日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

誕生

2005年11月29日 | インポート
いつも夫婦で行くお菓子屋さんの若奥様の姿が、店先に見えませんでした。

一昨日にはその若奥様から、買った品物を手渡してもらいましたが、おなかが大きいなとは思っておりました。

今日、おかみさんが、「生まれたとよ。」と話されました。

臨月で、しかも出産の前日まで店先で仕事をしてらしたことになります。
強いなと思いました。

新しい命の誕生で、雲仙市愛野町の人口が、ひとり増えました。
非常におめでたい事だと思います。


自分たち夫婦が、そのような誕生の感動を最後に味わったのは、大阪に住んでいた20年前でした。

臨月の妻は、その前日に、かかりつけの産婦人科医院で診察してもらい、「あと1週間ぐらいは大丈夫」と言われて帰ってきておりました。

その日の夜中に陣痛がきて、午前3時頃、病院に連れて行くためにタクシー会社に電話をかけてみましたが、どこのタクシー会社も営業が終わっておりました。

仕方が無いので、歩いて20分ぐらいの所にあるかかりつけの産婦人科医院まで徒歩で連れて行きました。
連れて行ったといいましても、ほとんど妻が自力で歩いて、その産婦人科医院にたどり着きました。
強いなと思いました。

産婦人科医院に着いてから、1時間もせずに、無事に長男を出産しました。

アパートの部屋には、4歳と2歳の長女と二女を寝かせたままで出てきておりましたので、急いでアパートに帰ってみましたが、幸いにも二人とも何も知らずに、すやすやと眠っておりました。

子どもたちが目覚めてから、弟が生まれた事を話して聞かせ、前日の夕飯の残りのカレーライスを温めて朝食を済ませて、妻と長男のいる医院に連れて行き、感動の対面をしました。

その長男も、今年で20歳になりましたが、長男が生まれて1ヵ月ぐらいの時に、愛野町に住んでいた私の父親が病死しましたので、それから半年後に家族5人で生まれ故郷の愛野町に帰ってきました。

愛野町に帰って来て、紆余曲折のあった20年間ですが、家族が皆、健康で過せて平和な社会である事が何よりだと思います。

新しく生まれてくる命のためにも、この平和な社会が未来永劫続いて欲しいものだと思っております。


豊田かずき