チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

新潟の大雪

2010年02月08日 10時49分44秒 | 日記
日本一の豪雪地帯十日町
に初めて行ったとき
川端康成の雪国の名一節
「国境の長いトンネルを抜けると其処は雪国だった」

「そのまんまね」
と一緒に行った広告会社の男性につぶやいた
まさしくトンネルを抜けると
真っ白白の銀世界

さらに湯沢の駅を降りてからが
凄かった
車は3メートル以上もある雪の壁の間を
突き進む
曲がりくねった山道を行く
除雪をしていない山道は運転をする人に
言葉もかけられない

一歩運転を誤ったら
確実に谷底に落ちる

こんな気象状況の中
あえて十日町を訪れたのは
雪国にしか出来ない織物を見たかったからーー

モノトーン一色の中に閉ざされた町は
色が恋しい 原色がほしい
其処に独特な「かいらしい」色の紬が誕生
色華やかな振袖も町の人たちの目を憩わせる

京都の色と確実に違う振袖が出来る
結城紬や大島紬にはない色の紬が生産される

ショパンでおなじみ
遠くマジョリカ島の壷や絵を模倣した
「マジョリカお召」なるものも登場
きものに
いち早くラメ糸を使って売り出した

太陽の光がほしい
星の輝きを見たい
という願望を着るものにぶっつけたのであろう

訪れてみて心底十日町の染織を理解した
その町の人以上に

アレから暖冬、雪が少なく
しかもテレヴィの普及
十日町の染織が一般の場所で出来るようなものになっていった
今十日町紬は
その頃の30分の一の生産量だという

テレヴィニュースで大雪を見ながら
十日町紬の再生はあるのだろうかと考える
コメント
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