喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

私たちの後輩へ ~ふるさとで生きるということ~ 2部

2014-02-20 | ブログ
 先月1月22日(水)、三崎中学校に19歳から26歳までの7人の若者たちが訪れ、
中学生や保護者のみなさんに熱く語ってくれた。
 聞いていて、心が熱くなるのを感じた。

 演題は、「私たちの後輩へ ~ふるさとで生きるということ~」

 まずは、それぞれの自己紹介。
中学時代の様子やなぜ今ふるさとで暮らすようになったかなど。

 たくさんの失敗談も飛びだす。
「中学時代は、何かつっぱることがかっこよく思えていました。」
「将来の目標は、まだ全然考えられていませんでした。」
「勉強は、あまりしませんでした。」

 そんな話を聞いて、中学生たちは似たところがある自分と重なる。
先輩たちの話に、一気に引きこまれていく。

 
「ふるさとで好きな場所はどこですか?」という中学生からの質問にもこたえる。
「友だちとよく行った伽藍山です。」
「夕日がきれいな赤灯台です。」
「もの思いにふけりたいときによく行ったムーンビーチ」



 そして山場に入る。
「これからの夢や目標は何ですか?」という質問に、
「結婚して、子どもがほしいです。」
「もっとたくさんの人に出会って、成長したいです。」
「お客さまの笑顔がたくさん見られるよう、仕事をがんばっていきたいです。」
「妻や子どもを守っていきたいです。」など

 中学生にとっては、先輩たちへの見方がどんどん変わっていく。
 夢や目標がなく自分に自信があまりなかった先輩たちが、
今こうしてたくさんの人の前で自分をさらけ出して話してくれている。
 昔に比べ、成長した自分があり、夢や目標をしっかりと持ってがんばっている先輩たち。
 そしてみなさんふるさとが大好き。
ふるさとで暮らしていることを大切にしている。
   
 シンポジウム終了後、中学生たちがいろいろな感想を述べている。

 ○ シンポジウムに参加して、いろいろな将来の選択肢が増えました。
勉強が苦手でも本当にやりたいことがあったら頑張れると言っていたので安心しました。
その言葉を言ってもらって嬉しかったです。
都会に出るのは少し怖いイメージがあったけど、外に出るといろんな人との出会いもたくさんあるんだなとも思いました。
そして地元のすごいところをよそに広めていくのもいいなと思いました。
 父さんの仕事を継ごうかなと思ったりもしてますが、好きなことをやるのが1番と言っていたのでそうしたいです。
皆さんの話はすごく心に残りました。今やっていることを一生懸命頑張りたいです。




○ 小林さんの「形として残る仕事」をしている喜びや、
「守りたい人がいるから頑張っている」という言葉が心に残っています。
僕もいつかそう言ってみたいです。



○ やりたい仕事を見つけていくのは大変だと思いますが、
自分にあった仕事を見つけるまでにやってきた努力はとてもすごいと思いました。
 清水さんが言っていた「感謝の言葉をもらったときに仕事のやりがいを感じる」
という言葉を聞いて、どんな仕事でもどこかで人と繋がっていると思うので、
感謝の言葉をもらうとやる気が出ると思います。



○ 僕の心が動いたのは、宇藤さんのエンジン交換が終わって、エンジンが動いたときに達成感があったということです。
僕も将来やり遂げてよかったと思える達成感のある仕事に就きたいです。
そして、三崎というふるさとを大事にして、三崎を知らない人に自慢できるようなふるさとにしてきたいです。



○ 今日阿部さんのスピーチを聞いて思ったことは、
阿部さんの中学校の時の気持ちが、私の今の気持ちと同じだということです。



○ 7人の中で同じ趣味の人がいました。片岡さんです。僕も釣りが大好きで自分用の竿が2~4本あります。もう一つはマラソンです。マラソンを走っていると楽しくなるからです。片岡さんと一緒に釣りやマラソンをしてみたいです。



○ 僕にはまだ夢がありません。でも、「農業を継ぐ」と決めた話は印象的でした。
その人はみかんを食べさせてもらって、そのみかんがとてもおいしくて印象に残っていたので農業を継ごうと決めたそうです。


    「ふるさと三崎が、大好きなかわいい笹山さん」

○ 私にはいくつかの夢があります。いろんなものに興味があり、いろんなことをして働いてみたいです。
そして、働いてある程度お金がたまったら、父と母にプレゼントを買ってあげたいです。
もしくは旅行に連れて行ってあげたいです。

○ 先輩方の話を聞いて思ったことがあります。1つ目は中学生の時の過ごし方で、この先の人生が大きく変わってしまうということです。2つ目は、田舎だからといって、できないことはないということです。

 
 後輩たちへ熱く語ってくれた若者たち。
それを自分と重ね合わせて受けとめ、自分なりの思いをもった中学たち。

 本当にすばらしい出会いだった。
この出会いがこれからの自分の未来へつながっていきますように。

 大人も負けてはいられない。
しっかりとした背中を見せていきたい。

 ふるさとの未来は、明るい。

                        岬人(はなんちゅう)


私たちの後輩へ ~ふるさとで生きるということ~ 1部

2014-02-20 | ブログ
 変化の激しいこれからの社会で、どんな若者を育てていけばいいのだろうか?
もちろん、そんなことを私みたいな者が考えなくても、若者たちは自然に育っていくのだろうが。

「ふるさとを生き生きと語れる若者」に育ってほしいと思っている。

 昔も都会へのあこがれはあっただろうが、情報が密に飛びかう今日、
さらに都会へのあこがれが強まっているような気がする。

 地方の街を車で走っていると、あることに気づく。
それは、プチ東京をめざすがごとく、似たようなチェーン店が道路の両側に連なっている。
日本のどこを走っても似たようなもの。
大洲をみてもそう。
 その土地ならではの特徴ある店や町並みはどんどん消えているような感じがする。
地方のプチ東京化とでも言えるだろうか。


 地方の基幹産業は、がんばっているのだが、なかなかきびしい。
佐田岬の柑橘農業、漁業も例外ではない。
 親や大人は、本心ではないだろうが、
「仕事がないので、地元に残ってもしかたない。都会で就職するしかない。」
と言って若者たちを送り出す。

 そんな言葉を聞いた若者たちも
「親や大人がそういうのだから、そうなのかな。都会は便利で、刺激的で、夢があるかも。」
と思ってふるさとから出て行く。

 このような先には、どんな暮らしがあるのだろう。
ふるさとの田舎では。都会では。



 しかし、それとは正反対の様子も見られる。

 先月1月22日(水)、三崎中学校に7人の若者たちが訪れ、
中学生や保護者のみなさんに熱く語ってくれた。
聞いていて、心が熱くなるのを感じた。

 その様子は…   (2部につづく)


                 岬人(はなんちゅう)