チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

72歳からーーー

2009年08月15日 09時10分37秒 | 日記
ココシャネルは
57歳から15年間の空白の日々があり
72歳で再スタート
このとき鎖を重さにした定番のシャネルスーツ
また鎖と皮を絡ませた定番のシャネルバック
さらにはかかとを開放したシャネルシューズ
大きなイミテーションの真珠のアクセサリー

つまり今も女性の心を溶かせる数々のモードが
全て72歳からの再スタート時に発表されたもの

再スタート時代は
クリスチャンデイオールが華々しく活躍し
サンローランやデイヴァンシーなどの若手が
パリのコレクションを謳歌していた

もうシャネルは過去のデザイナーであった
にもかかわらず
87歳で亡くなるまで
世界中のトップ女性の心を掴んで放さなかった

あまりにも有名な光景
故ケデイが銃弾に遭ったとき
妻のジャクリーヌが着ていたのは
美しいピンクのシャネルスーツ、帽子もシャネル

先日わが友辛口サチコとシャネル映画の後の感想を
こころゆくまでおしゃべりして

72歳の再スタートというパワーに二人して興奮
しかもいつも時代とぴったりと合っている仕事ぶり
モードを作るだけでなく
いつも世界の状況
そして女がどのように生きるのが
もっとも心地よいかということも視野に入っていたと感じたし
何よりも寝食を忘れてわが身をつぎ込む天職を
死ぬ其の日まで現役で貫いている

親友、心友、戦友、同士が次々に亡くなったが
人を大切にするシャネルは若い友人も居た
最後まで心の友であった
心理学者のクロード・ドレイは
シャネルのなくなった其の日一緒にランチをとっている

酒は飲まず早寝早起き
友人を信頼し大切にする
ただしタバコは煙突状態だったようだ

「天職をやり遂げると神に愛されるね」
召される其の日まで自分の仕事をきちんとやり遂げようよ

すぐサボりたがる二人はそう決心して夜の渋谷の街を
黙々と歩いた

シャネルの言葉に
「この世におばあさんは居ない女はみんなレデイーよ」
この言葉にシャネルのモードに対する姿勢が覗える

面白いことに
シャネルの生き方に感動しても
二人ともシャネルスーツは着ない
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