日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

入札結果の不思議

2007年10月06日 | インポート
最近、長崎県内の自治体で、公共事業の入札に際して、その最低制限価格が漏洩しているのではないかという事がそれぞれの議会で取り上げられている。

役所側のコメントは、「コンピュータの積算ソフトを使った積算のために、積算の精度が向上し、偶然最低制限価格と同額の入札額だったのだろう。」というのが定番のようになっている。


確かに、ある工事に対して、役所側の積算結果と業者側の積算結果に大きな開きがあれば、むしろその方がおかしい。

積算根拠となる数値は同一のもののはずだから、その積算総額も、役所側と業者側でほとんど同じ金額になろうということは理解できる。

もし仮に、役所側と業者側が同じ積算ソフトを使っているとすればなおさらのことだ。

しかし、それは満額の予定価格であって、入札の都度設定されるであろう最低制限価格の場合には状況が違ってくるはずだ。

最低制限価格は、満額の予定価格に対して、決められた範囲の中で、どの程度のパーセントにするかを、入札執行者が入札前にその都度決定しておくべきものだから、入札執行者以外は知り得ない。


その最低制限価格より低い金額で入札すれば、その入札業者はその入札に関しては失格となる。


そのような最低制限価格と同額の落札となれば、一般論として、その最低制限価格が漏洩しているのではないかと考えるのが妥当の様に私は思う。

洩らした本人は、「私が洩らしました」とは決して言わないだろうし、聞いた方は「◯◯さんから聞きました」とは絶対に言わないだろう。


入札制度の仕組み自体を改善しなければ、いつまでたっても同じような事の繰り返しは続く。



豊田かずき


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