体調や天候の具合でなかなか進まなかった『線で繋ぐ~』を、おおよそ1ヶ月ぶりに
再開。土佐岩原駅から土佐矢筈山までが繋がっているので、今回は矢筈峠から綱附森
までを繋いできた。といっても前回土佐矢筈山を歩いた時、下見気分で山頂から矢筈峠
へと少し下ってみて折り返したので、折り返し地点から、矢筈峠までが実は繋がって
いない。その間1km弱だが、往復すると1時間程度。今回綱附森から往復して、余力
があれば繋げてみようと言う事にした。但し、今日は綱附森で往復したのでは、次の
天狗塚からの往復がかなり厳しくなるので、出来るだけ綱附森から先まで歩いて、次回
の天狗塚からの距離を短くしたい。そうなると土佐矢筈山へは厳しいかもしれない。
色々と考えながら取りあえずいつもの様に豊浜SAで奥様たちをピックアップ。南国IC
で高速を降り、土佐山田の市街地を抜けて195号線を東に走る。大栃の奥物部美術館
を左に折れ、さらに田中神社の手前で左下に降りて行く。そのまま直進すれば、光石へ
の道になる。県道49号線(大豊物部線)は笹川に沿って北へと続いて行く。道幅は
次第に狭くなり離合も難しい道になる。GooglMapに載っている八幡宮からはくねくね
道が8km以上続いて行く。案の定後ろの座席であっちゃんが口数が無くなり静かになって来た。
いつもの車酔い。『窓を開けてもいいですか?』と言うので窓を全開にして走る。
矢筈峠には既に高知ナンバーの車が2台停まっていた。準備をしてトイレを済まして
9時過ぎにスタートする。矢筈峠からは東笹林道を登山口に向かって歩いて行く。
林道にゲートがかかり通行止めになった場所の左手に登山口があった。取付きには
高知県側の登山口で時々見かける『熊注意!』の看板。
登山道は登山口から直ぐに樹林帯の中の急登で始まる。短い時間だがその急登をやり過ごすと
小さな水の流れの沢を渡り、しばらくは樹林帯の中の道。
その樹林帯を抜けると笹の色が濃くなってきた。朝露に濡れた笹にズボンの裾は直ぐに
濡れて来た。笹で見えない足元はまだぬかるんでいて、『これは帰りの下りで足を滑らせ
るな~』などと思いながら、その濡れた笹を掴んで登って行く。振り返るとドーム型の
土佐矢筈山の山頂が見えた。
取付きから地形図に載っている最初の小ピークまで登ると。1421mに続く尾根道になる。
笹の背も低く、笹の小道と言った感じだ。その小道に沿ってブナが点在し、所々で見ごたえ
のあるブナの巨木が現れる。
前を歩く奥様たちは相変わらず元気だ。遅れて来るへっぽこリーダーを時々待ってくれている。
成長する途中で、そのまま上に延びると枝葉がぶつかってしまうと気づいたのか、途中から
お互いに避け合って伸びているブナの木!
最初の小ピークから南東に続いていた尾根は、ブナの道が終わると1421mに向かって
北東へと向きを変える。笹の小道から次第に笹の背丈が高くなってくる。
1421mの標高点の手前から笹は身長近くの高さになる。さすがの奥様たちのスピードも
落ちてくる。足元の踏み跡らしい道筋を確認しながら、笹を掻き分け掻き分け進んで行く。
樹林帯の中から目の前が開けると、正面にで~んと横たわった綱附森が見えた。
『ひょっとしてあれが綱附森?』とあっちゃん。たしかに綱附森がまだ随分と遠くに見える。
愚痴を言っても仕方がない。今日は綱附森からまだ先が折り返し地点。先を急いで歩いて行く。
この辺りは笹の背は低く。まだまだ歩きやすい。
少しづつだが綱附森も近づいて来ている。
小さなピークを2回程過ぎると前方にコキアのようなもっこりとした植物が点在していた。
下って近づいて行くと、それはコキアではなくただの萱だった。秋になればコキアの
広場から、ススキの広場になるのだろう。
笹の道は萱交じりの道になる。足元が見えない場所で段差などがあると、とっさに
脇の笹を掴もうとするが、それが萱だったりするのと手のひらを切ったりする。
1460mの標高点の手前からはそんな感じで笹の色が濃くなってくる。
萱原の向こうにはゆったりとした牛の背と三角形の天狗塚が見える。
1460mの標高点を過ぎると、綱附森山頂への最後の登りになる。途中で男性4人の
グループとすれ違う。『どこまで行くの?』と聞かれ『今日は綱附森よりさらに先まで
予定しています!』と言うと、『元気やな~我々は山頂までで、もうへとへとや~』と
笑って答えてくれた。
山頂が近づいてくるにつれ、笹の勢いはさらに増してくる。笹の茎は斜面の下に向かって
伸びているので、下りはそのまま足で踏みつければいいのだけれど、登りの時は足を持ち
あげないと、茎に絡まってしまう。一歩一歩踏み出すたびに茎や葉の負荷がかかりながら
足を持ち上げるので必要以上に体力を消耗する。振り返ると土佐矢筈山に向かって、歩いて
来た稜線が続いている。
山頂直下まで来ると左手正面に天狗塚。そしてそこから東に三嶺への稜線が続いている。
天狗塚の南斜面の土砂崩れで痛んだ山肌が痛々しい。
山頂手前では笹の下の踏み跡も判らない。ただただ笹の中、空に向かって登って行く。
駐車場から2時間45分。ほぼコースタイムだったが、笹原歩きでかなり疲れた。
山頂に着いた途端にザックを降ろして腰を降ろした。そして熱中症対策ゼリーを
直ぐに口に入れる。歩き始めてからずっと額からの汗は流れぱなっしだ。
『お昼ご飯はどこで?』といつものように聞いてくるあっちゃん。ルリちゃんと私が
同時に『折り返しの地点で!』と答えると、『え~~!』とあっちゃん。
山頂からは360度の眺望。前回の登った中津山から始まり祖谷系の山々。
そして高知でもっとも厳しいと言われる石立山。更には梶が森も見える。
今日の折り返し地点は本来なら堂床の分岐まで行けたら、次の天狗塚からの往復が楽になるが
1552mの標高点辺りでと考えていた。それでも今日のこの天気と笹の勢いからして、結構
時間がかかるかもしれない。山頂で10分ほど休憩した後、1552mに向かって下って行く。
山頂からは正面に三嶺を見ながら稜線は続いている。
相変わらず笹の勢いは強く、踏み跡はほとんど分からない。こうなってくると両手の
ストックは邪魔になる。ストック二つを片手に持ちながら、笹を握って下って行く。
祖谷側からだと落合峠辺りからこの稜線は眺めることができるが、やはりいつもと違う
高知側から見る山々は最高の景色だ。進んで行くたびに正面に見える山並みが変わって行く。
振り返ると綱附森が『また戻っておいでよ!』と手招きしているが、あの笹の海の斜面を
登り返すと思うと、少し気分が落ち込む。
右端の白髪山から三嶺への稜線
左端の天狗塚から西熊山への稜線
1552mの標高点との間にある小ピークあたりで、急に体が重くなってきた。今まで
水分は取って来たので、完全にシャリバテだ。前を歩く奥様たちに『ここらへんで引き返し
ませんか!』と、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。そして振り返るとまた登り返す
綱附森は益々遠くなっていく。『ふう~!』
次に見える小高い場所が1552mか?。あと少し我慢をして歩いて行く。
奥様たちは脇目もふらずどんどん先を行く。『お~い!そろそろ折返し地点やで!』と
大きな声で叫ぶとやっと立ち止まった。白骨樹の先の木陰でやっとお昼にする。
お腹が空き過ぎて逆にもう食欲が出ない。コンビニで買った冷麺を残してしまい、
いつもは食べないドライフルーツをルリちゃんに貰って口にする。ほどよい甘さが
丁度いい。やはり綱附森の山頂辺りで行動食を食べるべきだったが、その行動食も
今日は持ってくるのを忘れていた。(反省)
30分ほどで昼食を済ませて折り返して行く。次回、天狗塚からの折り返しの目印は
立ち枯れたモミの木。地蔵の頭からの下りと登り返しが気になるが、険しい上り下りと
今日の様な笹原地獄とどっちがしんどいだろうか?
綱附森との中間地点の小ピークではルリちゃんは尾根筋を、あっちゃんは小ピークを巻く
ようにして続いている踏み跡を辿って行っている。当然私は楽そうな巻き道のあっちゃんに
付いて行く。小ピークを巻いて綱附森の大きな図体が姿を現した。尾根を歩いてきている
はずのルリちゃんの姿が見えない。呼べど叫べど返事がない。あっちゃんが電話をかけると
何とか電波が届いて話が出来て、逆に姿が見えない私たちを山頂で探していたようだ。
山頂からの尾根の肩にある樹林帯を抜けると、もう日差しを遮るのもが無い。
山頂が近づいてくるにつれ、笹の勢いは益々強くなってくる。笹の斜面に走る筋は、
もう踏み跡なのか獣道なのかは分からない。足元が全く見えない状態で笹を掴んで登って行く。
笹を掻き分ける度に、とても小さな虫と白い埃が舞い上がる。
足を持ち上げて進むが笹の茎に絡まって度々転びそうになる。さすがのあっちゃんんも立ち
止まって『ふう~~』とため息。
それにしてもルリちゃんは馬力がある。止まる事無く黙々と登って行く。一番斜度のある
場所を乗越すと綱附森の山頂標が見えた。
山頂に着いてたっぷりと水分補給をする。熱中症対策のゼリーと500mlのスポーツ飲料を
もう3本飲んでいる。いつもならこの3本だけしか持ってこないが、今日は土佐山田の
コンビニでもう1本買い足したのが良かった。後は下り、この1本でなんとかもつだろう。
矢筈峠への稜線には南側からガスが登り始めた。このままガスがかかって日差しを遮って
くれればと思いながら下って行く。
山頂直下の背の高い笹道を抜けると笹の背は低くなり、少しは歩きやすくなる。
今度はルリちゃんが足が攣りそうになり、漢方薬を飲む。その内に私もいつもの左足の
太腿と指先が怪しくなってきた。
コキヤもどきの萱原を抜け、1421mの標高点辺りからは道にもガスがかかり始めた。
笹に埋もれた最後の急坂では往路で思っていた通り、笹の下のぬかるんだ斜面で尻もちを付いた。
その急坂を下りきると樹林帯の暗がりの先に、登山口の林道が見えてホッとする。
登山口から駐車場までの東笹林道の先には土佐矢筈山が顔を覗かせていた。
今日の歩行距離は沿面距離で13km。標高差も950m程度で、距離も標高差もさほどでも
なかったのに、とにかく足元の見えない笹の登りで足を持ち上げながら歩くのが堪えた。
もうすぐ立秋とはいえ、まだまだ暑さはこれから本番の様子。熱中症にだけは十分に気を付けて
いかなければ。必要以上に飲み物を持って行くのも忘れずにと思った。
今日のトラック
再開。土佐岩原駅から土佐矢筈山までが繋がっているので、今回は矢筈峠から綱附森
までを繋いできた。といっても前回土佐矢筈山を歩いた時、下見気分で山頂から矢筈峠
へと少し下ってみて折り返したので、折り返し地点から、矢筈峠までが実は繋がって
いない。その間1km弱だが、往復すると1時間程度。今回綱附森から往復して、余力
があれば繋げてみようと言う事にした。但し、今日は綱附森で往復したのでは、次の
天狗塚からの往復がかなり厳しくなるので、出来るだけ綱附森から先まで歩いて、次回
の天狗塚からの距離を短くしたい。そうなると土佐矢筈山へは厳しいかもしれない。
色々と考えながら取りあえずいつもの様に豊浜SAで奥様たちをピックアップ。南国IC
で高速を降り、土佐山田の市街地を抜けて195号線を東に走る。大栃の奥物部美術館
を左に折れ、さらに田中神社の手前で左下に降りて行く。そのまま直進すれば、光石へ
の道になる。県道49号線(大豊物部線)は笹川に沿って北へと続いて行く。道幅は
次第に狭くなり離合も難しい道になる。GooglMapに載っている八幡宮からはくねくね
道が8km以上続いて行く。案の定後ろの座席であっちゃんが口数が無くなり静かになって来た。
いつもの車酔い。『窓を開けてもいいですか?』と言うので窓を全開にして走る。
矢筈峠には既に高知ナンバーの車が2台停まっていた。準備をしてトイレを済まして
9時過ぎにスタートする。矢筈峠からは東笹林道を登山口に向かって歩いて行く。
林道にゲートがかかり通行止めになった場所の左手に登山口があった。取付きには
高知県側の登山口で時々見かける『熊注意!』の看板。
登山道は登山口から直ぐに樹林帯の中の急登で始まる。短い時間だがその急登をやり過ごすと
小さな水の流れの沢を渡り、しばらくは樹林帯の中の道。
その樹林帯を抜けると笹の色が濃くなってきた。朝露に濡れた笹にズボンの裾は直ぐに
濡れて来た。笹で見えない足元はまだぬかるんでいて、『これは帰りの下りで足を滑らせ
るな~』などと思いながら、その濡れた笹を掴んで登って行く。振り返るとドーム型の
土佐矢筈山の山頂が見えた。
取付きから地形図に載っている最初の小ピークまで登ると。1421mに続く尾根道になる。
笹の背も低く、笹の小道と言った感じだ。その小道に沿ってブナが点在し、所々で見ごたえ
のあるブナの巨木が現れる。
前を歩く奥様たちは相変わらず元気だ。遅れて来るへっぽこリーダーを時々待ってくれている。
成長する途中で、そのまま上に延びると枝葉がぶつかってしまうと気づいたのか、途中から
お互いに避け合って伸びているブナの木!
最初の小ピークから南東に続いていた尾根は、ブナの道が終わると1421mに向かって
北東へと向きを変える。笹の小道から次第に笹の背丈が高くなってくる。
1421mの標高点の手前から笹は身長近くの高さになる。さすがの奥様たちのスピードも
落ちてくる。足元の踏み跡らしい道筋を確認しながら、笹を掻き分け掻き分け進んで行く。
樹林帯の中から目の前が開けると、正面にで~んと横たわった綱附森が見えた。
『ひょっとしてあれが綱附森?』とあっちゃん。たしかに綱附森がまだ随分と遠くに見える。
愚痴を言っても仕方がない。今日は綱附森からまだ先が折り返し地点。先を急いで歩いて行く。
この辺りは笹の背は低く。まだまだ歩きやすい。
少しづつだが綱附森も近づいて来ている。
小さなピークを2回程過ぎると前方にコキアのようなもっこりとした植物が点在していた。
下って近づいて行くと、それはコキアではなくただの萱だった。秋になればコキアの
広場から、ススキの広場になるのだろう。
笹の道は萱交じりの道になる。足元が見えない場所で段差などがあると、とっさに
脇の笹を掴もうとするが、それが萱だったりするのと手のひらを切ったりする。
1460mの標高点の手前からはそんな感じで笹の色が濃くなってくる。
萱原の向こうにはゆったりとした牛の背と三角形の天狗塚が見える。
1460mの標高点を過ぎると、綱附森山頂への最後の登りになる。途中で男性4人の
グループとすれ違う。『どこまで行くの?』と聞かれ『今日は綱附森よりさらに先まで
予定しています!』と言うと、『元気やな~我々は山頂までで、もうへとへとや~』と
笑って答えてくれた。
山頂が近づいてくるにつれ、笹の勢いはさらに増してくる。笹の茎は斜面の下に向かって
伸びているので、下りはそのまま足で踏みつければいいのだけれど、登りの時は足を持ち
あげないと、茎に絡まってしまう。一歩一歩踏み出すたびに茎や葉の負荷がかかりながら
足を持ち上げるので必要以上に体力を消耗する。振り返ると土佐矢筈山に向かって、歩いて
来た稜線が続いている。
山頂直下まで来ると左手正面に天狗塚。そしてそこから東に三嶺への稜線が続いている。
天狗塚の南斜面の土砂崩れで痛んだ山肌が痛々しい。
山頂手前では笹の下の踏み跡も判らない。ただただ笹の中、空に向かって登って行く。
駐車場から2時間45分。ほぼコースタイムだったが、笹原歩きでかなり疲れた。
山頂に着いた途端にザックを降ろして腰を降ろした。そして熱中症対策ゼリーを
直ぐに口に入れる。歩き始めてからずっと額からの汗は流れぱなっしだ。
『お昼ご飯はどこで?』といつものように聞いてくるあっちゃん。ルリちゃんと私が
同時に『折り返しの地点で!』と答えると、『え~~!』とあっちゃん。
山頂からは360度の眺望。前回の登った中津山から始まり祖谷系の山々。
そして高知でもっとも厳しいと言われる石立山。更には梶が森も見える。
今日の折り返し地点は本来なら堂床の分岐まで行けたら、次の天狗塚からの往復が楽になるが
1552mの標高点辺りでと考えていた。それでも今日のこの天気と笹の勢いからして、結構
時間がかかるかもしれない。山頂で10分ほど休憩した後、1552mに向かって下って行く。
山頂からは正面に三嶺を見ながら稜線は続いている。
相変わらず笹の勢いは強く、踏み跡はほとんど分からない。こうなってくると両手の
ストックは邪魔になる。ストック二つを片手に持ちながら、笹を握って下って行く。
祖谷側からだと落合峠辺りからこの稜線は眺めることができるが、やはりいつもと違う
高知側から見る山々は最高の景色だ。進んで行くたびに正面に見える山並みが変わって行く。
振り返ると綱附森が『また戻っておいでよ!』と手招きしているが、あの笹の海の斜面を
登り返すと思うと、少し気分が落ち込む。
右端の白髪山から三嶺への稜線
左端の天狗塚から西熊山への稜線
1552mの標高点との間にある小ピークあたりで、急に体が重くなってきた。今まで
水分は取って来たので、完全にシャリバテだ。前を歩く奥様たちに『ここらへんで引き返し
ませんか!』と、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。そして振り返るとまた登り返す
綱附森は益々遠くなっていく。『ふう~!』
次に見える小高い場所が1552mか?。あと少し我慢をして歩いて行く。
奥様たちは脇目もふらずどんどん先を行く。『お~い!そろそろ折返し地点やで!』と
大きな声で叫ぶとやっと立ち止まった。白骨樹の先の木陰でやっとお昼にする。
お腹が空き過ぎて逆にもう食欲が出ない。コンビニで買った冷麺を残してしまい、
いつもは食べないドライフルーツをルリちゃんに貰って口にする。ほどよい甘さが
丁度いい。やはり綱附森の山頂辺りで行動食を食べるべきだったが、その行動食も
今日は持ってくるのを忘れていた。(反省)
30分ほどで昼食を済ませて折り返して行く。次回、天狗塚からの折り返しの目印は
立ち枯れたモミの木。地蔵の頭からの下りと登り返しが気になるが、険しい上り下りと
今日の様な笹原地獄とどっちがしんどいだろうか?
綱附森との中間地点の小ピークではルリちゃんは尾根筋を、あっちゃんは小ピークを巻く
ようにして続いている踏み跡を辿って行っている。当然私は楽そうな巻き道のあっちゃんに
付いて行く。小ピークを巻いて綱附森の大きな図体が姿を現した。尾根を歩いてきている
はずのルリちゃんの姿が見えない。呼べど叫べど返事がない。あっちゃんが電話をかけると
何とか電波が届いて話が出来て、逆に姿が見えない私たちを山頂で探していたようだ。
山頂からの尾根の肩にある樹林帯を抜けると、もう日差しを遮るのもが無い。
山頂が近づいてくるにつれ、笹の勢いは益々強くなってくる。笹の斜面に走る筋は、
もう踏み跡なのか獣道なのかは分からない。足元が全く見えない状態で笹を掴んで登って行く。
笹を掻き分ける度に、とても小さな虫と白い埃が舞い上がる。
足を持ち上げて進むが笹の茎に絡まって度々転びそうになる。さすがのあっちゃんんも立ち
止まって『ふう~~』とため息。
それにしてもルリちゃんは馬力がある。止まる事無く黙々と登って行く。一番斜度のある
場所を乗越すと綱附森の山頂標が見えた。
山頂に着いてたっぷりと水分補給をする。熱中症対策のゼリーと500mlのスポーツ飲料を
もう3本飲んでいる。いつもならこの3本だけしか持ってこないが、今日は土佐山田の
コンビニでもう1本買い足したのが良かった。後は下り、この1本でなんとかもつだろう。
矢筈峠への稜線には南側からガスが登り始めた。このままガスがかかって日差しを遮って
くれればと思いながら下って行く。
山頂直下の背の高い笹道を抜けると笹の背は低くなり、少しは歩きやすくなる。
今度はルリちゃんが足が攣りそうになり、漢方薬を飲む。その内に私もいつもの左足の
太腿と指先が怪しくなってきた。
コキヤもどきの萱原を抜け、1421mの標高点辺りからは道にもガスがかかり始めた。
笹に埋もれた最後の急坂では往路で思っていた通り、笹の下のぬかるんだ斜面で尻もちを付いた。
その急坂を下りきると樹林帯の暗がりの先に、登山口の林道が見えてホッとする。
登山口から駐車場までの東笹林道の先には土佐矢筈山が顔を覗かせていた。
今日の歩行距離は沿面距離で13km。標高差も950m程度で、距離も標高差もさほどでも
なかったのに、とにかく足元の見えない笹の登りで足を持ち上げながら歩くのが堪えた。
もうすぐ立秋とはいえ、まだまだ暑さはこれから本番の様子。熱中症にだけは十分に気を付けて
いかなければ。必要以上に飲み物を持って行くのも忘れずにと思った。
今日のトラック