チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

色が美しい

2011年07月21日 14時45分32秒 | 日記
花屋の前で立ち止まる
花の色の美しさに見とれる

雨が上がって庭の花に光が当たる
山百合やグラジオラスのオレンジや黄色が
太陽の光に照らされ光り輝いている

こういうとき
「色は光だなあ」
とつくづく思う
そういう歌が万葉集や古今集に残る

万葉集の歌の中には
草木染の手法と恋を掛け合わせた歌が12首ある
この歌を基にして
草木染の山崎斌先生がその色を布に染めた

山崎先生の染めた草木染の色があまりに妖しく
その色に見せられたチャコちゃん先生はきもの道に分け入った

布や糸に染めた色が太陽の光線に当たって変わっていくサマもすごい
貝紫始めは黄色少し緑そして光によって紫に落ち着く
藍もそう瞬間は緑そして光に当たって青になる
紅花は水に入れて布や糸を光に受けて振ると唐紅になると
古今集にあるが今でもそうやって紅花を染める

山岸幸一さんも染は光、風、水の結合とおっしゃっている

染色の移り変わりはまるで光とともに居るような錯覚になる
光合成をするのだ

日本人は一瞬の光の色を歌や詩に作り上げてきた
それに留まらず料理や建築物更に調度品に表現した
幕末に日本に上陸したハリスを筆頭の英国人たちは
「穏やかで優しい色を身にまとっている日本人」
という文章を残しているが
光より激しい色を身に付けないという知的な色彩感覚に驚いたようだ

こういう先祖を持つことに誇りを持つ

そういうことを感じながら
久しぶりに顔を出した太陽の下で植物とともにお茶する幸せ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする