チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 58

2018年11月29日 17時07分05秒 | 日記
東京・京都着物の違い

東と西は着物の着方が違うだけではなく
季節の捉え方
組み合わせ
素材の選び方
色の好み
ああーーこうも違うのか

それが細かく細部までわかったのは祇園のお茶屋の女将安藤孝子に知り合ってから

ぎおんの「あんどう」に初めて染屋の社長に連れて行かれたとき
なんと感じの悪いことだったか
江戸女と聞かされたときから安藤孝子はほとんど私を無視
江戸の女は野暮ったいと思っているらしく話題にも入れてもらえぬ
30代そこそこの小娘が大手の会社の社長に接待を受けていることが気に食わないのか
銀座ではそんな仕打ちを受けたことがなかった
(西の女はめんどくさいなあ)

彼女がよみうりテレビの11PM初代司会者として名を馳たことは知っていた
しかし早寝のチャコちゃん先生余り見る機会がなかった
首をかしげておっとりした挨拶をちらりと見て終わりという感じ
だから「オセイジ」の一つも言えないでくの坊
それにこの歳で色々企画を成功させているので人に媚びない生意気さが相手に読めていたのだ
(後にそこが好きだと孝子はんいってくれた)

その時私の着物は泥染めの大島紬にその社長のところで染めた淡い紅色の撫子の染帯(今もある)
彼女は白っぽい着物に刺繍の帯をして華やいでいた
(ああーーこういう組み合わせが着物の醍醐味なのかとちょっとひるんでいた)

その後3回位顔を出したが対応は同じ
四回目一人で行き自腹で飲んだ
これが二人を一気に近づけた
京都は一見さんはお断りしかし続けていくとかくも態度が豹変

京女の着付けのいろはを手取り足取り教わった
なんたって3歳から着物を着続けている
ゆったりゆったり着付けていく
歩くときもゆったり草履の鼻緒もゆるい

その頃東京では「染めの着物に織の帯、織りの着物に染めの帯」という規則があった
しかし京都では染めの着物にも染めの帯を合わせるのは当たり前
礼装には織り帯を組み合わせるので織の帯には質のいいものを選ぶ
振り袖に帯を花のようにする帯結びはしない

染帯は季節を表すだけではなく素材を楽しむ
一日だけの帯というのもありの世界
例えば大文字焼きの柄、招きの柄など
また特別仕立ての付け帯も多くの人が愛用している

帯を切って使うなんて東では考えられない時代だったのでその柔軟な考え方に共鳴
「お江戸の人は塩瀬がすきどすなあ」
京都では塩瀬は4・5月 その頃はちりめんの帯が少ない東京だが
京都では10・11月の染帯は縮緬

それ以来大の仲良し
少し前まではふたりでトークショーもしたが
辛口のつっこみは孝子はん
チャコちゃん先生はぼけ
見た目の全く違う中身の二人

#安藤孝子 #祇園 #縮緬 #チャコちゃん先生 #付け帯 #染帯 #11PM
コメント
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