃんはここから瓶ケ森に登りたいと言っている。
『参りました!』と言って、別組の待つ伊予富士の登山口に戻る。
先に縦走を終えた別組(セニョさんだけが伊予富士まで登ったそうだ。)は、やはり30分ほど待ったようだ。
濡れた衣服を着替えたり、お互いの今日の感想を話し合ったりしながら、曇り始めた瓶ケ森林道を後にした。
梅雨が明けて晴天を狙ってと考えていた今回の縦走だが、ガスが日差しを遮ってくれ逆に暑くなく、
幻想的な風景になり、要所要所のビューポイントではガスが流れてちゃんと眺望を見ることができ、
メンバー全員が大満足の一日だった。今回のクロス縦走、これからも使えそうなので
今度はどこを縦走しようかな?と考えながら帰路についた。