色の言葉というテーマで昨日「カラーリアム」のオンラインスクールでお話をさせていただいていた時
受講生の質問で「最近高貴な方がたは淡い色の着物を着ていらっしゃるけど、濃い色の方が上流階級の物だと教わった記憶がある」
そうなのですぞ
江戸時代まではというより化学染料が輸入された明治の終わりまでは、日本は植物染料が主体だった
そのためお金持ちは染料をたくさん使えるので濃い色を着れば着るほど富の力を誇示することが出来た
紅花など赤い色を染めるには染料の量もさることながら、何十回も染めなければ緋赤にはならない
染料と労力は半端ではない
庶民の知恵はその紅花の染液を麻の布に浸透させ、その布を染材として赤に染める
しかしきちんとした染め方ではないので、直射日光だけではなく空気にさらしていても色が落ちていく
その色の名前を「薄紅色」などと美しい呼び名で日本人は色を愛した
色が消えるので「退紅」とか「儚紅」とかどうしてこんなに美しい言葉を生み出したのだろう。すごいよね、わが先人たち
しかも同じ色も時代によって呼び方を変えている
そのため色名がたくさん生まれていて、近代はその呼び名に縛られて色をいろいろ作ってはいるが、日本の色は草木花染めであって、季節によっても同じ木から違う色が出るというややこしさ、それを化学染料で追っかけても無駄
植物染料は有機染料なので糸の中まで、しっかり染料が吸い込まれていく
しかし石油や鉱物などでできた染料は、無機染料なので糸の上にしか乗らない、当然江戸時代にまで名付けられた色名とは似ても似つかぬものになる
しかも濃い色というのは濁るか原色になる、そうするとやんごとなき方々は淡い色の方を好むのではないか
しかも明治時代には女官たちが黒や鼠色を着ている
あえて言えば
随分前だったが当時の皇后陛下が戦没者記念式に黒喪服をお召になっていたが、それは違う
すでにやんごとなき方がたさえ色の選択を間違える時代だ(言っちゃった!)
というわけで「和文化継承家養成講座」は佳境を迎えている
第二期を10月から始めるとカラーリアムで決定したので、詳しくは後程
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