今年は幸徳秋水が大逆事件で刑死して100年になります。故郷・中村(四万十市)では「秋水展」が開催されており、「大逆事件サミット」も予定されているようです。
●http://www.city.shimanto.lg.jp/syuusui/doc/panf/201109-1.pdf
高知のケンチャンやU原さんのブログで「大逆百年ノ孤独」という芝居が高知や中村で上演されたと知りました。
この劇の上演運動の中心になった方は島村三津夫というかたで室戸市の吉良川中学校の校長だったといいます。U原さんのブログにこうあります。
2011年04月14日 (出典)http://umecchi.seesaa.net/article/195839386.html
詩人校長の退職
昨年5月、劇団「北辰旅団の『大逆百年ノ孤独』公演を一緒に手伝った、島村三津夫さん(3月末 吉良川中校長で退職)から、『島村三津夫 第三詩集 蛇 』が届きました。
『大逆 百年ノ孤独』の上演は、もともと、作者の北野さんを知っていた島村さんが、「高知市でやるので、顔の広い、ウメちゃんに手伝ってほしい」と言ってきたことから始まりました。
結果的に高知市での上演が成功し、一回だけの上演ではおしいということで、この1月、「刑死百年」、秋水生誕地、土佐の中村での公演が実現しました。この演劇実現の功労者は島村さんです。
島村さんは室戸市三津の生まれ、大学卒業後、半年もユーラシアをさまよって、その後、教師になった「変わり種」。風貌は「漁協の組合長」みたいで、およそ、この人が詩を書いているなどとは、想像できません。どこから、あんなやさしいまなざしが出てくるのか?
社会科教師として、高知県東部で教師を続けましたし、馬路村にいる時は中江兆民が歩いて馬路村に入った紀行文をもとに、生徒たちと自転車で踏破。
馬路の「村おこし」の取り組みを中学社会科教科書に載せることにも力を貸してくれました。
また、作家、小田実とは「同志」で、家族ぐるみの交流でしたし、2人の結びつきは、かつて、高知新聞にも連載されました。
詩集に寄せられた手紙では6月からシベリアをカムチャッカまで行き、その後、バム鉄道でヨーロッパに入り、アフリカ、中近東と、残した旅を完成するようです。
カード 島村 三津夫
ふと訪れた母校の図書館で
「風と共に去りぬ」の読書カードに
私の名前が記されてあった
昭和四十年九月十二日
あれから三十余年
私がこの長編小説を
わくわくしながら
読み耽っている間に
みんなどこかへ行ってしまった
野球でバッテリーを組んだ
最愛の友は大阪で行方知れず
家計が苦しかったTは
十八歳の若さで自死した
私は本を返すから
みんなあの日に戻ってこないか
秋風と共に戻ってこないか
写真は『島村三津夫 第三詩集 蛇 』
(2011,3刊 ふたば工房)
吉良川中学校は父が最後に校長を務めた学校です。室戸の学校にこんな気骨のある先生がおられると言うのですからなにやら嬉しくなってしまいました。U原さんとは親しい間柄のようですからなおさらです。
出来ることなら芝居も見てみたいし、島村さんにはお会いして色々と教えてもらいたいものです。
三津の島村さんといえばぼくは島村泰吉先生を思い出します。「室戸市史」を編集された方で父の白寿の祝いなどに来てくださったのです。三津夫さんはもしかしたら泰吉先生の‥?などと勝手に想像をめぐらしています。
世界を巡る旅からそろそろ帰られたのでしょうか。
ケンチャンのブログに貼り付けてあった島村さんの「上演のご案内」です。出典●http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-cb6e.html