KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

六甲全山縦走3/4 六甲山上駅から新神戸駅

2023年12月21日 | 香川の里山
六甲全山縦走も前回の鵯越駅~新神戸まででおおよそ半分を歩いた事になる。今回はその

続きで新神戸から市ケ原、天狗道を通って摩耶山そして六甲ケーブル山上駅までを最初に

考えたが、最後の宝塚までの距離を考えると、もう一つ先の六甲有馬ロープウェイの山頂

駅まで足を延ばしたい。そうなると今までよりは早く香川を出発したい、という問題がひ

とつ。そして次は駐車場の問題。新神戸駅の駐車場は最大料金が3,300円、今までの駐車場

の料金の3倍もする。周りにはタイムズの様な小さな駐車場が点在するだけ。という駐車

場の問題がもうひとつ。色々と調べている内に六甲ケーブル下駅には30台近く置けて最大

料金が1,000円の駐車場があった。このケーブル駅から新神戸への移動はバスを1回乗り継

ぐ事になる。ロープウェイ駅からケーブル駅へもバス移動となり、今回はバスでの移動が

多くなりロスする時間も増えるなと考えていた。


そして前回の再度山大竜寺で、山門からミニ霊場の石仏が並んでいたのを見たら山門を

入って直ぐが大窪寺になっていた。『これって逆うちですかね?』と奥様たちと話をしな

がら市ケ原への道を歩いていく途中で逆うちという言葉で閃いた。そして奥様たちに

『次の新神戸から六甲ケーブルですけど、ケーブル下駅に車を置いて、そのままケーブル

で上まであがって、新神戸まで降りる逆うちはどうですか?』と提案すると、奥様たちが

『え~~!』と呆れ顔。『逆うちって普通は最初から最後まで反対に回る事を言う

んと違うん』とルリちゃん。『途中で1区間だけ反対に回るんて逆うちとは言わんやろ』

と。『そしたら集合時間を1時間早くしますか?』と強気の発言をすると、あっちゃん

考え込んだ。『ハイハイいいですよ。どうせ阿讃縦走のスタートも余木崎からでなくて、

反対の曼陀峠から下ったし』と、ヤケクソな返事が返ってきた。(笑)




と言う事で今回も禁じ手の山頂から麓へと下りる計画となった。ケーブルとバスの乗り継

ぎ時間もあって集合時間を少しだけ早くして、高松自動車道を東に走る。阪神高速神戸線

はちょうど渋滞になる時間帯なので、北神戸線で裏六甲に回り込み『からと西』で高速を

降りて六甲有料道路で南にトンネルを抜けると、もうそこはケーブル下駅。渋滞もなく、

予想以上に早く着いて、ひとつ早い便のケーブルに乗り込んだ。

















予定の8時40分の便だとバスの乗り継ぎは5分間しかなかったが、8時20分の便に乗

れたので時間に余裕ができた。麓の駅ではそうでもなかったが、山上駅では三人で同じよ

うに『寒い・・・!』と声をあげた。時間があったので駅舎の上にある六甲天覧台に上が

ってみると、大阪平野から和歌山方面まで見渡せた。この場所は昭和56年に昭和天皇が

立ち寄られたことで天覧台と名付けられ、日本夜景遺産にも選定されている場所だそうだ。

眼下には六甲アイランド、そして東には大阪のビル群。ひと際高くそびえるのはあべのハ

ルカスだろうか?まだ低い高さの朝日を浴びて遠くに見える雲にきれいな陰影がついてい

る。東から西に続くその雲を高い位置から眺めると不思議な感じがした。













吹きさらしで冷たい風が舞う天覧台を降り、8時55分発の六甲山上バスに乗り込む。

割と早い時間だったが座席は若い子たちで埋まっていた。『こんな時間に??』と思って

いたら、ほぼ全員が六甲山スノーパークで降りて行った。結局ロープウェイ駅で降りたの

は、我々と女性がひとりだけだった。







駅舎の前を通りYAMAPでダウンロードした地図を見ながら歩いて行くと、道には雪が

残っていた。六甲ガーデンテラスも季節によったら華やかな雰囲気のする場所だろうけれ

ど、まだオープン前でしかもこの気温では、なお一層閑散とした雰囲気を助長している。










ガーデンテラスの駐車場の先のカーブから左に山道に入って行く。その地道もすぐに終わり

また舗装路へと飛び出すが、その手前でみよし観音と書かれた像が立っていた。昭和39年

の墜落事故で乗客を助けようとして亡くなった、客室乗務員の麻畠美代子さんの冥福を祈っ

て建立され、その像は飛行機の目的地だった徳島の方角を向いて、空の安全を願う意味を込

めて右手を挙げた像になっている。










舗装路からまた直ぐに六甲山上案内板が立つ場所から右に入って行く。しばらく歩くとネッ

トに囲まれた道になる。道の両側はどうやらゴルフ場のようだ。YAMAPを見て見ると、

神戸ゴルフ倶楽部となっている。神戸ゴルフ倶楽部は六甲山の開祖と呼ばれたイギリス人、

アーサー・ヘスケス・グルームが仲間たちとゴルフをするために造った4ホールの日本で初

めてのゴルフ場だそうだ。そんな由緒あるゴルフ場の中を通れるなんて珍しい。











その神戸ゴルフ倶楽部のクラブハウスを過ぎるとまた舗装路になる。しばらく歩くと道の脇

六甲山小学校と書かれた門柱。こんな山上に小学校と思ったけれど、児童数は現在62名

と、意外と多いのに驚く。

小学校の横を通り緩やかに下って行くと先ほど乗った山上バスの停留所のある記念碑台に出

た。道の脇の池は薄く氷が張っていた。














ここからしばらくは県道16号線を歩いて行く。道沿いには交番や郵便局の他にも様々な施

設、住宅がありひとつの街を形成している。県道では法面や歩道の工事があちらこちらで行

われていた。

ここで前から歩いて来た男性とすれ違いざまに少し話をすると、男性は群馬からやって来

て、大阪の叔母の家に来たついでに全山縦走を2分割で歩いてきたそうだ。今日は新神戸

を6時位にスタートして宝塚まで行くという。『すごいですね~』と感心しながら、『我

々は4分割でしかも今日は山頂駅から新神戸へ下って行きます』と言ったら、思い切り大

きな声で笑われた。











さらに歩いて行き『この先に藤原商店というお店があって、生ビールやおでんも売ってま

すよ』と奥様たちに言うと『生ビールはさすがにこの寒さでは。でもおでんはいいわね』な

んて話をしながら歩いて行くと、遠目に見えるそれらしいお店のシャッターが閉まってい

るのが見えた。近づいて行くと工事の警備員さんが何も言わないのに『今日はお休みです

よ』と教えてくれた。やはりこの辺りでは有名なお店のようだ。

営業していれば店先はこんな感じ




県道歩きから三国池まで来ると道の脇に東屋。ここから左に杣谷峠まで下って行く。時間

はまだ10時過ぎ。お弁当は掬星台ででもと考えていたが時間が早すぎる。見晴らしはよ

くてもこの寒さと冷たい風だと楽しくランチといった雰囲気でもない。

そこで思いついたのがせっかく神戸まで来てるのだから、いっそうの事このまま新神戸ま

で降りて温かい場所でランチ!それを奥様たちに提案すると『いい、いいわね!』と即決

定。『どうせなら南京町で中華なんてどうですか?』と尋ねると、『大賛成!』

なった。やはり女性陣は食い気には勝てないようだ。














これで逆うちは下りで楽をしようとしたのではなくて、最初から『せっかく神戸まで来た

ので、南京町で中華を食べる』という大義名分、いや言い訳ができた。

杣谷峠のトイレは閉鎖され、代りに仮設のトイレが置かれていた。











杣谷峠はこの辺りの鞍部。ここから県道は登り坂になる。すると正面にこんもりとしたピ

ークが見えた。どうやらあれが摩耶別山のようだ。

右にカーブになった場所のアゴニー坂・掬星台と書かれた道標から、左に山道へと入って

行く。








アゴニー坂は今日初めての急登だった。この六甲。アゴニー坂とかシェール道、カスケー

ドバレイとか、とにかくカタカナの表記が多い。その由来はわからないが、神戸だからハ

イカラ何だろうと単純に考える。距離はないが初めての急登にルリちゃんが上着を一枚脱

ぐ、私とあっちゃんはここで今日初めての水分補給。










アゴニー坂を登りきり分岐を右に歩いて行くとYAMAPでは摩耶別山になっている。

国土地理院の地図には表記されてはいないが、とにかく摩耶山系では最高地点となる。山

頂にはフェンスで囲まれた水道施設があるだけで、小さな山名札が木に掛けられているは

ずだったが辺りをうろつき探して見るが見当たらない。あまりにも山頂らしからないので

記念撮影をするのを忘れてしまった。この摩耶別山で須磨から14座となるはずだったの

に・・・・・。いくら探しても山名札が見つからないので、諦めて下って行くとこの山上

にあって、それはそれは立派な金堂の建つ摩耶天上寺があった。

全国で唯一の摩耶夫人(釈迦の生母)堂が建つ天上寺の歴史は、大化2年(西暦646年)、孝

徳天皇の勅願を受けたインドの高僧法道仙人が開創されたことに始まり、摩耶山の名前の

由来でもあるそうだ。











天上寺から少し歩いて今は営業していない『ホテル・ド・摩耶』の正面を通り10分ほど

で掬星台に着いた。








摩耶ロープウェイが年末年始を除いて3月末まで営業をしていないせいか、いつもは大勢

の人で賑わう広場は、我々が着いた時には全く人の姿はなく、後で登山客が3名ほど歩い

て来ただけだった。

掬星台は日本三大夜景のひとつ。手を伸ばせば星を掬(すく)えそうなほど美しい星空の

場所ということが、その名前の由来だそうだ。

さすが三大夜景、展望台から広がる神戸の街並みは見応えがある。六甲アイランドの奥は

さらに埋め立て工事が行われている。














案内板には甲子園も書かれているが、私の近眼ではよく分らない。望遠で写した写真を見

てもよく分らない。ここにも前々回におらが山で見た『神戸らしい眺望景観10選』の針

をイメージしたモニュメントがあった。











先ほどの展望台から西にある展望デッキからも抜群の眺めだったが、とにかく吹き上げて

くる風が冷たい。ここでのお昼ご飯はやっぱり無理があった。口の中はすでに『中華』。

南京町へと急いで降りて行こう。







掬星台から西に歩くと 三等三角点 摩耶山 698.63m

須磨からは13座目となる。三人で指を広げて13の数字を形どる。








三角点から電波塔が数棟並ぶ脇を抜けると後はほとんど下り坂。ここから市ケ原までの間

には、天狗道とか稲妻坂とか何だか怪しげな名前がついている。














摩耶山山上あたりはもともと修験道の場所で、三角点の横にある天狗岩は別名を行者岩と

もいい、山麓の農民がここで修行する山伏の姿を見て天狗と見間違い、これを天狗岩と呼

ぶようになり、市ケ原に至る登山道を天狗道と名付けたといわれている。その天狗道は花

崗岩の道。風化した花崗岩が乾いて滑りやすいので注意しながら下って行く。







途中には地表の土がなくなり、めいいっぱい辺りかまわず根を張り立つ木や、真っすぐ横

に根を張る木など、とにかく一生懸命に生きている健気な木。








下っている途中で『ひょっとしたらブログで新神戸から登ったと書くかもしれないので、

この天狗道を登ってる風にしてください』と奥様たちに言って、少し登っている画を撮っ

てみるが、考えて見ればここまで撮った写真の歩いている方向が逆なので、せっかくひと

芸してもらったが、無駄になる。

とにかく、いつまで下るのだろうど思うくらいに長い長い下り坂。下り始めて1時間10

分でやっと市ケ原に降り立った。右に行けばトゥエンティクロスを経て森林植物園へと続

く道。トゥエンティクロスとはこの布引谷沿いの渓谷を、右岸と左岸を渡り返すことが20

回に及ぶことからこの名がつけられた。現在は布引ダムが完成し、ハイキングコースも整

備されているため、渡り返すのは数回になっているそうだ。それにしても神戸の人は本当

英語やカタカナの名前をつけるのがお好きなようだ。











この三差路から南に下って行くと、前回、大竜寺から下ってきた市ケ原のトイレがある。

トイレを済ませて外に出ると大きなザックを背負った学生が二人。『ここでキャンプ?』

と尋ねると『もう少し上でキャンプします』と答えてくれた。60L以上はありそうな大

きなザックを背負っている若者の姿を見ると、何だか嬉しくなってくる。

トイレからは先週も歩いた道。布引貯水池の近くまで来ると、空に飛行機雲が交差してク

ロスの模様を造っていた。













以前から歩いているといつも足の裏の指の付け根に痛みを感じていた。それでもその痛み

の時間は短くて普段はさほど気にしていなかったが、今日は時々痛んで、先ほどからずっ

と痛みが取れなくてどんどん痛みが酷くなってきた。エントツ山さんは足底腱膜症といっ

て踵の裏が痛い症状らしく歩くのがつらいと言っていたが、この中足指節間関節の痛みも

ずっと続くと歩くのがつらくなってくる。『中華・中華、南京町』とつぶやき気を紛らせ

ながら歩いて行く。布引の滝は今日も流れ落ちる水の量は少なく、やはり迫力に欠ける滝

になっていた。











新神戸から南京町へは電車だと三宮で乗り換えて元町まで、バスだと路線が分らない。そ

れならタクシーでと、駅の広場に停まっていたバスの運転手さんに聞いて、少し南に下が

った交差点ならタクシーを拾いやすいと教えてもらって歩いて行く。

そこにはバスの停留所もあり、路線を調べて見ると南京町の近くの三宮神社まで繋がって

いるようだった。バスにしようかどうしようかと迷っている内にタクシーが停まってくれ

てそのまま南京町にレッゴー!




南京町は平日にもかかわらず大勢の人で賑わっていた。とにかくお腹が空いたので南京広

場の横にあるお店に飛び込み、あっちゃんは麻婆麺をルリちゃんはかた焼きそば、私は担

々麺定食を注文してあっという間に完食した。普段地元で食べる中華とは香辛料が違うの

か、いつもと少し違った味がしてとても美味しく頂けた。











南京町からは元町からJRに乗って六甲道で降り、バスに乗り換えケーブル下駅まで戻る。

YAMAPで全山縦走を分割して歩いている人で途中で逆走している人は見当たらない。

後ろ指を指されそうだが、こだわりもプライドもないへっぽこリーダー。次回は今日と同

じ様にケーブルで登って、有馬ロープウェイ山頂駅から宝塚を目指す。

今まで線を繋ぐシリーズは所々で間が開いて途切れがちだったが、今回の六甲全山縦走は

来週の年内で完歩できそうだ。

そのあと年が明けての行き先を、そろそろまた考えないとと思いながら帰路についた。




六甲山全山縦走2/4 鵯越駅から新神戸駅

2023年12月14日 | 四国外の山


いやいや今更のコロナに感染。ずっと寝ていたせいで腰の調子が思わしくない。ただ2週

お山を休んで、その間奥様たちは地元の里山を歩いていた。そろそろ復帰しないと何を言

われるか分からない。そう思って先週の土曜日に足慣らしをしたのだけれど、歩いている

うちは何ともなかったのに、一晩経つとさらに腰の痛みが酷くなった。

でもそんなことは言ってられない、奥様たちの視線が刺さらないうちに、前回と同じよう

に6時30分に集合して一路神戸に向かって GO!!




前回は須磨から9座登ったことになるが、今日は菊水山・鍋蓋山・再度山

3座の予定。スタート地点となる鵯越駅周辺には駐車場が見当たらないので、南に下がっ

湊川公園駐車場に車を停めて、そこから神戸電鉄湊町線の電車で三つめの鵯越駅まで移

動することにした。




電車を降りると同じようにザックを担いだ数組の人たちが降りて来た。さすが都会の裏山

六甲山。公共交通機関で登山口まで移動なんて、今や四国ではほぼ見かけない。

下りのホームに降り立ち、反対側の上りのホームの横から駅舎に沿って歩き始める。








駅舎の横から鵯越市民公園の広場に出る。先にスタートした3人の女性が広場で準備体操

をしていた。駅でその女性たちの会話を聞いていると、どこかの山の会に所属している様

子だったが、さすがだな~と感心しながらその横を通り過ぎ、しばらくはイヤガ谷沿いを

歩いて行く。










すると川沿いの道から舗装路に飛び出した。カーブになった場所に道標が立っていたが、

道標の矢印の向きが微妙で、舗装路の横に登山道ポイ道があったので、少し迷ったがそち

らに進んでしまった。しばらく登って行くとダウンロードしたルートから離れていってい

るのに気づき、慌てて引き返した。







舗装路まで戻って今度は島原川に沿って道なりに歩いて行くと、フェンスで囲まれた中央

水環境センター鈴蘭台処理場の大きな施設の前に出た。その施設の正面から左に回り込む

ようにして歩いて行くと、施設の裏側になった。そこにも菊水山への道標が立っていたが

それより大きな『ガードレール側』と書かれた案内板。その方向を見やると門扉とフェン

ス、その脇に細い道が続いていた。門扉は個人宅のものらしく、間違って入らないように

した注意書きの案内板だった。








案内板に書かれている通りガードレール横の道を歩いて行くと、広場になった場所に出る。

そこから左手に登って行くと今は廃駅となった菊水山駅が左上に見えた。周りに民家もなく

こんな山中にどうして駅を?と思ったが、帰って調べて見ると処理場施設に通勤する職員

が利用していたようだが、業務が省人化されて乗降客もほとんどいなくなった為に廃駅に

なったらしい。










駅からは菊水山方面へのハイキングコースがあり、行楽期の休日には多くのハイカーが下

車したようだが、2004の平日の調査では乗車人員は18人だったそうだ。

その菊水山駅跡の横を通り過ぎると、正面に菊水山の電波塔の頭が見えた。










石井ダムの下流に架かる橋を渡り、島原川の支流の右岸に沿って登って行く。この辺りま

ではまだ綺麗な紅葉が残っていた。すると対岸の奥から『メエ~!』と鳴く声が聞こえて

きた。『山羊かな?』と奥様たちに言うと、『まさかこんな所に』と馬鹿にされたが、確

かに山羊の鳴く声が聞こえてきた。ベンチの置かれた広場はモミジの落ち葉で赤色に染ま

っていた。ピーク時だったらそれはそれは見事な紅葉が見られただろう。














この広場から左手にいよいよ菊水山への登りが始まる。最初は擬木の階段。不規則な段差

が直ぐに足に堪えてくる。階段の両側のスズタケが、葉が落ちて色のない周りの景色にま

だ若い緑の色を保っている。擬木の階段の次は、蹴込と踏面が樹脂でできた階段になった。

こちらは段差が割と低くさっきの階段よりは登りやすい。それにしても山頂までほぼ階段

が続いている。前回の栂尾山の手前の階段も『地獄の階段』だったが、こちらもそれに引

けを取らない階段だ。

















すると道の折返しの場所が展望所になった場所にでた。正面から少し東を見るとポートア

イランド
とその沖に神戸空港。西を見ると明石大橋がクッキリと見える。昨日の雨のあと

空気が澄んでいるのだろう、今日はけっこう遠くまで見渡せる。














その展望所から15分ほど登っただろうか、今日の一つ目のピークの菊水山に着いた。

二つある巨大な電波塔のうちの一つは足場で囲われて改修工事中、もう一つの電波塔の下

は展望台になっていた。今日はここが一つ目のピークだが、前回の須磨から数えると、丁

度10座目のピークとなる。三人で10本の指を立てる。













展望台からは先ほどと同じように須磨から神戸の街並みが見渡せた。そしてさらに北東に

は広大な住宅地が広がっているのが見えた。三角点は 三等三角点 下谷上 458.83m














菊水山からは城ケ越をへて天王谷川まで200mほど下って行く。登った山を下ってまた

登るなんてと思うけれど、自然の地形は人間様の都合よくは出来てはいない。














途中のダム湖では、明るい日差しの中を仲良くカモの夫婦が、付かず離れず気持ちよさそ

うに泳いでいた。自分たちもああなりたいもんだと三人で。







国道428号線の上に架かる天王吊り橋を渡ると、今日二つ目のピークの鍋蓋山への登り

がすぐに始まる。







しかも直ぐに急登になった。地表を辺り一面に木の根が這って菊水山とは全く違った雰囲

気になる。単調な菊水山の階段登りに比べると、右に左にと自分で歩く方向を変えながら

登って行けるので、意外と苦しくはなかった。













すると年配の男性が一人立ち止まって道を譲ってくれた。すれ違いざまに『前にあと11人

登っているから』と教えてくれた。『どこかの山の会ですか?』と尋ねると、『正式なもの

ではなく、好きな人が集まって登っている』と答えてくれた。

するとその先にまた三人ほどの組。その中の男性が『鍋蓋山のこの坂が一番キツイよね』と

仰った。自分的には菊水山の階段の方がキツイかったのにと思ったが、ひょっとするとこの

グループは菊水山には鈴蘭台側から登って来たのかもしれない。

その三人を追い越して登って行くと今度は男女の組。その男性が立ち止まって『ガソリン補

給するわ!』と言っている。男性を追い抜き一緒にいた女性に『水分補給ですか?』と尋ね

たら『タバコよ、タバコ』と笑って答えてくれた。








急登を登りきった所で一ヵ所見晴らしの良い場所があった。先ほどからの団体さんの先頭の

人が、『ずっと沖には関西国際空港が見える』と教えてくれる。奥様たちがその景色に見入

っている間に、次から次と団体さんのメンバーが登ってきた。鍋蓋山の山頂にはもう休憩し

ている人がいるだろうし、この人数が到着するとお昼ご飯で座る場所がなくなるかもしれ

ないと思い、奥様たちを置いて先に山頂へと向かう。




鍋蓋山は広々とした山頂だったが、予想した通り広場ではさらに大勢の団体さんが休んで

いた。その脇にひとつだけ空いていたテーブルとベンチを陣取る。しばらくして奥様たち

が到着。すぐにお弁当を広げてお昼にする。この山頂からの眺望も申し分ない。ポートア

イランドも随分と近づいてきた。そして反対に前回スタートした須磨からの鉢伏山旗振

が遠ざかっている。














奥様たちも山名が書かれた案内板を眺めながら山座の同定をしている。ここでは三人で須

磨から11座目の指を立てる。











鍋蓋山山頂で30分ほど休憩した後は、今日最後のピークの再度山へと下って行く。道は

里山らしい花崗岩が風化した道、植生もどこにでもある木々。この六甲山には所々でその

場所が特定できるナンバーが書かれた黄色いプレートが設置されている。プレートに書か

れたナンバーを119番に連絡すると、すぐに居場所が分かるようになっているようだ。











ここでも途中で見晴らしの良い場所があった。眼下にはポートタワーがはっきりと目視で

きる距離まで近づいて来た。







再度越では道は四差路になっていた。一番北の道は再度公園への道、南の道は大竜寺へ直

接下って行く道。そして真ん中が再度山への上りの道になる。再度山への道は、距離は短

いが急登。でも今日最後の登りだと思うとあまり苦にもならない。再度山山頂は今日の二

つの山頂に比べると猫の額ほどの広さだった。須磨からは12座目のピーク。

四等三角点 鍋蓋山 486.15m











写真を撮ったあとは南側に下って行くと直ぐに『天狗』と書かれた大杉天狗。ここからは

また一段と急な坂になる。











急坂が終わると四国88カ所のミニ霊場の石仏が並んでいた。ただ四国でもよく見かける

ミニ霊場とは違って、石仏だけでなく立派な石の建屋がひとつひとつに造られていた。

奥の院にお参りして大竜寺の境内に入る。本殿にはお参りせずにそのまま表参道を下って

行くと、大きな山門のある駐車場に着いた。













駐車場から車道の反対側へ渡り、再度東谷の川沿いを20分ほど歩いて行くと市ケ原の広

い河原に出た。河原ではベンチに腰掛けテーブルの上にアルコール類を並べて談笑する年

配の男性グループや。木陰でチェアに腰掛けのんびりとしている女性の姿があった。










河原から布引大竜寺線に出て道の脇にあるトイレで用を済ませる。トイレの近くにある桜

茶屋のシャッターは下りていたが、少し南に下がった場所にある紅葉の茶屋は店の前に可

愛らしいぬいぐるみを置いて営業していた。













ここからの道は同級生3人で以前に歩いた事のある道。フェンスで囲われた川沿いを歩い

て行く。生田川になるこの川は布引貯水池を経て神戸港へと流れていく。夏からこの季節

の間、あまり雨が降らなかったせいか貯水池の水位も随分低いように見えた。

突堤の向こうにはハーブ園のロープウェイが結構短い間隔で動いている。

















貯水池の突堤の下まで降り、大正時代に造られたという谷川橋を渡りしばらく歩くと今日

最後の景勝地の布引の滝。落差43mの布引の滝は『日本の滝百選』に選ばれ、さらには

那智の滝華厳の滝とともに日本三大神滝の一つと呼ばれる名瀑。滝は花崗閃緑岩と云わ

れる白色と緑色の鉱物が混じった岩石で、全体的には白っぽく見える岩を流れ落ちている。

滝壺の上にはここでも営業している茶屋があった。紅葉の頃はもちろん、夏には涼し気な

この場所は新神戸からもほど近く、滝を眺めながら一服するにはもってこいの場所だ。

















布引の滝は上流部の雄滝から鼓滝、雌滝へと続いている。その脇を通りながら最後の展望

所に着いた。ここでもベンチに腰掛けて大勢の人が休んでいた。

すぐ手前には谷を流れ落ちる雄大な滝があったばかりなのに、目の前には新神戸駅の高層

ビル。大自然と都会がこんな近くに接している場所はなかなかないだろう。








展望所で一息入れて下って行くとすぐに明治時代に水道管を通す為に造られたレンガ造り

砂子橋。その橋を渡ると程なく新神戸駅の裏手に着いた。














これで全山縦走の1/2を終えた事になる。ここからが本来の六甲山となる。残り2/4と

はいえ、麓から都度登り下りをしていたのでは時間が足りない。登り下りのいずれかで、

ケーブルカーを利用し、さらには駐車場を確保しスタートもしくはゴール地点まではバス

移動と、課題が満載。どうやって歩くかどうやって交通機関で移動するか、頭の悩ませ処。

できれば年内に残りの2区間を完歩したいと思っている。

さぬき市里山チャレンジ30

2023年12月10日 | 香川の里山

発症してから5日間自宅療養でほぼ一日中ベットの上で過ごした。食事は部屋ドアの前に

置かれて隔離されていた。40.5度の高熱でフラフラだったが意外と食欲は落ちずに、少し

は痩せられるかなと思ったけれど、1kgほど減っただけで期待したほどではなかった。

喪が明けて出社後の変化と言えば腰の痛みが酷くなった事。車を降りるのも少し注意が必

要なくらいに張りがでた。いつものように週中の休みが取れなかったので、今日休みをと

ってリハビリで近場を歩くことにした。

以前に『さぬき市合併10周年記念事業』として、東讃里山ボランティアガイドの人たち

が、さぬき市内の里山の30座を選んで、期間中に10・20・30座を回ると記念品が

もらえるというイベントがあった。その時期にはそういったイベントがある事を知らなか

ったが、それぞれの山の山頂には山名標識が設置されているのは以前から見かけていた。

後になってその30座を調べて見ると知らないうちに24座まで廻っているのが分かった。

そのうち30座を登ってみたいと思っていたので、今回いい機会なので近場でぐるっと周

回すると3座が回れる長尾の山を歩くことにした。




先ずはスタート地点になる東部溶融クリーンセンターへと車を走らせる途中で、カメラと

スマホを玄関に忘れて来たのに気づき引き返す。この辺りは独り歩きの里山歩きの気楽な

ところで、多少の時間のロスは気にならない。

クリーンセンターの手前にトイレのある駐車場に車を停め支度をしていると、近所の人だ

ろうか、年配のご夫婦のご主人に声を掛けられた。『どこまで行くんな?』と聞かれたの

で、『ここから南に登ってぐるっと一周してきます』と言うと、『それはそれはすごいな』

『イノシシも猿もよおけおるけん気をつけてな!』と言われた。




駐車場から南に背の高いクリーンセンターのエントツに向かって舗装路を歩いて行くと、

右手に再資源化センターの入り口がある、その脇を左に進んで行くとクリーンセンターを

回り込むようにして、センターの南側に着いた。ここから左に見えるフェンスに沿って登

って行く。







山を切り崩して造られたクリーンセンター。その切り崩した斜面に沿ってフェンスで囲わ

れている。これがなかなかの急登。しかも積もった落ち葉で登山靴のグリップも効かず、

滑るは滑る。場所によっては横のフェンスに掴まりながらよじ登って行く。







フェンスが終わり急登が終わると尾根に出た。ただホッとしたのもつかの間すぐにまた急

登が始まる。気温は10度を下回っていたけれどザックの下の背中が汗で濡れ始めた。







しばらくして立ち止まって上着を一枚脱ぐ。止まっているとやはり少し肌寒いが、歩き始

めるとまたすぐに汗が出る。道に花崗岩がゴロゴロし始めると標高が上がってきた証拠だ。

この周回コースは途中で何ヵ所か尾根が分かれているヶ所があるが、赤テープが結構な間

隔で付けられているので、都度確認しながら歩いて行けば迷うことは無い。







すると東のほうからズド~ンと大きな発砲音が聞こえてきた。『おいおい勘弁してくれよ』

今しがた脱いだ上着は黄色と緑の派手な色だったが、脱いだ下のシャッは地味な色。間違

っても撃たれはしないか。そう言えば昔大滝山を灰色の上着を着て歩いていた時に猟師さ

んに『そんな地味な色では間違って撃たれるぞ』と脅かされたのを思い出した。発砲音が

した方向は今から歩く方向だ。何となくイヤな感じがしたが、取りあえずこんぴら山まで

は歩いて行くことにした。











尾根道から小さなピークの様な場所に出た。すると広場の様な場所の中央に石積みの上を

何か木で蓋をしたように見えたので『井戸?』と思ったが、直ぐ横に倒れた祠があった。

石積みはその祠の台座だった。何年か前まではこの台座の上に祠が載っている写真がネッ

トにはアップされていた。







祠の南側にはこちらも傾いた鳥居と片方の石灯篭の笠も落ちていて、まったく人の手が入

らなくなってしまったようだ。この神社に参拝していたのは西側の星越の集落の人達だろ

うか、それとも東側の小倉の集落の方達だろうか?一応こんぴら神社とはなっているが、

その記述がネットで調べてみても全くない。







こんぴら神社から少し歩くと 四等三角点 星越 322.08m 今回のルート上にある二つ

の三角点の内のひとつ。花崗岩が風化した尾根を過ぎ、自然林の中を歩いて行くと今度は

尾根を境に左手が自然林、右側が植林の桧の林になった。













しばらくは快適な尾根道が続いて行く。先ほどと同じように尾根が二股に分かれる場所が

あるが赤テープを目印進んで行く。










スタートしてから1時間15分ほどで今日二つ目のYAMAPのポイントで、チャレンジ

30の内のひとつの羽細山に着いた。以前は素地の木の札に山名が書かれていたが、今は

黒く塗られた木の札に白い文字で山名が書かれている。羽細山からは右に続く尾根を進ん

で行く。










477mのピークが近づいてくると道には羊歯が現れる。尾根上にある石柱には寒川と彫

られている。











そしてピークの手前にはほぼ消えかかってはいるがつちが山と書かれた木札が掛けられて

いた。今度は造田・下高岡と彫られている石柱。寒川は境界杭としても、造田・下高岡は場

所も離れているし、何か別の意味がある石柱なのかな?










477mのピークからもテープを目印に進んで行くと、次第に尾根の灌木の背が低くなり、

南側が乾いた花崗土の斜面になり視界が広がった。左手には東女体山へと続く鉄塔が見え

西には多和方面が見えた。










更に進んで行くと尾根の南側に少し幅のある道があり、その道から尾根に上がると今度は北

側の眺望が開けた。先ほどの477mのピークの肩越しには五剣山。その手前には雲附山

正面には霞んではいるが小豆島が随分近くに見える。











ここで小休止。水筒から熱いお湯を注いでインスタントのカフェオレを淹れ、菓子パンを頬

張る。県外の山では積雪の情報が入っているが、里山では今が紅葉のピークのようだ。

西を見ると前山ダムから続いている、県道3号線の大多和辺りの工事現場が見える。














行動食を口に入れカフェオレで喉を潤し次の592mのピークへと向かって行く。休憩場

所からは、小倉の集落から南側の長尾谷へと続く峠へと一旦下って行く。花崗岩が風化し

た斜面を下って行くと一本の白骨樹。落ち葉の積もった斜面よりはまだマシだが、それで

も足を滑らせないように注意深く下って行く。











すると峠の切通になった場所に出た。そこから北に少し下って、今度は東に谷筋へと取り

付いて行く。取付きから上流に砂防ダムがあったので、そのダムの作業道の様な道が続い

ていた。落石で荒れてはいたがその道を登って行くと砂防ダムの横に出た。

砂防ダムは既に土砂で埋まっていて、そのダムの上流へと歩いて行く。













この間も赤テープが木の幹に巻かれているので、それを目印に進んで行くと今度は谷筋か

ら、右手の斜面に取り付いて行く。ここからは兎に角急登。ストックだけではなかなか登

れず木の枝や幹を掴んで身体を持ち上げて行く。














この間が一番しんどく、鼻づまりもあってだが兎に角息が苦しく、10歩あるいて立ち止

まっては大きく深呼吸をしながら登って行く。峠からはわずか600mほどの距離だった

が40分以上かかってやっと592mのピークに着いた。今日のコースの最高地点だ。

ピークの手前で丁度12時のチャイムの音が聞こえてきた。このピークからはほぼ下り基

調。道は明瞭で登りで時間がかかった分を取り戻そうと少しスピードを上げる。











途中で一ヵ所間違えそうな尾根が二手に分かれている場所があった。丁度真ん中に黄色と

赤色のテープが木の幹に巻かれて注意喚起をしていた。間違わないように左の支尾根へと

進んで行く。ここからは大きな露岩が続いていく。














592mのピークから30分ほどで今日3座目の焼刈山に着いた。ここにも真新しい山名標

が掛けられていた。足元には 三等三角点 宇都見 444.75m








焼刈山から少し下って行くと最後の露岩。そして今度は幅の広い明瞭な尾根道の下り。

ここまでの周回ルート、眺望はほとんどなく一ヵ所だけだったが、里山らしい植生と

花崗土と花崗岩の道で変化があって楽しめる。











最後はもう参る人のいない取り残された墓を右手に見ながら下って行くと、小倉の集落か

ら、門入ダムへと続く林道に飛び出した。










門入ダムと大窪寺への赤い標識の少し上手のカーブミラーのある場所からが、国見山への

取りつきになる。車が通れそうな山道を歩いて行くと目の前を1m以上はある黒い物体が

道を横切った。『ブヒー!』『イノシシだ!』。ここからはストックをカンカンと打ち鳴

らしながら、恐る恐る歩いて行く。

さらに進んで行くと少し広場になった場所の左奥にピンクのテープが見えた。ここから山

の中へと入って行く。カーブミラーの取付きからは10分ほどで国見山。

今日最後のピークとなる。YAMAPのポイントは4座。さぬき市チャレンジ30では

3座をゲットしたことになる。











時間は13時過ぎ。途中で行動食を摂ったがそろそろお腹が空いてきた。今日は弁当も持

たず、下山後にどこかでお昼にする予定だったので、さっそく国見山をあとにする。

しばらく下って行くと尾根の少し先にまた何やら物体が・・・・。『またもしかして?』

と思ったが、よくよく見て見ると青いジャンバーを着た老人だった。

近づいて少し話をすると『ここは初めて来たけど道が分かりづらい』と仰る。『どこか

ら来たん』と聞かれたので、『クリーンセンターの南からぐるっと回ってきました』と

答えた。あまり様子が分っていないようだったが『山頂は近い?』と聞かれたので、『

もうすぐそこですよ』と言って別れた。ザックも背をっていない様子だし、こんなマイナ

ーな山に独りで登ろうなんて・・・・と思いながら下って行くと、テープは所々にあるも

のの、確かに道はわかりづらかった。あの老人、地図もGPS(恐らく)も持たずによく

登って来たなと感心をする。














最後に杉林を抜けると小倉の集落の最上部に近い道に飛び出した。











ここからは舗装路を道なりに下って行く。途中で大きな楠の下に祠があり、その前の広場に

なった場所に車が数台停まっていた。先ほどの老人はここに車を停めて登って行ったのかも

しれない。広場の川を挟んで向かいの民家には、今はあまり見かけなくなったタバコの乾燥

小屋のベーハ小屋が残っていた。振り返ると先ほど歩いた592mのピークだろうか。

道筋に点在する民家。道の横を流れる川の水の音だけが聞こえてくる。

最後にクリーンセンターへと西に向かってひと山越える途中で、トラクターに乗って農作業

をするおじいちゃん、そしてその傍らで野焼きをするおばあちゃんの姿があった。まわりの

木々の色付きはピークだったが、この山間部の里ではそろそろ冬支度。秋の終わりを感じな

がら駐車場へと戻って行った。