「デフレの正体」の著者の藻谷浩介とNHKと共同で番組を作ったのですが、それを新書にしたものです。
土曜日の18時からテレビ朝日で「人生の楽園」という番組をやっている。
ほとんどが都会暮らしから定年前後に田舎に引っ越してきて都会では味わうことの出来ない充実した生活を送っていることを紹介しています。
日本の里山は豊かで、うまく活用すれば年金だけでも十分生活できる。だからほとんど趣味のような仕事をして楽しんでいる。この本はそういう生活を「里山資本主義」として「マネー資本主義」へのアンチテーゼとしています。「マネー資本主義」の経済システムの横にお金に依存しないサブシステムを構築していく、これこそがこれからの日本経済の生きる道だと。
最初に紹介しているのが中国山地の山あいにある岡山県真庭市。人口は5万人でその面積の8割は山林です。
ここの「銘建工業」という会社、西日本最大規模の製材業者です。当然木くずが出る。これを利用してバイオマス発電を導入し、使用する電気をほぼ100%自給し、かつ売電までしている。発電だけでは使い切れない木くずは木質ペッレトにして販売している。真庭市内では補助金が出ることもあってペレットボイラーが急速に普及しているとか。
原料の木材は豊富で、原油の価格変動に悩まされることもない。山を中心に再びお金が回り、真庭市に雇用と所得が生まれる。
もうひとつ、広島県の最北部の庄原市。裏山の木の枝を拾って燃料とする「エコストーブ」。ペール間にステンレスの煙突がついているだけで5~6000円で自作できる。これでご飯を炊けば美味しい。「里山を食い物」にするのだ。荒れ放題になった里山から放置されてきた資源に光を当ていかに財布を使わずに楽しい暮らしをするか、田舎暮らしは豊かなのです。
この里山資本主義、実は海外にモデルといえる国があった。オーストリアです。
人口1千万人に満たないこの小国は、木を徹底駅に活かした経済運営をしている。天然ガスも石油も持たないこの国は林業が最先端の産業に生まれ変わり、独自技術を持ち雇用を生み出し、森林を維持しながら再生可能な安定的収益をもたらしている。地域経済が林業を中心に回るようになってきている。ここでは木造高層建築も普及しだしてきている。
これから高齢化が進み、人口が減り、都市部ではますます無縁社会化が進んでいる中で、里山資本主義によって社会の不安、不満、不信に決別することが出来る。
里山資本主義の普及によって健康寿命は伸び、金銭換算できない価値を生み、明るい高齢化社会を生み出すことが出来る。
とかく暗くなりがちな日本経済の未来ですが、この本は日本の高齢化、地方の過疎化を逆手に取った展望を示しています。この本を読むと気分が明るくなるのですが、そんなにうまく行くかいなという気持ちも半分です。実際うちのカミさんの実家は鹿やイノシシの出る中山間地(一応岡崎市内です)なのですが、住む人もどんどん減り、実家も空き家で放置してあります。私がこの本に触発されて農業をやったり林業をやったりというのもまったく無理ですし、地域にそんな担い手もいないみたいです。真庭市とか庄原市の成功モデルがもっともっと広まり、地域にリーダーが何人か出てこないとなかなか進まないのではとはと思うのは「マネー資本主義」に染まった都会人の僻み?
テレビ朝日の人生の楽園を毎回見ている人は是非読むといいでしょうね。
土曜日の18時からテレビ朝日で「人生の楽園」という番組をやっている。
ほとんどが都会暮らしから定年前後に田舎に引っ越してきて都会では味わうことの出来ない充実した生活を送っていることを紹介しています。
日本の里山は豊かで、うまく活用すれば年金だけでも十分生活できる。だからほとんど趣味のような仕事をして楽しんでいる。この本はそういう生活を「里山資本主義」として「マネー資本主義」へのアンチテーゼとしています。「マネー資本主義」の経済システムの横にお金に依存しないサブシステムを構築していく、これこそがこれからの日本経済の生きる道だと。
最初に紹介しているのが中国山地の山あいにある岡山県真庭市。人口は5万人でその面積の8割は山林です。
ここの「銘建工業」という会社、西日本最大規模の製材業者です。当然木くずが出る。これを利用してバイオマス発電を導入し、使用する電気をほぼ100%自給し、かつ売電までしている。発電だけでは使い切れない木くずは木質ペッレトにして販売している。真庭市内では補助金が出ることもあってペレットボイラーが急速に普及しているとか。
原料の木材は豊富で、原油の価格変動に悩まされることもない。山を中心に再びお金が回り、真庭市に雇用と所得が生まれる。
もうひとつ、広島県の最北部の庄原市。裏山の木の枝を拾って燃料とする「エコストーブ」。ペール間にステンレスの煙突がついているだけで5~6000円で自作できる。これでご飯を炊けば美味しい。「里山を食い物」にするのだ。荒れ放題になった里山から放置されてきた資源に光を当ていかに財布を使わずに楽しい暮らしをするか、田舎暮らしは豊かなのです。
この里山資本主義、実は海外にモデルといえる国があった。オーストリアです。
人口1千万人に満たないこの小国は、木を徹底駅に活かした経済運営をしている。天然ガスも石油も持たないこの国は林業が最先端の産業に生まれ変わり、独自技術を持ち雇用を生み出し、森林を維持しながら再生可能な安定的収益をもたらしている。地域経済が林業を中心に回るようになってきている。ここでは木造高層建築も普及しだしてきている。
これから高齢化が進み、人口が減り、都市部ではますます無縁社会化が進んでいる中で、里山資本主義によって社会の不安、不満、不信に決別することが出来る。
里山資本主義の普及によって健康寿命は伸び、金銭換算できない価値を生み、明るい高齢化社会を生み出すことが出来る。
とかく暗くなりがちな日本経済の未来ですが、この本は日本の高齢化、地方の過疎化を逆手に取った展望を示しています。この本を読むと気分が明るくなるのですが、そんなにうまく行くかいなという気持ちも半分です。実際うちのカミさんの実家は鹿やイノシシの出る中山間地(一応岡崎市内です)なのですが、住む人もどんどん減り、実家も空き家で放置してあります。私がこの本に触発されて農業をやったり林業をやったりというのもまったく無理ですし、地域にそんな担い手もいないみたいです。真庭市とか庄原市の成功モデルがもっともっと広まり、地域にリーダーが何人か出てこないとなかなか進まないのではとはと思うのは「マネー資本主義」に染まった都会人の僻み?
テレビ朝日の人生の楽園を毎回見ている人は是非読むといいでしょうね。