しろつめ・楚々・くちかずこ姫のお部屋 goo

安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

背中

2009年12月11日 21時09分00秒 | インポート
昨日は、くちこんちのシャドーボックス教室でした。
定員6人、で、出席者六人。

その中の一人が○○さん、78歳。
数年前、癌を発症。
手術、その他の治療・・・
再発、再手術、再発、新治療、再発、転移、転移・・・

痛みと闘い、夜も眠れなくても、
彼女は、お教室にやってくる。
杖をつくようになり・・・
這うようにしてでも・・・ね。

「そろそろ、麻薬を使うタイミングだよ」
微力ながら、現在の医療と緩和の考えについて説明した。

おかげで、
驚く程元気になり、笑顔!
スイスイ立ったり座ったりする彼女。
「もっと早く、何故くれなかったのか、医者を殴りたい気分!」と。
みんなが、安堵の笑顔*(笑顔)*

いくつかの季節が巡り、麻薬も増えた。
突出する痛みには別の特効薬で対応。

それは、彼女が彼女らしく人生を最後まで楽しむ為の魔法の薬*(クローバー)*

よくもった・・・と思う。
癌末期でありながら、あれほど長い間、彼女を自宅においてくれた麻薬・・・
笑顔を取り戻してくれた有り難い薬・・・

が、もうさすがに。
前回は、お教室中に、コトンと眠ってしまった。
誰も起こさない。
「せっかく、眠れたのだから。」
「今だけは、忘れられているのだから。」
でも、しばらくしたら起きて、作品を作り始めた。
是非、完成させたいからと。

「う・う・う・・・」
「頑張れ、頑張れ、頑張れ!」
と、彼女。
夜中に一人でも、自分に頑張れと言って、励ましているのだと・・・

そして、昨日。
よろよろ登場。
座って、5,6分位、ずっと・・・
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無・・・・・・・・・・・・」
もう、しんどくて、何も手につかない様子。
バタンとテーブルに伏してしまう。
側で、見ているから、代わりに仕上げて欲しい・・・と。
くちこ、頑張る!
顔を横に向けて、細い目で、くちこの手元を見ている。
で、時々、口出しする。

それでも、みんなと、コーヒーを飲んで、おかきを食べた。

完成*(びっくり2)*
皆の絶賛*(ドキュン)*
クリスマスに間に合ったね*(チョキ)*

彼女の口から、
「アーメン!」

皆、爆笑!
「さっきまで、南無阿弥陀仏だったくせに!」
くちこに叱られて、嬉しそうに笑っている。

お嫁さんのお迎え・・・
みんなに挨拶、
「来週は、お休みします。一月は、調子がよくなったら、また来ます。」
と・・・・・・・

玄関から、その小さな背中を最後まで見送りました。

photo by kazukomtng from OCNフォトフレンド

彼女の作品、素敵でしょ?
コメント
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