かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

カタクリのおうち、ヤマガラのおうち

2023-03-27 16:31:04 | 日記

仙台は、昨日26日ソメイヨシノが開花した。平年より13日、昨年より早く、観測以来最速だとか。平年値は、毎年更新され、前年より過去30年の平均値ということらしいが、もう当地も3月には開花するのが当たり前という感覚だが、昨年はほぼ平年並みだったとは・・・もう去年のことも忘れている。

しっかり、天体観測手帳に記録しておこう。総務省の公文書問題と同様、記憶より記録だ。 

 

 

        

      片平のサクラ(ソメイではない)は六分咲か   

 

近所の観音堂に、例年咲いていたカタクリの花の姿が、これまでの場所に見当たらないので 絶滅したかなと思いながら周囲を見回したら、これまでより1メートルほど離れたお地蔵さんの足元に開花寸前の花を見つけた。カタクリの種は、タネに付着するエライオゾームという成分により、これを好むアリよって巣穴近くまで運ばれて、その付近に種を定着させるのだという。

草や木たちは、ずうっと同じ場所で生活していると思ったら、このようにタネを虫や鳥に運ばせながら移動していると言える。彼等には固定されたおうちのようなものはなく、いわば他力本願的に子孫をつないでいると言える。だが、これが彼らの生存戦略であり、知恵なんだろう。

 

             

 

敷地のヒバのような植え込みの幹に、珍しくヤマガラさんが訪れていた。しきりに幹にびっしりと生えた青い苔を小さなくちばしで器用にむしっていた。おそらく彼らの巣の素材とするのだろう。フカフカの苔のお布団。よくよく誤解するのだが、彼等のような野鳥が巣をこさえるのは卵を産み、孵化させ、巣立ちさせるまでの間であり、彼等は定住の住処を持たない。どうしてか、よく分からないが、天敵に巣の場所を学習させ、襲われるリスクが高くなるためではないかと思われる。フカフカの苔はさぞ暖かであろうから、冬の間もそんなおうちに住んだ方がよさそうだが、そうではないらしい。では冬の間、というかヒナの巣立ちからあたらしい巣作りの間どこで暮らしているんだろうか、と想像してもどうもイメージがわかない。

 

      

 

植物たちや鳥たちのことを考えると、分からないことだらけだが、もう命のリレーとは無縁となりながら、年中ぬくぬくとした環境を求めているオイラはなんだか存在の意味をなさない生き物ではないかと思えてくる。マイホームというものに執着せず、短くともしっかりといのちを燃やしている彼らがうらやましいともいえる。

 

 

 

コメント