16日(火) 曇り
Hさん(92年3月北高卒)が背の君と息子さんを連れて様子を見に来てくれました。
彼女は中国残留孤児2世で今は深圳(しんせん 広東省)の日系企業で働いています。一
年前に久しぶりに顔を見せてくれたときに今度はお連れ合いに会わせてくれると言っていた
のです。
一年がたって春節の休みということでお母さんのもとに帰ったのですが大切な日程の一日
を割いて川越まで来てくれました。お連れ合いは隋さんといい上海生まれの中国人です。日
本留学中に秋葉原で働いていたHさんとの出会いがあり、結婚に至ったそうです。日中貿
易会社を営んでいます。しっかりした日本語を話します。歳は少し上で、Hさんは心から
尊敬しています。
4歳になる男児はHさんのお母さんが育てています。だから今、一年ぶりに親子水入ら
ずの日々を送っているわけです。毎日、パソコン画面で語り合っているので親の顔を忘れる
などということはないそうです。
ここにもまた僕などには想像も及ばない家族の形があります。背後にはさまざまな事情や
考えがあることでしょう。
とはいってもいつまでもこういう生活を続けるわけにはいきません。二人のことですから
きっと心に期するものがあるに違いありません。
日中の間で生きる人々の可能性と苦悩に触れたような気がしました。老兵はただただお二
人の健闘を祈るばかりです。