かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

立山・浄土のひかり

2020-08-08 15:55:22 | 日記

2020年の夏、梅雨明けを見計り、立山の浄土沢のほとりにテントを張って5日間を過ごしている間、天体は、さまざまに微笑んでくれた。


☆ 雨雲が、さあっと立山をかすめていってあとに大きく架かった虹

☆ 大日連峰のあかね雲

☆ 立山山頂の雄山神社の光と交歓する木星と土星の光

☆ 雄山神社から現れた満月と月の暈(かさ)

☆ 月の出る前に輝きを見せた夏の三角(白鳥座デネブ・こと座ベガ・わし座アルタイル)


お日様が沈んでしまっても、その光は惑星たちによって照り返されているし、仲間が数知れぬ光を届けてくれて、晴れた夜空はにぎやかだ。夜もテントの中で寝てばかりはいられない。

海抜2300m、夏山でも夜は震えあがりそうな気温だが、天空の光をゆっくり味わえるのはこの季節だけのもの。昼に山を歩かなくとも、晴れてさえくれれば、山は輝いていてくれる。

霊山・雄山の社の灯火から、木星が昇り、次に土星が昇り、とうとう大きな丸いお月様がぬうっと現れた時には、天と地上との何かしらの縁(えにし)というものを感じざるをえなかった。(天と地は、あそこでつながっている。)今だけの季節とはいえ、それを見ていた祖先たちは、お社の権現様に誘われ、月光菩薩様や阿弥陀様が、地上に降りてきたと随喜し、手を合わせたことだろう。

 

 

立山とお別れする日、山はまた、厚い雲と冷たい風雨に閉ざされた。夏山といえ、神々や仏たちの微笑みはいっときのものだ。

祖先と同じように、ふかぶかと額ずいて、コロナ禍の不安のなかでも、ひとときの至福をいただいたことに感謝して山を下りた。

 

   

 

   

 

   

 

   

 

   

 

   

 

 

 

 

 

 

 

コメント