日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

高校生の顔

2013年04月20日 | インポート
通勤に使っているバス路線の途中にS工業高校があり、毎朝、登校している高校生の集団を、バスの窓から見せてもらっている。

40年以上前の自分にも、そのような頃があったのだなという想いで眺めながら、彼らの顔から一日の活力をいただいているような日々を過ごしている。

それぞれの個性が顔立ちに表れているように思えるが、彼らの頭の中にはきっと、将来の日本の産業の一翼を担うための知識が集積されつつあるのだろうなと思うと頼もしくさえ感じる。

停留所でバスを待っている大人の顔の表情と比べてみると、明らかに高校生の顔の表情の方が豊かで明るい。

大人の顔の方は、総じて無表情に近いように感じる。

これから何かの職業に就くための準備期間中の、将来に対する漠然とした期待と目標を持っているであろう若者の顔と、既に何等かの職業に就いている人たちの顔の表情の差なのかなと思いつつ眺めている。

自分の高校生の頃を思い出すと、楽しい毎日を過ごさせてもらっていたように思う。

自宅から島原鉄道の愛野駅まで、およそ5分の道のりを自転車で行き、そこからは島原鉄道のディーゼルカーに20分間乗って本諫早駅で下車。

それから徒歩15分か20分ぐらいで諫早農業高校に到着。

測量や応用力学や農業土木設計などの興味深い職業科目を楽しく学んでいた。

新しい事を知る事が嬉しかった。

国語や数学や物理などの一般科目の各教科の先生方も、進学校ではなかったので、大学受験のための授業というような雰囲気は全くなく、私たちが興味を示すように仕向けるような、結構面白い授業の進め方だった。

授業が終わればクラブ活動で汗を流し、年に数回だけ下校途中に、「よろや」の100円の学生ラーメンを、汁を一滴も残さないように食べて帰るという楽しみがあった。

今考えると、親の保護下にあって、親のおかげで学校に行く事ができたのだなと、農業や土方をやりながら自分たちを育ててくれた両親にただただ感謝するしかない。

自分が高校生だった頃から40年以上も経って、今、毎朝の高校生の顔の表情から、活力をいただいている日々を過ごしている。


豊田一喜







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