日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

五十二分の三十

2006年05月08日 | インポート
昨日告示された長崎県南島原市議会議員選挙には、30名の定員の所に52名の立候補届出者があったとのこと。

深江町、布津町、有家町、西有家町、北有馬町、南有馬町、口之津町、加津佐町の8町が3月に合併して誕生した、人口5万人あまりの南島原市から、52名の人たちが市議会議員候補として名乗りを挙げられたという事は、すばらしい事だと思う。

旧町の町議会議員だった方々が多く立候補されたという事は、旧町の町議会議員として当選させてくれた支持者の方々に対して、筋を通すという事にもなると私は思う。

このような広域合併直後の選挙の時に、よくささやかれる話として、「もう少し旧各町で調整して、立候補者数を絞る事は出来なかったものだろうか」というのがある。

このような考え方を突き詰めていくと、究極として「無投票」によって市議会議員が決まってしまうという事にもなりかねない。

要するに、旧各町の有権者数に応じて、その票数で当選できる人数の立候補者を旧各町から送り出すというような調整をしたとすれば、結果として無投票で議員が決定されるという事につながる事もあり得る。
その様な事は、選挙における「談合」に等しい行為であると私は思う。

誰を議員として送り出すかを決めるのは、そのような一部の調整役のような人たちではなく、一票一票を投じる権利を有している、全ての住民でなければならないはずだ。

たとえどんなにに多くの人が立候補しようとも、その中の誰が市議会議員として適任者であるかは、個々の有権者が決めればよい事だ。

旧各町の町議会議員選挙の様に、一人や二人を落とすための選挙よりも、22人も落ちる選挙の方が、選ぶ側にとっては選択肢が多くなって好ましいと思う。
その多くの候補者の中から、過去の実績や主張している政策並びに人柄などを評価して、より良いと思える人を選べばよいだけの事だ。

52名の方々が、それぞれ30万円の供託金を払い込み、それぞれの思いを抱きながら立候補されたのであろうが、法律の定めの範囲の中での選挙戦を戦って欲しいと思う。

地域での選挙は、一時的ではあっても地域経済を活性化し、人の交流を活発にし、色々な話を聞く事が出来る。

五十二分の三十を目指して、立候補された皆さんに頑張って欲しいと思う。



豊田かずき