近所の観音堂にクロッカスの薄紫の花が顔を出していた。
数日前に花だけ顔をだしていたフクジュソウの茎と葉が伸びだしていた。
お堂の前のツバキの木には、大きな花がところどころ開いていたが、数えきれないほどに膨らんだ芽が次の開花を待っている。
誰が植えたんだろう、この花たちの苗木や種を。このお堂を守り抜いて来たいにしえびと。もしかしたら、このお堂の敷地に眠っているのかもしれない。あちこちに碑がある。
さまざまな花は、さまざまに生きたひとやいきものの魂なのかもしれない。
万葉の人々は、チョウが今はなきひとびとの化身だと思っていたらしいが、チョウも花も、夜空の星々も
、かれら美しいものすべてがいまはなきひとびとの魂に思えてくる。
あどけない早春の美しい花たちを、3.11に逝った美玉にも捧げよう。