チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 52

2018年11月18日 15時16分13秒 | 日記
自分自身が着物を着ることより
人がどう着物を着ているかが気になりだしたのは
365日着物実践6年めのこと

当時担当していた「きものサロン」で
いろんな職業の人の着物の着付けを取材する企画を立てた

京都は芸妓 舞妓
東京は芸者 半玉
その他の地域はそれぞれこの呼名を借りて使っていることを知った
当然着方が違う

京都の芸妓はおきいお太鼓を結ぶ 舞妓はだらりの帯
東京芸者は柳結び 半玉はだらりの帯だが京都の舞妓と微妙に違う

まずここから取材
肌襦袢裾よけ(けだし)腰紐の素材、半襟、帯揚げ、なんとなんとこんなにも違うということがわかり仰天する

東京の芸者あの半衿は殆ど鬼シボのちりめん
三河芯の長く手厚いのに縫い付けて一般の半襟より15センチも長い半襟をつける
しかも長襦袢は紅絹 美しい
おとこしさんが毎日新しい半襟を付ける
一回使ったものはその芸者さんには二度と使わない(贅沢だ)

何回か通ううちそのお下がりをたくさんもらって持ち帰り研究
そのころ着物フアッションショーを手がけていたのでありがたく使わせてもらった

京都の藝妓さんの半襟はまた違う
京都は長襦袢の襟がそもそも広襟で分厚い三河芯など使う必要がない
はんなりとはこのことか、やや柔らかい襟元にほんのりとした色気が漂う

キリっシャキッとした江戸前の芸者と
はんなりおっとりの京都の藝妓は襟元で決まる

その襟元の雰囲気をさらに強調するのが帯結び
江戸はお腹もお尻もまったくないよというくらいあかいちりめんの三尺布できりりと巻き
その上に帯を互い違いにみょうが巻きみたいに巻いて柳結びにする

京都の藝妓はあくまでゆったりはんなり
お太鼓も大振りだこれはまたこれでとても女らしくて色香が漂う

そして極めつけは着装のコツ
下前の持ち上げ方上前の引っ張り具合
帯の下側をどうキッチリするか

なるほどなるほど
この取材後チャコちゃん先生の着物の着方は全く変わった
そして二箇所の着物の着方を素人用に考え抜き実験し自分自身の着方にしてしまった

パクリ専門だが長く修正しながら最も気持ちの世生き方ができるのもこの取材あってのこと

今考えると赤坂、祇園の売れっ子芸者がよくぞ下着から写真を取らせてくれたものだとただただ感謝
時々その写真を眺めては正すところを考えている

舞妓や半玉はいかに少女の体に見せるかが基本なので
これは子供の祝い着の着せ方の参考になった

#藝妓 #芸者 #舞妓 #半玉 #半襟 #帯
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする