チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

伝統と品格

2010年02月05日 10時25分37秒 | 日記
相撲は神事
五行思想が形で現れている
青房(東)白房(西)赤房(南)黒房(北)
に守られ中央の黄の土俵で
相撲をとる

塩で土俵を清め
力士は神水を口に含んで身体を浄化する
裸一貫で天地の悪を治める
ということらしんだわ
むかし取材をしたときそう教わった

初場所は生涯で二度升席で優雅に見たが
1回目は
寡黙で強い横綱に凛々しい美しさを見た

二回目は格闘技としてしか認識していない横綱を見て
粗雑な感じを受けた
逆に正面に座って審判をしていた
昔横綱の黒紋付姿に品格と色気を感じた

世界一強いのが相撲取りだという
だからこそ
その強さは凶器にもなることを知る謙虚さも必要なのだろう

1回目の相撲観戦のときは
化粧まわしの豪華さに目を見張った
これぞ
日本の手仕事の集大成のような作品ばかり

そのとき
当時まだ営業をしていた白木やデパートで誂えると聞いた
何故なら星の白と縁起あわせ
手刺繍の職人達も大忙しの日々を送っていた
仕事場も少しでも距離を縮めようと
白木屋の傍に仕事場を構えていた職人が多かった

二回目の観戦のときは大関と関脇の日本人力士が
かろうじて
手刺繍の化粧まわしをつけていた

そのとき
その大関が優勝をし
何かの偶然で優勝パレードに出る寸前の場所に
チャコちゃん先生迷い込み
その力士のすばらしい羽二重の紋付に見とれ
思わず駆け寄って
「すばらしい羽二重ですね」
「おおごっつあんです」
あの触覚はいまだに忘れらないし
あそこまで良い羽二重にそれ以降さわっていない

つまり
こういうことも伝統の一つ
文化の違う力士には
何ゆえに相撲というものが日本にあるのかを
懇切丁寧に教えてあげてほしい

日本人がもっと日本を知らないとね
白黒つけるだけが
いいのではないよとねーー
コメント
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