チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

猫のプライド

2010年02月15日 11時24分16秒 | 日記
大好きなタン君が旅立った
サチコサンからその電話をもらったのは
バレエの先輩達の発表会の会場に急ぐときだった

「会が終わったらすぐいくわ」

タン君の枕辺に立つ
穏やかで何もかも安心という落ち着いた気を受け取った

タン君は10キロもアル大猫
黄色の目が愛くるしい

あろうことか
階段を踏み外しそのことにショックを受けて
心臓発作で息を引き取ったという

サチコさんはその様子を一部始終見ていて
思いっきり心臓マッサージも行ったが
成功しなかった

「私があんなに太らしたからいけなかったのよね」
などなど反省の弁にきりがない

「反省しても生き返らないのよ」
この七年間、日々貴方を癒してくれたことに
感謝をささげるほうが
タン君喜ぶわよとチャコちゃん先生

自宅で病気療養をしていた頃
穏やかな春の日差しに床から起き上がり
廊下に立って
ぼんやりと隣家の屋根を眺めていた

とそのとき
昼寝をむさぼっていた茶色の猫が
寝返りを打った拍子にするすると落ちてしまった

「うわーきゃっキャッキャハハ」
と笑い転げながら奥にはいって一部始終を大人に話した
「猫はどこから落ちても怪我はしないけど猫も落ちるんだねえ」
この騒動でチャコちゃん先生すっかり元気になったのだが

道でその猫に出くわしたときの怖さ
じーーーと睨みつけられ
フンと鼻を天井に向けて去っていった

それ以来猫を侮ることは決してしない

タン君自分の失態にビックリして心臓を止めたのだ
どれだけの人に愛されたか
またその存在そのものが人々の心を和ませたか

ヤハリ寿命だと思う
タン君は自分のやるべきことをやり終えたのだ
清いねえ
コメント
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