kenroのミニコミ

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アメリカ西海岸美術紀行2 サンフランシスコ②

2010-01-20 | 美術
リージョン・オブ・オーナー美術館は全米でも指折りのヨーロッパ美術の殿堂と言われ、確かに美術館前の庭園にロダンがいくつも並ぶは、バロックから、ロココ、ロマン主義、印象主義、ラファエル前派そして20世紀美術と満遍なく押さえているはで、アメリカでこれほど西洋美術にまみえるのも嬉しいなら、アメリカの富豪が美術に金を惜しまなかった証として記憶される美術館である。
ところでリージョン・オブ・オーナー(Legion of Honor )とはフランス語ではレジョンドヌール(勲章)(légion d'honneur)のことである。もともとはナポレオンが制定した国家功労者に与えられる最高勲章のことであり、パリにあったたいそう美しいパレスにその名が与えられた。そしてアメリカ人アルマ・スプレッケルズがそのパレスに感動し、実業家の夫とともにサンフランシスコのこの地にレプリカを建て、それが同じ名を冠した美術館として誕生したのである。そしてリージョン・オブ・オーナー美術館は古代から近代までの美術作品を、現代アートはデ・ヤング美術館というもともとは棲み分けもあったようであるが、見たところデ・ヤング美術館には近代美術も多く、かなりの規模である。
広大なゴールデン・ゲート・パーク公園にあるデ・ヤング美術館は外観からはそうは見えなかったがとてつもない広さである。特別展が「ツタンカーメンとファラオ展」をしており、あまり興味がわかなかったし、23.5ドルの入館料は高いなと思ったが、常設展がこれほど充実しておればあながち高いとは言えないかもしれない。展望台にも上がることができるのも楽しい。
なんといっても、デ・ヤング美術館には20世紀のアメリカの作家たちの作品がたくさん楽しめる。エドワード・ホッパーにアンドリュー・ワイエスなどの具象、ジョージア・オキーフのような象徴性の高い作品から、ジャクソン・ポロックやデ・クーニング、サム・フランシスなど抽象表現主義の作品群は圧巻である。
当初それほど広いとは思わなかったが、行っても行っても終わりがない。上階のオセアニア、南米、アメリカ先住民美術などは疲れてしまいパスした。このあたりは美術館というより博物館という趣である。
N.Y.はメトロポリタン美術館がセントラルパークの中心にあるように、このデ・ヤング美術館も緑にあふれた公園と共にたくさん楽しめる空間であると思う。
(デ・ヤング美術館そばの巨大な安全ピン)

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