ベルリンは2回目である。89年に壁が崩壊し、変貌の激しいベルリンを実感したいと思い訪れた。前回訪れたときは、東西ドイツにそれぞれあった美術館が整理されておらず、東側に位置する博物館島(世界遺産)の整地も未了、ブランデブルグ門にいたっては修復中で厚いクロスに覆われ見ることができなかった。
博物館島の旧ナショナルギャラリーは前回は閉館中であったが、改修も終わりとてもぜいたくなたたずまい。ドイツ印象派中心で恥ずかしながら知らない作家ばかりだったが、逆にドイツにおけるフランス印象派の影響の弱さと、しかしその豊かさと、そしてそれにもかかわらずナチス時代に迫害を受けたゆえ体系的には作品数も少ない19世紀頃のドイツ絵画の全貌に触れることができる。規模はそれほど大きくはないが、じっく見ることができる造りといい(小さなスペースなのに椅子も多い)、静かな空間に確かな作品群(ロマン主義的でもある)に触れられる環境でもある。
ベルリン中心地から列車で1時間、歩くこと30分で行くことができるのがザクセンハウゼン強制収容所跡である。こんな近郊にと驚くなかれ、20万人も収容されていた場所である。前回ベルリンを訪れたのはポーランドはアウシュビッツを訪れた後。ザクセンハウゼンはアウシュビッツのように当時の建物がそのまま残っているのは少ないが、その広大さに身震いする。ベルリン近郊であるし、そんなに遺していはいないだろうという浅はかさを破壊する広大さ。
人を殺すための工場がこれだけの土地を要したということ。そしてそれをいまだ遺しておこうとする言わば戦争責任を自覚した者の知恵。広大な土地に遺るものは少ないが、荒れ果て、無惨に野原と化した平原こそザクセンハウゼンで流された血、失われた命を像像することができるのかもしれない。
美術巡りとは少し離れたが、ベルリンは改修中の美術館も多いがやっぱり楽しい。ただ変貌が激しすぎて、美術館の改修期間、開館時間はきっちりと確かめて行った方がいい。そして、シャルロッテンブルグ宮殿は美術品はともかく、ガイド時間など不便なところもある。ヴェルサイユを真似たと言うが、ロシアはピョートル大帝のペテルゴフよりはかなり小規模。質実剛健のドイツらしいのだろうか。
博物館島の旧ナショナルギャラリーは前回は閉館中であったが、改修も終わりとてもぜいたくなたたずまい。ドイツ印象派中心で恥ずかしながら知らない作家ばかりだったが、逆にドイツにおけるフランス印象派の影響の弱さと、しかしその豊かさと、そしてそれにもかかわらずナチス時代に迫害を受けたゆえ体系的には作品数も少ない19世紀頃のドイツ絵画の全貌に触れることができる。規模はそれほど大きくはないが、じっく見ることができる造りといい(小さなスペースなのに椅子も多い)、静かな空間に確かな作品群(ロマン主義的でもある)に触れられる環境でもある。
ベルリン中心地から列車で1時間、歩くこと30分で行くことができるのがザクセンハウゼン強制収容所跡である。こんな近郊にと驚くなかれ、20万人も収容されていた場所である。前回ベルリンを訪れたのはポーランドはアウシュビッツを訪れた後。ザクセンハウゼンはアウシュビッツのように当時の建物がそのまま残っているのは少ないが、その広大さに身震いする。ベルリン近郊であるし、そんなに遺していはいないだろうという浅はかさを破壊する広大さ。
人を殺すための工場がこれだけの土地を要したということ。そしてそれをいまだ遺しておこうとする言わば戦争責任を自覚した者の知恵。広大な土地に遺るものは少ないが、荒れ果て、無惨に野原と化した平原こそザクセンハウゼンで流された血、失われた命を像像することができるのかもしれない。
美術巡りとは少し離れたが、ベルリンは改修中の美術館も多いがやっぱり楽しい。ただ変貌が激しすぎて、美術館の改修期間、開館時間はきっちりと確かめて行った方がいい。そして、シャルロッテンブルグ宮殿は美術品はともかく、ガイド時間など不便なところもある。ヴェルサイユを真似たと言うが、ロシアはピョートル大帝のペテルゴフよりはかなり小規模。質実剛健のドイツらしいのだろうか。