喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

藤の花

2013-04-18 | ブログ
藤の花


 今年も咲いた、わが家の藤の花。
庭から塀を越え、道路に向けて垂れ下がっている。
まるでぶどうのような鈴なりの紫の花。
行き交う人の目を楽しませてくれる。



 両親は、この藤をこよなく愛しているようだ。
それはそのきれいさだけではなく、別に理由があるような気がする。

 私も覚えている。
わが家の母家が建てかえられたのは、私が5歳の頃。
幼心ながら、昔の古い家の記憶がわずかながら脳裏に残っている。

 あの時のものはすべて無くなってしまった。
そんな中、唯一残っているのがこの藤の花。
 昔は、赤い戸の玄関を入るとすぐ左手に像の足のような大きくて、
曲がった木があった。
「じゃまだな~」
と思いながらも、この季節になると紫色の花をたくさんぶら下げていた。
それがおもしろいのときれいなのと。
記憶に残っている。



 私が覚えているくらいだから、両親にとってはかけがえのない花のように思う。
だから家を建てかえたときも、塀にせりだし邪魔になるのだが切らずに残したのだろう。
 それも年月を重ねるごとに朽ちて元気がなくなってきた。
それでも毎年この時期に花を咲かせる。
今年も咲いたか。



 わずかな期間だが、昔の思い出もあわせて見ることができる。
今まさに見ごろをむかえている。

                 岬人(はなんちゅう)