チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

半衿と二十四節気

2015年04月07日 09時43分03秒 | 日記
母は半衿分限者だった
半衿つづらが四つあってその中にはそれぞれの季節にあうものと
お人に差し上げる新品が入っていた

戦争で家が全焼しているので
戦前のものは少ないが
それでも着物と下着を疎開していたのか
其れに附いていた半衿は後生大事に使っていたようだ

そもそも
何か頂き物のお返しには必ず半衿を包んでいた母だった
最もそれくらい当時は着物を着ている人が多かったと言うことであろう

そのとき覚えたのが
半衿には二十四節気という季節に合わせた素材と
着物の格に合わせたものがあるということ

聞くともなしに聞いていた知識であるが
いま季節にあった半衿が果たしてあるかどうか怪しい

今頃の季節に合わせる「東雲」や「明け雲」はない
5月の立夏から合わせる絽縮緬の薄のはかろうじて探せば手に入る

着物を着る人が少なくなれば
当然半衿に限らず着物や帯の素材もすくなくなる
こうして日本から技術が消えていく
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