チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

旅が旅を呼ぶ

2012年06月10日 11時05分13秒 | 日記
大分で義兄の七回忌を済ませ
長姉と二人で湯布院で遊び
JRで浜松に帰る姉を見送って大分飛行場に赴く

東京の大雨の影響で羽田出発が遅れ30分の遅延だという
航空内のレストランに座る
姪から「中津の日本蕎麦が美味しい」と聞いたばかりなので蕎麦を頼み
テーブルにあった地図を広げてみていると

突然道を隔てた隣のテーブルから声がかかる大きな声だ
「センセイ格好いいですな」
「ハアーイ?ーー」
見るといかにも漁師風の男とその情婦といった感じの女がニコニコ顔を向けている

「踊りの先生・?」と漁師
「いいえ」
「じゃあ小唄化三味線?」と情婦風
あくまでもセンセイなのだ

「両方違うのですよ先生ではありませんよ」
「いやなにかの先生という風格だよ」
「まあまあ漁師さんですか?」
「そうだようウナギ採りの日本一の名人だよ」
「まあウナギ大好きしかも最近は天然ものは少ないから貴重ですよね」

「そうだよセンセイ今度おいでよたくさん食わしてあげるから」
「おねえさんほんと格好いい絶対おいでよね」と情婦さん
「おいでよと言われてもどこなのですか・?」
「ああそうだ」

二人してチャコちゃん先生のテーブルに引っ越してきて
見ていた地図の上に
「おーおい赤鉛筆もってこいや」
と言ってご自分の町に印をつけてくれる
「これこちらのーーー」
「いいからいいから持っていきなついでに住所と名前も書いとくわ」

そうだそうだといいながら
「いまちぎってきたばかりだよ」
とハウスミカンを両手いっぱい差し出してくれる
「いただきます」

ウナギはどうやってつかむといいのかと質問すると
「今度実地で教えてやるよセンセイ絶対来なきゃあダメだぞ」
「ええ必ず」

席を立って伝票を持とうとすると
その漁師さん引っ手繰って
「俺払っておくからこの借金絶対に払いに俺んちまでおいでよ」
情婦さんも
「おねえさん必ずね町中で待っているからーー」
「では借金払いに必ず伺います」

変な約束ーーー
でもまた新しい旅の目的ができた

飛行機の検査場に入ろうとすると
「センセイかならずまってるよーー」
と二人が手を振って見送ってくれる

これもきものの効用かーーな
コメント
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