全く残念ことに2019年9月に59歳という若さで夭折してしまったのですが、ぐっちーさんの投資銀行家としての実務を踏まえた金融、経済の見方には私などには全く分からなかった未知の視点が多くいつも参考にさせていただきました。
アエラにも毎週コラムを書いていたので、そこだけは毎週図書館でアエラを読みフォローしていたのですが、さみしい限りです。ご冥福をお祈りします。
そんなぐっちーさんの著書で2016年に出たこの本を図書館で見つけたので、もう一度借りて来て読んで、果たして6年たってその見通しは当たっていたのか検証してみることに。
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因みにこの本は出てしばらくしてから読んで、えらく感心してレビュー(2016年6月)しています。
で、今回読み直していたのですが、やっぱり感心するとともに、日本は総合力としては決して劣っていないと元気が出てきます。
失われた20年とかの議論でもその間にやるべきことをやっていて、一足早く高齢社会に突入した日本が、これからの世界各国の指針になる。
デフレで何が悪いという論も明快。デフレで生活破綻した労働者はいないのであって、給料が決まっていて貨幣価値が上がるのは賃上げと一緒。困るのは資本家=経営者であって、インフレ待望論などというのは資本家の論理。半世紀前ならば、どこに思想の根拠をおくかと言うことでしょうね。
為替ではここ最近悪い円安とかの議論が出てきましたが、ぐっちーさんはアベノミクスの前から通貨高でほろんだ国はなくて、通貨安で経済は破綻すると喝破。日本のように貿易依存度はあまり大きくなく、価格勝負ではなく品質勝負で輸出している国は、円高になっても相手国は輸入せざるを得ない。実際円安でも輸出量は増えていないし日本経済も復活していない。円安になれば売れるというような汎用品ではもはや日本は勝負できず、量から質へ転換し、品質の良い物は高くても売れる。輸出に使われる通貨は50%ドルですが、輸入に使われる通貨はドルが70%、円安は輸入のコストアップのデメリットの方が大きいみたいです。そもそもドルで日本経済を見てみると円安になるということは一国の経済規模が縮小し、労働者の賃金も強制的に切り下げていくこと。国内だけ見て企業利益が名目増えたとか言ってもドルで見れば変わらない。世界に進出している日本企業にとってはどうなんだろう。
円ドル相場はあくまで「相場」であって魑魅魍魎の闊歩する中でいろいろな思惑で売り買いされている。相場であるので上下20%くらいの振れはある。相場に一喜一憂して騒ぐことない姿勢が肝要。貿易当事者としては相場の大きな変動は好ましくないので出来るだけ安定させたところですが、その手段は限られている。相場という性質上相場を調整して水準の維持は無理みたいです。
ところでいろいろ言ってもアメリカは人口動態で見ると若年層が多く、ここしばらくは生産年齢人口も増えるばかり。そのアメリカと日本は蜜月関係(属国ともいわrているけど)で、今のところ世界最強のタッグ。アメリカ経済を見るうえで重視すべき指標は新規住宅着工件数。ほかにチェックすべきは全米総走行距離とか。株価はその時々の思惑で変わるのであまりあてにならないけど、30年国債の利率を見てみれば景気のバロメーターになる。ところが日本は日銀の前例のない金融緩和で金利がほぼゼロに張り付いていて指標にならなくなっている。
GPIFの運用で国内株式を買っているのだが、市場の出来高と比べて運用額があまりにも大きいので、もし売るとなれば市場が大混乱になるので売るに売れない。実務を知らない大学教授の提言は出口戦略が考えられていない。加えて今では日銀まで株式を購入していて、これまた売るに売れない。まあ、エミイ・ユルマズの言うように日本株が30万円になるのであれば問題はないのだが。
「企業業績・株価」と「マクロ経済」は必ずしも一緒に動かないし、「グーグルにせよアマゾンにせよ、アップルにせよ、ちょっとした思惑で市場が上下しやすく、技術革新のスピードが速い業界の株は絶対やめた方がいい」そうで日本株で言えば楽天やソフトバンクは世界レベルでの競争に勝てるかと言うことであまり将来性がないというような株式投資のヒントとかもたくさんあって、今読んでも十分読み応えあります。自分の投資経験にはあまり活かしていないのが残念ですけど。
というか円安が問題になっている今こそ読むべきかもしれません。改めて勉強になりました。それにしてもこういう時にこそぐっちーさんの意見を聞きたいのに残念です。
アエラにも毎週コラムを書いていたので、そこだけは毎週図書館でアエラを読みフォローしていたのですが、さみしい限りです。ご冥福をお祈りします。
そんなぐっちーさんの著書で2016年に出たこの本を図書館で見つけたので、もう一度借りて来て読んで、果たして6年たってその見通しは当たっていたのか検証してみることに。

因みにこの本は出てしばらくしてから読んで、えらく感心してレビュー(2016年6月)しています。
で、今回読み直していたのですが、やっぱり感心するとともに、日本は総合力としては決して劣っていないと元気が出てきます。
失われた20年とかの議論でもその間にやるべきことをやっていて、一足早く高齢社会に突入した日本が、これからの世界各国の指針になる。
デフレで何が悪いという論も明快。デフレで生活破綻した労働者はいないのであって、給料が決まっていて貨幣価値が上がるのは賃上げと一緒。困るのは資本家=経営者であって、インフレ待望論などというのは資本家の論理。半世紀前ならば、どこに思想の根拠をおくかと言うことでしょうね。
為替ではここ最近悪い円安とかの議論が出てきましたが、ぐっちーさんはアベノミクスの前から通貨高でほろんだ国はなくて、通貨安で経済は破綻すると喝破。日本のように貿易依存度はあまり大きくなく、価格勝負ではなく品質勝負で輸出している国は、円高になっても相手国は輸入せざるを得ない。実際円安でも輸出量は増えていないし日本経済も復活していない。円安になれば売れるというような汎用品ではもはや日本は勝負できず、量から質へ転換し、品質の良い物は高くても売れる。輸出に使われる通貨は50%ドルですが、輸入に使われる通貨はドルが70%、円安は輸入のコストアップのデメリットの方が大きいみたいです。そもそもドルで日本経済を見てみると円安になるということは一国の経済規模が縮小し、労働者の賃金も強制的に切り下げていくこと。国内だけ見て企業利益が名目増えたとか言ってもドルで見れば変わらない。世界に進出している日本企業にとってはどうなんだろう。
円ドル相場はあくまで「相場」であって魑魅魍魎の闊歩する中でいろいろな思惑で売り買いされている。相場であるので上下20%くらいの振れはある。相場に一喜一憂して騒ぐことない姿勢が肝要。貿易当事者としては相場の大きな変動は好ましくないので出来るだけ安定させたところですが、その手段は限られている。相場という性質上相場を調整して水準の維持は無理みたいです。
ところでいろいろ言ってもアメリカは人口動態で見ると若年層が多く、ここしばらくは生産年齢人口も増えるばかり。そのアメリカと日本は蜜月関係(属国ともいわrているけど)で、今のところ世界最強のタッグ。アメリカ経済を見るうえで重視すべき指標は新規住宅着工件数。ほかにチェックすべきは全米総走行距離とか。株価はその時々の思惑で変わるのであまりあてにならないけど、30年国債の利率を見てみれば景気のバロメーターになる。ところが日本は日銀の前例のない金融緩和で金利がほぼゼロに張り付いていて指標にならなくなっている。
GPIFの運用で国内株式を買っているのだが、市場の出来高と比べて運用額があまりにも大きいので、もし売るとなれば市場が大混乱になるので売るに売れない。実務を知らない大学教授の提言は出口戦略が考えられていない。加えて今では日銀まで株式を購入していて、これまた売るに売れない。まあ、エミイ・ユルマズの言うように日本株が30万円になるのであれば問題はないのだが。
「企業業績・株価」と「マクロ経済」は必ずしも一緒に動かないし、「グーグルにせよアマゾンにせよ、アップルにせよ、ちょっとした思惑で市場が上下しやすく、技術革新のスピードが速い業界の株は絶対やめた方がいい」そうで日本株で言えば楽天やソフトバンクは世界レベルでの競争に勝てるかと言うことであまり将来性がないというような株式投資のヒントとかもたくさんあって、今読んでも十分読み応えあります。自分の投資経験にはあまり活かしていないのが残念ですけど。
というか円安が問題になっている今こそ読むべきかもしれません。改めて勉強になりました。それにしてもこういう時にこそぐっちーさんの意見を聞きたいのに残念です。