KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2020.07.29 伊予富士~西黒森山

2020年07月30日 | 四国の山



いやいや今年は梅雨入りしたと思ったら晴天が続き、

今週こそは梅雨明けすると先々週ぐらいから思っていたら

次週に持ち越しが続いて、とうとう目の前に8月が迫ってきた。

この間も天気予報とにらめっこをして出かけてきたが、笹倉湿原

出かけた時に行きのUFOラインでコアラさんが、

『この稜線をあるいてみたい!』と言ったのがきっかけで、

梅雨が明け晴れたらまずは伊予富士から西黒森山を歩こうと思いながら、

気まぐれな梅雨前線に振り回されて早や一ケ月。滝巡りでお茶を濁してきたけれど、

もう辛抱できずに天気予報は怪しいけれど取りあえず一か八かで出かけてきた。


さてさてこのルートで問題となるのは車の配車。伊予富士西側登山口に一台をデポし、

吉野川源流の碑からスタートするのが通常だが、これだと下山後車を取りに源流の碑まで

往復することになる。瓶ケ森林道の時間通行制限もあり僅か10分の間で通過する

時間が読みずらい。もちろんこのコースを往復する体力もない。

そこで思いついたのが、エントツ山さんがどこかの山で、両方の登山口からそれぞれ分かれて

スタートして縦走路の途中で鍵を交換するというクロス縦走!

これなら通常のデポ縦走よりも時間通行制限に合わせて時間が読みやすい。


ということで今回は11名のメンバーが2台の車に分かれて丸亀をスタート。

天気予報は曇り、一時雷雨の可能性もあると言う事なので、高速を走っている間も

ずっと山側の空ばかり気になっていた。『新寒風トンネルを抜けてが勝負?』だなと

考えながら、トンネルを抜けいの町に入ると、意外と明るい空が広がっていた。

これはひょっとすると期待できるかも?と同乗している女性陣とも話をしながら寒風茶屋へ。

ここでゲートの横の看板を見ると、すでに8時から工事は始まっていて、8時50分から

通行できるとなっている。もう一台の麺法師さんの車はトイレを済ませた後、

そのまま走って行ったが、こちらはまだまだ時間があると、展望所でゆっくりと朝食を摂る。




時間が来たので瓶ケ森林道を走って行くと、通行制限の現場の隧道では作業はしていなくて

あっさりとそのまま通過。(昨日いの町役場に確認したら通行制限中ですと言ったのに・・・・!)

伊予富士西側登山口ではみやさんとゆかりんがしびれを切らせて待っていた。

先に源流の碑まで走ったメンバーは、西黒森山からスタートして最後に余裕があったら

伊予富士に登ると言うので、二人は伊予富士には登りたいということで、こちらの組に入ったのだ。


『随分とお待たせしました!』と二人にお詫びして9時前に登山口をスタート。








昨日まで降っていた雨のせいか足元の笹は濡れ、小さな沢の岩もとても滑りやすく、

ロープを伝って慎重に渡って行く。










登山口からは最初は伊予富士とは反対方向へ尾根まで斜めに登って行く道。

笹に覆われた道はすでにスパッツは用をなさず、ストックで露を払いながら歩いて行くが、

腰から下のズボンはもうずぶ濡れだ!少しづつ高度を上げていくとガスのかかった

伊予富士と瓶ケ森林道が見え始めた。










尾根に出ると今度は反対方向に伊予富士に向かって登って行く。相変わらず笹の勢いは強く、

伊予富士もほとんどガスに覆われ始めた。ただ風に流れて刻一刻と周りの景色も変わって行く。

振り返ると東黒森山もくっきりと見えている。














しばらくすると今度はガスに霞んで幻想的な風景になってくる。

歩いている間は日差しをガスが遮ってくれ、涼しくて丁度いい。




尾根の分岐から30分ほど歩くと伊予富士山頂に到着。するとなんと見る見るうちにガスが流れて

青空と周りの景色も見え始めた。








晴天の下の山頂も、もちろんいいのだが、こんな感じで次々と変化していく景色もいいと

キョウちゃんが言うと、他の女性陣も同じようにそんなふうに口にしている。











西側のUFOラインもガスはかかっているが空は晴れている。これなら期待できそうだ。

今日はこの後も三座を歩いて縦走になるので先を急いで折り返していく。










笹の尾根道の足元にはオトギリソウや、ささの背丈と同じくらいのトゲアザミが咲いている。










それにしても足元の見えない笹道は、普通の地道の登山道と比べると倍くらい疲れる。

所々で谷側が落とし穴(少し崩れて)になっていて足を落としてまゆゆも尻もちをついていた。

















尾根の分岐から東黒森山への道は、さらに笹の背が高くなってきた。

そんな笹の勢いに負けじとヒヨドリバナ?があちらこちらで元気よく咲いている。







東黒森山山頂直下にある大岩へ登る三人娘?相変わらず元気がいい。

今回は配車の事ばかり頭にあって、こちらの組は当初は女性六人に男は私ひとりになってしまっていた。

女性2名のキャンセルがでたものの、それでも熟女?に囲まれての縦走にどうなる事と思っていたのが

みやさんがこちらの組に参加してくれたので随分と助かった!(笑)














東黒森山からは今日のメインルートのUFOラインが見渡せる。こちらもガスがかかったと思ったら

あっという間に流れて晴れ間を見せたりと忙しい。







カローラスポーツのCMのBGMの『大きな帆を立てて~~風になりたい~!』とTHE・BOOMの歌を

最後尾でひとり口ずさみながら気分よく歩いて行く。










東黒森山から尾根道は一旦、瓶ケ森林道に合流し少しだけ林道を歩いく。











次に目指す自念子ノ頭への道はまた尾根道が続いている。

ここで今日YAMAPデビューのみやさんにゆかりんから『道が合ってるか確認してください!』と

レクチャーが始まった。慣れないYAMAPを確認するみやさん。




自念子ノ頭への尾根道は何故かここだけ笹が刈りはらわれ、先ほどまでの笹漕き道とは

比べ物にならないくらい歩きやすい。山頂直下の急登もなんのその!














東黒森の下り辺りから、反対から来ているはずの麺法師さんの組の姿が見えないか

この自念子ノ頭の山頂辺りを見ながら歩いてきたが、山頂に立ってもその西側に全く姿が見えない。

連絡をとってみるが、皆さんバッテリーの節約で機内モードにしているのか繋がらない。

この縦走路で道を間違えることはないと思うので、ここで先に昼食にする。







昼食を済ませてしばらくして山頂から西側を見ると笹原の奥に二人が歩いてくる姿が見えた。

しばらく休んでいたがこのコースを歩くのを熱望していたセニョさんルリちゃんだ!

上から眺めながら『お~い、お~い!』と呼んでいるとどんどん近づいてきた。

それにしても残りの麺法師さんとひなちゃんと山ピーの姿は全く見えない。

それでもお互いに違う場所からスタートして、こうして中間地点で顔を合わせて

無事を確認するなんて、初めての事でとても新鮮で感動的だ!










二人に残りの三人の安否?も確認でき西黒森山までの様子を確認した後、

二人を残して山頂を後にする。山頂からの下りはまた笹道になっている。しかも足元には

笹の根っこが広がり、足が引っ掛かって前のめりに転びそうになる。まるでトラップの様だ!











笹原から急な下りになり始めると鞍部から上がった尾根の先に

こちらに歩いてくる人の姿が見えた。『麺法師さんだ!』。







鞍部まで下って行くと丁度三人とすれ違いになった。ここで麺法師さんの車のカギを受け取って、

ハイタッチはせずに肘でタッチをしてお互いの無事を願って別れる。







鞍部から一旦1669mのピークまで登って行くと正面に瓶ケ森が見え始める。

更に進んで行くと樹林帯の中の下りの道になり、下りきるとまた瓶ケ森林道に飛び出す。







ここまでの足元の見えない笹道歩きが堪えたのか、登りになるたびに左の足首が攣りそうになっていたのが

林道に下りた途端に本格的に攣り始めた。腰を降ろしてじっとしてみるが痛みが治まらない。

しばらくすると痛みは治まり始めたが、ここからの西黒森山への登りでまた攣ってしまうと

もうエスケープルートはないので、ここでメンバーとは分かれて林道を歩くことにする。

『じゃ~ね~!気を付けてね~!』と余裕の笑顔で女性陣に手を振られて、少し情けない。




神鳴池の石碑を過ぎ、時々通る車やバイクを横目に見ながらゆっくりとのんびりと歩いて行くと

道の脇に咲くクガイソウが目につき、写真を撮ろうと斜面に足を置くと、今度は左足の指が攣ってきた。







それでも林道から遠くに見える筒上山や手箱山を眺めたり、

道の脇に咲くシモツケソウやシコクフウロの花を愛でながら、騙しだまし歩いて行くと、

別の組がスタートした源流の碑に着いた。











その間女性陣とその四人に囲まれてみやさんは西黒山へと歩いている。







メンバーを待つ間に源流の碑の写真を撮ろうと階段を登ろうと一段目に踏み込んだ途端、

またまた今度は左の太ももから全体が攣ってきた。こんなに足が次々と攣ったのは初めての事。

今日の悪路も原因だけけれど、先週からずっと痛かった大臀筋が影響しているのかもしれない。


更にしばらく道の脇で涼んでいると、『今、山頂です!』と写真付きのメッセージが届いた。

あれ、あれ?その写真にはみやさんの姿がない!後で聞いてみると、どうやらみやさんも

山頂直下の分岐でリタイヤしたとの事。ん~んご同輩!(笑)




どれくらい待っただろうか、静かな静かな林道では鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえ、

脇に咲く小さな花にこれも小さな虫が、一生懸命花の蜜を吸っている。

スッパッツを脱ぎ登山靴の硬い靴ひもを解き、ゆっくりと流れていくガスを眺める。

山の中でこんなにのんびりとするのは久しぶりだ!










そんな風に感慨深く思いを巡らせていると西黒森山の方から声がしてきた。

何だか俗世に戻された(笑)気がしたが、元気そうな女性陣ともうリミットいっぱいのみやさんが下りて来る。

















無事に女性陣4人は完歩した後、まだあっちゃんはここから瓶ケ森に登りたいと言っている。

『参りました!』と言って、別組の待つ伊予富士の登山口に戻る。

先に縦走を終えた別組(セニョさんだけが伊予富士まで登ったそうだ。)は、やはり30分ほど待ったようだ。

濡れた衣服を着替えたり、お互いの今日の感想を話し合ったりしながら、曇り始めた瓶ケ森林道を後にした。

梅雨が明けて晴天を狙ってと考えていた今回の縦走だが、ガスが日差しを遮ってくれ逆に暑くなく、

幻想的な風景になり、要所要所のビューポイントではガスが流れてちゃんと眺望を見ることができ、

メンバー全員が大満足の一日だった。今回のクロス縦走、これからも使えそうなので

今度はどこを縦走しようかな?と考えながら帰路についた。

WOC登山部2020.07.22 雨乞いの滝

2020年07月24日 | 四国の山

ここのところWOC登山部は観光部に近い活動になっているが、

取りあえず毎週休まずどこかに出かけるのが第一のポリシー。

山は梅雨が明けるまで延期して、今週も懲りずに『日本の滝百選』シリーズと銘打ち、

三週連続で滝巡りに出かけてきた。先週の大樽の滝で、高知県にある

三ヵ所の百選の滝を制覇できたので、今週は徳島県に的を絞り、これも三カ所ある内のひとつ

神山町の雨乞いの滝に出かけてきた。残り二つの内のひとつ大釜の滝は何度か訪れた事があるので、

最後の轟九十九滝に行ければ徳島県の制覇となる。



いつもなら上川町へは山川町から国道193号線を走るのだが、今回は運転が楽な高速を利用して

石井町から神山町へと向かった。神山町の旧道で雨乞いの滝と書かれた小さな看板を見て

南へと左折したが、どうやら道を間違えたようで、

一旦旧道まで戻り火の見櫓のある所から山道へと入って行った。

こちらは途中には何ヵ所も案内看板も有りここからは迷うことなく駐車場に着いた。







駐車場からは先週の大樽の滝と同じように、沢沿いにコンクリートの遊歩道が続いている。

しかもうぐいす滝・不動滝・もみじ滝・観音滝と雨乞いの滝まで

連続して小さな滝が続いて、飽きることなく雨乞いの滝まで歩いて行ける。




遊歩道はこれも先週と同じように表面には苔がつき、濡れて滑りやすく

しかも所々で急な斜面になっていて、とても危なっかしい。


うぐいす滝は遊歩道から滝の近くまで降りることができる。滝の正面には形のいい

モミジの木の枝がかかっていて、秋の紅葉の季節にはとても絵になる雰囲気のある滝だった。







少しその先を歩くと道の山側には岩壁がそそり立ち次第に深山幽谷の雰囲気が漂ってきた。

前を歩くさりんちゃんは時々その岩壁に近づいて

なにやら探している。前回の笹倉湿原の時もそうだったが、どうやら水晶がないか探していたようだ。










その間も水量が多いせいで至るところで小さな滝になり、水が勢いよく流れ落ちている。







不動の滝は先ほどのうぐいす滝に比べると段差のある滝だった。

道の脇には不動尊と書かれて石仏が祀られていたが、どう見てもタヌキにしか見えない?。

キョウちゃんも連続する滝に見入って、度々立ち止まっては写真を撮っている。










次にコンクリートの遊歩道は突堤を右岸へと渡ると道は更に急になってきた。

所々で沢からの涼しい風が吹くものの、湿度が高いせいでそれこそ滝のように汗が流れ落ちてくる。







コンクリートの道が中央が階段状になり少しは歩きやすくなってくると観音滝に着いた。

さっきまでの滑らないようにと緊張していたのが随分と楽になる。










観音滝は遊歩道から滝の落ち口まで近づける。『あっちゃん、滑らんようにね!』と思いながら

眺めていたら自分が足を滑らせスマホやペットボトルを落としてしまった。







観音滝を過ぎると今日の目的地の雨乞いの滝に着いた。広場の横には東屋の休憩所があり、

広場の奥に進んで行くと先ずは雄滝が目に飛び込んできた。

さらに右奥に2段になった雌滝が谷あいの上から注ぎ込む陽に当たり眩しく光っている。










滝の両側の岩肌には一面の苔の緑、そして廻りの木々にも陽が当たり

まるで春の新緑のように若々しい色で輝いている。

三週連続で百選の滝を見て来たけれど、どれひとつ同じ表情の滝はなく、

それぞれに違った特徴があり滝見の旅もまんざらではない!

雌滝の左側には鎖が続いていて滝の上部に見える石仏まで登れるようだ。

その鎖場の上の方で地元の人か、鎖の周りの草刈りをしながら降りてきている。













雨乞いの滝を堪能した後は次の目的地の悲願寺へと向かう。

滝の広場の横から悲願寺までは四国のみちが続いている。




ただここからの道もいきなりの急登。しかも足元は滑りやすく横にある擬木の柵に

手を添えながら登って行く。その急登を登りきると北側の神山町が見える眺望が広がっていた。

先ほどの雨乞いの滝で涼んだあとなのに、また思いっきり汗が噴き出てきた。










更に折り返しの急登を登ると道は眼下に沢の流れを見ながら歩きやすい道になった。

道の谷側には石垣が続いているのを見ると、古くから悲願寺への参道になっていたのだろう。







案内では悲願寺までは滝から30分と書いたが、なかなか着かず、そろそろメンバーから

愚痴が出始めたので、『悲願が成就するのに楽な道ではいかんでしょう!』と言うと、

『何をお願いします!』と麺法師さんが言うのでしばらく考え込んだ。

すると麺法師さんが『私はサマージャンボ宝くじが当たるようお願いします』。

『当たったら皆さんに1,000万づつ差し上げますよ!』と言うので、メンバー全員が途端に盛り上がった。

『それじゃ~今日のメンバーだけにしときましょうね!』と姑息な発言をする私。







杉林の中の道になるとまた道は急登になり、せっかく盛り上がった話もいったん中断。

滝見のおまけ程度に考えて計画したのに、これはもうれっきとした登山になった。




やっとのことで前方に明るくなった場所と山門が見え始めた。







先ほどまでの山中の険しい道からは想像もつかないほど境内は明るく広々としている。

廻りには数本巨大な杉の木が立ち、山門の中には小ぶりな仁王を安置している所を見ると仁王門の様だ。







境内の奥には立派な常夜塔が建っている

この常夜塔は山中にあった古代灯台跡から明治初期に移設されたという。




早速拝殿にお参りをするが、麺法師さんはいつもより多いお賽銭を入れるという。

もちろんそれはサマーャンボ宝くじが当たる様にと願うため。その後ろでメンバー全員が揃って

『どうぞ宝くじがあたりますように!』とお参りをする。イッヒ・ヒー! (*´▽`*)





常夜塔には弘法大師が伝え残したと言う額が掛けられているが、

正面に「葆光(ほうこう)」向かって右側に「虚」左側に「空」

書かれているそうだが、左側の額を見て『麺法師さん!ほらって書いてありますよ!』と

私が言うと、ここでも麺法師さんが丁寧に手を合わせていた!(笑)




帰りの下りは時間もかからずトントンと下って行く。

すると麺法師さんは宝くじを30人近くでまとめ買いをしていることが判明した。

それじゃ麺法師さん自体の配分も随分と少なくなる計算。

『さっきの一人1,000万円は訂正します!』と麺法師さん。







登り鈍行、下りは急行で降りた後、雨乞いの滝で休憩をして駐車場まで下って行く。

ただここからが今日最大の難所。登りであれだけ慎重に登った苔むしたコンクリートの坂道を

更に慎重に一歩一歩と下って行く。普段あまり履いていないショートのトレッキングシューズは

経年で靴底が滑りやすく、余分に足に力を入れるため指先に痛みを感じ始めた。










何とかメンバー全員尻もちをつくことなく無事に駐車場に到着した。




さぁ~お腹が空いたので何処かのお店で食事にしよう!とGoogleで探したピザ屋へ向かうが、

今日は予約でいっぱいだと断られ、次にめし処萬や山びこに向かう。

国道からは倉庫にしか見えない建物は中に入ると新しく改装され、

名前からは想像つかないおしゃれな雰囲気のお店だった。ランチは日替わりでパスタと丼と定食があり、

私は日替わりのから揚げ定食を頼んだが、量が多くて満腹になった。

以前に食事をしたことのあるかま屋も含めて、神山町にはオサレ~な

お店が多く、平日でも徳島市内から来る人がいるのか、けっこう賑わっている。










まだ時間もあるので食事の後は車で焼山寺まで足を延ばすことにする。

狭い山道を登って行くと広い駐車場に着いた。駐車場からは奉納による石灯篭が境内まで続いている。

やっさんと私は藤井寺からへんろ道を歩いた事があり、

ひなちゃんとさりんちゃんは車で来たことがあるそうだが、

麺法師さんとキョウちゃんは初めてだそうだ。私は14年も前になるのでほとんど記憶がないが

この石灯篭の参道だけは記憶に残っている。




参道の途中からは東の眺望があり、遠くに風力発電のある大川原高原が見える。







境内はまだコロナのせいか人影は少なく、家族連れの兄弟の声だけが静かな境内で可愛く響いていた。










焼山寺でのお参りの後は最後の最後に奥の院のある焼山寺山を目指すことになる。

さすが登山部のだけあってメンバーは元気よく本堂の脇へと歩いて行くが、

今日はやはり靴のせいか大殿筋の辺りが痛み始めて足が進まない。




藤井寺からこの焼山寺に歩いた時も奥の院まで歩いたのだが、最後に随分と急な坂に

最年長で参加していた女性がメンバーから遅れていたので、それを見守る様に後ろから付いて行くと、

何度も先に行くようにと言われたが『私もしんどいので!』と言いながら、わざと疲れたふりをして歩いた。

すると後で、一緒に来ていたその女性の妹に『あの人、若いのに大したことないわね!』と

言っていたというのを聞いてがっかりした記憶が蘇ってきた。




この道には杉の木を始めたくさんの巨木が道の脇に立っている。







巨木の道を過ぎると今度は巨岩の道になってきた。コンクリートでできたような垂直な

岩壁を横目に見ながら歩くとその岩の正面に出た。大蛇封じ込めの岩と書かれた巨岩は、

弘法大師が開山した時、焼山寺山の台地に大蛇がいて、火を吐いて山を焼くなど

村人を困らせていることを聞いて、水輪の印を結んで退治に出かけた。

襲いかかる大蛇を虚空蔵菩薩の加護を得て退治、この岩に閉じ込めたと伝わる巨岩だ。

蛇がとにかく苦手な麺法師さんは『蛇さん出てこんでええからね』と言っている。







さらに途中には大師の杖を立てた杖立権現の小さな祠があった。

祠の前には奥の院の標識があり、疲れてきた麺法師さんがここを奥の院だと思って

『着いたよ~!』と言っているが、先を行くやっさんが『まだ先だよ!』と呼んでいるのでガッカリ。

山ではにせピークはよくあるがこれは『にせ奥の院だ!』と麺法師さんが愚痴った。







杖立権現から尾根に出ると南側に麓の神山町が見えた。

痩せ尾根を歩き登りきると正真正銘の弥山(蔵王)権現を祀った焼山寺奥の院に着いた。










ここは奥の院と同時に焼山寺山(938m)の山頂にもなっていて、

二本の可愛らしい山名札が立っている。

南の正面には旭ケ丸雲早山や砥石権現が見え、

西側に見えるとんがり山は東宮山だろうか?、その奥には霞んでいなければ剣山が見えるはずだ。










後で気づいたのだが集合写真でも欲深い(笑)5人は『宝くじがあたりますように!』と拝んでいる。

そうとは知らずにひなちゃんと私は吞気にピースサイン!




願掛けも無事終えて焼山寺へと下って行く。

今日は一日曇り空だったが蒸し暑く下りでも汗が噴き出てくる。

麺法師さんがテレビ番組で見た、吉野川は現在の阿波池田から東に紀伊水道に流れているが

300万年前は美馬市の辺りから北上し(現在の三頭越えの辺り)、瀬戸内海へと流れていたのが

断層活動で讃岐山脈が隆起し山地に遮られて現在の流れになったと話をしてくれた。

『阿波池田で90度に曲がって更に北に曲がっていたんですね?』と言うと、

あっちゃんが『吉野川が阿波池田で90度に曲がっている?』と不思議そうに聞いてくる。

『奥様、その場所は何度も車で通っていますよ!』と言うと、

悔しがって私が首に掛けていたタオルで首を絞めてきた!『奥様~~!!』 (@_@)










駐車場まで着いて万歩計を見ると19,000歩になっていて、メンバーに聞いてみると

他のほとんどの人が15,000歩になっていた。

『ハイハイ、私は足が短いんです』などと言いながら帰路についた。

WOC登山部2020.07.15 聖神社・大樽の滝

2020年07月16日 | 四国の山
先週の香美市の『滝三昧!』に続いて、今週も“日本の滝百選”の第二弾と銘打って、

高知県で百選に選ばれた三つの滝の内のひとつ大樽の滝を目指すことにした。

残るもう一つの龍王の滝は何度も訪れた事があるので、

これで高知県にある日本の滝百選の三つを制覇できることになる。

ただ滝見物だけで越知町まで出かけるのはもったいないので、以前からさりちゃん

(WOCにさおりんが二人いるので今回改名)が勧めてくれていた

高知の投入堂で有名な聖神社を絡めて歩いてみることにした。


伊野ICで高速を降り、国道33号線を東に佐川町から越知町、そして県道18号線へと進んで行く。

途中で工事中の現場があったが通行止めにはなっていなかったので、現場の人が鉄板を

敷いて車を通れるようにしてくれた。




桐見神社を過ぎたところで県道から左に下がって林道になる。

少しだけ未舗装になったヶ所があるが、あとは舗装路なので駐車場まで車は問題なく走れる。

集落を過ぎ林道を登って行くと道の脇に休憩所のような小さな小屋に

駐車場の看板と、聖神社の案内板が掛けられている。車は4.5台停められるスペースがあった。




駐車場から少し上に青い建物がありその横が神社への入り口となっている。更に橋を渡った所に

もう一つ案内板があるが、こちらは聖神社に直接行ける道で、手前の入り口が

対岸から神社の全景を眺められる展望所への道になっているようだ。

道の脇の沢には昨日の雨で勢いよく水が流れている。









入り口からは直ぐに急登が始まり、小さな沢を渡渉すると杉林の中の道になる。










急な場所には丸太の階段とトラロープが張られていて、谷筋では普段なら空沢なのだろうが

今日は小さな滝になって水が流れている。




杉林から自然林になり尾根の下を巻くようにして歩いて行くと聖神社の対岸の展望所に着いた。

晴れの日には朝10時を過ぎると神社側は日陰になるようだが、曇り空の今日は影もできずに

断崖絶壁に建つ聖神社をきれいに眺めることができた。

投入堂としては鳥取県の三徳山の投入堂が全国的には有名だが、

この聖神社もなかなかどうして三徳山に負けず劣らず見応えがある。







三徳山の投入堂は長い柱で床を支える懸崖(けんがい)造りになっていて、投入堂の足元までは行けるが

その中まで立ち入ることはできない。しかしこの聖神社はここから周回路を歩いて行くと神社にお参りできる

というので展望所から更に進んで行くことにする。


山さんは今日は自慢の一眼レフを持ってきているが

展望所の一番奥のビューポイントまで怖くて近づけずに、『ここで十分!』と強がりを

言いながら写真を撮っている。







展望所から聖神社への道は谷の上流に向かって進んで行くようになる。雨上がりの道は滑りやすく

特に沢に架かる丸太の橋はツルツルで靴底が滑り危ういが、前をいく女性陣は難なく渡って行っている。













振り返ると山さんが手摺を使わず、何故か平均台の上を歩くコマネチ(古い)のようにして渡っている。




二つ目の丸太橋を渡ると道には苔むした岩が目につくようになってきた。

丸太の橋を渡ったり脚立の梯子を降りたりと変化があって楽しい道だ。










充分に水分を吸った緑は瑞々しく、苔も今日は生き生きとしている。







谷筋の上流では仮設足場の踏み板を渡らせた吊り橋が架かっていた。

丸太の上に載せてある橋は今までも見た事はあるが、吊り橋に足場板が載っているのは初めてだ!




その吊り橋の手前に巨岩に梯子が掛けられていて、岩の上から横を流れる

沢と小滝を眺められるようになっている。










梯子を昇り降りした後は沢の左岸へと吊り橋を渡って行く。

ゆらゆらと揺れる吊り橋をキャッキャと言いながら渡ってくる女性陣。










相変わらず慎重に慎重にとゆっくりと渡っていく山さん。




吊り橋を渡ると今度はマンガン鉱を採掘していた跡だという洞窟があった。中に入ると一瞬真っ暗になるが

途中ではライトが有り、出口の明かりも漏れている中を問題なく歩いて行く。

それにしても丸太の橋や梯子に吊り橋に洞窟と、この道はちょっとしたアトラクションみたいだ。










洞窟を出ると神社へと向かう急登になる。大木に遮られて陽の当らない道は苔の道で、

少しザレた場所もあり滑らないように注意しながら登って行く。







聖神社の絶壁が近づいてくると谷側には丸太の階段になっているが、

ここも濡れて滑りやすく注意深く登って行く。








何ヵ所かの階段を登りきると頭上にお目当ての聖神社の社殿が現れた。




三徳山の投入堂はその昔、役小角が投げた蓮の花びらの1枚は

神仏にゆかりのあるところに舞い落ちた一つが

三徳山で。役小角が三徳山を訪れた時、その山のふもとでお堂をつくり、

役行者は法力でお堂を手のひらに乗るほどに小さくし、

大きな掛け声と共に断崖絶壁にある岩窟に投入れたと言われ、

このことから「投入堂」と呼ばれるようになったというが、

この聖神社は明治12年に改築された記録は残っているがその創建はあきらかではない。

60年ほど前までは近くの小日浦(こびうら)集落に約200人が住んでおり、住民たちが通っていた。

しかし、その険しさから次第に集落の人の足が遠のいた。

屋根が崩れ、床が抜け落ちている状態を知り、「もったいない。なんとかせんと」と

立ち上がったのが岡村豊延さん、1988年12月のことだった。

絶壁にはしごを作るところから始めた。社での作業も落ちれば命に関わる大仕事。

豊延さんは腰に命綱を巻き、滑車を通したロープの端を妻、袈裟子さんが持って支えた。

夫婦で命懸けの作業を続けた。

2人が“難工事”に取り組んでいることを聞きつけた集落の出身者らが材料費を寄付してくれたり、

資材の運搬を手伝ってくれたり。2カ月ほどで修復は完了したという。




社殿に入るり窓を開けると開放的な景色が広がっていた。奥には不動明王が祀られている。










よくぞこんな場所で2ヶ月あまりの短い期間で、それもほとんど個人の手で改修できたもんだと

感心する事ひとしきり。窓と入り口の扉を閉め後にした。










登りよりさらに注意深く濡れて滑りやすい丸太の階段を下って行く。

この道も階段も岡村さんや地元の方が整備したという。大変な作業だったに違いない。







ザレた下り坂を降りきると左に参道入り口への道が続いている。

道は沢沿いの道にあり綺麗な小滝が続いていく。この小さな渓谷も秋になったら紅葉に囲まれ

風情のある景色になるだろう。














聖神社への参道の下りは展望所からの登りに比べておもったより短い時間で林道の入り口に着いた。







休憩所にあった置物(笑)でポーズをするさりんちゃんとみやさん







この休憩所も横から見てみると投入堂に見えなくはない!





ミニアトラクションを楽しんだ後は、朝早くに菓子パン一個を食べただけだったので

もうお腹はペコペコ。今日の第二の目的地で昼食を摂るため車を移動する。

高知の人に越知町でお昼ご飯と聞けば、自由軒とほとんどの人が教えてくれるほどの

ラーメン店で有名なお店で、なかでも味噌ラーメンが名物の様で越知町のホームページの

グルメ情報にも掲載されているほどのお店だ。もちろん他にも醤油や塩ラーメン、チャーハンもある。










お店では入店の際にはマスク着用で、注文も食券機。さらにはテーブルの対面は

ビニールで仕切られているという、コロナ対策が徹底されていた。

当然、ここでは私は味噌ラーメンを注文したが、他の人は味噌カツラーメンの上にチャーハンを

セットにして頼んでいた!あっさりと優しい味のラーメンは噂通りで美味しく頂けた。







自由軒でお腹を満たした後は、第三の目的地というか最初に決めた目的地の大樽の滝へ!

県道の脇に案内板があるが、GooglMapでは駐車場までの道は載っていなくて、

最初は東側の道を走ってしまい迷ってしまった。駐車場へは県道の看板から山道を走って行くが

道幅は狭く、果たして本当に駐車場まで行けるのだろうかと思うような道だった。

運転手の山さんが『大丈夫?』と聞いてくるが、最初は『大丈夫!』と答えていたが

次第に不安になってきた。最後は道の両側から草が延び道幅を狭めている。

何とかその場所も無理やり過ぎるとトイレのある駐車場に着いた。

『ほ~らね!』と嘯く私を後ろの座っている女性陣が笑っている。

それにしても日本の滝百選に選ばれているのに、もう少し途中の道を整備すればいいのに。







大樽の滝へは駐車場からコンクリートの遊歩道が500mほど続いている。

沢沿いに続く道は大小の岩の間を水が流れ小さな滝を造り、時折段差のある滝の前では

流れ落ちる水が涼風を運んでくれる。







お昼を過ぎて気温が上がり湿度も高くなってきたが、渓谷沿いの道は気持ちよく歩ける。







遊歩道の突き当りに落差34mの大樽の滝が正面に見えた。

大樽の水を撒いた様に豪快に流れ落ちるのでその名が付けられたというが、今日は昨日の雨で

更に豪快に流れ落ちている。滝壺の正面には“にじのはし”の

名前のとおり優美な形をした橋が架けらている。










橋の上からは間近に滝を見ることができ、橋の脇からは滝壺まで降りることができる。

滝の本体は『三滝花崗岩(みたきかこうがん)』と呼ばれる4億年以上も前の古い花崗岩でできていて、

坂折川を挟んだ北方の横倉山にもこれと同じ花崗岩が分布しているそうだ。







滝壺近くまで降りたオトメ隊?が写真を撮ろうとポーズをしているが、

その格好が可笑しくて笑いを誘う!








この写真を撮ってくれた山さんが『日頃の行いを悔い改めている』などとFBに書いていたので

自然が造りだす造形と美しさに、しばし見とれてしまっている私ですと書き込んだ。

それは見る人の心ねを現した言葉だと私は思っている(笑)




みやさんは滝壺でロボットダンスを踊っている!




滑りやすい滝壺の横でワイワイと写真を撮っている乙女隊と

落ちないだろうかとそれを見守る親父たち!







先週の轟の滝ではあまりの飛沫の量に直ぐに引き返したが、今日は水量は多いがミストがかかる程度なので

マイナスイオンを存分に吸い込みのんびりと過ごして大樽の滝をあとにした。










帰り道に高知のながれ星さんに勧められた牧野公園に立ち寄ってみるが、

園内を歩くまでの時間がなくなり、入り口近くの風情のある酒蔵ロードを少し歩いて帰路についた。






WOC登山部2020.07.08 轟・岩屋・大荒の滝

2020年07月10日 | 四国の山
昨年より26日も早く5月31日に今年は梅雨入りをした。

梅雨入りして直ぐは好天が続き、ここ最近もあまり雨にも降られずに

山歩きができていたが、今週はやっと梅雨らしい天気となってきた。

本来登山部としては雨でも登山が原則だが、せっかくなら最低でも山頂から

眺望がある日に出かけたいので、軟弱にも予定を変更して散策を計画した。


『高知の滝三昧!』と銘打って、香美市にある日本の滝百選

選ばれた轟の滝を一つ目の滝に。残りは以前に鉢ケ森に登った時に

時間があれば立ち寄りたいと思いながらも叶わなかった岩屋の滝と大荒の滝の二つ。

天気予報では夜中にかなりの雨量が予想されていたが、観光地にもなっている場所なら

登山部のメンバーなら何とかなるだろうと思い、出かけてきた。


南国ICを降り土佐山田にかかる辺りでさおりんが、お弁当なら

チキン南蛮の美味しいお店があるというので全員一致で立ち寄ることに。

他にもメニューがあるお店だが、やはり名物はチキン南蛮のようだ。




いつもなら絶対に頼まないのだが、『今の時間ならご飯大盛無料です!』の店員さんの言葉に、

貧乏性の私は大盛をと頼んでしまった。(これが間違いのもとだった。)




アンパンマンミュージーアムを右手に見ながら国道195号線を東に進むと

もうほぼ枯れかけたあじさいの花が道の両側に植えられ続いている。

見頃の時期ならさぞ華やかだっただろう。左側には増水して濁った物部川が勢いよく流れている。

永瀬発電所を過ぎて国道から左に下がって物部川に架かる橋を渡ろうとしたら、

ヌ・ヌ・ヌ!橋の手前で通行止めの看板!

未明に降った集中豪雨の影響で通行止めになったらしい。麺法師さん

『どうしましょう?あきらめますか?』などと話になったが、

取りあえずもう少し上流にある新神賀橋まで行ってみて

同じような状況なら引き返すことにする。幸い新神賀橋には通行止めの看板はなく、

右岸に渡って少し走ると轟の滝の標識があった。

集落の間を抜け山あいをどんどんと走って行くと、道は意外と荒れていなくて

程なく轟の滝の駐車場に着いた。駐車場の横を流れる日比原川は激しい音をたてて流れている。

案内板には香美市のイメージキャラクターの瀧のシブキちゃんが描かれている。

このキャラクターの作者はあのやなせたかしさんだそうだ。







案内板に従って展望台まで歩いて行く。途中の舗装路の上にも行き場のない水が流れている。







展望台からは轟の滝の全容が眺められる。先ほど見た駐車場の横を流れていた日比原川の水が

滝となって一気に流れ落ちている。普段なら三段ある滝のそれぞれに青く輝く滝壺が見えるようだが

今日はこの水量で滝壺は隠れてしまって見ることができない。










普段の轟の滝




展望台からは遊歩道を歩いて一番下の滝壺まで降りられるようになっている。

コンクリートの道の遊歩道は濡れて滑りやすく、一歩一歩、注意をしながら下って行くが

道の脇の至るところで水が溢れて流れている。







ある程度の所まで下って行くが、最後は遊歩道自体が川のようになっていて

これ以上は無理だと判断してあきらめて戻ることに。

戻り道も足を滑らせないように麺法師さんと山ピーが慎重に登って行っている。










駐車場に戻り案内板を見てみると、少し下がった場所にある轟神社の横から

先ほどの展望台へと遊歩道が続いている。やはり滝壺まで行ってみたいので取りあえず

行ける所まで行ってみることに。すると以外にもこちら側の遊歩道は荒れていなくて、

間近に滝の流れを見ながらどんどんと下って行く。







一番下の滝壺には対岸に渡る橋が架けられていた。展望台から見えた滝の流れは更に迫力を増し、

滝壺にある巨岩にぶつかって轟音と共に飛沫が舞い上がっている。

これだけ迫力のある滝を間近で見たのは四国では初めてだ。

まるでダムの放流を真下で眺めているようで恐怖すら感じる。













いつもなら滝からのミストを浴びて『マイナスイオンだ!』なんて言うところだが、

今日のこの凄まじい量ではじっとしているとびしょ濡れになってしまう。

メンバー全員が『凄いね~!』と言いながら、一生分のマイナスイオンを浴びて

駐車場へと戻って行く。するとつ~さんが落石注意の看板の脇に小さく

大星山登山口と書かれた標識があるのを教えてくれた。

ここからだと大星山は少し遠いように思うが、未踏の山、また登ってみたい。













駐車場に戻って少し歩いて耳の神様を覗いてみる。

その由来は『今から二百年前の藩政時代、地区内のある民家の縁の下で、

オオカミが子供を生んでいるのを家人が見つけ、あわてて糸をつむぐ用具の一部を耳に突き刺して殺しまい、

オオカミの親子は近くの石の下に埋葬されたが、以来、耳の病に苦しむ人が、ここを訪ね願いごとをすると、

なぜかその病がばったり治るようになった』と伝えられている。オオカミの親子を助けて

それ以来、病が治る様になったというのが普通にある話だが、殺しておいて願いが叶うなんて・・・・・?




轟の滝の大迫力に満足した後、車を走らせると少し雨が降り始めた。

取りあえず屋根のある場所でお弁当を食べようということになって、

アンパンマンミュージーアムまで戻り、屋根のあるベンチでお弁当を広げる。







名物のチキン南蛮弁当は少し冷めてはいたが、美味しく頂けた

ただ大盛ご飯はぎゅうぎゅう詰めで。(これはご飯普通)、

普段お昼はあまり食べない私は完食するのに一苦労した。







お弁当を食べ終え、いつものようにお湯を沸かせてコーヒータイムも済ませて、

次に向かうは岩屋の滝と大荒の滝。途中でさっきの轟の滝であんなに凄かったから、

大荒の滝はどれだけ荒れているんだろうなどと冗談を言いながら山道を進んで行くと

道の脇の至るところの山側から滝のように水が流れ出ている。

次第にメンバーの中に不安な気持ちが・・・・・。


やはり予感的中で岩屋の滝の入り口の手前で道に土砂が崩れてこれ以上は進めない。

仕方がないので手前に車を置いて歩くことにした。







幸い車を停めた場所からは少し歩くと岩屋の滝の入り口に着いた。

手前の久保川に架かる橋からも先ほどの日比原川と同じように凄い量の水が流れている。







滝への道は階段状の急登が続いている。先ほどの大盛ご飯が堪えてげっぷが出る。

急登を登りきると道は緩やかになり、しばらくするとまた轟音が聞こえ始めた。岩屋の滝だ!




岩屋の滝の滝壺にも赤い橋が架けられていて、その脇を上がると滝壺に近づける。

ただここでも流れ落ちる水の量が半端ではない!







普段の岩屋の滝






橋を渡り左岸からもさらに近くで滝を眺められる。物部川の濁った茶色の水とは違い

これだけの量の水が流れていても、水の色は澄んで青い!

傘をさす痩せのあっちゃんがその落ちる水の風圧で今にも飛んでいきそうだ。














岩屋の滝から大荒の滝への道は、この雨で崩れたのか所々でザレている。

途中で真っ赤な可愛らしいタマゴダケを初めて目にする。











大荒の滝が近づいてくると、道は右岸から左岸に渡る橋があった。

橋から眺めると渓谷の中を小さな滝がいくつも流れ落ちている。周りはモミジの木々に囲まれていて

是非もう一度、秋に訪れてみたいと思わせる景色だ。










左岸の道は大荒の滝の滝壺へと続いている。川の流れを眺めながら登って行くと、

今日の最終目的地の大荒の滝に着いた。










落差40mの滝は先ほどの轟の滝に次いで香美市では2番目の高さを誇る滝だ。

滝の落ち口の両側には岩壁がそびえ立ち、その間から流れ落ちる滝はまた迫力満点だ。







普段の大荒の滝




滝の脇には東屋があるが今日の雨か、この滝の飛沫かわからないが中のベンチも濡れている。








東屋からは少し登って行くと林道に出た。ここでも道の至るところで水が滝になって流れ出ている。

その滝の水を撮ろうとカメラを構えるやっさん

その滝に打たれて滝修行?をしているように見える!(笑)







道が地道から舗装路になると展望所と至るところで駐車スペースがあった。

やはり秋の紅葉の季節にはかなりの人出で賑わうようだ。











今日も案内には散策と書いたが、意外と15,000歩近く歩いていた。

朝早く降った雨で想像以上の水量の迫力ある滝を三つも見ることができ、

いずれも滝壺の近くで眺めることができ、メンバー全員が満足して帰路についた。



WOC登山部2020.07.01 霧石渓谷

2020年07月02日 | 四国の山




梅雨のこの時期、毎週の山行となると毎年いつも行き先に頭を悩ませる。

取りあえず晴れれば先週の笹倉湿原へ向かう途中で車で走った

UFOラインの秀麗な稜線を見て、コアラさん

『この稜線を歩いてみたいですね!』と言っていたので、吉野川源流の碑辺りから

伊予富士まで歩く予定にした。

雨の場合は取りあえず新宮のあじさいの里はどうですか?と麺法師さんに伝えると、

『そのあとどこか回れるところはないですか?』と聞かれたので、GooglMapで調べていると

大歩危の少し南の山の中に霧石渓谷と書かれたピンが目に留まった。

ネットで調べてみると、どうやらJR土佐岩原駅を起点に3つの

トレッキングコースがあるというのが判った。

よしひとまず雨の日は『あじさいの里と霧石渓谷の散策』に決定!

ただ今回は麺法師さんはモーターパラグライダーにチャレンジする

と言うので別部隊に分かれることになった。


週末から天気予報が変わり回復傾向になったが、伊予富士辺りはガスがかかっていそうなので

せっかくなら晴天の下で稜線歩きがしたいと思って、早々に雨の日計画の方に切り替えた。

別部隊の航空部もインストラクターから中止の連絡が入り合流する事になり、

結局最終的には今回も14名の参加となった。


土佐岩原駅の駅舎の北側にトレッキングコース用の駐車場があった。駅舎の前にはコースの案内板がある。

コースは3つに分かれていて、今日はロングコースを歩いて霧石渓谷を目指すことに。







駐車場からは北に線路に沿って歩いて行き、踏切を渡って集落へと進んで行くと

直ぐに道は二手に分かれていて脇にある岩原神社と書かれたプレートには、

ロングコースの赤い三角の目印が付いている。今日はこの赤い三角の目印に沿って進んで行く。










プレートの先には橋が架かっていて、巨大な岩壁の下を昨日降った雨の後で、

轟音をたてて水が流れていた。橋を渡り坂道を登って行くとその川の際に

肩を寄せ合って建つ民家が見える。その奥には青空の下にこれも水量の増えた吉野川が見える。







ロングコースの赤い三角プレートは要所要所に立てられていて、

ばらけてしまったメンバーも今日は道に迷う事もない。




道は集落の中の車道から脇に入ると地道の急登となる。










自然林から杉林になるとさらに道は急登になってきた。先ほどの駐車場でザックも背負わずウエストバックだけの

私の姿を見て、コアラさんに『何!その格好!』と言われ、『今日は楽勝ですから!』と答えたのが悔やまれる。

先週の笹倉湿原の時に歩いた事があるキョウちゃんが、『今日はハイキング程度!』と

言ってしまってひんしゅくをかった(笑)のも頭に浮かんできた。『霧石渓谷の散策』と案内をした手前、

いかんいかん、このままではキョウちゃんの二の前になると思い、メンバーに言われる前に

『誰や!今日は散策やと言ったんわ!』と自分で言って予防線をはった。

前を歩く久しぶりの参加のセニョさんも『もういっぱいいっぱいや!』と珍しく弱音をはいている。







一旦、車道に出ると道の脇にお寺があった。その先には小さな校庭と建物が残る学校跡があった。

大きな石碑には『岩原校 校跡』と彫られているのを見ると、小・中学校があったようだ。










校舎跡からしばらくは集落の中の車道を進んで行く。道には色とりどりのあじさいが咲いて

点在する民家や廃屋の中を、今のこの時期らしい山あいの風情を感じながら歩いて行く。










赤根川に架かる赤い橋を左岸へと渡って行くと、麓からけっこう登って来たのが見て取れる。







道にはきれいなグラデーションのねむの木の花が

まるで色紙を巻き散らかしたようにたくさん落ちていた。




山の北側になる薄暗い道の脇のコンクリートの擁壁には苔がびっしりと付いている。

その苔をよ~く見ると何やら文字が浮かんでいるので

丁度、後ろから来ていたあっちゃんを呼んで、『その辺りに立ってみて!』と言うと

『何・なに?』と言いながら、何のことか判らずポカ~んとして立つあっちゃん。(笑)




さらに三角プレートに沿って進んで行くと、車道から逸れて杉林の中の道になってきた。










駅舎の横にあったコース案内板に石積みの道と書かれていた辺りになるようだ。

確かに谷側には古い石積みが続いている。




山側には高い岩壁が続き、所々で巨岩が道まで迫っている。

思った以上に雰囲気のある道だが、こんな山中で石積みがあると言う事は、昔はけっこうな

往来があったということ。更にこれだけの道幅があると言う事は荷物を運ぶ牛車道の

ような使われ方をしていたのだろう。この辺りに鉱山があったというのは聞いたことがないので、

それ以外にこの山間部で生産されていたものを麓へ運んでいたのかな?などと思いながら歩いて行く。







もう使われなくなった道は所々で崩れてザレたヵ所もあり、所々は急登になっている。

案内板で見た以上に石積みの道はしばらく続いていく。

今日も『散策!』の案内で気軽な気持ちで参加した杉さんの粗い息遣いが聞こえてくる。













石積みの道が終わると案内板に展望スポットと書かれた場所に出た。

渓谷に向かって飛び出した巨壁の頂部が展望台になっている。

ここからは北側に向かっての眺望が広がっている。







丁度、地元のおじいさんがいて眺望の一番奥に見える山が国見山だと教えてくれた。

そのおじいさんとやまじいが何やら話し込んでいる。

『梅雨晴間 話はずます 翁二人(字余り)』(笑)







展望台からは渓谷には下りずにそのまま集落の中の車道を歩いて行く。

この辺りでも今を盛りにあじさいが咲き誇っていた。















しばらくすると今回のロングコースの最上部に架かる赤根橋に出た。橋の脇には公共トイレもある。

橋から見える赤根川もすごい量の水が流れている。







橋を渡り少し歩くと赤根川に自然の岩盤をくり抜いた突堤があった。

丁度よく目にする砂防ダムのような形をしているが、その下部はくり抜かれて

勢いよく水が飛び出している。







車道から斜め下に三角プレートが誘導している。ここからは舗装路から少し草が茂る道になる。

野草の写真を写真を撮りながら歩いて行くと前の方で山さん

『そこ、滑るから注意して!』と声をあげている。どうやら自身が滑って転んだらしい。

それもさらに前を歩く麺法師さんが滑ったのを見たあとだったのに・・・・・。










草道を過ぎると山あいの集落を眺められる場所に出た。

畑の作業小屋の横を通りどんどんと下って行く。










道がコンクリート道になるとスタート地点まであと少し。

山さんが『お母さん、ここ・ここケガしたんで~』と言っている!(笑)










若干1名負傷者がでたが2時間強で無事散策?が終わって岩原駅に着いた。







標高差308m、沿面距離6.8kmのトレッキングの後は

メンバーと相談をして少し戻って歩危マートに立ち寄ることにした。

お店へは石鹸で手洗いをしてから中に入ってと教えられる。

やはり地元住民以外にも観光客も訪れるお店なので、コロナ対策はしっかりとしている。

今日の案内にも『集落の中ではむやみに住民に話しかけないように!』と書いたが、

県外から訪れるときはまだまだ気配りが必要だと感じた。

登山部の中でも感染のリスクが高い場所や町に出かけた人がいた場合は、やはり注意が必要だ。



ここでお弁当を買って河原で食事でと思っていたが、

予想通り14名の人数分はなく向かいの茶店で食事をすることに。

まずは名物の豆腐やお揚げを買って、それぞれお蕎麦やうどんを注文する。










お腹を満たした後は更に北の川口駅まで戻り、河原に下りて恒例のコーヒータイム。

途中のコンビニでコアラさんが気を利かして買ってくれたドリップコーヒーを頂く。

蒸し暑かった山の中とは打って変わって、吉野川の川上から爽やかな風が吹いてくる。











帰宅時間を急ぐメンバーは先に帰路についたが、私の車に乗っていたあっちゃんとみなちゃん

新宮のあじさいの里へは行ったことがないというので立ち寄ることに。

前日のセニョさんのお店に来たお客さんが、『あじさいは終わっていた』と言っていたというのを

聞いていたが取りあえず覗いてみると、やはりあじさいの花の色付きは悪くもうほぼ終盤だった。




それでも約4ヘクタールの山の斜面に植えられた約2万株のあじさいを

初めて目にする二人はまるで少女のように?喜んでいる。先週も来たと言うルリちゃん

まだ残る咲き頃の色とりどりの花に満足げだ。







『今日は散策!』と案内したのは反省点だが、思っていた以上に変化のある道で

ある程度の距離も歩けて取りあえずは合格点と言う事にしよう。



今日のトラックです!