チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

もの申す

2010年02月26日 09時43分50秒 | 日記
「イトーヤです。先日預かったペリカンの万年筆
あまりにも古くて直せません。引取りに来てください」
とおにいちゃん
カチン!

修理をお願いに行ったときの女店員
「手作りの頃のですね大事に使っていただいたんですね
いまはこういう手作りのものはありません」
と丁寧な応対

その気分で心待ちしていたら
なぬ!
古すぎるだと!

引き取りに行くと
「こちらですね古すぎて修理できませんでしたっ」
と放り投げるネーちゃん

古いといっても50年前のもの
今は亡き師匠にいただいた
そしてチャコちゃん先生が書いた本の全てを
この万年質が働いてくれた

ヘンなビニールの袋に納められた万年質を手にとって
思わずこみ上げるものがあった
こんなネーちゃんにこの万年筆の真価はがわかってたまるか!

しかし
たかだか50年の歴史の中で部品がなくなるというのは
天下のペリカンとして恥ずかしくない?

同じ売り場には
50年前と同じデザインのボールペンがおいてある
スイスのcaran d'ache
先日40年前のボールペンの部品とっかえをしていただいた

エルメスのハンドバックも
45年前のものの取っ手を取り替えた

アラジンの魔法瓶も修理した

ブランドといわれるものは
作ったら永久に修理に応じるべきではないかいな

そこへ行くときものはすごい
何百年も前のものでも修理して使える
桐ダンスもそう

家に帰って愛する万年筆をじっと見ていて
日本人の手仕事のすばらしさを改めて知る
この人其れを教えてくれたんだと感謝

チャコちゃん先生は文房具が好きで
よく伊東屋に足を運ぶ
こんな応対を受けたのは初めて

ものに愛着を持てない人たちが多くなったのだろう

いいものを長く使おうとする人間は
「古すぎてダメな人です」
と片付けられる世の中なのかなあーー
コメント
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