チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

繋げる

2010年12月02日 13時56分37秒 | 日記
思いがけない素晴らしい夜
エルメスのテーマーは「繋げる」つないでいく
と言うことで
昨夜は草月会館でたった一夜の三番叟の舞台に招待を受けた
三番叟を演じるのは当代きっての狂言師野村萬斎

囃し方も
笛の一噌幸弘 小鼓は大蔵源次郎 大鼓亀井広忠
地謡も石田幸雄はじめそうそうたるメンバー
舞台装置がシンプルで力強い「根」が美的に描かれていた

三番叟を舞う野村萬斎は心霊の姿が見え隠れする気配を
静かにまた激しく舞う
300人あまりのたった一度限りの客は
固唾を呑んで舞台とともに息をする

外国の企業が日本の古典芸能をつないで見せる

終わったら日比谷のペニンシュラホテルまで全員ハイヤーで移動
其処には素晴らしい料理とシャンパンが待ちうけ
立食ではあるが、料理の皿が空になることがない
この「おもてなし」に感動

主宰のエルメスの社長、日本の支社長はともに
ただ静かに客と話をしているだけ
仰々しい挨拶もない
チャコちゃん先生は
淡い藍色地に若冲の葡萄から草を白あげした訪問着を着用
其れを社長、支社長ともにしきりに褒めてくださる

それよりこの会社の
「文化をつないでいくことに力を注ぐ姿勢が素晴らしい」
と通訳を通じて訴えると
にっこりと握手

デザートルームに席を移し
アルコールも入って少し賑やかな雑談がアチコチで始まる

当然のことながら
ほとんどの女性はこの会社のバックをもちドレスを着ている
連れの男たちもエルメスフアミリー

最近さっぱり購入歴のないチャコちゃん先生肩身が狭い
しかし担当のIさん
「ナカタニサマは日本の文化に造詣が深いので」
誘ってくださったのだという
彼女の客はチャコちゃん先生のところ二人のみ

このおもてなしも見事
最後はハイヤーで自宅まで
そういえば
「御車でのご来場はご遠慮ください」
としたためてあった
お神酒を飲んでゆったりとして欲しいとのもてなし

今この時代にこの「おもてなし」

そうそうエルメスのスカーフを割き織りして
袋帯仕立て締めていた婦人がいた
ナルホド

「つなぐこと」「おもてなし」を考えさせられた夜だった
コメント
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