これは経済学の本だと思って読むと裏切られます。
実際経済の数式などは出てきませんし翻訳くささを除けば、いたって読みやすいのです。分析してある題材もユニークです。
例えば「学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?」では日本の相撲の勝敗を統計処理して、八百長があると結論しています。7勝7敗の力士が千秋楽で8勝6敗の力士とあたって勝つ確率は79.6%、そしてこの7勝7敗の力士が次の場所で同じ相手に当たった時の勝率は40%、明らかに星の貸し借りがあったと推測されるのです。
アメリカの犯罪率が近年ぐんぐん落ちているのは1973年の妊娠中絶合法化の影響で、警官の増員でも、画期的な取締りの効果でも、好景気の効果でもないなんて信じられますか。
「完璧な子育てとは?」では遺伝子だけで子供の性格や能力の大体50%が決まっているのだが残りの半分は何で決まるのだろうかを分析している。ここではアメリカの大規模な「初等教育の縦断的研究」を元に回帰分析を行っている。アメリカの事情を色濃く反映している部分もあるのだが、
試験の成績と相関している要因とは
・親の教育水準が高い
・親の社会・経済的地位が高い
・母親は最初の子供を生んだ時30歳以上だった。などなど
では試験の成績と相関していない要因は
・家族関係が保たれている
・最近より良い界隈に引っ越した
・その子が生まれてから幼稚園に入るまで母親は仕事に就かなかった
・親はその子をよく美術館に連れて行く
・テレビを良く見る
・ほとんど毎日親が本を読んでくれる。などなど
どうも試験の成績に相関するのは親がどんな人かということで、親が何をするかはあまり関係ないみたいなのです。あんなに本を読んでやっても子供の成績がだめなのもしょうがないということか。テレビばっか見ないで本を読めていったのは何なんだ。
教育論というのはともすると自らの経験の基づく固い信条を吐露するだけのきらいになるのですが、こういう実証研究はちょっと物事を客観的に考える大きな助けになると思います。でもどんなにデータを積まれても信じない人は信じないよな~。それでも地球は回るのだ。
ということで書評などでも良く取り上げられていたのですが、改めて是非一読あれ。(東洋経済新報社で1890円です)私は図書館で借りてきて読んだのですが、予約も特に入ってなくすぐ借りれました。
実際経済の数式などは出てきませんし翻訳くささを除けば、いたって読みやすいのです。分析してある題材もユニークです。
例えば「学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?」では日本の相撲の勝敗を統計処理して、八百長があると結論しています。7勝7敗の力士が千秋楽で8勝6敗の力士とあたって勝つ確率は79.6%、そしてこの7勝7敗の力士が次の場所で同じ相手に当たった時の勝率は40%、明らかに星の貸し借りがあったと推測されるのです。
アメリカの犯罪率が近年ぐんぐん落ちているのは1973年の妊娠中絶合法化の影響で、警官の増員でも、画期的な取締りの効果でも、好景気の効果でもないなんて信じられますか。
「完璧な子育てとは?」では遺伝子だけで子供の性格や能力の大体50%が決まっているのだが残りの半分は何で決まるのだろうかを分析している。ここではアメリカの大規模な「初等教育の縦断的研究」を元に回帰分析を行っている。アメリカの事情を色濃く反映している部分もあるのだが、
試験の成績と相関している要因とは
・親の教育水準が高い
・親の社会・経済的地位が高い
・母親は最初の子供を生んだ時30歳以上だった。などなど
では試験の成績と相関していない要因は
・家族関係が保たれている
・最近より良い界隈に引っ越した
・その子が生まれてから幼稚園に入るまで母親は仕事に就かなかった
・親はその子をよく美術館に連れて行く
・テレビを良く見る
・ほとんど毎日親が本を読んでくれる。などなど
どうも試験の成績に相関するのは親がどんな人かということで、親が何をするかはあまり関係ないみたいなのです。あんなに本を読んでやっても子供の成績がだめなのもしょうがないということか。テレビばっか見ないで本を読めていったのは何なんだ。
教育論というのはともすると自らの経験の基づく固い信条を吐露するだけのきらいになるのですが、こういう実証研究はちょっと物事を客観的に考える大きな助けになると思います。でもどんなにデータを積まれても信じない人は信じないよな~。それでも地球は回るのだ。
ということで書評などでも良く取り上げられていたのですが、改めて是非一読あれ。(東洋経済新報社で1890円です)私は図書館で借りてきて読んだのですが、予約も特に入ってなくすぐ借りれました。