久しぶりに浅草に行ってきた
目的は7足の草履のかかとを修理してもらった代金を支払いに行くことだった
鼻緒をすげるのを眺めながら、代金を支払って、更にあれこれ手にした下駄を選び鼻緒すげてもらう
「ちょっと前だけ緩めて」
「ここ右足の方を少し強めに」
など職人さんと話しながら、店主の女将さんにあれこれ教えていただく
店先に座って時を過ごすのは至福
前をいろんな国の人がそぞろ歩いている、その一人一人が必ず店をのぞき込んでいくのも面白い
目的の店は伝法通りにある「辻屋本店」、そこに行くには地下鉄を出て観音通りを行けばすぐなのだが、正しく仲見世通りから入り、観音様にご挨拶をして、更に浅草神社にお参りをし、大麻のしめ縄をつくづく眺め、神紋(三本の魚網、これは江戸解き模様の原点)をしげしげとみて拝み、もう一度仲見世を過ぎて「文扇堂」さんに行き扇を購入、更に豆や、せんべいや、和傘やでちょこちょこ買って、老夫婦二人がやっているレトロな喫茶店に行きロイヤルミルクテイでくつろぐ
この店の前の道は、ぞろぞろと絶え間なく人が通るのだが、店の中はがらんとしている
「ああいらっしゃい」女将さんがうれしそうに、タオルを持ってチャ子ちゃん先生に渡してくれる
「ねえ豆やさん無くなったのね」
「ええコロナでね、仲見世では一番古い方の店だったのよ」
「手焼きせんべいの店もなかった」
「それもねコロナでね」
7割の人が外国人なので、立ち食いできるものか可愛らしいものしか売れなくなったという。こういう世間話をしてると、だんだん客が増えてくる。日本人の観光客がほとんど、大体グループなので私はカップをもって隅に移動、そのうち私の座るところもなくなり
「またね!」
「きっとまた来てくださいよ」
と送り出してくれる
とにかく着物姿の外人さんが多い
それにしてもどんな体形の人にもきちんと着物を着せている着付け師の腕に感嘆する
着物を着ている男も女も本当にうれしそう
フイリピンの女性が10人着物を着てあちこち写真を撮ってはしゃいでいる
手招きするので仲間に入り写真に納まってきた
辻屋本店についたら日暮れになっていた
どの国の人にとってもきものはあこがれの衣服なのだなあ
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