しろつめ・楚々・くちかずこ姫のお部屋 goo

安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

奇跡は・・・

2010年01月13日 12時09分00秒 | 健康・病気

コードブルー・ドクターヘリⅡ始まりましたねえ。
第一回で、何度も出たセリフ
「医療の現場に奇跡はない。」
いつも、結構勉強になるなあって、みているんだけれど、
この言葉は、ちょっと・・・

だって、
医療の現場は理論が全てではない。
知識は当然必要。
理論的な思考も必須。

でも、
人智から離れたところで流れが起こることもある。
これは、くちこ的事実。

その例をあげるときりがないのだけれど・・・
例えば・・・

いつかの高齢出産。
ほんの数分で急変。
理屈抜きで、猛烈に悪い予感。
昼行灯的ドクターの背中を突き飛ばすが如くに、緊急性を強調!
後、秒単位に激烈悪化

搬送しても間に合わない。
今からここで手術をしても・・・
しかも人手もない。
もう、無理なのか・・・

胎児はかろうじて、ほんの気持ちほど心臓を動かしている。
もう、一分後の保障もできない。

で、
大きな声では言えませんが・・・

素手のまま
当然、オペ着もなしで、
オペ台にも移さず、
なんと、皮膚麻酔だけで、
お腹を開き、子宮を開き、
既にダラリとなった胎児を出しました。

お母さんの体を固定する暇もなく、
もし痛みであばれても、それを押さえる人手はない。
お母さんは、声一つあげず、指一本動かしませんでした。
そして、ベビーの蘇生を急ぐので、お腹は開いたまま・・・

くちこは電話機に走り、救急病院の小児科に重症仮死、自呼吸なし、四肢緊張なしのベビーの受入を要請。
救急車も依頼。
「保育器付きでお願いします。」
返事、「保育器はありません。」
(以前はあったのに・・・・)

信じられないことに、9分後、自呼吸が出ました*(キラキラ)*
その血だらけで、かろうじて生きているベビーを湯たんぽと毛布にくるんで、くちこが抱いて救急車に乗りました。
1分でも1秒でも早く、小児科に渡したくて!

発車しません、救急車・・・何故?
「受入確認をしています。」
「言ったように、もう私がしています!」
「それでも、再度確認して発車するのが規則なので。なかなか電話が繋がらないのです。」
抱いているベビーが冷たくなっていくのが伝わって・・・
「絶対受け入れますから出てください

救急センターに着くと、
ストレッチャーの上にフル装備の保育器がセットされていて、
小児科医が三人、足踏み状態で待機していました。
ベビーを入れると、疾風のように小児病棟へ
必死で走って追いかけるくちこ・・・

他のスタッフは、オペの続きをしていました。

でね、
二人とも元気です
お母さんも、赤ちゃんも、
何の障害も残さず

翌日は何事もなかったかのように仕事をしましたが、
血だらけの受話器とプッシュボタンが、夢ではなかったことを教えてくれました。

だからね、
「医療の現場に・・・奇跡は・・・ある。」
と思うくちこです。

これをね、
くちこ語で言うと、
「生き運」と言います。

あ、まだ、くちこが臨床にいたころの昔話です。
でね、くちこは、看護師生活で、自分の勤務で、一人も亡くなっていないのですよ

  ご静聴、どうもです。

コメント
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