チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 50

2018年11月14日 11時21分14秒 | 日記
湯文字
これはチャコちゃん先生から外せない
はじめての湯文字は母が作ってくれたものだった
「なにこれ、変なの」
「着物を着たらズロース(ごめんなさい恥ずかしい)なんて穿いてはいけない」
「何でですか」

とにかく昔から着物の一番下のものはこれ
用を足すとき着物や長襦袢と同じように左右左右と布をめくっていくとスムース
一番下に脱いだり穿いたりという別の形のものがあると着物の裾が乱れるしひいては着物全体が着崩れる

とこんこんと諭された
しかしなれないのでスースーして寒い
それを言うと「ネル」の湯文字が送られてきた
バーさんぽくて我が美学に反するのでそれは使用せずにいて最近になってよほど寒いときに使う
(格好つけだ)

365日着物をを着て生活する実験をしているので
この湯文字も力布のところに工夫が加えて更に使用しやすくした

というのは歩いている途中
「あらーー」と足元にズルっと布が落ちてくる
横断歩道などでその時が来ると大慌て
しかし見事に手早く取り外す(この手際の良さは大したもの)

ということが数回あって力布のところだけ従来の湯文字より体にフイットしやすくした
それ以来一度もズルっはない

ある時
湯文字をしていた昔の女性を集めて座談会を行った
今はもうなくなっているけど高田馬場の大都会というところだ
当時80歳以上で湯文字愛用者に6人集まっていただき話を聞いた

「なんでこんなおはなし会をするのかよくわからない」
といわれ実は今の着物下着はこんなものでと当時市場で売られているものをお見せしながらの座談会

切り口で
「生理の時どうしてらしたのですか?」
「どうってこのままですよ」
「アノー汚れたり粗相したりしませんか?」(実は私が一番困っていた)
「だっておしっこ行きたかったらトイレに行くでしょう?」
「はー」
「それと同じ私らは催したら行くというそういうことです」
「何も当てずトイレで流すのですか?」
「悪い?」
「いえいえびっくりしています。よる熟睡しているときは?」
「夜中おしっこ行きたくなったら目が覚めますワね。それと同じ」
「だって失敗しませんか?病気のときは?」

しつこく色々聞いているうち、現代女性(当時若かったからね)の自分の体に対しての鈍感さに恥ずかしくなってしまった
おばさまたちは自分自身の体から送られてくる信号をキャッチしてているので未病でいられる」
「だって主婦が寝込むとその家は不幸になるでしょう?」
この言葉は胸にストンと落ちた (この項つづく)

#湯文字 #ネル #生理 #大都会 #ズロース

コメント
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