怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

田原総一朗「堂々と老いる」

2022-07-29 07:28:55 | 
2021年のこの本執筆時、田原総一朗さんは87歳。
そろそろ「老い」について何か書いたらどうかと言うことで、今までの人生を振り返りつつ、今現在の老いの生き方を結構赤裸々に書いています。

田原さんは酒もたばこもやらなくて食べることにもあまり興味なし。肉は食べなくて好きなものしか食べようとしない。甘い物好きです。
朝食は自分で作るのですがルーティンで、30年以上トーストと目玉焼きとちぎったレタス、ヨーグルトにリンゴジュース、牛乳に果物とか。朝食にしては結構食べていますよね。
昼食は近所の中華レストランで肉を入れないあっさりした中華丼。
夕食は誰かと一緒に食べる外食が多いみたいですが、ほぼ和食か寿司。魚は脂が強いのはだめで白身魚の煮るか焼いたものばかりとか。
もともと病弱で十二指腸潰瘍とか原因不明の消化器が機能しなくなる大病もしている。
テレビ東京を辞めて(著作が電通の逆鱗に触れたとか)フリーになった時には、自律神経失調症になっている。確か椎名誠も会社を辞めてフリーになった時には重圧で体調を崩していたと読んだことがあるが、所属している企業を辞めて一人でやっていくということは将来のことなども考えてしまい意識するにせよしないにせよプレッシャーは相当心身を苛んでいるものです。還暦の頃には鬱状態になり、他にも腸壁が破れて出血したり、便秘になったりと消化器系には結構問題を抱えながら、主治医の相談をしながらなんとかしのいでいる生活です。
ところで田原さんは最初の奥様も再婚した奥様も乳がんで亡くしている。再婚した奥様は日本テレビのアナウンサーだった方で長く不倫関係にあったそうですが、再婚後は炊事洗濯などは一切やらせずに家政婦任せで、奥様は仕事のパートナーとしてもっぱらマネージャー兼アドバイザーみたいな役に専念してもらっていたとか。それだけ頼り切っていた面があって、亡くなった時には抜け殻のようになってしまい中々立ち直れなかったそうで、納骨もできずに3年間手元に置いていたそうです。今でも一部は手元に置いているとか。乗り越えることが出来たのはやっぱり仕事があったから。
それでも70歳を過ぎてから憧れていた同級生と再会して、以来月に1回ほど食事デートしているそうで、茶飲み友達の域を超え、まだまだ色気は失っていません。
なんだかんだと言って87歳になっても田原さんが現役で頑張ってこれたのも、基本は人と会い議論することが好きで、それがうまく仕事と結びついていること。仕事大好きで面白いと思ているから疲れなど感じない。多分暇で時間を持て余したら体調を悪くするタイプでしょう。もちろん現役ジャーナリストとしての仕事の成果はきちんと水準以上のものを出している才能があり、それが社会の中で市場価値があるからですけど、自分はこうやって生活していると言われてもマネできる人はいないし、あまり参考にはできないのでは。まあ、高齢者は歯が大事、生活リズムを整え、過度なストレッチはしないでウオーキングがいいとか湯船にちゃんとつかるとか、そんなことは人それぞれの自分に合った方法を試行錯誤すべきで田原さんに言われてもね…
定年で仕事を引退しても社会とつながりを持ち、好奇心を持って面白そうな誘いは断らない。実際に田原さんの弟がしているような地域ボランティアをやるのもいいと言われても、今の仕事が面白くて仕方ない本人は引退を決意することはないだろうと言っているし、たとえ仕事がなくなっても多分そんなボランティアは馬鹿らしくてやろうとしないでしょう。
信頼できる主治医をもって何でも話せる関係を構築するということは一般大衆にはハードルが高く思われます。せいぜい近所の出来るだけ相性がよさそうな医者を信じるしかないぐらいですけど。
田原さんとしては終活などは一切関心なく、「朝まで生テレビ!」の本番中に田原さん静かになったなあとよく見てみたら死んでいたというのが理想だそうで、死ぬまで現役で楽しく生きたいそうです。
それでも歳とともに知力記憶力体力の衰えを感じるのは致し方なく、もういつ死んでもいい歳なので、毎日朝起きると3人の娘に安否確認の電話を入れ、寝る前にも電話するそうです。
倒れるまでいつまでも元気で現役を貫いてほしいものですが、こんなに自分の生きざまを語るようになったのも、人生の総括がそろそろ迫ってきたと感じたからか…
自分の老いの参考にはなかなかならないのですが、田原さんへのゴシップ的な興味は準分満足させられました。
あとがきに書いているのですけど田原さんが死ぬまで訴え続けようと決めていることが3つあるそうで
1;言論の自由を守ること
2:政治に緊張感が生まれるように、野党を強くすること
3:日本を絶対に戦争をしない国にすること
どうか、これからもしつこく訴え続けてください。頑張って!
コメント
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