かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

梅雨どき散歩点描

2020-06-24 10:28:14 | 日記

ネムノキの目覚めは遅い。河畔に生えたまわりの樹々が、もうすっかり花を終え、青い実を膨らませようとしている5月の半ば過ぎにやっと木の枝から、「2回偶数羽状複葉」の細かな葉を現し始め、やっと葉がそろうと、あちこちにぽつぽつとした頭を乗せたアンテナが10個から20個伸びだし、どうやらそれらのアンテナ集団が花として現れるようだが。その過程が観察してもよく分からない。

現地に行って観察してみれば、あちらこちらに咲いていた花(といってもたくさんのおしべと数本のめしべによって構成された扇状のピンクに埋もれてそこにある漏斗状の花はよく見えない。)は、しおれ始めているが、次々と開花すると予想された芽は、まだ大半青いままだ。

ネムノキの名の由来は、夜になると眠るように閉じる複葉にあるが、その理由は現代の科学者をもってしても正しく説明できないのだという。

目覚めの遅いこと、

花が咲く過程がよくわからないこと、

花がおしべやめしべに比べてまるで小さいこと、

夜の眠ること(脳がないので眠るとは言わないらしいが)、

漢字の合歓は男女の交わりだというが、中国人はどのような観察をして名をつけたのだろう、

美しくも謎だらけの木なのである。

 

    

 

経ヶ峰の神社の近くに細かなピンクの花が咲いていた。

シソ科ムラサキシキブ属 ムラサキシキブ とみた。

ムラサキシキブ属には、ほかにヤブムラサキとコムラサキという低木があって、みんな似ているが

葉っぱの毛が少ないので、ヤブと区別がつき、葉っぱのギザギザが下の方まで残っていないのがコムラサキなので、区別がつくのだという。写真の葉っぱは、ギザギザが下まであるよ。

あの秋になると、紫色の宝石のような丸い実をつけるムラサキシキブだが、花だっておしゃれで美しい。

おしべの黄色い葯が薄紫の花弁や花糸に愛らしいアクセントを見せている。

この花をいっぺんに好きになったが、ピントが合わないので、一眼マクロをもって撮り直してこよう。

ムラサキシキブは、あの源氏の作者紫式部だとのこと。花や実の紫を「高貴なお方」とみたようだが、

美しいのにオオイヌノフグリやカラスノエンドウなどと名付けられた花たちとの差別に、植物学者の

発想力について理解に苦しむ。

 

 

   

 

 

   

 

 

 

   

 

 

 

   

 

 

ドクダミ科のドクダミ(十薬)

美しい十字の白い花と思っていたのは、総苞片という花を包む葉っぱの一種なのだという穂のように伸びているのは、おしべとめしべだけ。花びらというのはないようだ。

ドクダミの咲く草むらを踏むと、独特のの匂いにつつまれ、そこにいるだけで、「効きそう」だ。図鑑には、「悪臭」とあるが、オイラの個人的感想では、「芳香」だ。

 

 

   

 

   

 

甘い香りがただようモクセイ科オオバイボタの花に、先週烏帽子岳の小道で出会ったミドリヒョウモン♂が飛び交っていた。

この蝶は、6月から10月まで生き延びて、夏は夏休みで休眠するのだという。

♀は、秋に樹間に卵を産み、春に生まれた幼虫はスミレ類を食べて育つのだという。あの小さないたいけなスミレに、この大型の蝶の幼虫が、どのようにまとわりつくのか、見てみたいところである。幼虫や成虫も花なしでは生き延びられない。そのような、微妙な世界に生きているのだ。このものたちは。

 

   

 

5月に、薄緑色の雄花と雌花と株を分けて咲いていたツルウメモドキの雌株は、青いクリクリとした実をつけていた。秋になると真っ赤に熟れて、美味しいのか小鳥やサルなどの哺乳類まで食べるのだという。

河原に咲いているのは、山から流されてきたのか。まさか、街中の広瀬川まではサルは来ないだろう。どんな野鳥が飛び交うのか観察してみよう。

 

 

   

   

 

 

オニグルミの実は大きくなったが、ラグビーボールのようなかたちのものと、ほぼ真ん丸なかたちのものとあるが、細長い子房が膨らんでクルミの実になるのだから、ラグビーボール→真ん丸クルミに短期間に移行するのだrとみていいだろう。

この時期の、クルミの実、触ってはいけません。ベタベタ。→ アブやハチに侵入を防いでいるかのか、蠅取り紙みたいだ。

 

 

 

   

 

   

 

 

   ホオジロ♂くんが、相変わらずいい声で鳴いていた。

   

 

 

河原の枯れ木に、日本で一番小さなキツツキの仲間、コゲラがせわしなくエサを探していた。頭に赤い羽根が少し生えているのが♂だということだが、見た目ではよくわからなかった。

この鳥は、静かな山で耳を澄ますと「ギィー~」と鳴いているので、存在が確認できる。「ねじまき鳥」と呼びたい。

 

 

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