チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

大菩薩峠

2013年06月22日 10時04分31秒 | 日記
国語の教科書に出てくる中里介山の小説
しかも膨大な登場人物がいてそれぞれの生き方や宗教観などが書かれている
といってもチャコちゃん先生全編を読んでいない

だけど中里介山が言ったという言葉がやけに頭に残っている
「女遊びはかまわない、其れは魂を傷つけぬから
恋はいけない、魂を傷つけるから」
この言葉を聞いたのは高校生の頃
小説かぶれの兄からだがそれがトラウマとなって恋をするのが怖かった

大菩薩峠という本はそんな思い出をチャコちゃん先生に残していた

そして昨日国立小劇場で劇団若獅子による大菩薩峠の芝居を見た
いつもの文楽の劇場と雰囲気がまるで違う
まず紳士が多い
60%が紳士だ
「なんでこんなにオトコの方が多いのかしら」
とご一緒した三田佳子さんにつぶやくと
「新国劇だからよ、昔からソウナノよオトコのフアンが大勢いらっしゃるの」
「ほー」

新国劇に緒形拳が在籍の頃一度は行きたいと思いつつ目的を果たせなかったがーー
その緒形拳も大菩薩峠の主人公机龍之介をなさっている
新国劇と言えば辰巳柳太郎、島田正吾その前の創設者澤田正二郎
また俳優も演出家も早稲田出身者が多く
観客もドウモ早稲田のにおいがする男達が多い

大菩薩峠がどうしてこんなにもオトコを惹きつけるのだろうか
体制に反発しながら世直しを素直にやれずアウトローとなって生きていく
剣も智もありながら世の中に適応できない
そう言うオトコの心情が男達の心のツボを押さえるのであろうか

三田佳子さんの初舞台が此の大菩薩峠の「お濱」役
新国劇始まっていらい島田正吾と辰巳柳太郎が日を分けて主人公の机龍之介を演じた
お二人が同じ役を演じたのは後にも先にも此の役だけだそうだ
そのお二人の相手役を28歳の三田佳子さんがつとめた
プログラムに写真が載っていたが美しく妖艶
「いいですねえ」
「ははは28歳ですからね」

ところで此の舞台を見たのは三田さんのご長男「森宮 隆」さんが机龍之介を追う兵馬の役で出演
母の心で舞台を見つめる三田さんの横顔が不安と慈愛に満ちていて
演技をしていない素の美しさに見とれてしまった
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