ごっとさんのブログ

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24時間働き続けるアリ達

2017-02-27 10:41:19 | 自然
先日ビジネス関係のニュースを見ていたところ、タイトルのように24時間働き続けるアリという記事を見ました。

何かビジネスに関連する内容かと思いましたが、完全に科学に分類されるようなものでした。アリやハチのように社会性を持った昆虫は、よく人間社会と対比されたりしますがこれはアリの特性を述べたものでした。

働きアリは卵や幼虫などの脆弱なものと同居させると、本来の活動リズムをなくし24時間働き通しになることを東京大学や国立情報学研究所の研究グループが明らかにしました。
ヒトを含めた地球上のほぼすべての生物は体内時計を持っていますが、これは光などの環境要因の影響を受けやすく、子やほかの固体などの社会的な要因にも影響されることが知られていました。

アリをはじめとする社会性昆虫では、幼虫などはエサを取ったり病原菌から身を守ることのできない弱い存在ですが、こういった家族や仕事といった社会環境をアリがどの程度認識し、働き方や時間などをどう決めているかよく分からなかったようです。

私は子供のころこのアリの巣を観察しようとして、小さな水槽に土を入れ、その中にかなり多くのアリを入れて巣を作らせたことがありました。巣は作り始めたのですが水槽に接したところまでいかず、全く見えないのであきらめた記憶があります。アリの巣の中の動きを観察できれば、面白そうな気がしますが実際はかなり難しいようです。

この研究グループは、アリに卵・幼虫・蛹という異なる成長段階があることに注目して、沖縄産のトゲオオハリアリを用いて実験を行いました。働きアリの活動時間がどう変化するかを、動画とコンピュータ解析で自動的に個体の位置を取得する自動追尾システムを開発したようです。

これを用いて働きアリの活動量、活動時間を定量化することで調べました。その結果このアリはもともと昼行性なのに、卵や幼虫を世話する働きアリは24時間活動し続けるようになる一方で、蛹を世話する働きアリは昼間のみ活動性であることが明らかになりました。

今回の実験は、1匹のアリを1匹の幼虫とペアにするものでしたが、同研究グループは今後自動追尾システムを活用・発展させることで、さまざまな個体と仕事が混在する実際のコロニーに近い状況で、働きアリがどのように分担し時間と労力を割り振っているのかを調べる方針といいます。

今回のアリの結果自体はそれほど興味深いものではありませんが、多数のアリを識別して追尾するシステムは色々な研究に使用できる素晴らしいものと感じました。