ウクライナ情勢は、いよいよ眼を覆いたくなるような結末が近づいているような昨日今日の報道だ。
ヒトは、何ら合理性もなく不条理かつ残忍な暴力を用いて相手の命を脅かす唯一の生命体なのかもしれない。
また、ヒトは生命体の中で唯一「祈る」ことができる生命体ともいわれている。
オイラにできることは、そのような暴力の手から何とか一人でも多くのウクライナのヒトビトがいきのびて、ウクライナという今の国家も生き延びてくれるよう「八百万神・ヤオロズノカミ」に祈りをささげることだけ。
幸い、貯めていたマイルのお陰で関西往復のチケットを得た。1週間かけて、真言密教の大本山である高野山を起点に、熊野三山(熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社)を詣でてこようと決めている。大社ばかりではなく、出会った神社仏閣や石仏に「ウクライナに平和有れ!」と祈ろう。
歩行距離は約100k、できるだけ適当な場所にテントを張って自炊すべく食料の準備をしているが、熊野本宮にはお店もあるようなので、3泊4日程度の食料と、できるだけ軽量化を図りたい。
久しぶりに、「登山天気」という有料アプリを再開したが、途中に立ち寄る日本二百名山「伯母子岳(おばこだけ)・1334m」山頂の今日のお天気は「☀10℃/9℃」と春爛漫の陽気みたいだが、金曜日あたりから崩れて☂や⛄マーク「2℃/-2℃」などの日が数日続くみたいで、苦難の参拝道となりそうだ。
が、戦火のウクライナ市民のことを思えば、ナンクルナイ苦難なのだろう。とにかく歩いて、眼を閉じて祈り続けようではないか。
これらの包装袋を大方破って、必要な量をジップロックに詰め替えてゴミ発生と嵩張りを抑制する。白米を炊きたいが二合分だけジップロックに小分けして残り3食分はアルファ米とした。これにマヨネーズ、スキムミルクなどを足して約3㎏に抑えた。あとは、出発前夜、大阪でウィスキーを調達してペット容器に詰め替えてと・・・・
11年目の3.11、こうまで連日のようなウクライナで起きているロシアの手になる不条理なまでの暴力を映像で見せつけられていると、「地震>雷>火事>親父」ではなく、ヒトによって引き起こされる「戦争」こそ、ヒトのみならずあらゆる生命への脅威の最たるものであると理解できる。
今日は、血圧の薬をもらいに行きつけのクリニックを訪問したが、医師に「体調に変わったことがないですか」と聞かれたので「ウクライナ症候群で、TVを見続け、酒量が増し、運動不足にもなっているんです」と答えたら、医師は端末のオイラのカルテに真面目に「ウクライナ」と書きつけた。
そこから問診はそっちのけで、話題はウクライナの医療チームの献身的行動についての話になった。「ウクライナの医師や看護師は避難など考えず患者に寄り添っているのはスゴイですね」と言ったら、医師は、3.11や神戸の震災に全国のみならずイスラエルなど世界中の医療スタッフが駆けつけたことや、遡っては仙台大空襲の時も東北大の医師たちは懸命に働いたことなんかを、とくとくと話し続けた。たしかに、有事の際の医療関係者の献身的行為に光るものがあると思って「エライですわ、お医者さんや看護婦さんたち」と話したら、医師も脇に立つ看護婦さんもご機嫌そうだった。やっと問診に入って、こないだの血液検査結果を告げられたが「努力した結果、血糖値は正常値になった」とほめてくれた。
青葉の山や麓の道端は、一昨日あたりから気温上昇に呼応するように、地中から新しい命の芽吹きが爆発的なスピードで進んでおり、目を凝らせば灯りをともしたようなピンク色の花たちも顔をのぞかせはじめた。
色彩の乏しい枯れ葉色の林床からマキノスミレのピンクの花弁、道端のヒメオドリコソウのピンクの花弁、3.11の瓦礫の中から、ウクライナの瓦礫の中から、また萌えいずる命の色合いがお日様に顔をのぞかせることだろう。祈らずにはいられない。
青葉の森のマキノスミレさん
広瀬川河畔のヒメオドリコソウさん
1か月ほど前から行きつけのコンビニの缶詰陳列棚に「鯨 大和煮」の缶詰が置かれていたのが気になっていた。3個ばかり並んでいた。コンビニには珍しいなと思った。
鯨の缶詰には目がないのだが、あたりまえだが、ちょっとお高いので「あとで」と言って手をささないでいたが、こないだこのコンビニを訪ねたら1個しか残っていなかったので、あわてて手を出した。120g程度の小さな缶
缶詰の説明書きをよく見ると、同じ商品でも日本産、ノルウェー産、アイスランド産があり、買った缶詰は日本産だった。また鯨の種類も複数、すなわちミンククジラ、イワシクジラ、ニタリクジラ、ナガスクジラ、ヒゲクジラ混合などがあり、買った缶詰はニタリクジラだった。
上にあげたクジラは、「ヒゲクジラ」のなかまだというが、伝統捕鯨国の日本人がこれらのクジラの種類や食味について知識ある者が何人いるだろう。
とにかく、買った缶詰は、2019年に日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退して、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)で日本の捕鯨船が捕獲したニタリクジラということらしい。現在、年間150頭に捕獲制限されているというクジラだ。
ニタリクジラがどういうクジラか知らないが、けさ、愛用の小型土鍋で100gの無洗米を炊いて、買ってきたニタリクジラの大和煮をすべてのっけていただいた。十分な分量であり、懐かしいクジラのゴワゴワとした食感を味わった。(若い方々は、硬く臭いのでイヤというかもしれない。)
ニタリクジラは、昔のクジラのままでそん色はなかったが、昔のクジラは南氷洋で捕獲した大型のシロナガスクジラだったか、脂がのっていて缶詰を開けるとゼラチンがたっぷりと入っていてその膠質の食感も好きであったが、日本産のニタリクジラは筋肉質なのだろうか、ほとんどゼラチンのブヨブヨは味わえなかったのが、少し残念だった。100g中119kcal、タンパク質17.1gとあり、むしろヘルシーな缶詰と位置付けたい。
オイラのように「鯨の大和煮」を歓んでいるヒトたちは、どんどん減っているのかもしれない。現在の商業捕鯨は、需要が伸びず国からの補助金で耐え忍んでいるのだという。
お刺身、ベーコン、鯨カツ、竜田揚げ、給食カレー、なつかしい食の思い出だが、思い出に慕っている者だけの需要では、そのうち「鯨の大和煮」も店頭に見つけられない時がやってくるのかもしれない。さみしい。
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2019年に