第157話. 気になった音楽(26) Prefab Sprout『Hey Manhattan!』

2018-08-07 20:35:38 | 気になった音楽
湖畔人です。

ここの所続けて“透明感”のある曲をずっと紹介させていただきましたが、取り敢えずこの曲を最後にこの“透明感”シリーズは一旦終わりにしたいと思っています。また何時か頃合いを見て再開をしてみたいなと思っています。この曲も第154話で紹介した二曲と同じくネオアコ枠からのご紹介でして、今回も、前回同様、天才ソングライター、パディ・マクアルーン率いるプリファブ・スプラウトの曲を紹介させていただきたいと思います。今回は彼らの名盤『From Langley Park to Memphis』からの一曲で『Hey Manhattan!』と言う曲を紹介させていただきます。今回は純粋な“憧れ”の気持ちを目一杯に素直に表現している、と言う意味で“透明感”“純粋さ“が感じられる、と言う事で、選ばさせて頂きました。パディは、ガーシュウィン等ニューヨークの演劇や映画の音楽関係者達、所謂ティン・パン・アレー周辺にいたアーティスト達から多大な影響を受けていたようでして、ニューヨークと言う街には特別な思い入れがあったようです。ですから、この曲は、イギリスの地方都市から出て来たお上りさんである彼が、ずっと憧れていた世界都市ニューヨークにやって来て、興奮冷めやらぬその息遣いをそのまま歌にしたような一曲なのです。“この通りって、確かフランクシナトラも歩いていた通りですよね?ヤバくないですか?”みたいな、パディの息遣いやソワソワ感、ワクワク感がストレートに伝わってくる楽曲となっているのです。でもこの彼の子供じみた興奮であっても、彼のその音楽的才能と言うフィルターを通すと、こんなにも素敵で洗練された音になって現われて来るのだなぁ、と思うと、本当にその才能と言うものの凄さに改めて驚かされるのです。と同時に、彼をこの創作に駆り立てた所の、この“憧れ”と言うものの力を再度認識させられましたね。“愛“と並んでこの“憧れ”というものは、本当に強い力を人に与え、強い創造力の源泉に成っているようです。その“憧れ”の対象が“未来”であれ、嘗て存在した“過去”であれ、“外国”であれ、“異性”であれ、何かに憧れると言うのは、本当に強い力を人に与えるようです。

さて、『Hey Manhattan!』と同じように、ニューヨークをモチーフにした曲としてガーシュウィンの『ラプソディーインブルー』がございますが、このタイトルにある“ブルー”という言葉は“ジャズ”から来てるのだ、とか、いやいや、これは実は“ブルース”の事を指しているのだとか、色々と諸説があるようなのですが、私等は単純にその字面の通りニューヨークの青い摩天楼の事を言っているのかな、と思ってしまうのです。マンホールから湧き出てくる蒸気が街に霞を作り出し、まだ日が昇る前の地平の先から届く朝の青い光線が、その霞に反射、拡散して摩天楼を青く輝かせている、そんな朝のマンハッタンの涼やかな情景を想像してしまうのです。パディの描くニューヨークもガーシュウィンと同じく、青くて涼やかでとても洗練されたイメージだなぁと思いますね。
プリファブ・スプラウトは、『looking for Atlantis』とか、『God watch over you』とか、神や古代文明を歌った曲も数多く出していまして、まあ、ある意味同じような志を持った仲間なのかなと思っています。この世界には太古の昔より、人類の進化を導く世界の中心的な神々のチームがいて、その指導グループが企画立案した様々な文明の中を我々は何度も転生輪廻しながら生きて来ており、その歴史も、我々が歴史の教科書で習うものより、もっとずっとずっと古くて、とてもとても長い時の中を我々は何度も転生しながら生きて来たのであり、それら数多い人生体験を通して、より優れた、より愛深き、より知恵深き存在に成らんと修行を続けている時の旅人が我々なのである、と、そうした認識を私等は持っている訳ですが、彼もまた同じような世界観を持ち、彼らは彼の作品を通して、人々にその尊い出自に気付いてください、それに見合った愛ある生き方をしてください、と、そう願いを掛けているのではないかと思うのです。でも、一点違う点があるとすれば、実は彼はトランプ氏は嫌いみたいでして、そこはまぁ、私とはちと違いますがね。でも、まぁ、そこは、しょうがないかな、人それぞれだし、と思っています。でも、多分、基本はかなり結構近い考えの持ち主なのではないか?と思っています。
と、言う訳で、興味の尽きないネオアコの面々ではございますが、また別の機会を作って色々とご紹介をさせていただきたいなと思っております。

これから数話は、ちょっと戦争関係をやってみたいなと思っております。

それでは、また後日。

湖畔人

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