今の日本の子どもたちが「妖怪」というものに親しんでいる最大の功労者は水木しげるです。柳田国男をはじめとした民俗学が掘り起こしてきた民話の中の「あやかし」の世界を、漫画というツールで日本全国の子どもたちに送り届けました。水木さんがいなければ日本に妖怪ブームなどというものは起きえなかった。子泣き爺も砂かけ婆もぬりかべも一反もめんも誰にも知られていなかったと思います。
水木さんは今年生誕100年だそうでBSとかで過去の番組が再放送されていました。見ていて改めて先人のすごさを感じ入ります。
でも水木さんの漫画は少年向けのものだけでなく自らの戦争体験を描いた「総員玉砕せよ」とかにも素晴らしいものがあります。
戦争に対する鬱積した思いがあるのでしょう。
そんな思いの集大成なのか「昭和史」という関東大震災から高度成長後までの全8巻になる漫画を描いています。
コミックと言えども全8巻なので、これは暑い時にエアコンの効いた部屋で毎週1巻づつ読んでいけば、いい消夏法になると早速図書館に予約して借りてきました。
今第2巻を読んだところですが、ねずみ男を狂言回しに、水木さんの生い立ちと昭和の歴史が交互に描かれています。
水木さんの半生についてはコミックだけでなく「ねぼけ人生」とかの自伝も読んでいて、脚色もあるでしょうけどドラマ「のんのん婆とおれ」とか奥様の視点で描かれていた朝ドラ「ゲゲゲの女房」にもなっているので私的には結構よく知っているおなじみな半生です。一方の昭和の歴史については思いのほか本格的です。だいぶ調べた上なんでしょうけど、私自身軍内部の統制派と皇道派の抗争とか、5・15事件、2・26事件に先立つクーデター計画の3月事件とか10月事件などはほとんど知らないことでした。十分読み応えあり大人の読み物となっていて年老いてすべてが忘却の彼方に行きかけている私の脳にもいい刺激になっています。
それにしても水木さんは背景の細部の描写も含めて、非常に細かく丁寧に描かれています。やっぱり天才なんですね。
1988年初版ですので水木さんが60歳過ぎてからの作品。いろいろな文献を調べてそれをきちんとまとめていくのは大変な覚悟と労力が必要だったのでしょうけど、自らの人生を振り返るとともに自分の体験した昭和という時代を自分なりにきちんと総括して、コミックという形で誰にでも読めるように後世に伝えておきたかったのでしょう。
名古屋市の図書館では鶴舞中央にしかなくて、1巻を借りると次を予約してとなるので、全8巻を読み終わるまでにはしばらく時間をつぶせます。
水木さんは今年生誕100年だそうでBSとかで過去の番組が再放送されていました。見ていて改めて先人のすごさを感じ入ります。
でも水木さんの漫画は少年向けのものだけでなく自らの戦争体験を描いた「総員玉砕せよ」とかにも素晴らしいものがあります。
戦争に対する鬱積した思いがあるのでしょう。
そんな思いの集大成なのか「昭和史」という関東大震災から高度成長後までの全8巻になる漫画を描いています。
コミックと言えども全8巻なので、これは暑い時にエアコンの効いた部屋で毎週1巻づつ読んでいけば、いい消夏法になると早速図書館に予約して借りてきました。
今第2巻を読んだところですが、ねずみ男を狂言回しに、水木さんの生い立ちと昭和の歴史が交互に描かれています。
水木さんの半生についてはコミックだけでなく「ねぼけ人生」とかの自伝も読んでいて、脚色もあるでしょうけどドラマ「のんのん婆とおれ」とか奥様の視点で描かれていた朝ドラ「ゲゲゲの女房」にもなっているので私的には結構よく知っているおなじみな半生です。一方の昭和の歴史については思いのほか本格的です。だいぶ調べた上なんでしょうけど、私自身軍内部の統制派と皇道派の抗争とか、5・15事件、2・26事件に先立つクーデター計画の3月事件とか10月事件などはほとんど知らないことでした。十分読み応えあり大人の読み物となっていて年老いてすべてが忘却の彼方に行きかけている私の脳にもいい刺激になっています。
それにしても水木さんは背景の細部の描写も含めて、非常に細かく丁寧に描かれています。やっぱり天才なんですね。
1988年初版ですので水木さんが60歳過ぎてからの作品。いろいろな文献を調べてそれをきちんとまとめていくのは大変な覚悟と労力が必要だったのでしょうけど、自らの人生を振り返るとともに自分の体験した昭和という時代を自分なりにきちんと総括して、コミックという形で誰にでも読めるように後世に伝えておきたかったのでしょう。
名古屋市の図書館では鶴舞中央にしかなくて、1巻を借りると次を予約してとなるので、全8巻を読み終わるまでにはしばらく時間をつぶせます。